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東北調査(番外編①)

長いこと記事にしてきた東北調査ですが,

最後にオフショット集で締めにしましょう
 

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小川旅館の入り口.
 

左手が玄関で目の前にカウンターがあります.

調査で体を冷やして戻ってくると,

いつもマスターが温かく迎えてくださいました.
 

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大槌沿岸センターの設備を見学させてもらいました.

リフォームが進んだ分析室.遠心機などが一通りそろっており,

材料がそろえば分子実験もできそうでした.
 

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謎の黄色い扉を発見.

結局最後まで開かずの扉でした.
 

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思わず配管の構造を調べだす.山名さん.

もはや業者さんのようでした
 

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震災の爪痕も,まだまだ残っていました.
 

私が2009年に訪問した際にお世話になった宿泊棟はまだ復旧していませんでした.

白ペンキで書かれた3/18の文字は,おそらく捜索隊の残したものでしょう.
 

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未復旧の階を見せてもらいました.

ほとんど何も残っていない部屋ばかりです.
 

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窓ガラスも割れており,屋外状態のままです.
 

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壊れた配電盤.
 

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ここはミーティングルームだったらしく,

スクリーンはまだ生きていました.
 

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玄関も今は見る影がありません.

確か以前は水槽等があったはずですが.
 

エレベーターの扉.

最初は津波で変形したのかと思ったのですが,

捜索隊がこじ開けたのかもしれませんね.
 

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天井に巡らされた配水管も今は使われていません.

それなりに価値があるものなのに,もったいないです.
 

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個人的に一番印象に残った景色.
 

この写真,左側が海になりますが,この鉄階段は,

その海側に向かって強い力がかかったように見えます.

実は津波の引き戻しの際に,津波とともに流されてきた物の圧力で,

このように海側に向かってまがっている鉄製の建造物が多いとのことでした.
 

まさに,百聞は一見にしかずです.

フィールド調査中も,このような津波の影響を目の当たりにすることができ,

まだまだ復興中であるという現実を身に刻むことができました.
 

続く


東北調査⑨

調査を終えた一向.

調査の最終日と言えば...
 

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そう
 

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打ち上げ 
 

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終始お世話をしてくださった広瀬さんと共に,

東北の焼肉に舌鼓を打ちました
 

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肉を喰らいまくれ

小川旅館の食事ももちろん美味しかったのですが,

焼肉には不思議な魅力がありますよね.



 
 

こうして,東北最後の夜は,意外にもで更けていきましたとさ.


 

 

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こうして一週間にわたる東北調査は幕を閉じました.
 

出発の朝,小川旅館のマスターと調査メンバーでパシャリ.
 

お忙しい中,写真撮影に応じてくださいました.

最後の最後までお土産を渡してくれたり,

帰りが遅くなった時はわざわざ外まで出迎えてくださったり,

本当に心温まる歓待を受けました.
 

調査の半ばくらいには絶対にマスターと一緒に記念撮影を撮ろう

と皆で誓いあっていたくらいでした.
 

次に大槌に来る時も絶対小川旅館です.

っていうかみなさんも,小川旅館で決まりです


 

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コチラは,朝ごはんの時に作ってくれたドーナツを,

何と復路のおやつ用にたくさん持たせてくれました

小川旅館の温かい心遣いに,

ほんとに最後の最後までお世話になってしまいました
 

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釜石から新花巻まではローカル線の旅.
 

往路ではもう暗くなっていたので気づきませんでしたが,

この釜石線は銀河ドリームラインとも呼ばれていて,

釜石線の前身が宮沢賢治の銀河鉄道の夜のモデルと言われている事に因み,

各駅に作品中でよく使われているエスペラント語の別名がつけられているそうです.
 

こちらの宮守駅には

「Galaksia Kajo(ガラクシア カーヨ)」という別名がつけられていました.
 

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途中,銀河ドリームラインの看板に書かれていた図の中に...

カシパン

...ここまで来ると職業病ですねbr] 

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新花巻から新幹線に乗り換え.

のどかな田園風景も見納めです.
 

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新花巻で購入した釜飯弁当と一緒に,

風景を楽しみます.
 

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東京まで,徳田博士,太田博士と一緒に,

新幹線でのんびり移動しました.

(電車の時間が合わなかった山名さんは釜石でお別れでした)

本当に楽しい調査でした.
 

お世話になった広瀬先生をはじめ,

東京大学国際沿岸海洋研究センターの皆様,

小川旅館のマスター並びにスタッフの皆様,

そして調査に同行してくださった徳田さん,山名さん,太田さん,そして千徳さんに,
 

心から感謝を申し上げます.
 

本当にありがとうございました


東北調査⑧

気付けばこのレポートも第8弾になりました.
 

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ドレッジで採れたサンプルを,各自でさばきます
 

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篩などを使って,泥などの底質を取り除きました
 

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とはいってもこの状態.この中からそれぞれの方法で研究対象を探し出します.
 

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千徳・徳田ペアは微小なサンゴを取り出すため,

白いバットに少しずつとり,肉眼で注意深く探し出します.
 

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太田さんはさらに小さなウミクワガタを採集するため,

顕微鏡下での作業になります.

彼は砂だけでなく,メイオベントス採集で行われる,

洗い出しのサンプルもみなくてはならないので,

かなりの作業量になります.
 

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コチラは山名さんのナマコの作業.

タッパーの中の麻酔液にしばらくナマコを浸します.

基本肉眼で見えるため,細かい作業は必要ありませんが,

研究に耐える標本にするためには注意深い麻酔が必要不可欠で,

こちらもかなりの集中力を要します.
 

ちなみに,この麻酔液は山名さんが考案されたらしく,

メントールとエタノールがいい感じに配合された水溶液です.

人呼んで「Yamana Solution
 

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廣瀬先生も作業中.
 

大槌湾のガイドブックづくりのための生物の写真を集めておられるそう.

勿論,ご専門のコケムシもたくさん採れていました
 

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一見いなさそうに見えても,時間が経つと生きているものが何らかの動きをおこして

自ら這い出てくる場合があります.
 

徳田博士,千徳博士の対象でも生きているものが見つかったのでしょうか?
 
 

そうこうしているうちに,全日程の調査を終えました

が,皆さんが持ち込んだ調査用の荷物が重く,

一回まで運ぶのは至難の業...
 

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そこで,広瀬さんがクレーンを駆使して荷物を降ろしてくださいました
 

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おおー!大きな籠に入った荷物が,ゆっくりとつりさげられます

 

 

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下から激写!とっても楽におろすことができました

クレーンを操作してくださった廣瀬先生,ありがとうございました
 

 

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 廣瀬先生のお車を借りて,ヤマトに荷物を運ぶことができました

何から何まで本当に感謝です
 

 
 

こうして,一週間にわたる東北調査は終わりを告げました.
 

そして残るは...
 

続く

 


東北調査⑦

 

磯採集とか化石調査とかいろいろしてきましたが

この東北調査の真の目的は

ドレッジ採集なんです
 

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台風の影響もありましたが,ついに最高のコンディションが訪れました



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徳田博士と千徳博士も準備万端

7:00から集合して,たくさんのポイントをめぐります
 

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船着場までトラックで移動.

4人の技官さんがとてもテキパキと準備を手伝ってくださいました
 

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救命胴衣を着て準備万端

廣瀬先生も同乗してくださいました
 

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こちらが沿岸センターの調査船「弥生」です.

実は震災で流されてしまった旧弥生は結局発見されず,

この新型弥生はごくごく最近建造されました.
 

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こちらが船尾...む,なんか見たことある

瀬戸臨海のヤンチナとそっくりです
 

それもその筈,実はヤンチナと弥生は同じ設計図を元に作られているそうです

兄弟船ですね
 

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CTDも搭載
 

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こちらが弥生で使われているドレッジです.
 

瀬戸臨海で使っているものはもっと金属部分が多いのですが,

こちらは網部分が多くなっています.
 

あまり岩場などは曳けないのですが,

砂地や泥地などで効果を発揮する作りです.
 

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準備も整い,早速出港

ひょうたん島をお沖から眺めると,よりひょうたんです
 

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ご覧下さいこの穏やかな水面

待った甲斐があるというものです
 

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海底地形をリアルタイムで3D構築しています.

なんというテクノロジーだ...
 

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ハイテク機器にキャッキャしているうちに,ステーションに着きました
 

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基本的にこちらが手を出さずとも,技官さんが全てをやってくださいます

乗船調査は,船によってルールが違うので面白いです.
 

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深海から帰ってきたドレッジ

泥を吹き出しているのは,たくさん採れた証拠です
 

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ドサーッ

ドレッジの実力発揮です
 

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いろいろ採れていそうですねー.

早速海綿が見えています
 

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とりあえず目に見えるものは船上で分けちゃいましょう
 

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この日は結局9地点も曳いてもらいました
 

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持ち帰ったサンプルを,陸上でより分け中.

果たしていいものは採れたかな?
 

続く


東北調査⑥

東北調査の続きです
 

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波が落ち着いてきたので,

センターから見えるひょうたん島で採集を行ってみる事にしました
 

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遠目にはポストのような灯台も,近くで見るとなかなか巨大です.
 

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ここでも凌君のカサガイがたくさん採れましたよ

しかしクモヒトデは採れず!残念!
 

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そして,一同はとある海岸に来てみました.
 

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この転石帯に何があるかというと... 
 

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一見何の変哲もない岩ですが,

よく見てみると... 
 

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石に埋もれて白い何かが見えます 
 

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 実はコレ,ウミユリの化石です
 

 ウミユリは有茎類と呼ばれるように長い茎部を持ちますが,

この写真に見えているのは,その茎の断片です.
 

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コチラは断片の断面ですね.

しっかり星形で,五放射であることが見て取れます.


 

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サンゴの化石もありました

ううむ,確かにこれはサンゴですね.

中生代の地層ということですが,実によく保存されています.
 

ということで,とてもためになる化石観察調査となりました
 

続く.


東北調査⑤

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お昼休みを利用して研究紹介を行いました

自立型のスクリーンとプロジェクターです
 

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オサレにランチョン形式です.

美味しいお弁当がワンコイン価格。大槌の食は最高ですよ
 

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徳田さんの研究紹介.

古生物学的な手法を基礎にして,分子系統,飼育等を組み合わせて,

単体サンゴの底質環境への適応を調べた興味深いお話でした.

最近古生物の分野に触れるようになって思うのは,

古生物学と(現生の)分類学の境界が薄くなってきているということです.

今後もこの動向に注視する必要があるかもしれません.
 

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山名さんのお話.

現在の博物館でのお仕事の紹介と,学位を取られたときの水産関係の研究紹介でした.

主にナマコの種苗などに関する話でしたが,

普段は聞けないような水産の裏話なども聞けて非常に新鮮でした
 

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現在琵琶湖博物館に籍を置いている太田さんは,

博物館のお仕事に興味を持たれたようです.

活発な議論が交わされるアカデミックなお昼でした.
 

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食後は遠方にもうひとサンプリング

こんな砂浜や...
 

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防波堤跡地,
 

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公園跡地の転石帯でサンプリングを行いました
 

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段々潮が高くなってきて,こんな場面も

油断すると長靴に水が入ってしまうのです.
 

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しかしそこは頼りになる徳田さん

胴長の威力は半端じゃありません.
 

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カモシカ?の骨とマヒトデのツーショット

マヒトデは日本沿岸に最も普通に見られるヒトデの一種ですが,

白浜周辺では見られません.ちょっと気になったので撮影してみました.

※マヒトデはこの後,海に帰してあげました.
 

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そして,この日の夕飯は広瀬先生も参戦

マスターの愛の飯に挑戦です
 

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この日のメニューはこちら.
 

勿論この他にスープや餃子が付いてきます.

マスターの愛はこの日も健在でした.

 
 

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食後は広瀬先生の研究紹介

先生はコケムシの専門家で,最近ではその近傍のグループを含んで,

触手冠動物という大きなグループを研究対象とされています.
 

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やはり同じような骨格を持つサンゴと共通する部分があるらしく,

徳田さんも興味津々でした
 

続く


東北調査④

東北調査開始二日目.
 

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ご覧くださいこの台風一過の秋晴れ
 

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今日は磯採集です
 

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センター前のがれき場.

石の隙間に生息環境ができ,

他の場所に比べて生物が多くなっています.
 

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それぞれが専門の生き物を追いかけます.

太田さんは等脚類探し.陸上のワラジムシなどを探しています.
 

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山名さんはひたすらナマコ探し

場所にもよりますが,転石の下などに隠れている種が多いため,

石をひっくり返したり,

砂を掘るとぽろっと出てきます.
 

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千徳博士の単体サンゴや ...
 

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私のクモヒトデは,なかなかこういう場所では採れません.

(一応探しましたが,いませんでした)
 

そこで...
 

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同じくターゲット(単体サンゴ)がいない徳田さんを巻き込んで,

M2の凌君に頼まれたカサガイ探しを行いました!
 

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台風のうねりが残るなか,胴長を装着した徳田さんは,

果敢に深場まで攻め入ってくれました
 

おかげで,たくさんのカサガイ(コガモガイ)が採れました

後日談ですが,なかなかいいものが採れたようですよ
 

皆さんにもそれなりに成果があったようです
 

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今回の注目生物.なぜか,海岸に陸生のコウガイビルがいました.

うーむ,近くの森から迷い込んできたのか,不思議です.
 

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「ついでにひょうたん島の方にも行っちゃおうぜ」
 

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さすがにまだ波が高くてダメでした
 

続く.


東北調査③

大槌調査二日目

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本調査の本拠地となる東京大学の大槌国際沿岸センターです.

震災からはや3年が経過しておりますが,実は未復旧な部分もあり,

現在は3階のみが使われています.

このあたりはまた別の機会にご紹介したいと思います.
 

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ですが,現役の階はとっても綺麗です

こちらは外来研究者の居室.

右奥にいらっしゃるのが,沿岸センターの広瀬先生です.

調査の受入先となってくださいました
 

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こちらはサンプル処理ができる実験室.
 

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流しにずらっと並んだポリ瓶

前日に,広瀬先生が片づけてくださったそうです.
 

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事前送付した調査道具を広げて早速準備を進めますが...
 

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台風の影響でこんな天気.

さすがに船は出せません.
 

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ということでみんなでデスクワーク

なんとWiFi完備で,プリンターまで使えます

大変快適でした
 

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嵐はさらに激しさを増します.

画像右上の島は,

なんとひょっこりひょうたん島のモデルです
 

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デスクワークに疲れてきたころ,

広瀬先生が,底質のサンプルをお見せくださいました

前回のドレッジ調査で得られた底砂だそう.
 

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一気に目の色を変えてソーティング(生物の選り分け)を始める生物屋たち.

砂の中にも様々な生物が潜んでいるのです.
 

テヅルモヅルの骨片がたくさん得られました
 
 
 
 

ということで,調査への期待に胸を膨らませながら,一日目は終わりました.
 
 
 
 

そして,いよいよ夕方...
 
 
 
 

帰路に待ち受ける,宿泊先の「小川旅館」.
 
 
 
 

この旅館随一の特徴...それは...
 
 
 
 

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この豪華絢爛な食事です

一品一品がメイン級のおかずが,
 

多い時には10皿近く食卓に並び,
 

ごはんはおひつ(勿論おかわり自由)
 

食事の途中で必ず餃子(肉ではちきれんばかり)

そして何より,すべてが超美味しい 
 
 
 

海だけでなく,食との戦いの一週間が幕を開けたのでした.

毎回が,満腹の限界への挑戦です
 

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完食後メンバーの様子.
 

小川旅館のマスター

(敬愛を込めてこう呼ばせていただいていました)

の愛でお腹いっぱいになり,

しばらく動けませんでした
 

続く.

 


東北調査②

東北調査のレポートです
 

台風が迫る中,ある勢力が各地から東北に集結しました.
 

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東京駅で白浜の勢力(岡西・千徳)と鳥取の勢力(徳田さん)が合流.

一路釜石へ
 

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まずは新幹線で三時間.

腹が減っては戦はできぬ

新幹線の出発時間まで時間がなかったので,

並び係,食事係などに分かれました.
 

食事係の徳田さんが調達してくださったタイ料理のおいしかったこと

ありがとうございました
 

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ちなみに,なんとこの日は徳田さんの誕生日



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千徳博士の手作りプレゼントが手渡されます.



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おお,これはおむすび丸

仙台で買っていたのはこのためだったのですね



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そしてなんと手作りクッキー

これはイチョウではありません.

徳田博士の研究対象のセンスガイ(単体サンゴ)です

ちなみに,徳田さんは千徳博士の同じ研究室の先輩です.
 

好みを知り尽くしていますね



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そして
 
 
 

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新花巻に到着
 
 
 
 

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ここから在来線に乗り換えです.

単線の線路...高知の高校生時代を思い出します.
 

そんなこんなで,さらに二時間電車に揺られ...
 

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無事に大槌の宿にたどり着きました
 

岡西政典(京大瀬戸臨海:クモヒトデ)

千徳明日香(京大瀬戸臨海:サンゴ)

徳田悠希(鳥取県博:サンゴ)

山名裕介(和歌山県博:ナマコ)

太田悠造(琵琶湖博物館:ウミクワガタ)
 

大槌の海洋生物を調べつくさんとする,新進気鋭のメンバーです.
 

 
 
 
 

続く.


大阪大学臨海実習⑦

いよいよ阪大の実習も終わりました

後は楽しい打ち上げを残すのみ
 

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西田先生を中心に場が盛り上がります.

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花火が始まりました
 

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 「ダンブ○ドア!」

 某有名映画のシーンを再現らしいです
 

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 西田先生を囲って,まるで儀式のようです
 

 
 
 
 

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 皆さん,いい笑顔ですね
 

ふと自分が学部生のころ,

長い夏休みに時間を持て余し気味だったことを思い出しました 


それに比べ,自然環境に囲まれた現場で,

大いに科学を学び,大いに遊んだ彼らは

何と有意義な夏休みを過ごしたことでしょうか.

胸を張って後期を迎えてください
 

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 翌日,きちんと朝から掃除です
 

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 自分たちが使った食器も,きっちりもとに戻しましょう
 

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 宿泊棟をピカピカに掃除してくれました
 

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 恒例のウミウシフィギュアの謹呈と...
 

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 アンケート集計です
 

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そして締めの挨拶.

皆さん,本当にお疲れ様でした
 
 
 
 

そして,この実習を最後に,瀬戸臨海の今年の大学実習は終わりです.

これでしばらくは実習はありません.
 

お酒の学問の秋の到来です
 

色々とやりたいことが溜まっているので,少しずつ消化していきます


大阪大学臨海実習⑥

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一番手はフナムシの行動実験の発表
 

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フナムシのジグザグ行動の検証ですが,

曲がり角にぶつかった際,

初めに左右の触覚どちらかが当たったのと反対の方向に曲がるのでは?

という仮説のもと,実証に取り組んでくれました.
 

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「触覚に注目した実験は初めてだ」

先生方からも意見が飛び交います.
 

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フナムシの行動実験二つ目です.

この班では,明暗が行動に及ぼす影響に注目しており,

迷路にカバーを掛けてみるなどのユニークな実験に取り組んでいました.
 

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「それを検証するためには,他にどんな実験をすればいいと思う?」

学生の意見を引き出そうとする質問です.
 

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お次はpHがウニの受精に与える影響に関しての実験です.
 

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受精卵から,精子を誘引する物質(彼らは「卵エキス」と読んでいた)

が分泌されており,その物質の影響が大きいのではないかということを検証しようとしていました.

こちらも非常にユニークな着眼点でした.
 

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次は巻貝の生理学実験です.
 

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色々な塩の組成で巻貝の出殼反応を試しましたが,

どの塩の組み合わせが本当に巻貝に認知されているのかが詰めきれなかったようです.
 

このような化学的な実験は,微量な化学物質の差で実験結果が変わってしまいます.

そのような指摘にも耐えうる高精度な実験を行ってくれました
 

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締めは巻貝の出殼反応第二弾です.
 

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普通,この実験は巻貝の反応について,殻から出て動き回る,

という行動をポジティブな反応のMaxとするのですが,

彼はそのまま観察していると,突っついても動かなくなる

(「馬鹿になる」と表現されていました)ことを見出しました.
 

実は今回実験に使った塩化マグネシウムは海産無脊椎動物の麻酔薬によく使われています.

彼が見出したこの馬鹿になる反応は,

まさに塩化マグネシウム溶液に漬けた時によく現れる傾向が出ていました.
 

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目の付け所は面白かったのですが,

実験方法の詰に甘い部分があり,西田先生から指導が入っていました.
 

自由課題実習の醍醐味は,

多様な自然環境の中から興味深い題材を発掘することにも意義はありますが,

それ以上に,自分が選んだ課題をいかに科学的に検証していくか,

という方法を学んでもらえるところに大きな意義があります.
 

その指導を行うためには,

普段の研究生活の中で常に科学的な思考を養っていかなくてはならないのだということを,

私たちも学ばせていただきました.
 

当たり前の事ですが,日々の雑務にも追われつつも,

この感覚をキープしなくていはいけませんね.

ちなみに,16:00から発表をはじめて,終了したのは19:00でした

みなさん本当にお疲れ様でした
 
 
 
 
 
 

 


大阪大学臨海実習⑤

阪大臨海実習もいよいよ佳境に突入
 

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後半は生理学・発生学実習.担当ボスの西田先生です.

ホヤを主な材料としておられる,発生学の大御所です.

ウェブページはコチラ↓

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/index-j.html
 
 

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この実習では,
 

「フナムシの行動」

「ウニの受精におけるpHの影響」

「巻貝の出殼反応」
 

という三つのテーマから班でそれぞれ1つを選び,

二日間にかけて実験を行ってもらいます.
 

簡単な目的や実験手法だけはテキストに明示していますが,

そのあとは実験から得られた結果を考察し,仮説を立て,

それをまた実験で検証していく...

というサイクルを,自分自身で行ってもらい,

科学的検証法を体得してもらうのが目的です.
 

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フナムシ班の実験材料収集.

これからフナムシを獲りまくるのだ
 

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やや潮が高いが頑張れ
 

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ちなみに,網だけでなくホウキもフナムシ採集のための立派な武器です.

岩の隙間に潜むフナムシをこのホウキでサッと払い,

下に構えたバケツに落とすという戦法です.
 

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こちらは巻貝の出殼反応実験.

まずは様々なイオン組成の水溶液を用意し...
 

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あらかじめ採集しておいた巻貝を浸し,

どのような反応をするかを観察します.
 

大きく分けて,殻からでる,殻の中に引っ込む,とかいった反応がありますが,

このような結果を水溶液の組成,実際の生態をあわせて考察し,

彼らが自然状況下でどのような塩に反応しているのかを調べます.
 

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巻貝を大量に使うため,場合によっては追加採集も行わなくてはなりません
 

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こちらはウニの受精をpHの関係を調べる実験.
 

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新調したpHメーターが活躍中

様々なpHの水溶液を作るのはそれほど難しくないのですが,
 

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このように受精に用いる配偶子を何度もウニから得なければならず,

作業量が多くなる実験です.
 

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こちらは,阪大留学生の実習でも行っていたフナムシ用の迷路作りですね.
 

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結果を元に新たな実験系を自分でデザインするため,

多様な形の迷路が作られます

学生の工夫が見られるので,この迷路をみるだけでもなかなか楽しめます.
 

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さて,いよいよ研究成果の発表会です

まずは発表順決め
 

ジャンケン,
 

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ホイ!
 

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順番が決まったようです

さあ,いよいよ今年最後の大学実習の発表会が行なわれますよ


大阪大学臨海実習④

なまこの骨片の観察方法について

解説致しましょう
 
 
 
 

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材料:
 

なまこ
ハサミ
スライドグラス
カバーグラス
キッチンハイター

顕微鏡

以上 
 

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まずはなまこの体表の皮を
 

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このように切り取り
 

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スライドグラスとカバーグラスでサンドイッチ

(この時,指の腹などで軽く押してやるとなおgood)
 

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生物顕微鏡で観察
 

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わかりにくいですね


 

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5倍希釈のハイターに少し漬けてやり,皮膚を溶かします

(スライドグラスとカバーグラスの隙間に注入してもOK)
 

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皮膚が溶けて,炭酸カルシウムの骨片が見えました
 

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非常に小さいのですが,かなりはっきりと形が決まっています.

なまこでは,この骨片の形を見て分類を行っています.
 

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お次はウニの解剖

ナガウニを求める長蛇の列.
 

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皆真剣に取り組んでいます.
 

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まずはハサミで棘を短く刈りましょう.
 

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そしてピンセットで刺を抜き...
 

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歯ブラシで表皮を削り取ります.
 

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ヤスリで赤道面上の殻を削る

すると...
 

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パカ 
 

っと割れて,中の様子が観察できます.


 

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上手くわると,消化管などが繋がった様子が観察できます.

ちなみに,右側のクリーム色の部分が生殖巣(精巣かな)で,

右側の真ん中の白い丸い物体が,アリストテレスのランタンとも言われるウニの口器です.

そのランタンから伸びている黒い筋状のものが,消化管ですね.

顕微鏡で観察すれば,このランタンの周りの水管系の配置などが詳しく観察できます.
 

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おや,突如実習室に見慣れた顔が...
 

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モッチーです!なんともっちーが連休を利用して瀬戸臨海に遊びに来ていました

既に元師匠の宮崎先生と一杯飲んできた模様.

カメラを向けるとポージングするところは相変わらずでした

福岡で元気に仕事に取り組んでいるそうです
 

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そんなこんなで,実習の前半は無事終了しました.

後半開始した学生たちに挨拶する古谷先生.
 

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TAの奥田さん,鈴木さんとともに帰阪されました.
 

おつかれさまでした!
 

続く.


大阪大学臨海実習③

 

ウニの発生の合間に,磯に出ました.

TAの中島さんのやる気がここでも発揮されます
 

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天気にも恵まれました
 

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中島さんは海からの遊撃部隊.

いいものを捕まえてきてください
 

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おや,何をしているのでしょう?
 

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ここぞとばかりに記念写真でした
 

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この日はやや潮が高め.
 

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いつもは簡単に渡れる場所も,足場に気を付けないと到達困難
 

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やっとたどり着きました.

この付近は,番所崎の最も突き出た部分で,

外洋性の生き物もちらほら見られます.
 

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そのうちの一種,トゲウミトサカ.

八放サンゴと呼ばれる,硬い骨格を持たないいわゆるソフトコーラルです.

中島さんが水中で撮影してくれました!
 

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遊撃部隊のお手柄

手に持っているのはオオウミシダです

中島さんは,なんとウミシダの研究に興味があるそうです.

未来の棘皮研究者ですね
 

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本当に天気がいい!塔島と青空がいいバランスで景色を作っています
 

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思わず水切りをしてしまいますね
 

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とあるタイドプールに,イソスジエビの群集を発見
 

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カメラに近づいてきました

好奇心旺盛ですね.
 

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タイドプールにはいろんな生き物が潜んでいます.

残念ながらこの画面には全ては映っていないのですが,

原始的と言われるものから高等と言われるものまで,

様々な生物の行動や,繁殖生態が勉強できたようです.
 

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硬い地盤にポツポツ開けられた穴.

これは人工物ではなく,少しの隙間に溜まった石などが,

波の作用で隙間の表面を削りながらぐるぐる回ることで,

どんどんと大きなったものがこの穴になったそうです.
 

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そんなこんなの楽しい磯観察でした
 

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潮が高くなってきて,南浜経由では帰れなくなってしまいました
 

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心配ご無用,そんなときは番所山公園から実験所に帰ってこられます.
 

今年からリニューアルした番所山講演には見所いっぱいです.

秋の行楽に,是非とも訪れられてみては?
 

そして水族館にも訪れられてみては?

続く


大阪大学臨海実習②

   東北の調査が無事おわりました
 

台風18,19号の影響下の絶妙なスケジューリングでした.
 

おそらく一日スケジュールがズレていれば,大変なことになっていたでしょう.
 

それなりに忙しく,ブログ更新が滞ってしまいましたが,

少しずつ記事にしていきます
 

ということでまずは阪大実習レポートの二日目です.
 

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畠島のお次はウニの発生実習
 

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TAの鈴木さんによるデモンストレーションの後...
 

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早速実践

濾過海水に長蛇の列ができているレアな瞬間をとらえました
 

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レッツ発生実験
 

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産むか産まないか,実験結果が可視的なため,

みんなの目も真剣です
 

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真剣なあまり表情に気を配れない様子
 

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「ああ...」
 

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「なんてことだ...」
 

妙な性比の偏りがあり,女子が使ったウニはオス,

男子が使ったウニはほとんどがメスだったのですが,

顔を覆っている彼だけが,オスを選んでしましました.
 

女子「アンタはこっち側やね」  
 

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モニター右上の方の未受精卵に,

毛のようなものが生えているのがおわかりでしょうか?

おそらくウニの体内に寄生している原生生物だそうです.
 

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オスが足りないということで,

急遽TAさんも発生にチャレンジ
 

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しっかりオスを引き当てたようです
 

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阪大では,伝統的にオスだけは解剖して精巣を取り出します.
 

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このように,精巣を冷やしておけばかなり精子が長持ちします.
 

ピンセットの先で精巣をチョンと触れば,

受精に十分な精子が採れるという仕組みです.
 

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実習頻出項目をラミネートしておく工夫に,個人的に関心しました.
 

各校には,積み重ねてきた経験に裏打ちされた工夫がありますね.

勉強になります
 

続く


大阪大学臨海実習

9月25日~30日にかけて,

大阪大学の臨海実習が開催されました
 

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磯採集の講師は久保田先生
 

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畠島での熱い生物解説です
 

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TAさんがドライスーツでやる気まんまんです

彼は,去年も大阪大学の実習で瀬戸に来ていた中島くんです.

過去の臨海実習で出会った学生が,

瀬戸に再訪してくれると,なんだか嬉しくなります.
 

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帰ったあとは,プランクトン観察です.
 

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河村さんが,夜中に集魚灯を仕掛けてくださいました
 

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集魚灯の周りを網ですくって,

昼間は見られない生き物がたくさん見られました
 

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本実習は二部構成になっており,前半では系統部類学の古屋先生のチームが,

後半では発生学の西田先生のチームが担当されます.

こちらは古屋先生の下で学位を取得された,

イタチムシ(腹毛動物)を研究されている鈴木さん.
 

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美味しいイカ焼きをこしらえてくださいました
 

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乾杯!

 

この夏最後の実習がはじまりました


大阪大学(留学生)臨海実習⑥

 最後の晩餐(BBQ)開始
 

「我々はバーベキューに対する最大限の準備をしてきた」

とのLukeさんのお言葉通り,
 

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大変豪勢なBBQ大会が催されましたよ
 

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ソーセージドッグ
 

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ネギ、豚肉、チーズ、焼き肉のタレを和えたスペシャル料理
 

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完璧なたこ焼きセット
 

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Luke先生による完全な采配
 

おいしいBBQとたこ焼きでおなか一杯になりましたとさ。
 

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よく晴れた一夜明けの朝。

みなさん大阪に帰ります。
 

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最後にウミウシフィギュアのお土産を渡します
 

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お別れのバスがまいりました。
 

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みなさん、本当にお疲れ様でした
 
 
 
 
 
 


大阪大学(留学生)臨海実習④

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みなさん,これ
 

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なんだと思いますか?
 

答えは彼らフナムシの行動実験に使う迷路です
 

フナムシは甲殻亜門の等脚類に属しますが,

この仲間には行動学の実験によく使われている者がいます.
 

それはダンゴムシです.
 

ダンゴムシは,曲がり角だらけの迷路を進ませると,あるT字路にあたった時,

前にあたった方向とは反対方向に進む,すなわちジグザグ行動をとることが,

様々な実験から明らかにされています.
 

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そこで,その辺の海岸にわんさかいるダンゴムシの親戚のフナムシを捕まえ,

このようなアルミホイルで作った迷路を進ませることで,ジグザグ行動の有無や,

あったとしてその行動学的な意義を解明しようという実験です.
 

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講師はClement先生です
 

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まずはサンプルを取らねば話になりません.

北浜のすぐそばの岩礁地帯が,フナムシの恰好の採集場所です
 

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ふふふ,なかなか生きのいいのが採れました
 

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 入口からフナムシを走らせます.
 

ダンゴムシの場合はどちらかの足が疲れてしまわないために,

ジグザグに走るという考察がなされているそうですが,

フナムシではどうでしょうか?
 

外敵(危険)からより遠く逃げるためと考えることもできます.

果たしてどんな結果が出たのでしょうか?
 

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 夜はデータベースの更新作業です.

多毛類の同定に耐える写真(頭部を含む)を撮るために,

顕微鏡に繋いだカメラで頑張りますが...
 

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動きまくるせいで...
 

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なかなかうまく撮れません
 

自然相手の難しさですね.

※このあとスタッフから麻酔(MgCl2)が提案され,無事撮影できました.
 
 
 

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先生方も頑張ります.コケムシの種類がわからない...

どんなに図鑑を探しても同定できませんでした.

こんな動物も探せばいくらでも出てきます.
 

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棘皮班もせっせと同定&データベースへの入力に打ち込みます.
 

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おお,クモヒトデのデータを入力しています

これで白浜におけるクモヒトデの人類の知見が一歩前進しました
 

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 作業は夜遅くまで続きましたとさ.
 
 

続く.


大阪大学(留学生)臨海実習③

 

 

皆さんの努力の甲斐あって,畠島ではいろいろと珍しい生物が採れました

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ギンカクラゲ.
 

これで一個体かと思いきやなんと群体性のヒドロクラゲで,

真ん中の気胞体と呼ばれる部分に多数のポリプがぶら下っているのだそうです.

ちょっとボロボロになってしまっていますが,よくこんな小さなものを見つけましたね
 

甲殻類に挟まれて窮屈そうなカツオノエボシ.

触手が未熟なの失くしたのか,ほとんど気胞体の部分(烏帽子)しか残っていませんね.

猛毒のクラゲなので,触手には触れないよう注意
 

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 ガンガゼの撮影会. 
 

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畠島の次はウニの発生実習です
 

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さすがのムラサキウニさんもそろそろ生殖時期が終わりかけ.

ということで,ツマジロナガウニさんの出番です
 

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阪大の鈴木さんによる精子混入実験.

受精膜が上がるのを観察してもらいます.
 

未受精卵の表面に精子が到達すると,原形質膜と卵膜の間に空間(囲卵腔)ができ,

原形質膜の内側にある表層粒が爆発的に膨張し,

その内部にあった受精膜形成物質が囲卵腔に流れ込んで,

卵膜に内側から作用し,物理的にも化学的にも強固な受精膜が形成されるという仕組みです.
  
 

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ウニの精子を求める長蛇の列.

かつてこれほど(以下略
 

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実習課題は山積みです
 

お次はウニの解剖実習.まずトゲを鋏やピンセットで取り除いた後,

歯ブラシで丁寧に表皮を磨いてやります.
 

あまり知られていませんが,ウニやヒトデを含む棘皮動物は,

体の外側が必ず薄い皮でおおわれています.

そういう意味では,実は厳密にいうとウニのトゲなどは外骨格にも見えますが,

内骨格であるともいえるのです.
 

生物学辞典などを見ても,その辺りの決着は実はついていないそうです.
 

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丁寧に計測中.
 

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そして,ヤスリで赤道面を削って,横方向に開いてやると,

体内の構造がよく見えます.
 

時間がないときは鋏などで一気に割ってしまいますが,

ウニの内臓は殻の内部に裏打ちされているので,

それだと内臓を傷つける恐れがあります.
 

実はヤスリで外側から削ってやるのが,最もダメージが少なく内部形態を観察できる方法なのです.
 

続く.


大阪大学(留学生)臨海実習②

 阪大インターナショナルカレッジ臨海実習レポート 
 

 

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水族館見学の後,もう一度浜に向かいました. 
 

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やはり潮は高いです.

Luke先生もシュノーケリングで生き物を探しますが... 
 

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結果はこの写真が表しています.

タイトルは「黄昏」とでもしましょう
 

翌日は畠島です!たくさん生き物を採りましょう 
 

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夕方はウニの発生の予備講義.

山田先生による,ツマジロナガウニの発生の説明です. 
 

山田先生は,私の北大時代の講座の先輩にあたるそうです 
 

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その後はデータベース入力の準備.

この実習では,採集した生物のリストをデータベース化しており,

毎年の実習で成果がアップデートされていきます.  
 

Thorstenさんのデータべ―スはコチラ
 

現在200種以上が登録されています.
 

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さて翌日は畠島へ
 

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分室でいつもの畠島の説明.

今回は私が担当しました.
 

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海岸へGO!天気は抜群ですよ


 

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と思ったらやっぱり潮が高い

そもそも干潮が早朝なので,徐々に満ちいく中でのスタートとなりました.
 

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しかし彼らは潜るのです!潜れば潮はあまり関係ありません
 

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Luke先生が頑張ってナマコを採集してくださいました

Domo Arigato!
 

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空がもう秋色ですねー.
 

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磯観察終了後,一息つく指導側の面々.
 

   

対照的に迎船ギリギリまで水につかる学生たち.

(おや,Luke先生の姿も...)


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そうこうしているうちにお迎えが来ました.

さあ実験所に戻りましょう
 

続く.

 


大阪大学(留学生)臨海実習①

2014年9月16日~21日にかけて,

大阪大学インターナショナルカレッジの臨海実習が開催されました

全世界津々浦々から,7カ国(教員含む)の人々が集まりました.
 

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実習一日目は単なペーパーテストからスタートです.
 

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代表的な動物門の,現在の大系統の記述テストです

これをすらすら書いていく学生さん(一回生)たち.

暗記だとしても天晴です.
 

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そして久保田先生の磯観察講義開始

もう何度もこの講義を担当されているそうで,英語の授業もお手のものです.

大変勉強になります.
 

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北浜で磯観察の図.やや波が高かったのですが,

その甲斐あって漂着物がいろいろと流れ着いていました.

久保田先生もご満悦のご様子
 

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しかし,潮も高かった

いつもは番所崎を簡単に一周できるのですが,

「こりゃ全然だめだ」


 

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ということで,普段はあまり来ない実験所の北東部に来てみました.
 

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教員のHenrich先生が潜る

この実習では皆潜りまくります
 

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採集物の解説.教員のUeda-Sarson先生(右側手前)も興味津々です.
 

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お次は標本での動物の説明.
 

我々が整理した標本が活用されています

実は去年,標本瓶が劣化により危険な状態であることが判明したのがこの実習の時でした,

今年の冬に整備を行いました.
 

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水族館で,動物の系統関係の説明.

いつもながら良くできた系統樹です.
 

実習を通して動物のグループごとに班分けがされ,

最後に分類群ごとに研究発表を行ってもらいます.

白浜水族館には多種多様な海産無脊椎動物が飼育展示されていますので,

皆,自分の担当の分類群を一生懸命勉強していました.


 

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オニヒトデを撮影するタイ出身のPasin君.

実は彼は棘皮動物グループ(私が指導担当)の一員です.
 

インターナショナルな実習の幕開けです

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑦~オフショット集~

京大実習レポート最終話です
 

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最終日は恒例のBBQで打ち上げです

朝倉先生の乾杯のごあいさつ.
 

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海の幸も山の幸も食べつくせ
 

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ナーラさんのエジプトの手料理を堪能.
 

味覚が「美味しい」か「すごく美味しい」しかない私は

食レポが非常に苦手なのですが,

スパイスが効いていて酸味もあって美味しかったです.

(伝えきれなくて無念です)
 

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そして室内に移動して二次会(?)

打ち上げは夜遅くまで続きました.
 

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翌日はお掃除

お世話になった実習室を襲寺して帰りましょう
 

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朝倉先生の締めの挨拶.
 

動物学会などでは,近年発生進化学(エボデボ)や生態進化学(エコデボ)

と呼ばれる分野の研究発表が盛んです.
 

一方,「終った学問」という印象もある系統分類学ですが,

実際には多くの未記載種や学名の整理に,

まだまだやることが盛りだくさんの分野です.
 

それだけでなく,あらゆる分野の研究成果を全て形質として取り込めるという点で,

これからの発展性も見込める,やりがいのある分野だと私は感じています.

瀬戸臨海実験所は,そのような系統分類学を行っている,全国でも数少ない研究施設です.

興味のある学生は是非とも門戸をたたいてみてくださいね.
 

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最後に,ウミウシフィギュア+マグネットをお土産に持って帰ってもらいました.
 
 
 

というわけで
 
 
 
 

京大+公開臨海実習終了!

おつかれさまでした。


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑥

アーウィンループを作成しても,観察対象がいなくては実習は始まりません.

ということで,
 

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フジツボから
 

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砂の中から
 

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メイオベントスを採ります
 

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今回の目玉生物はコチラ.
 

チリハギガイという,体長数ミリの寄生性二枚貝です.

普通はイガイ類に寄生しているという話なのですが,

なんとヒザラガイの表面をガリガリ削ってみたところ,

この貝が得られました.
 

殻の中の黒くなっている部分では,

稚貝を育てているそうです.
 

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最後は朝倉先生による甲殻類の解剖.

磯に普通に見られるホンヤドカリを解剖し,

その機能形態や,体節性を学んでもらいました.

まずは殻を割って中身を取り出さなくてはなりません.

そのために使ったのが...
 

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この...
 

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万力

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実に優秀な対ヤドカリ兵器のおかげで,

このように硬い殻に引きこもったヤドカリも,無傷で白日の下にさらされました.

ちなみに,事前に採集したアルコール標本を用いています.
 

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このように,ピンセットで体節の付属肢を一本ずつ解体し,
 

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顕微鏡で観察します.

体節ごとの形態の違いを学んでもらいました
 

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 最後に,朝倉先生のセミナーで,

実習課題はおしまい

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑤~アーウィンループ作成!~

京大実習レポート第五弾
 

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毎度おなじみメイオベントス実習ですが,

今回は一味違いました
 

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その秘密はこれ!アーウィンループの作成を行いました
 

メイオベントスは非常に小さいため,普通のピンセットでつかむのが困難なばかりでなく,

掴んだとしてもプチッと潰してしまう場合があります.
 

そこで,このような金属製の小さな輪っかを作り,

その径中に表面張力でメイオベントスをトラップして無傷でスライドグラスに載せて観察します.
 

これを「アーウィンループ」と呼びます.
 

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コチラは作成風景.非常に繊細な作業です.
 

材料は以下の通り.
 

・タングステン線(0.2 mm径,0.4 mm径),

・0.1 mm径ニッケル線

・割り箸一本

・アロンアルファ
 

です.それでは作り方説明
 

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まず適当な長さ(20cmもあれば十分)のニッケル線を,

両端がほどけないように捩じって,輪っかを作ります.
 

1の部分に捩じり用タングステン線(0.4 mm径)を,

2の部分にループ作成用タングステン線(0.2 mm径)をひっかけ,
 

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片一方を固定して,捩じります
 

もうこれ以上捻じれない、というところまで行けば,

ループ用タングステン線と同じ径の輪っかを持つアーウィンループができるわけです.
 

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コチラが捩じりに捩じったループの部分.

お次はこのループの先をピンセットの手でつかむ部分に挟み...
 

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えい

とおもむろにペンチでプレスします.
 

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そうしてできたのがコチラ
 

アーウィンループのループ部分が,いい感じでひしゃげてさらに径が狭まりました

そしてお次は,
 

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このような柄付き針を用意し,割り箸の先端に刺して,穴を開けます.
 

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その穴に接着剤をたらり.
 

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そして乾かないうちにループの反対側をくっつければ...
 

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完成です
 

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残り少ない(大学生にとっては)夏休みですが,

貴方もこのアーウィンループでメイオベントス観察を楽しんでみては?
 

続く.

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習④

 

京大実習レポート第四弾

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今回は軟体動物の解剖です
 

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まずは番所崎で貝(二枚貝はダメ)を採る
 

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水族館の取水口でも採る
 

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今回の目的は,貝類の歯舌の観察です.

体内にある歯舌をとりだすため,
 

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肉抜きという技術を使います.
 

要するに茹でて軟体部だけを殻から取り出すのですが,

実はこれが,形態観察,DNA解析の両方を行う上で優れた方法なのです.
 

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以前も紹介したマツバガイ(カサガイ)の軟体部.
 

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これは何かといいますと...
 

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コチラ!タツナミガイは体内に歯舌がないなあと思っていたら,
 

こんな風に唇みたいになっていた構造が,実は歯舌だったようで,

これを取り出して観察してみると,ちゃんと歯舌状のザラザラ構造がみられました.
 

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取り出した歯舌を,電子顕微鏡で観察.
 

この日はかなり遅くまで観察を続けたようです.
 

お疲れ様でした


日本の機窓から

先日,機内から翼を見ていたところ...

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おや,翼に何か書かれています.
 

IMG_3015 (コピー)

“Do not step out on this area”
 

一体誰に宛てられたメッセージでしょうか?


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習③

 

気付けば九月も終わりです

白浜では今年最後の実習が始まりました
 

それらの報告も早くできるように,まずは京大の実習のレポートの続きです
 

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畠島から持ち帰った生物の鑑定.
 

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採集・鑑定した生物を毎度のごとく,黒板に書き出していきます.
 

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それぞれの分類群ではそれぞれの専門の先生がご説明.

朝倉先生がヤドカリの鋏について熱く語っておられます.
 

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私も棘皮動物の説明を担当しました.

毎回,説明するたびに自分が知らないことが見つかります.

棘皮動物学も奥が深いです.
 

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これだけの生物が見つかりました

毎度思うのですが,たった半日採集しただけでこれだけ見つかるわけですから,

専門家が集って本気の採集を行えば,どれだけの種数に上るのでしょうね.
 

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夕食は,今夏お世話になったまるかわさん.

お店の外のプレハブを貸切です
 

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みんなで和気あいあいとお食事.
 

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カツです

デミグラスソースにもひと手間かかっていて,とても美味でした
 

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ごちそうさまでした
 

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帰ってから,カメノテとフジツボ解剖です
 

節足動物は,体制がはっきりとしているので,

各体節と他の節足動物との対比ができて,見ていて飽きません.  
 

続く.


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習②

学会のお次は,京大実習のレポートです.
 

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久保田先生のプランクトン実習.

多くの海洋生物は間接発生を行うため,

親と子の形が全然違います.
 

こちらは,親と子のそれぞれの写真から,

親子関係をつなぎ合わせる作業中.
 

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おお,なかなか大きめのクラゲが採れたようです.

最近,久保田先生は田辺湾で採集されるクラゲを長年連載で紹介されていますが,

最近,そのまとめがご著書として発売されました.
 

「魅惑的な暖海おクラゲたち~田辺湾(和歌山県)は日本一のクラゲ天国~」

http://book.akahoshitakuya.com/b/4907841159
 

要チェックです
 

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翌日は畠島へGO
 

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天気にも恵まれました
 

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たまには畠島の風景をご紹介しましょう.

こちらは畠島北西部に位置する小丸島.

潮がよければ,この小丸島へも歩いて渡れます
 

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小丸島を超えて,その先の部分まで来ました.

画面右上に見えるポコッとした島は,

わが実験所の在る番所崎の先端の塔島です.
 

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途中の泥岩帯で,足元の岩を割ってみると...
 

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このような穴が開いています.なんじゃこら.
 

犯人はこいつコツブムシですね.
 

ダイオウグソクムシと同じ等脚類で,ダンゴムシの仲間です.

泥岩に穴を開けて巣にしているのですが,

瀬戸内海のある島では,彼らによる激しい穿孔圧のせいで,

島自体がなくなってしまったとか
 

小さいながら,島ひとつを消してしまう破壊力を秘めた巨虫です.
 

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他にも,穿孔性のホシムシなどもみられました.

一見何気ない岩場にも,実はいろんな生き物が暮らしているのですね.
 

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往路では渡れた道が,復路では水没しているのはよくあること.

皆さん長靴に水をたっぷり湛えて帰りましたとさ

続く.


日本動物学会@仙台⑦

動物学会レポート最終話です
 

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三日目,最終日.

帰り支度をしてこられている方もちらほら.

お祭りの後のようで,少し寂しいですね.
 

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午前中のセッション後,動物学ひろばに急行
 

ナイスポスターの甲斐があってか,

ひっきりなしにお客さんが来られて大盛況でした
 

去年の自然あふれる場所でのひろばも良いですが,

やはり学会場に近いと活気が違いますねー.

ちょっと時間を見つけて他のブースもみてきました.
 

去年に引き続き,「数ミリ以下の動物学」や,

館山(お茶の水大学),下田(筑波大学),三崎(東大)も展示をされており,

どちらも大盛況でしたが,
 

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私が心を惹かれたのはこちら
 

東大理学研究科と土木研究所 自然環境センターによる

「ウニの体のミクロな世界」
 

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このようなタッチパネル式のモニターにウニが映し出されており,

体の各部位をタッチすると,

生体(録画映像)を見ながら詳しく解説されるという仕組みです.
 

管足や叉棘などが動いている状態が観察でき,

その仕組みがより深く理解できるというわけです.
 

ひょっとしたら,今度の実習でこのシステムを拝借するかもしれません.

その際にはよろしくお願いいたします
 

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時々個性豊かなお客さんも来てくださいました.

こちらのお客さんはクイズに答える傍ら,

タカアシガニの甲羅のアバンギャルドな使い方を開発してくれました
 

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開始から五時間,ついに動物学ひろばもフィニッシュ
 

おつかれさまでした!スタッフさんたちによる迅速な片付けを物語るメッセージが,

教室の黒板に残されていました.
 

最後まで見届けることはできませんでしたが,

きっと見つかったことでしょう

お手伝いいただいたスタッフのみなさん,どうもありがとうございました
 

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仙台最後の夜は,琉球大学の山崎さん夫妻と,宮崎先生と過ごしました.

お二人共お酒が大好きなようで,ついつい飲みすぎてしまうくらい楽しい夜でしたよ
 

この日はまたもや宮崎先生におごってもらいました.

ありがとうございます!いつか必ず恩返しすることを,仙台の夜空に固く誓うのでした.
 
 

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翌日,飛行機の時間まで少し時間があったので仙台を観光しました.

有名な伊達政宗の像です!
 

独眼竜として,その眼帯のイメージが根深い政宗ですが,

実際に眼帯をしていたかどうかはわからないそうで,

20年くらい前の大河ドラマで渡辺謙が眼帯姿を演じてから定着したイメージだそうです.

...ガイドの人の話の受け売りです
 

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そして,最後に奥州のそばをいただいて帰ってきましたとさ.
 

これにて,仙台動物学会のレポート終了です
 

お世話になったスタッフの方々,

座長に推薦いただいた法政大学の島野先生,

ご馳走いただいた先生方,

楽しい動物学的なお話を聞かせていただいた参加者の方々にお礼を申し上げます.
 

ありがとうございました


論文出版!

論文が出版されました
 

ダイオウグソクムシで有名な鳥羽水族館の森滝丈也さん,
国立科学博物館の藤田先生との共著論文です
 

Masanori Okanishi, Takeya Moritaki and Toshihiko Fujita. (2014)

“Redescription of an euryalid bittle star,

Astroceras coniunctum (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalidae).”

Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series A (Zoology). 40 (3): 133-139.
 

本論文では,2012年に三重県鳥羽水族館に持ち込まれた三重県沖のクモヒトデと,

2013年に高知のサンゴ漁で得られたクモヒトデの標本が,

ツノモヅル属(Astroceras)のAstroceras coniunctum Murakami, 1944

であると認めたため,再記載しました.
 

ツノモヅル属の種は,体の表面にツノのような突起をもつのですが,

それが同属の他の種と比べて非常に大きいことで区別されます.

また,この特徴をもって本種に「オニツノモヅル」という標準和名を付けました.

本種は村上子朗によって1944年に記載されて以降,実に70年ぶりの発見となります.
 

このような再記載は,当時と現在の海洋環境を比較する上で非常に重要です.
 

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三重から採集されたばかりのオニツノモヅル(撮影:森滝丈也)


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アルコール標本になったオニツノモヅル.


本研究では,大阪市立大学の江崎洋一教授と,

瀬戸臨海実験所の千徳明日香博士に便宜を図っていただき,

デジタルマイクロスコープ(VHX)での写真撮影を行わせていただきました.

ありがとうございました
 

しかしいい写真が撮れますね.

今後も是非使わせてもらいたいなあ...と思ってみたり

現在も別の論文を準備中なのですが,

実習や学会でなかなか時間がとれないことと,

初めての系統分類以外の論文ということともあり苦戦していましたが,
 

やっと時間がとれるようになったので,

一気に進めているところです.
 


テヅルモヅルとは⑥

クモヒトデがツルクモヒトデ目とクモヒトデ目に分けられるということですが,

ではこの二目は何が違うのか.
 

以前は腕の腕骨と呼ばれる骨の形で分けられていましたが,

研究が進むにつれ,両目で共通の形の腕骨がみられることが明らかになり,

現在では腕骨による分類はできません.
 

私が研究を進めていたところ,

どうやら二目は腕の別の骨片によって分けられることがわかってきました.
 

クモヒトデ類は腕の周りに腕針と呼ばれる針状の硬い器官を備えています. 
 

実はツルクモヒトデ目とクモヒトデ目は,

この腕針の配置が決定的に異なるのです.
 

クモヒトデ目では,この腕針が須らく腕の側面についています.例外はありません.

これに対しツルクモヒトデ目では腕針がすべて口側についてます.

クモヒトデを反口側から見てみると一目瞭然で,

クモヒトデ目の腕はなんだかフサフサしているのに対して,

ツルクモヒトデ目はつるっとしています.
 

Eu-Oph

(左)ツルクモヒトデ目のキヌガサモヅル(Asteronyx loveni)と

(右)クモヒトデ目のスナクモヒトデ科の1種の反口側(背側).



キヌガサモヅルは腕がツルっとしてますが,

スナクモヒトデ科の一種は腕がフサフサしているのがお分かりいただけますでしょうか?


ただし,この腕針が退化的で非常に小さくなっている種もいますので,

確実に見分けるためには顕微鏡が必要です.



 
腕針の配置なんて簡単に変わりそうなものですが,この違いはかなり顕著ですので,

何か重要な機能的な理由があるのではと考えられます.



 

ツルクモヒトデ目の多くの種は,

現生の種をみる限り,ヤギなどのサンゴに絡んでいます.

一方クモヒトデ目は(例外はありますが),ヤギに絡むことはほとんどありません.

口側の腕針は,ひょっとするとヤギに絡むために発達した器官なのかもしれません.



 

この腕針の機能の探究も,てづるもづる研究の一つの興味深いテーマかもしれませんね.


テヅルモヅルとは⑤

最近友人から,
 

「このHPを見てもてづるもづるについて何もわからないじゃないか」
 

というご指摘を頂きました.
 

全くその通りかと思います.
 

ということで,もう少し真面目にテヅルモヅルについてお話をします.
 

これまでにヒトデ綱とクモヒトデ綱の違いをお話ししました.

次はいよいよクモヒトデ綱の中の分類についてお話いたしましょう.

クモヒトデ綱は現在約2070種が知られており,

おそらく棘皮動物門の5つの綱中では最多種数です.
 

その最たる理由は,おそらく柔軟な腕にありましょう.

この腕を器用に動かすことで,体を小さく折りたたみ,

岩の隙間,砂の中,サンゴなどの他の動物の上など,

他の棘皮動物には到達しえない様々な環境に生息可能となった結果,

多様性を獲得できたと考えられています.
 

しかし悲しきかな.
 

これらは基本的には隠蔽的,すなわち人目に付かない環境ばかりです.

従って,彼らは莫大な種多様性を獲得しながらも,

知名度ではウニ,ナマコ,ヒトデには遠く及びません.

Yahoo Newsにのりました!
 

少し話が脱線しました.話を分類に戻しましょう.

クモヒトデは種数が多いため分類群が多く,

科の数は20を超えていています.

しかしながら,目の数はたった二つ,
 

クモヒトデ目ツルクモヒトデ目です.
 

しかしこの分類には大きな偏りがあり,クモヒトデ目が約1900種なのに対し,

ツルクモヒトデ目は180種ほどです.
 

実はテヅルモヅル類が属しているのはこのツルクモヒトデ目です
 

すなわち,テヅルモヅルは,
 

マイナーなクモヒトデ綱の中でもさらにマイナーなグループなのです.
 

続く.


ヒザラガイの歯舌

突然ですが
 
 

軟体動物の一部のグループは
 
 

歯舌という,読んで字の通り,人間でいうところの歯と舌の機能が合わさったような組織を持ちます.
 
 

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例えばカサガイを茹でると,軟体部だけがコロッととれます.

コチラは背中側です.
 

紐のように見えるのは,消化管でしょうか.

あンた,背中が煤けてるぜ.
 

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コチラは口側.
 

左上の頭部を切開すると線状のものが見えてきます.

これがカサガイの歯舌です.
 

同様に,ヒザラガイの仲間も,同じような線状の歯舌を持っています.
 

種によって違いますが,歯舌の表面はヤスリのようにザラザラしており,

これで岩などの表面を舐めるようにして,藻類などを食べているそうです.
 

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そしてこのように,歯舌を二つ並べてみました.
 

実はヒザラガイの歯舌には鉄分が多く含まれており,

磁石に反応するというので,その検証実験をしてみます
 

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磁石をそっと近づけると...
 
 

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!!!
 
 
 

くっつきました 
 

カサガイ(マツバガイ)の歯舌には全く反応しなかったため,

少なくともマツバガイのものよりは鉄分を多く含んでいるようです.
 

という,簡単な実験のお話でした.
 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習

2014年9月4日~10日にかけて,

京都大学の臨海実習+公開臨海実習が開催されました!
 

この実習では,8月に行われた実習の発展版として,

様々な採集方や形態観察法を駆使して,

個々の分類群についての理解をより深める事を目的としています.
 

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全国津々浦々からソルジャーたちが集まりました.

おや,見た顔がいますね.最近リピーターが多いような気がします.

いいことです
 

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まずは研究所内の説明の後に...
 

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朝倉先生による講義

「動物の分類と体制」
 

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そして,宮崎先生による顕微鏡の使い方の説明です.
 

これで実習の下準備はばっちり

さて,今回はどのような無脊椎ドラマが繰り広げれられるのでしょうか?
 

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ところで,今回は鳥の脊椎骨を髪飾りにしている

古生物女子が参加してくれました(手前の人です).
 

なかなかの猛者が集ったようですね
 

続く.


日本動物学会@仙台⑤

 

動物学会二日目は,分類学会のシンポジウムからはじまりました.
 

「数ミリ以下の動物学」
 

その名のとおり,成熟しても体長数ミリにしかならない動物の研究を集めた集会です.

今年で第三回目を迎えており,毎回新進気鋭の研究者が非常に興味深いお話を聞かせてくれます.
 

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先日打ち合わせを生で聞いていたオーガナイザーお二人により,

シンポジウムは幕を開けました.
 

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UMISAWA2にも参加していただいた角井さんによる発表.
 

タナイスという甲殻類の生物学についてお話いただきました.

最近,とにかく面白い研究を目指さねば,と自分改革を目指している私にとって

参考になる発表でした.かくありたい.
 

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昼休み,宮崎先生,千徳博士,そして藤田研での後輩で,

現在は水産無脊椎動物研究所に勤めている増田さんと一緒に,東北大の食堂でお食事.
 

ご覧下さいこのヘルシーなラインナップ
 

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こちらはレシート.
 

赤,緑,黄,で栄養価を点数かするシステムを見ると,学部時代を思い出しますね.

(院時代は正確には大学所属ではありませんでした)
 

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他にもこんなのや...
 

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こんなのや...
 

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こんなレシートが
 

一番最初のが私ですが,他のは誰のでしょうか?

正解は,忘れました
 

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さて,午後には翌日の動物学ひろばの準備が待っていましたよ
 

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教室にいくつものパネルが立てられ,スペースが確保されていました.
 

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我々のスペースはこちら
 

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せっせせっせと準備を進めまして...
 

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ポスターデザインは千徳博士です.
 

うーむ相変わらず見やすいポスターですね.

これで完璧かと思いきや...
 

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一箇所だけ脱字が見つかりました

急いでマジックで修正を試みましたが...間違いに気づきますか?
 

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動物学ひろばでは,去年に引き続き標本当てクイズを開催しました.
 

参加者に提供される豪華景品の中には,実習でみなさんに配っているウミウシフィギュアもありますよ

たくさんお客さんが来てくれるといいですねえ.
 

続く.

 

 

 


日本動物学会@仙台④

 

日本動物学会レポートまだまだ続きます.
 

写真 2

勿論私も発表いたしました.
 

岡西政典・藤田敏彦

「日本産キヌガサモヅル(クモヒトデ綱,ツルクモヒトデ目)の分子系統解析」
 

まだまだ予察的な内容だったので上手く話せるかわからなかったのですが,

とりあえずは発表は終えられたというところでしょうか.
 

しかし最近になって,自分の研究の面白さを人に伝えることの難しさを考えさせられています.
 

それはすなわち,テヅルモヅルの理解の深さ,

自分らしさの表現,に言い換えられると思います.
 

これらは結局,自分で手を動かしてデータをとっていかなくてはなし得ません.

みなさんのおかげで資金は得られておりますので,

これから本格的に取り組んで行きたいところです.
 

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一日目は,分類学会のシンポジウムもありました.

博物館のこれからを考えていくシンポジウムです.
 

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オーガナイザーの一人,北大名誉教授の馬渡先生のスピーチです.

その手前におられるのは,国立科学博物館に努めておられた松浦先生です.
 

たくさんの先生方が,日本に国立の自然史博物館を作ろうと,

いろいろと手を動かしてくれています.
 

我々若手もそれに応えるべく,そろそろ分類学を楽しむだけでなく,

一般に還元していくことを考えていかなくてはなりません.
 

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シンポジウムの打ち上げの様子.
 

かなりの人数です。途中から人が少しずつ増え,

最後は入りきらなくなるのではと心配になるほどでした
 

お食事はどれも絶品でしたが,なかでもホヤは見方を代えさせてくれるほどの逸品でした.

東北のグルメに舌鼓を打ちました.
 

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勢いそのままに二次会に突入.
 

まだまだたくさんの方々が残っています.

しかし後から聞いたのですが,この他にも各地で二次会が開かれていたそうです.
 

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 手前のチェックの方が琵琶湖博物館の太田さんで,UMISAWA2にも来ていただいていました.

その奥が北大の柁原先生です.
 

おふたりは翌日の朝からのシンポジウムのオーガナイザーで,

綿密な打ち合わせをなされていました.
 

そんなこんなで,動物学会の一日目は過ぎて行きましたよ.

続く


日本動物学会@仙台③

日本動物学会レポート
 

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知り合いのセッションは一日目に集中していました.
 

分類・系統や生態・行動のセッションでは,

伝統的な系統順,つまり体の作りが単純(と考えられている)な動物の発表から

日程が組まれていました.
 

一日目に知り合いが多いのは,つまりそういうことです.
 

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ということでSMBLのOBの藤本くんの発表も一日目でした.
 

藤本心太・山崎博史・宮崎勝己

「日本産ハマクマムシ(フシクマムシ目ハマクマムシ科)の分類学的研究」
 

無敵のイメージが強いクマムシですが,実はそれは少数派で,

特に海産種はほとんど有敵で,

レンジでチンすると死んでしまうのですが,

形が非常に多様です.
 

今回はそのような魅惑的な形を持った海のクマムシの紹介でした.
 

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宮崎先生の発表
 

宮崎 勝己,冨山 毅,山田 勝雅,玉置 雅紀

「二枚貝寄生性種カイヤドリウミグモの分類学的位置について」
 

最近突然に東京湾で発生したというアサリ寄生性のカイヤドリウミグモの系統的な位置の,

分子系統学的な手法による確認です.
 

内容もさる事ながら,巧みな発表技術によって,

会場を笑いの渦に巻き込んでおられました.

うーむ,私もかくありたいものです.

努力せねばなりません.
 

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この日,仙台は土砂降りに見舞われました.
 

これは決して準噴水型のモニュメントではありません.

多雨によって階段に多量の水が浸水しているところです.
 

大変なことになってきました
 

 続く.


日本動物学会@仙台②

2011年9月11日~13日に開催された,

日本動物学会の仙台大会に参加してきました
 

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仙台は遠いので前乗りです.
 

9/10,実習が終わったその足で仙台へと飛びました.
 

久々にLCCのピーチに乗りましたよ!待合室から飛行機まで徒歩で移動.

東南アジアでの乗換を思い出します.
 

最近就航したとあって,機内は非常に綺麗でしたよ

(実習疲れでほとんど寝ていましたがw)
 

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仙台に着くと,前のりしていたUMISAWAな連中から早速お声がかかったので,

夜の街に繰り出しました.
 

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こ,これは(笑)

ものは試しと入店してみると...
 

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牛タンです 
 

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地酒飲み比べです

「大して美味しいものがない」なんて,とんでもないです

一日目から仙台の美味しいものに出迎えられて大変満足しました
 

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店内の様子.例によって,若干写真がぶれているくらいが飲み会の盛り上がりが伝わって良い,

というのが私の(自己防衛のための)持論です.
 

写真を撮り忘れていましたが,北大時代の同期にも会えて旧交を深めることができました.

みんなぞれぞれに地で,それぞれに,努力しているのですね.
 

こうして仙台一日目の夜は更けていきました.
 
 
 
 

続く.

 


関西学院大学臨海実習⑦

関学実習のレポート,いよいよラストです
 

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果たして畠島での採集手数は何種に上ったのか?
 

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なんと,海藻などを含めて99種でした

あと1種で100種でした
 

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内田先生の最後の講義.
 

このような情熱溢れる研究者がおられるおかげで,畠島の自然は維持されているのでしょう,

ありがとうございました
 

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夜中まで頑張ったご褒美として,みなさんにアイスが振舞われました

またいつでも白浜の自然を観察しに来てくださいね
 

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翌日,お土産にウミウシフィギュアを持って帰ってもらいました.

やはり顔のある分類群は人気が違いますね.みんな喜んでいました

これで海洋生物好きが一人でも増えてくれるといいですね
 

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最後に新しくなった水族館でパシャリ.
 

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名残おしいですが,いよいよお別れです.おつかれさまでした
 
 
 
 

といわけで
 
 
 

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関西学院大学実習レポート
 
 
 

これにて終了


関西学院大学臨海実習⑥

だいぶ遅くなりつつありますが,
 

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関学実習のレポートです
 

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持ち帰ったベントスを例のごとく,バットにあけて観察です.
 

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こちらはカニを鑑定中?
 

十脚類くらい研究が進んでいると,ある程度図鑑で同定できますが,

そうでない分類群はそもそも図鑑すらありません.
 

実はこの「そうでない分類群」,つまり研究が進んでいない分類群は結構多いのです.

今なら研究し放題ですよ
 

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これは,ナマコの骨片を偏光板を通して観察したところです.
 

プルテウス幼生の骨片はよく観察しますが,

ナマコの骨片もこんなに鮮やかに光らせられるとは知りませんでした.
 

様々な骨片の種類が一目瞭然ですね
 

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内田先生の熱血指導を受けつつ,鑑定結果を黒板に書き出します.
 

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黒板一枚では書ききれなかったようです.果たして何種とれたのか?
 

続く