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畠島

2015年8月28日~9月4日 京都大学臨海実習第一部+四部+公開臨海実習「自由課題実習」~番外編~

そういえば,京大の実習でなかなか面白い生き物たちが得られたのでご紹介いたします.



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キクメイシモドキでしょうか?畠島の内湾側で見られました.

なんだか個体同士が離れている印象.



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トックリガンガゼモドキ.

最近発見した畠島の棘皮動物ゾーンにいました.

ガンガゼに似て,体の反口側真ん中の肛門が突出していますが,

トゲがよりふと短く,白黒の縞模様になっているのが特徴です.



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そして最近発見した面白生物はこれ

ヌノメイトマキヒトデです.

最近まで畠島には本種はいないといわれていたのですが,

よーく他種と比較してみると,どうやら分布している事が分かったのです.



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こちらは近似種のトゲイトマキヒトデ.

体の真ん中たりに,細い白いスジのようなものが五角形の模様を作っているのが,わかりますか?



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対してこちらはヌノメイトマキ.

前者のような筋構造がないことから区別できます.
 

おそらくこの二種は私が瀬戸に来た頃からずっと同所的に生息していたと思うのですが,

最近になって意識してみるまでは,別種と気づきませんでした.


 

とある先生の,「これは別種じゃないの?」の一言で詳しい同定に踏み切った次第です.

先入観は恐ろしいものですね.



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打ちあがってしまったモミジガイ.

本来砂に潜っている種ですが,おそらく弱ってしまったのでしょう.

体がややボロボロになり始めていました.



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イソアワモチ.白い筋のようなものは彼らの糞で,

これを辿っていくと,岩の表面に擬態している彼らのところにたどり着くことができます



そんなこんなで,意義深い畠島探索でした!


2015年8月28日~9月4日 京都大学臨海実習第一部+四部+公開臨海実習「自由課題実習」④

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実習三日目は畠島観察.担当は中野先生です.

まずは磯で出会う可能性のある危険生物の説明.



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畠島到着後,分室の黒板で畠島の説明.



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その後,三々五々磯観察を行います.



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良く曳いています!海草(藻でない)のアマモが干出しています.

キンセンガニやガザミなどのカニ類がたくさん見られました.



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しかし何といっても今回の収穫(?)はコレ.

ヤドカリがウニの殻の中に入っていました



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最後に,畠島で見られた生物をまとめておしまいです.

いつもより種数が少ないかもしれませんが,

少ない(四人)人数で頑張ってくれたと思います


2015年8月17日~21日 関西学院大学「臨海実習」⑧

 

関西学院大学の実習でであった生物達を紹介します.
 

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薬品(亜鉛イオン)処理によって,動物極の発生を以上に進めたウニ胚.

発生の途中で脱腸が起きてしまい,このようにキノコみたいな形になってしまいました.



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今回の実習の収穫の一つがこれ.トゲイトマキヒトデです.

これまで畠島のイトマキヒトデ類はこの種だけといわれていましたが,



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何と別のヌノメイトマキヒトデも分布していることが分かりました.

微妙な形態の違いで分けられています.
 

これまでトゲイトマキしかいないと思いこんでいたので,

このような大きさのものは全てトゲイトマキと高をくくっていたのですが,

内田先生のご指摘により,別種であることが分かりました.
 

やはり端から色眼鏡をかけてしまうのはよくありませんね.

畠島の自然史に新たな一ページが刻まれましたとさ.


2015年8月17日~21日 関西学院大学「臨海実習」⑥

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畠島での磯観察.

遠くに見えるのが関西学院大学の面々.このアングル...

そう,この日はシュノーケリング部隊として,少し深めの生き物の採集を行いました.



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シュノーケリングで発見した生物その①

「ガンガゼの集団」.
 

最近畠島のガンガゼが多くなった気がします.

環境が良くなっているのであればうれしいのですが,

危険度アップは少し悲しい.



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シュノーケリングで発見した生物その②

「コブヒトデモドキ」

これは今まで見たことありませんでした



やはりデカさは正義ですね.

思わず先生の元に走りました.



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そんなこんなで畠島採集もお開き.

天気が良いと,風景が綺麗ですが暑いですよね.お疲れ様でした.



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迎船を待っている間にちょっとイベントが.



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船着場の近くで採ったウミシダをコブヒトデモドキと並べてみました(見にくいと思いますが...)



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「意外に柔らかい!」

ウミシダの真ん中の盤の部分に感動している様子です
 

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楽しい時間は過ぎるのが早いですね.

あっという間にお迎えの時間です.
 

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最後にポーズ!お疲れ様でした


2015年8月17日~21日 関西学院大学「臨海実習」➄

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 磯観察@畠島です

 

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人数が多いため,二回に分けてヤンチナに乗船.

 
 

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船の上でポーズを取り,

 
 

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上陸
 

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分室の黒板で畠島の説明をし,

 
 

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磯に出る
 

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大和先生と,

 
 

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内田先生のお話に耳を傾けます.
 

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自分たちも採集にチャレンジ
 

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それにしてもいい天気ですねえ.
 

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良い磯観察が期待できそうです


2015年7月5日~9日「臨海実習(奈良教育大学)」②

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奈良教育大学でも畠島へ渡ります.
 

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良く潮が引いています
 

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先生方の採集能力が高い

色んな物を見つけてきては,我々を驚かせてくださいました.
 

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梅雨の最中でしたが,磯観察中は雨がピタッと止んで,

磯採集日和でした
 

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とても楽しい畠島観察でした.

いつもと違って,飼育員の山内さんがゾエアの操船員となって迎えに来てくださいました


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」➄

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畠島の生き物の観察です.
 

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図鑑を見ながら,あーだこーだと悩みながら同定を進めることで,

その生き物の特徴が頭に入ってきます.
 

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ある程度同定が進んだところで,各動物門ごとに説明をしていきます.

特異な分類群は研究員も担当.刺胞動物は河村博士が説明し,
 

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棘皮動物は私が説明させてもらいました.
 

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その他の分類群は全て宮崎先生がご説明(すごい!).
 

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最終的に一日の採集で85種の動物を見つける事ができました


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」④

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晴天ではないものの,雨がなく気温も適度で,

なかなかの磯観察日和でした.
 

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積極的に生物を探しています
 

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珍しい生物を見つけたら宮﨑先生に報告!
 

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今回見つけた生物その①「ユズダマカイメンの類」
 

一瞬ホヤと間違えるのですが,カイメンにしては珍しく個体性や,

表面の突起構造がはっきりしているので,

他のカイメンに比べて比較的区別がつきやすい類です.

ただし,正確な種の同定には,体の中の骨片の形をつぶさに観察する必要があります.
 

生物その②「ナガミル」
 

そろそろ海藻も終わりの時期なのですが,まだいくつか海藻がみられました.

中には人の背丈ほどに成長した緑藻のミルまでみられました.
 

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潮もよく引いています.

有意義な畠島での磯観察となりました.


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」③

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心配されていた天気も何とかもち,畠島へ渡れることになりました
 

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何故かスミキン採泥器が搭載されています.
 

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途中の航路で落とします
 

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実は有孔虫をご専門にされている,

大阪教育大学の廣木先生がサンプリングをされるということで,

その様子を学生に見てもらおうという試みでした.

それにしても廣木先生はプロフェッショナルで,

スミキンのサンプルさばきは見事なものでした.

見習いたいものです.
 

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ということで,紆余曲折を経て畠島へ到着

果たしてどんな生物に巡り合えるのか.


畠島分室を改善せよ③

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だらーんとなったこのシート状のもの.

これも分室改善のためのマストアイテムです.
 

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 ぺローンと透明なフィルムをはがします.
 

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窓ガラスに洗剤を吹きかけ,
 

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先ほどのシートを接着
 

シートとガラスの間の洗剤を,ヘラで丁寧に押し出していきます.
 

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次に,ガラスに張り付かずに余った部分をカッターで丁寧に切り取ります.
 

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最後にガラスの上側15センチの部分を切り取って,
 

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完成!スモークガラスにするためのシートでした

上側は採光や空を見るためののぞき窓的な空間です.
 

今回網戸設置にあたってブラインドをなくしたので,

その代りの措置でした.
 

ということで,

畠島分室改善作戦完了
 

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棟梁として改善作戦を遂行された河村博士,

並びに技術職員の皆様,お疲れ様でした


畠島分室を改善せよ②

畠島分室改善大作戦の続きです.

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この木枠は果たして何に使うのか. 
 

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おお,どうやら窓枠にぴったりはまるようです.
 

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ネジ釘でガッチリ固定します.
 

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勘の鋭い方はもうお気づきですね.
 

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そう,網戸です
 

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隙間テープによって,防虫対策もばっちり

これまで網戸がなかったために,夏場も窓を閉めっぱなしだったのですが,

これで心置きなく窓を開け放つことができるという仕組みです
 

畠島分室の快適性が,また一つ上がりました


畠島分室を改善せよ①

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とある日の白浜水族館の駐車場.

畠島の分室に向かうため,職員が集いました.
 

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前回の加藤さんに引き続き,

船長がいつもと違うシリーズ.

今回は技術職員の原田さんがゾエアを運転
 

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船に積まれた段ボールや赤色の物体. 
 

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そしてこの木枠.

果たして何に使うのか?
 

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まず段ボールに包まれていたものの答え.



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その正体は...



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発電機でした

畠島の分室に電灯がともります
 

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 明るいぞー!
 

これまでも発電機はあったのですが,始動手順が煩雑で,

作動音が尋常じゃなくやかましかったため,あまり使ってきませんでした.

今回持ってきた発電機はお手軽簡単に使えて静かなので,

これからは積極的に活用していきます
 

これで畠島分室が一つ快適になりました


畠島ウニ調査③

 ウニ調査も終わり,昼食を採って,

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「そろそろ始めますか...」
 

にわかに立ち上がり,
 

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磯観察始めました
 

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せっかく畠島に来たので,昼休みを利用して磯観察.

早速大きなオニイソメが見られました
 

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1 mはゆうにあろうかという巨体.頼もしいですねえ.

しかし大きいものは3 mを超えるらしいので,

まだまだ若造のようです.
 

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多毛類専門家の加藤さんによれば,

どうやら途中でいこのように色が変わっているのは,

一度ちぎれた部分が再生している証拠とのこと.

これだけ大きな体でも条件さえよければ再生できるのですね.
 

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水際に移動させて,ご尊顔をアップで.

このモンスター感,たまりません.
 

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思わぬ撮影会の機会となりました.

AKBよりもOIM!
 

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他にもこんな生物が.

この棘の短さ,何のウニかと思いきや.
 

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どうやらムラサキウニだったようです.

一度ほとんど棘が脱落してしまうようなピンチに見舞われながら,

こちらも再生に成功している模様.

生命の神秘に触れた畠島観察でした.


畠島ウニ調査②

ウニ調査の続きです.

コドラートの枠ができたら,後は枠内のウニを種類ごとに計数するのです
 

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...が.それなりの数のウニを,正確に測るのは至難の業.
 

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そこでこのチェーンの出番です.

これで,現在の自分の調査ラインを線引きをしながら計数できるというすぐれもの.
 

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更に,ごくまれに出現する小さい個体(殻径1.5 cm未満)は,

この透明なプラスチック板のメジャーを使って特別に計数します.

先人たちの知恵が受け継がれています.
 

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潮もいい感じに引いています

今年はなかなか面白い調査結果になったそうです
 

続く.


畠島ウニ調査①

畠島で毎年行っているウニの生態調査をしてきました

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ゾエアを運転する加藤さん,
 

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および船員を務める山内さん.

お二人とも飼育担当ですが,船員も務められます
 

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いい感じで雲っており,調査日和です
 

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畠島の北西部の先っちょに来ました.

加藤さんが指さすところが調査地です
 

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まずメジャーで距離を測り,
 

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しかるべき岩に釘をうつ.

※調査後は回収します.
 

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この釘に赤い紐を引っかけて,
 

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巨大なコドラートを作ります

これで調査の枠が完成しました
 

後半に続く.


和歌山大学 臨海実習 ⑧

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風はやや強かったものの,磯採集日和でした

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潮も良く引いています

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吸い込まれるような青い空.

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青い空と白い雲.

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海岸と空.

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海と学生の笑顔.

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砂浜と・・・?

海岸の漂着物でアートが始まりました.

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「よそ者は出ていけ!」領地を守るために必死な様子.

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完成したようです.

何気に快適空間だったようです.

※この後,アートは元に戻しました.

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さあ,帰りますよ!とても楽しい畠島でした.

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いよいよ実習も最後です.ラストナイトは打ち上げです

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師弟の仲も深まりました.お疲れ様でした

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最終日はお掃除の後...

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恒例のウミウシフィギュア提供!毎回喜んでもらえます.鉄板ですね

お疲れさまでした


和歌山大学 臨海実習 ⑦

 

 

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予定にはなかったのですが,急遽ウニの放精放卵にもチャレンジしてみることにしました.
 

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アセチルコリンを打ってしばし待つ.
 

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この時期はなかなかベストな生殖時期を持つウニが少ないのですが,

ムラサキウニの卵を観察できました

墨汁の中では,ゼリー層が観察できます.
 

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そしてまたすぐさまフィールドです.
 

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皆さんカッパで完全装備.なぜかというと...
 

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この日は風が強かった

波がザバザバかかってくるため,みな身をかがめてじっと耐えています.
 

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何とか上陸



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黒板を見ながら畠島の説明をした後...



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まずはお弁当で腹ごしらえ



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そして磯観察へ.果たして何が採れるのか?


龍谷大学実習➄

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龍谷大実習は内容盛りだくさん.

棘皮動物の解剖を行います.
 

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ウニの殻を赤道面で割った様子.

ウニの内臓は殻の内側に裏打ちされているので,

外側を割っただけではまだ離れません.
 

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お次はナマコの解剖.

時間の都合もあるので,今回は班ごとに,解説と同時進行で実践してもらいました.
 

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意外にしっかりしたナマコの内臓の様子に,

カルチャーショックを受けた様子でした.
 

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最後にナマコの骨片の観察も行いました.

ナマコの皮膚を切り取り,一分ほどハイターに漬け,

水洗の後にプレパラートにして観察すると,

驚くほど多彩な骨片が観察できます.
 

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畠島の生物の観察も,いよいよラストスパートです.

観察種数を増やすため,貝殻を割って中身を観察する猛者まで.
 

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時間になりました.いよいよ観察種数を書き出します

千徳博士が,お手製のペラ紙で動物門の名札を作ってくれました.

これすごいですよ!安く作れて今後も使いまわせるので,絶対に役に立ちます.
 

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今回はリストの作成と別に,個別にお気に入り生物の発表も行ってもらいました.

ジャンケンで発表順を決定
 

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それぞれに自分が気になった生物の,

環境と形の適応についてを発表してもらいました
 

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全体で,60種近くの生物をリストアップすることができました

今回はなかなか僅差の勝負でしたが,優勝班は海藻まで見ていたのが決めてとなったようです.
 

お疲れ様でした


龍谷大学実習①

2015年4月2日から4月5日にかけて,龍谷大学環境フィールドワーク実習が開催されました.
 

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講師は,去年に引き続き,学振PDの千徳博士です.

お昼ごろに到着した学生さんたちを,
 

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息つく間もなくセレナ(公用車)に乗せ,
 

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港に拉致

実は天候の都合で,

少しでも早く畠島へ渡って磯観察を開始する必要がありました.
 

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ヤンチナで渡島
 

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のはずが,ヤンチナ謎の不調により,

ゾエアで渡すことに.

後の調査で,係留ロープに多量の生物が付着していたことが不調の原因と判明しました.
 

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 すったもんだの末に島に渡りました.

河村博士による畠島の解説の後... 
 

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早速野外で磯観察です
 

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今回は3班に分かれ,班対抗で観察種数を競ってもらいました
 

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タツナミガイさんの紫汁に驚愕

随分大型の個体がみられるようになりました.春ですねえ.
 

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この日は赤潮が大発生

ヤコウチュウの群れです.持ち帰って観察しましょうね.
 

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磯にたくさんの海藻が打ちあがっていました.

河村博士が持っているのはヒジキです.

スーパーに売られている姿との違いに,みな驚きが隠せない様子.
 

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じっくり二時間半,磯観察が終わりました

潮の条件があまりよくない中での観察でしたが,みなさんとてもまじめに取り組んでくれました


海産無脊椎動物多様性実習⑥

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天神崎の後は,そのまま畠島へ直行です.
 

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船の定員の関係で一度では渡島できないため,

待機班は第二便を待つ間に付着生物の観察を行いました.

船着場に吊るしておいた買い物かごが,付着生物で埋め尽くされております
 

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強風ではありましたが,快晴です

潮も良く引いており,コアマモが干出していました.
 

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帯状分布の解説中.貝一つに着目しても,色んな分布パターンが見られます.
 

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島の北側の方に来てみると,転石帯が広がっています.

これらの石を丁寧にひっくり返してみると...
 

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これこの通り.たくさんのナマコが,じっと乾燥に耐えていました
 

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この砂塊はなんだかお分かりでしょうか?
 

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答えはこれ!ギボシムシの糞塊でした
 

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普段はおしりの部分しか採れないギボシムシですが,

干潟プロフェッショナルの伊谷先生のポンプ捌きによって,

なかなか採れない鰓の部分も採れました 
 

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ということで,採れた生き物を持ち帰って黒板に書き出し.

百種近い生物が採集できました


藻類と海浜植物の系統と進化⑦

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すさまじい天気になってきました...

白浜では珍しく,猛吹雪です
 

 

 

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そんな中,構内の植物の観察結果の発表会が始まりました.

「トベラとナワシログミにおける種内変異について」
 

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「ハマダイコンの形態解析の諸諸」
 

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外部形態観察だけでなく,

切片なども作成し,多角的に検証してくれました
 

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最終日は自畠島に渡りました.実験所研究船の「ゾエア」が大活躍です
 

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大和先生がご同行くださりました.

畠島の説明をされています
 

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寒風吹きすさぶ中,海浜植物の説明中.

畠島は,このような植物が自然の状態で生い茂っている貴重な場所らしいです.
 

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せっかくなので海藻の説明.強風のためかはわかりませんが,

かなりの数の海藻が打ちあがっていました.
 

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中でも圧巻だったのがコチラ.「ヒロメ」です.

白浜周辺では何故かワカメが育成できないため,

代わりにこのヒロメを主要な食用海藻として生産しています.

独特の食感がクセになる逸品で,

現在ではこれを名産として売り出しています.
 

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皆で撮影会になりました
 

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畠島で収集した植物も併せて,押し葉標本にして終了
 

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最後は恒例のウミウシフィギュア謹呈です.

皆さんお疲れ様でした


大阪大学臨海実習

9月25日~30日にかけて,

大阪大学の臨海実習が開催されました
 

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磯採集の講師は久保田先生
 

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畠島での熱い生物解説です
 

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TAさんがドライスーツでやる気まんまんです

彼は,去年も大阪大学の実習で瀬戸に来ていた中島くんです.

過去の臨海実習で出会った学生が,

瀬戸に再訪してくれると,なんだか嬉しくなります.
 

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帰ったあとは,プランクトン観察です.
 

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河村さんが,夜中に集魚灯を仕掛けてくださいました
 

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集魚灯の周りを網ですくって,

昼間は見られない生き物がたくさん見られました
 

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本実習は二部構成になっており,前半では系統部類学の古屋先生のチームが,

後半では発生学の西田先生のチームが担当されます.

こちらは古屋先生の下で学位を取得された,

イタチムシ(腹毛動物)を研究されている鈴木さん.
 

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美味しいイカ焼きをこしらえてくださいました
 

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乾杯!

 

この夏最後の実習がはじまりました


大阪大学(留学生)臨海実習②

 阪大インターナショナルカレッジ臨海実習レポート 
 

 

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水族館見学の後,もう一度浜に向かいました. 
 

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やはり潮は高いです.

Luke先生もシュノーケリングで生き物を探しますが... 
 

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結果はこの写真が表しています.

タイトルは「黄昏」とでもしましょう
 

翌日は畠島です!たくさん生き物を採りましょう 
 

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夕方はウニの発生の予備講義.

山田先生による,ツマジロナガウニの発生の説明です. 
 

山田先生は,私の北大時代の講座の先輩にあたるそうです 
 

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その後はデータベース入力の準備.

この実習では,採集した生物のリストをデータベース化しており,

毎年の実習で成果がアップデートされていきます.  
 

Thorstenさんのデータべ―スはコチラ
 

現在200種以上が登録されています.
 

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さて翌日は畠島へ
 

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分室でいつもの畠島の説明.

今回は私が担当しました.
 

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海岸へGO!天気は抜群ですよ


 

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と思ったらやっぱり潮が高い

そもそも干潮が早朝なので,徐々に満ちいく中でのスタートとなりました.
 

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しかし彼らは潜るのです!潜れば潮はあまり関係ありません
 

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Luke先生が頑張ってナマコを採集してくださいました

Domo Arigato!
 

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空がもう秋色ですねー.
 

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磯観察終了後,一息つく指導側の面々.
 

   

対照的に迎船ギリギリまで水につかる学生たち.

(おや,Luke先生の姿も...)


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そうこうしているうちにお迎えが来ました.

さあ実験所に戻りましょう
 

続く.

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習②

学会のお次は,京大実習のレポートです.
 

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久保田先生のプランクトン実習.

多くの海洋生物は間接発生を行うため,

親と子の形が全然違います.
 

こちらは,親と子のそれぞれの写真から,

親子関係をつなぎ合わせる作業中.
 

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おお,なかなか大きめのクラゲが採れたようです.

最近,久保田先生は田辺湾で採集されるクラゲを長年連載で紹介されていますが,

最近,そのまとめがご著書として発売されました.
 

「魅惑的な暖海おクラゲたち~田辺湾(和歌山県)は日本一のクラゲ天国~」

http://book.akahoshitakuya.com/b/4907841159
 

要チェックです
 

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翌日は畠島へGO
 

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天気にも恵まれました
 

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たまには畠島の風景をご紹介しましょう.

こちらは畠島北西部に位置する小丸島.

潮がよければ,この小丸島へも歩いて渡れます
 

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小丸島を超えて,その先の部分まで来ました.

画面右上に見えるポコッとした島は,

わが実験所の在る番所崎の先端の塔島です.
 

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途中の泥岩帯で,足元の岩を割ってみると...
 

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このような穴が開いています.なんじゃこら.
 

犯人はこいつコツブムシですね.
 

ダイオウグソクムシと同じ等脚類で,ダンゴムシの仲間です.

泥岩に穴を開けて巣にしているのですが,

瀬戸内海のある島では,彼らによる激しい穿孔圧のせいで,

島自体がなくなってしまったとか
 

小さいながら,島ひとつを消してしまう破壊力を秘めた巨虫です.
 

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他にも,穿孔性のホシムシなどもみられました.

一見何気ない岩場にも,実はいろんな生き物が暮らしているのですね.
 

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往路では渡れた道が,復路では水没しているのはよくあること.

皆さん長靴に水をたっぷり湛えて帰りましたとさ

続く.


関西学院大学臨海実習⑦

関学実習のレポート,いよいよラストです
 

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果たして畠島での採集手数は何種に上ったのか?
 

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なんと,海藻などを含めて99種でした

あと1種で100種でした
 

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内田先生の最後の講義.
 

このような情熱溢れる研究者がおられるおかげで,畠島の自然は維持されているのでしょう,

ありがとうございました
 

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夜中まで頑張ったご褒美として,みなさんにアイスが振舞われました

またいつでも白浜の自然を観察しに来てくださいね
 

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翌日,お土産にウミウシフィギュアを持って帰ってもらいました.

やはり顔のある分類群は人気が違いますね.みんな喜んでいました

これで海洋生物好きが一人でも増えてくれるといいですね
 

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最後に新しくなった水族館でパシャリ.
 

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名残おしいですが,いよいよお別れです.おつかれさまでした
 
 
 
 

といわけで
 
 
 

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関西学院大学実習レポート
 
 
 

これにて終了


関西学院大学臨海実習⑥

だいぶ遅くなりつつありますが,
 

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関学実習のレポートです
 

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持ち帰ったベントスを例のごとく,バットにあけて観察です.
 

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こちらはカニを鑑定中?
 

十脚類くらい研究が進んでいると,ある程度図鑑で同定できますが,

そうでない分類群はそもそも図鑑すらありません.
 

実はこの「そうでない分類群」,つまり研究が進んでいない分類群は結構多いのです.

今なら研究し放題ですよ
 

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これは,ナマコの骨片を偏光板を通して観察したところです.
 

プルテウス幼生の骨片はよく観察しますが,

ナマコの骨片もこんなに鮮やかに光らせられるとは知りませんでした.
 

様々な骨片の種類が一目瞭然ですね
 

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内田先生の熱血指導を受けつつ,鑑定結果を黒板に書き出します.
 

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黒板一枚では書ききれなかったようです.果たして何種とれたのか?
 

続く


奈良教育大学実習②

 奈良教育大学実習レポートです。
 

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一度で船に乗りきらない人数なので,

後発隊は船着場でなく,近くの岸壁から乗船です.
 

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いつもの分室で説明がされている間に...
 

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河村博士が分室入口の掃除をしていました.
 

このような実験所所員の努力によって,

清潔に保たれているのですね.

※撮影後,私も手伝いました.
 
 

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講義のあとは,磯観察開始。

そしてタイドプールにウミシダ発見。

オオウミシダのようです.
 

黒色で,時折潮間帯でもみられる種だそうです.
 

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黒く濁ったタイドプールを発見。
 

中にタコがいるに違いないと,タコ採り名人の石田先生(奈良教大)がチャレンジをしましたが,

意外に穴が深く,残念ながら採れませんでした.
 

穴の中のタコを引っ張るのではなく,奥の方にぐいぐい押し込む力を与えてやると,

嫌がって出てくるそうです.
 

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デローンと転がったニセクロナマコたち.
 

畠島の北西の方には,このようなナマコゾーンが広がっています.

要因不明ですが,彼らにとっては住み心地のよい環境のようです.
 

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大阪教育大学の実習の時にも見つかった亀の死体がまだ残っていました.
 

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おや,まさか...?
 

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なんと辻野先生(奈良教大)が持ち帰るそうです。
 

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無事に岸壁に帰着.

この後奈良まで持ち帰ったようです.
 

辻野先生は,シカやサルなどの哺乳類と樹木のかかわりや,

人と自然のかかわりなどを研究されています.
 

自然が作り上げた脊椎動物の骨格標本に,思わず食指が動いたのでしょう.
 

ウミガメが今後の研究に生かされるとよいですね。
 

続く


大阪教育大学実習①

2014年6月24日~6/28日にかけて,

大阪教育大学の臨海実習が行われました。

例によってその様子をレポートします。
 

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大阪教育大学教育学部の生田准教授です.
 

生田先生は宮崎先生の筑波大学時代の後輩にあたり,

甲殻類を主な研究材料として,形態・発生学的な研究をすすめておられます.
 

ウェブサイトはコチラ
 

珍しい生き物がお好きで,珍奇生物に興奮してしまう私としては,

親近感を覚えてしまいます.
 

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この実習でも畠島へ渡ります.

畠島頻度が高くなってくすると,いよいよ実習シーズンが始まったなという感じです。
 

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畠島から一望できる白浜の様子を開設する宮崎先生.

生田先生とのつながりで,本実習は宮崎先生が担当されています.
 

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帯状分布の説明.磯観察の基本ですね。
 

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いつも人気のタツナミガイさん Delabella auricularia
 
 

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 ガンガゼDiadema setosum発見
 

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そして横にはアオスジガンガゼDiadema savignyi

本種は肛門の周りに青い筋があることでガンガゼと区別できたのですが,

うまく写真が撮れていませんでした.なんたるイージーミス。
 

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ウミガメの死骸.アオウミガメだそうですが,

実はこのウミガメ,二か月前からここにいました.
 

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ケハダヒザラガイAcanthochiton defippi
 
 

多板綱という軟体動物門の一群ですが,必ず八枚の殻を持つグループです.

(化石種では七枚のやつがいるらしい)
 

以前はその八枚の板が繰り返し構造とみられ,

環形動物や節足動物との類縁性を疑われた時期もありましたが,

現在ではなんの関係もないということが分かっています.
 

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小丸島付近の転石をひっくり返すと,必ずこいつがいます.
 

でろーーんと長く伸びたムラサキクルマナマコPolycheira fusca

無足類と呼ばれる,管足(体表面のぶつぶつ)がないタイプのナマコです.
 

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こちらは,ニセクロナマコHolothuria leucospilotaを片手に,ナイスポージング。
 

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 さすが甲殻類研究者の生田先生.

怒らせると怖いベニツケガニを見つけたと思ったら...
 

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なんとそのおなかにフクロムシがついているではありませんか。
 

しかも二個体同時。

※あまり詳しい説明はありませんが,フクロムシについてはコチラ
 
 

フクロムシがどこにいるかわからない
 

という方のために
 

特別にイラストレーションします。
 

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これでおわかりいただけるでしょう。

しかし同じ甲殻類でもこんなに形が変わるんですね.
 

実際に目の当たりにすると,生物の適応力の底知れなさを感じます.
 

続く.

 


奈良女子大学実習④

奈良女子大学実習レポートです。

タイドプール相の比較調査の結果を,班ごとに発表していきます.

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画用紙に手書きのタイドプールのスケッチを描き,

それを元に説明してきます.

生物のスケッチの意義について,よく

「スケッチするために観察するのでなく,観察するためにスケッチする」

と説かれます.タイドプールでも同じことが言えるのかもしれません.

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みなさん,大変よく説明できており,

質問も活発に投げかけられ,大変アカデミックな雰囲気でした。

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さて,お次は畠島でのマクロベントス観察です.

遊佐先生の合図でGO。

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みんなでお弁当を持ち込んで乗船.

渡し橋から落ちないようにね!

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出港してすぐ,水クラゲの大群が出迎えてくれました.

この時期はクラゲ相の変化によって,季節の移り変わりが感じられます.

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畠島には様々な底質環境がみられます.

岩礁でのZonationの説明や,生物の乾燥耐性についてのお話.

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アマモ場の重要性と,そこに生息する生物群の解説,

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砂場をよーーーく見ると,タツナミガイDolabella auriculariaが。

見事にゴカイの巣穴に擬態しているように見えます.

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うわー!だれか間違えてタツナミガイをふんじゃったようです.

紫色の汁を出してしまい,スプラッタ状態に。

※タツナミガイはこれくらいでは死にません.

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「みんなまってー!!」

畠島はそこらのアドベンチャー施設には負けないくらい広く,

細かく見ようと思ったら一日では回り切れません。

引率の先生,お疲れ様でした.

続く.


2014年和歌山大学実習②

和歌山大の実習で見られた畠島の生き物シリーズ!

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その① チゴケムシ Watersipora subovoidea

岩の下の方に,薄らオレンジに見えるコケのようなものが張り付いているのがおわかりいただけますでしょうか?

これはれっきとしたコケムシと呼ばれる動物で,外肛動物門とも呼ばれています.

個虫と呼ばれる,頭の部分に触手の環を持つ小さな生き物が,

サンゴなどと同じように群体を形成しています.

詳しい形態の話などは,知り合いのコケムシ研究者さんのウェブサイトで勉強できますよ!コチラ↓

https://sites.google.com/site/kokemushiweb/

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その② アオウミウシ Hypselodoris festiva

春はウミウシの季節ですね.このように目につく鮮やかなものから,

擬態しているのか,じっと海藻を見ていてやっと見つかるようなものまで,

様々な種がみられました.

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その③ ウミヒルモ Halophia ovalis

海藻ではありません.海に適応した種子植物です.

畠島では汚染が進んだ1970-80年代に消滅してしまったという記録がありますが,

海の浄化がすすんできた近年になってまたみられるようになりました.

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その④ モミジガイの仲間たち.

「カイ」といっても貝ではありません.写真からお分かりいただける通り,れっきとしたヒトデです.

いつもは砂の中に潜っていますが,潮が引くと,苦しいのか砂から出てくるので,簡単に捕まえられます.

この中にはおそらくトゲモミジガイとモミジガイが混ざっていますが,見分けがつきますか?

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その⑤ ウミガメとその⑥ ハリセンボンの死骸!

外湾に面したこの島には,いろんなものが流れ着くのですね.

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今原先生が何かを見つけられました!

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その⑦ コマイハナゴケ Cervera komaii

です!ヤギやウミトサカに代表される八放サンゴはあまり浅いところには見られませんが,

こんな潮間帯にみられる八放サンゴもいるのですね!

この赤いポツポツの一つ一つがポリプで,観察していると,

八放サンゴに特徴的な羽状の触手が観察できました!

ちなみに種小名の「komaii」

は,瀬戸臨海実験所の初代所長の駒井卓先生に献名されたものです.

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その⑧ これは,,,なんでしょう?

海中から突っ立ている棒状の物体.

ツバサゴカイの棲管でしょうか?それにしては長いような,,,

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浜辺で赤潮が観察されました.

その⑨ 夜光虫Noctiluca scintillans(渦鞭毛藻)

が大量発生していたようです.

この水の中にはすさまじい数の夜光虫が顕微鏡で観察できます.

こんな日に夜の海岸に出ると,波の動きに刺激された夜光虫が光ってとてもきれいですよ.

続く.


2014年和歌山大学実習①

2014年4月14日~19日にかけて,和歌山大学教育学部の実習が行われました!

この実習では,とにかく野外に出ます.

毎日野外尽くしです!

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まずは畠島へ出発!

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古賀先生による,畠島の説明.

普段瀬戸の先生の解説ばかり聞いているので,ちょっと新鮮でした.

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今回の実習にはスペシャルゲストが!

黒潮生物研究所和歌山支部の今原幸光先生です.

八放サンゴ(骨格を持たないやわらかいサンゴを含むグループ)の専門家です.

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国立科学博物館の並河洋先生です.

ヒドロ虫という,刺胞動物の中では比較的派生したグループの研究をされています.

変わった生殖様式を持つグループで,先生は各地からヒドロ虫を採集・飼育し,

生活史を見ておられます.

お二人の来浜の目的については,また今度お話しますよ!

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この日は雲一つない磯観察日和でした!

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海の生き物に興奮して,磯の際まで攻める学生あり.

遠くから「うひゃー!!」「すげー!!」などの嬌声があがっていました.

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ハッと気づいたら,海藻の専門家の高須先生(+ついていった学生二名)がはるか遠くへ!

フィールド科学者の足腰は強靭です.

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そんなこんなのポカポカ畠島観察でした.

この後も怒涛の野外実習が続きます.


2014年龍谷大学実習③

4月の龍谷大学の実習のレポートです。

前回までのお話はこちら

畠島で採集した生物の鑑定からスタートです。

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バケツに採集してきた生き物を,机の上で白いプラスチックの「バット」にあけていきます.

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タツナミガイ,ニセクロナマコ,イソナマコ...

ここは長虫状のものを集めていますねえ...



...おや?

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こ,これは!


ユムシじゃないですか

ゴカイやミミズなどの環形動物に似た生き物ですが,体節がなく,別の動物門と考えられている生き物です。

(最近はDNA解析の結果から,環形動物門の仲間と考えられつつあります)

特に特徴的なのが頭から伸びたスプーン状の吻で,

種類によってはこれが何メートルもの長さになります.

地面の下などに穴を掘って隠れ住むためなかなかお目にかかることのない動物ですが,

転石の下に何気なくいたそうです.

学生は「ミドリユムシ」と同定していましたが,

分類が進んでいないため,同定の真偽は専門家に聞いてみないとわかりません.

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図鑑を片手に悩む学生アリ.

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いつて海胆の同定を助けてやりました,

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瓶についた奇妙なコブあり.

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なんとカニが絡まっているやうだ。

瓶から出ようとしてもがいているうちに こうなってしまったのでしょうか。

この後,やさしくほどいて逃がしてやりました.

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そしておなじみナマコの解剖です.

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今回は(も)ニセクロナマコの解剖でした.

ナマコはかなり内臓がしっかり見えて,

結構グ○なのですが,意外に多くの学生が興味を持っていました.

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面白生物解析シリーズ,お次は千徳博士の「単体サンゴ」の解説。

群体性ばかりと思われがちなサンゴですが,実は単体で生き抜くたくましいサンゴもいるのです.

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珍しい生き物に,みなさん興味津々です。

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こうして楽しく鑑定は続いていくのでした。

続く.

 


2014年龍谷大学実習②

 龍谷大学実習レポート第二弾です。

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磯観察に向かう前に、河村研究員による危険生物の説明。

アンボイナ(巻貝)、ヒョウモンダコ、イラモ(刺胞動物)、ガンガゼ(ウニの仲間)

など、白浜の海には危険生物がみられることがあります。

事前にこのような生物を実際に見ておくことは非常に重要です。

瀬戸臨海ではこのような生物の標本を集めており、

実習中に実際の姿を見せしながら説明をしています。

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千徳博士が持ってきた、

大阪市立自然史博物館の「帯状分布手ぬぐい」です。

生物は水深ごとに生息場所を棲み分けている場合が多いため、

磯での生物相の概観が水平な帯状に見えることを

「帯状分布」といいます。それをカラフルに、見事に表した傑作手ぬぐいです。

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京大所有の無人島「畠島」に到着です。

上陸前の撮影タイム。

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畠島の分室に古くからある黒板を使っての生物相の説明。

買い取りから現在までの生物相の変遷を説明できる貴重な記録が残された黒板です。

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河村研究員による帯状分布の説明。

固着性の貝が生えているゾーン、

海藻が生えているゾーンなどが見て取れます。

特に潮間帯では潮の満ち引きによって、

水面からの高さごとの環境が激変するので、

帯状分布が顕著にみられます。

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転石下の生物観察。

潮が満ちているときは、水に浸かってしまう一帯です。

干出しているときは、転石下でじっと乾燥に耐えている生物たちが観察できます。

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畠島での昼食。

青空で食べる弁当の美味しいこと。

うまくタイミングが合えば、このような経験ができるのも、瀬戸臨海での実習の醍醐味です。


海産無脊椎動物多様性実習⑥

もちろん今回の実習でも畠島に上陸しました。

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人数が多いので、2班にわけて乗船しました。

一般は船着場ではなく、別の岸壁で待機中。

ちなみにパーフェクト凪。

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鏡のような水面を切り裂いてやってきた我らがヤンチナ。

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毎度おなじみ、上陸後の畠島分室でのレクチャー。

ここで事前講義を受けているのとそうでないのとでは、畠島の楽しみ方が数倍違います。(当社比)

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いざ磯観察へ。

先に上陸した班が遠くに見えます。

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「うおりゃーーー!!」

岩の下には、自分では動くことの出来ないレア生物が隠れ住んでいることが多いのです。

ひっくり返した岩はもとに戻しましょう。

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持ち帰った生物の仕分け。

いくつかウニが採れていますが、何種類でしょう?

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こ、これはいけません!

弱ったニセクロナマコ(Holothuria leucospilota)が内蔵を…。

衝撃映像なのでモザイクをかけておきます。

是非とも直接見たいという猛者は、公開臨海実習に参加してみましょう。

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ナマコの骨片の観察中。

ナマコは一見ブヨブヨしていて形質が少なく、分類が難しいのですが、

体表に埋め込まれている小さな骨片の形が種ごとに違っており、

この形の違いで種が分けられています。

今回は皮の一部をキッチンハイターに浸して、

骨片を取り出して観察しました。

ちなみに、ナマコもウニも同じ棘皮動物で非常に近縁なのですが、

このような骨片を観察すると、ウニもナマコもカルシウムの骨片で体が作られているのが理解できます。

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今回畠島からはこれだけの生物が得られました。

湾内の外洋と内湾の水が入り混じる場所に位置している畠島は、

「奇跡の島」と称されているそうです。

1968年に京都大学瀬戸臨海実験所に買い取られてから、

百年計画でその生物相のモニタリングが行われており、

現在でも所員によって五年に一度、全島調査が行われています。

こんな奇跡の島で実習ができるのは、日本広しといえでも瀬戸臨海実験所だけです。

みなさんこぞって公開臨海実習に申込みましょう!

続く


藻類の系統と進化①

 

2014年3月17-22日にかけて、公開臨海実習「藻類の系統と進化」が開催されました!

白浜周辺の藻類や、海浜植物の高い多様性に着目した実習です。

普段海産無脊椎動物を見ているだけでは得られないことも多く、大変勉強になります。

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畠島へ向かう一行。

畠島は、離島の植物相が手付かずのまま残っている貴重な場所でもあるのです。

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現場での植物の説明。

海岸付近は潮風の影響で、

植物にとっては過酷な乾燥環境なのだとか。

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海浜植物をシャベルで掘り出して採集します。

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陸上だけではありません。

学生の足元に生えているのは「コアマモZostera japonica」です。

陸上から海中に適応した珍しい種子植物です。

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帰所後、所内の植物の観察です。

何気なく毎日見ている植物も、実は面白い生態をもっているそうですよ。

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ウラシマソウです。

雌雄を判定するには、

葉に包まれた部分を解剖する必要があるそうです。

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楽しき植物の生態解説に、学生も興味津津でした!