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鳥取県立博物館に行ってまいりました④

鳥取県立博物館でのシンポジウムが終わり...
 

新たな実習も始まり,SMBLは秋の気配.
 

しかし夏はまだ終わらない
 

鳥取オフショット集です
 

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サンゴ展に掲載さていた勉強になるパネル.

最深の刺胞動物門ない大系統と,その中での骨格を作る分類群(サンゴ)の位置.

こうしてみると,サンゴが刺胞動物内で多系統であることがよくわかります.
 

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つづいてこちらも勉強になったパネル.

グレートバリアリーフは日本語で「大堡礁」というんですね.

欲とよく考えると,海外にあるものに和名がつけられているのもすごいことです.
 

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待合室で見かけた,おそらくキノコ展の産物かと思われるキノコぬいぐるみ.

この後千徳博士の手によってどうなったかは,彼女のブログをご覧ください.
 

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シンポジウム後に連れて行ってもらった居酒屋「かたつむり」.

実に隠れ家な雰囲気漂う良い店でしたよ
 

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シンポジウムお疲れ様でした!乾杯

むむ,しかしこれでは雰囲気が伝わりませんな.
 

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改めていざ

そう、この躍動感があってこその乾杯です
 

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夜遅くまでサンゴについての楽しいお話を聞かせてもらいました.
 

この日は一か月以上に渡った特別展の最終日でもありました.

準備から本番までのほとんどの作業行程を手掛けられた徳田さん,本当にお疲れ様でした.
 

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鳥取の美味いもんをいただきましたよ
 

手前の茶色い練り物が鳥取名物あごちくわ,

その隣の小鉢の中身は,言わずと知れた鳥取の定番らっきょうです.
 

その他にも豆腐ちくわなど,たくさんの珍しくておいしい名産品を頂きました
 

いつも名店を紹介してくださる徳田さん,ありがとうございます
 

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最後に,シンポジウム後にお話をされる千徳博士と江崎先生の師弟ツーショット.
 

江崎先生には,今回もいろいろとご馳走になってしまいました.

いつか恩返しができるように,頑張ります!
 

さてさて,もうすぐ実習が終わりますが,

その後はすぐに動物学会に参加してくるために仙台に行ってまいります.
 

11日L会場 16:45

岡西政典(京大・瀬戸臨海),藤田敏彦(国立科博・動物)

「日本産キヌガサモヅル(クモヒトデ綱:ツルクモヒトデ目)の分子系統解析」

 
 

国立科学博物館の藤田先生と共著です.
 

13日には座長も務めさせていただきます.
 

頑張ります


鳥取県立博物館に行ってまいりました③

シンポジウム報告です


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美ら海水族館の高岡博子さんの発表
 

「ツノサンゴ 鳥取の海松~ツノサンゴについて~」
 

ツノサンゴは枝状の六放サンゴですが,

実はこれに絡んでいるクモヒトデ(てづるもづる)は,須らく珍しいのです.
 

ツノサンゴを見るたびに,毎回つぶさに観察をしいますが

フィールドで出会ったことはほとんどありません.
 

他のクモヒトデが付かない理由は不明ですが,

ひょっとしたら刺胞の強さが関係しているのかもしれません.
 

そんなツノサンゴに関する話題ですが,

まだまだ分類が進んでいないグループということが驚きでした.

特にぱっと見の外見ではほとんど区別がつかず,

詳しい種分類のために顕微鏡観察を要する苦労は

クモヒトデにも共通します(勿論他の分類群もそうでしょう).
 

そもそもツノサンゴの研究者は少ないとのことなので,

今後共ご指導をお願いいたします
 

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鳥取県立博物館の大嶋さんのお話.

鳥取のサンゴ細工に関わるお話でした.
 

このような古い文献記録には,

実は我々の研究している自然史に直結してくるところがあり詳細な検討が必要とされるのですが,

なかなかおろそかになりがちです.
 

例えばテヅルモヅルも江戸時代の文献では,

生きた個体を持っていると手が痺れるのでであり,

乾燥したものを粉末にすると喘息のになる,と書かれており,

その真偽は明らかにされておりません.

いつかは取り組んでみたいですね!
 

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そしてトリの千徳博士
 

サンゴの群体の形づくりが,個虫の隔壁殻の出芽の方向性の組み合わせによって説明できることを,

わかりやすく話してくださいました.
 

特に,これまでに専門にされてきた非造礁性サンゴに見られる個体出芽の規則性が,

実は造礁性サンゴにも応用できる話は,

これからの研究の大いなる発展を感じさせてやまないものでした.
 

会場からの質問にもありましたが,群体性の生物はその個々の個体にの形質だけ注目しがちなのですが,

それだけでは分類が立ち行かなくなっている分類群もみられるそうです.

群体の形成過程や,その規則性を形質とすることで,

系統分類学にも十分応用可能だなと,

興味深く聞かせてもらいました. 
 

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合間に,しっかり白浜水族館の宣伝.

SMBLメンバーの猛プッシュです
 

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ということで,クモヒトデ研究の

ためにもなる大変有意義なサンゴシンポジウムとなりました
 

最後にメンバーでパシャリ.
 

徳田さんから後日メールをいただきましたが,

またこのメンバーで何か企画をしたいくらい楽しい時間が過ごせました.
 

いずれ,また他のInvetebrateな面子を絡めつつ,

楽しい企画をしていきたいですね.
 

今回のシンポジウムをオーガナイズしてくださった徳田さん,

並びに会場設営などでお世話になった鳥取県博の皆様,

本当にありがとうございました


関西学院大学臨海実習⑤

 

最終日は畠島に渡島です.
 

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いつもの船着場(寒さ裏)と違う場所でしばらく待つと...
 

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おお!われらが実習船ヤンチナがやってまいりました
 

大所帯の場合は一度で乗り切らないので,二班に分け,

先発隊を渡した後に後発隊を別の場所でピックアップします.
 

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船頭から乗船
 

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船上で楽しげな関先生(左)と富永先生(右).
 

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到着!分室の黒板を使った大和先生の講義のあと...
 

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いよいよ磯に出発
 

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内田先生,
 

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大和先生という黄金コンビにより,畠島の自然が余すところなく解説されます.
 

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初めてのタツナミガイに喜ぶ学生アリ.

紫の汁が出ないよう気を付けて
 

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ヤビーポンプ実演中.
 

素手採集が難しいアナジャコなどが採れました.

本当に優秀な兵器です.いつもお世話になっています.
 

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畠島北西部(外洋向き)の転石帯に行くと,生き物の様子がだいぶ違っています.
 

フジツボ一つとっても,内湾ではイワフジツボなどの小さな種類が多いのですが,

外洋に近づくとクロフジツボなどの大型種が増えてきます.

食べ物や波あたりと関係しているのでしょう.
 

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こんな自然豊かな畠島ですが,

上陸後に捨てられたと思われるゴミが時々見られます.
 

畠島は自然保護のため,無許可での上陸が禁止されています.
 

ご協力をお願いいたしますね.
 

続く.


関西学院大学臨海実習④

 

関学実習のレポートです.

ウニの正常発生は,プルテウス幼生まで進みました.
 

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こちらはモニターに映し出された幼生.

ある処理を施してやると...?
 

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ピカピカに光りました
 

これは,偏光板という一定方向の光しか通さない板で対象物を挟んで観察して得られた画像です.

プルテウス幼生になると体の中にカルシウムの骨片が出来てくるのですが,これは一定の方向性をもって配列した単結晶です.

偏光のみが反射される状態では,この単結晶以外は光が反射されないため,それだけが光って見えるということだそうです.

(という説明で合っているのか甚だ不安ですが)
 

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しかし美しいものは美しい
 

結晶の組成が,各部位で違うのでしょうか.

時折体の一部分だけが光ります.
 

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思わず関学の富永先生もパシャリ.

生き物の造形美ですよね.
 

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ウニとくればお次はプランクトンです

関学OBの内田先生が講師を務められます.
 

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プランクトンはなぜ浮いていられるのか?

浮くためにどんな努力をしているのか?
 

その答えは,この内田先生のポーズに隠されています.

後ろの黒板の文字と併せてご考察あれ.
 

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野外でプランクトン採集.

この実習では,円月島付近の流れの速い場所で泳ぎながらプランクトンネットを曳くという,

変わった方法をとります.
 

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これはベントス採集ではありません.プランクトン採集なのです
 

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内田先生の指示の元,全員で作業に取り掛かります
 

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最後に濾しとったプランクトンを瓶に集めます.
 

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実験室に持ち帰って,この日も遅くまで観察が続きました.

おつかれされまでした!
 

まだまだ続く.

 


鳥取県立博物館に行ってまいりました③

シンポジウム開始時間が迫り,ちらほら人が集まり始めました.
 

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愛弟子の千徳博士を旧交を深める江崎先生.

講演会のトップバッターを務めるにも関わらずこの落ち着きぶりは流石です,

比べて私は直前までわたわた...

見習いたいです
 

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江崎先生のお話

化石サンゴと現生サンゴが物語るサンゴの来歴
 

我々が目にする,珊瑚礁を作るサンゴは,多くが六放サンゴと呼ばれるもので,ポリプの骨格の作りの基本である隔壁(かくへき)の作りが,6の倍数で増えていくのですが,これにに対して4の倍数で増えていく四放サンゴというものがいます.
 

このサンゴは古生代にしか栄えておらず,現生のサンゴの形を考える上で非常に重要な分類群だそうです.
 

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江崎先生の発表にはいろいろと感銘を受けました.
 

私を含めた系統分類屋の多くは,現在の生物にみられる現象の検討から過去を調べようとしています.しかし,過去には過去特有の現象があり,その検討なくしては過去の環境を知ることは不可能なわけです.
 

そして,過去の現象を調べる唯一にして絶対的な証拠は化石です.
 

今後,研究の方向性に化石の検討を加えたいと思っている私にとって大変勉強になりました.
 

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美ら海水族館の野中さんのお話

八放サンゴについて
 

実はもづるの多くは八放サンゴに絡んで生活しています.そんな八放サンゴの魅力的な形を,立体メガネを駆使して見せていただいたスライドは圧巻でした,
 

さらに,産後のポリプのうち,生殖用のポリプが機能分化しているお話は非常に興味深かったです.
 

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そして勿論私もお話させてもらいましたよ

「サンゴ×クモヒトデ」
 

いつもクモヒトデがお世話になっているサンゴに対しての熱い思いの丈をぶつけさせてもらいました.
 

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ご覧下さいこの八放サンゴに付着した夥しい数のクモヒトデを

決して八放サンゴをいじめているわけでない...と信じたいのですが,

真偽のほどは不明です.
 

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何気なく,新装開店した白浜水族館の宣伝もしてきました

質疑応答もあり,それなりに意味のある発表ができたのではないでしょうか.
 

サンゴのシンポジウムでしたが,多くの方に興味を持っていただけて,非常に有意義でしたよ


関西学院大学臨海実習③

 関西学院大学実習レポート
 

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ムラサキウニの発生。講師は関学の関行人先生です.
 

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アセチルコリンを注射,放精放卵を見守るみなさん.

いつもの光景です.
 

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無事に配偶子を出してくれました

安定のムラサキウニさんは実力が違います.
 

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今回は一つ勉強させてもらったことがありました.

ウニは,自然状況下ではトゲを器用に動かして狭いところに入り込むため,
 

ビーカーの上に置いておくと,この手前のウニのように(危ない)

その中に入り込んでしまうことがあります.
 

その危機を防ぐため...
 

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このように,ビニールテープで入口を狭くしてやるというわけです
 

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...この方法が効果的でないウニもいるようです

まあ,コシダカは比較的管足が弱いので,

ビーカーの中に入っても取りやすいのでOK
 

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水替えは重要ですね

正常発生を効率よく観察するため,なるだけ快適な環境を維持してあげましょう
 

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きちんと水替え担当が組み込まれています.
 

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学生の要望に応え,ムラサキウニの解剖を行いました.
 

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パカッと開くと,腸や水管系が上下でつながっているのが観察できます.
 

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水につけてやると,内臓が浮き上がってその配置が見えやすくなります.
 

今回は尊いムラサキウニの命を犠牲にしましたが,

生殖巣だけ食べて捨てられるよりはその命を有意義に使えたはずです.
 

棘皮動物フィーバーの一日でした.


関西学院大学臨海実習②

関学実習レポートの続きです.
 

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一日目は食事後の夜も実習を続けます.
 

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昼間に採集したカメノテの解剖です
 

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講師はもちろんフジツボの専門家の大和先生です
 

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コチラはカメノテの仲間のエボシガイですね.
 

一見二枚貝のような殻を持っているように見えますが,

エビやカニ仲間で,れっきとした甲殻類です.
 

顎脚綱と呼ばれる,ケンミジンコや貝形虫などを含む仲間です.
 

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貝殻のように見える殻板を取り除き,根元をつまむと,

ツルのような曼脚を広げた様子が確認できます.
 

これは,カニなどの一番目立つ脚に該当する部分で,胸脚と呼ばれます.

この曼脚を殻の隙間から出して,水中の食べ物を捕獲します.
 

これが上を向いているということを考えると,

フジツボの殻の中での奇妙な姿勢分かってきます.
 

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これは,カメノテの体内から取り出した卵です.
 

やや発生が進んでいるようでした.この後ノープリウス,キプリス幼生と姿を変えていき,

最終的に岩に張り付く生活を送るようになります.
 

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関学の実習では,実習担当の助手の方も来られます.

お世話になった加藤さんです.濾過海水を作っています
 

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一日目から,夜遅くまで実習が続きました


鳥取県立博物館に行ってまいりました

鳥取県立博物館のシンポジウムに参加してきました

本州を文字通り縦断し,半日かけて鳥取に到着.
 

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オーガナイザーの徳田さんや共演者の江崎先生と合流し...
 

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夕食をご一緒させてもらいました
 

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とてもおいしい鳥取の料理に舌鼓を打ちます

おや,この箸置きは...
 

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なんと八放サンゴのポリプです
 

あえて,いわゆる造礁性でないサンゴのポリプの柄が入った箸置きが置いてあるお店に入るあたり,

さすがと言わざるを得ません.
 

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そんな素敵な箸置きとお料理を撮影する江崎先生...

を撮影する千徳博士を撮影.

早口言葉みたいな状況になってしました.
 

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江崎先生と,そのお弟子二人のスリーショット.
 

右側の方が鳥取県立博物館学芸員の徳田さんで,

サンゴを用いて,現生・化石の両面からその進化の検証に取り組んでおられます.

とても博識で,特に海洋の地史イベントを考慮した進化に精通しておられ,

いつも刺激になるお話を伺っています.
 

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お店の前で集合写真.
 

一番左は,江崎先生の研究室の学生さんの大野さんです.

わざわざ大阪から,先輩や先生の活躍を見に,博物館に来ていたようです
 

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明日の成功を祈って,乾杯
 

こうして鳥取の夜は更けていきましたとさ.

 


関西学院大学臨海実習

 

先日,鳥取県立博物館の特別シンポジウムでの発表を終えてきました.
 

一般の方々を対象にということで緊張したのですが,

なかなか楽しくクモヒトデの紹介や,自分の研究の紹介ができたのではないかと思っています.
 

他の発表者の方々のお話も非常に興味深いものばかりで,

私自身もすっかり楽しんでしましました.
 

その様子はまたアップいたしますね.
 

まずはこの間終わった関西学院大学の臨海実習のレポートおば.
 

2014年8月22日~26日にかけて開催されました.

八月最後の臨海実習の様子をお送りいたします.
 

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お昼に学生さんが全員集合しました.24人の大所帯です.
 

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集合当日から磯に出ます
 

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南浜で磯観察.高潮時の南浜です.新鮮
 

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瀬戸臨海実験所からは大和先生が講師として参加しておられます.

ご専門のカメノテを採集です
 

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カメノテが曼脚を広げているのがみられました.

潮が高いときでないとなかなか見られません.
 

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漂流していた浮きに,同じ蔓脚類のエボシガイがついていました.

陸生のカメノテに比べ,はるかに成長スピードが速いのだとか.
 

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北浜からの道のりはおそらく海の下になってしまうので,

帰りは番所山公園を横断.
 

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帰所後水族館観察!新装開店後,大活躍の白浜水族館です.
 

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系統樹パネルの前での説明.

関学の講師の内田先生が活発に質問をしていらっしゃいます.
 

生涯現役ですね
 

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改修後見やすくなったと評判の小さな生き物の展示.

ここではホシムシやヒモムシ,カイメンなどの普段あまり注目されない生物にスポットが当てられているのです
 

続く.

 

 


グリーンホテルモーリス

出張で鳥取に来ています.
 

明日から鳥取県博で講演があるのですが,

宿泊先のホテルグリーンモーリス

もうすごいんですよ
 

大浴場完備(サウナ・ジェットバス付き)

浴場にはタオル,シャカシャカ・ブラシ・綿棒・ドライヤー・マッサージ機完備

本,新聞,漫画完備

洗濯機・乾燥機あり

勿論自販機有り

枕,空気清浄機,ズボンプレッサー完備

Wifiサービスあり

朝食付き
 

これで一泊約5000円です
 

すげー
 

他にもサービスがありすぎて把握しきれません
 

今までいろんなホテルに泊まりましたが

ここのサービスはピカイチですね.
 

英気を養って

明日は頑張ります


分類学について⑤

分類学についてです.
 

ちょっとものの整理について考えてみましょう.

例えばお菓子とジュースを買いにコンビニに行くとします.

まずはコンビニの中ほどにあるお菓子コーナーでポテチを物色.

店の壁際のショーケースに並ぶ飲料コーナーで,

ポテチに合うコーラを物色し,颯爽とレジへと向かうわけです.
 

実はこのような何気ない日常を過ごせるのは,

コンビニのものがコーナーごとに体系的に並べられているからにほかなりません.
 

では,体系的に並べられていないとどのようなことになるのか?

今度はスーパーを例にとってみましょう.
 

全体像の理解の難化1

スーパーでは果物,野菜,魚・肉がコーナーごとに並べられています.
 

例えばこれをアイウエオ順に並べてみるとどうなるでしょうか?
 

イチゴの隣にキャベツがあり,魚の横にジャガイモがあり...

これでは,果物を選ぶために,イチゴとミカンを比べたいと思ったときに,

店の端と端を行ったり来たりしなくてはならずとても不便です.
 

全体像の理解の難化2

ここにお菓子や飲料が入ってきたらもう大変です.
 

このように,たくさんのものを単純に名前で並べただけでは,

その全体像の把握は実は非常に難しくなってしまうのです.
 

中世ヨーロッパでも,次々に持ち込まれる動植物の全体像の把握が

段々と困難になっていきました.
 

そこで,この状況を打開すべく,リンネがある方法を考え出しました.
 

続く


分類学について④

二名法の利点は,単に名前が短くなったたけではありません.

もう一つの利点は,「名前を記号として扱った」ことです.
 

実はそれまでの生物の特徴を表す形容詞がどんどん付されていった名前は,

その種の名前であると同時に,定義でもありました.
 

従って,その種の定義が変わってしまった際には,

その名前も変更されることになります.
 

例えば,
 

「灰色の 毛並みがいい 足の早い 北欧産の オオカミ」
 

がいたとして,これによく似ていてちょっと毛の色が薄い
 

「薄灰色の 毛並みがいい 足の早い 北欧産の オオカミ」
 

がいたとします. 
 

そして前者の種があるとき,ヨーロッパ全体に分布していることが確認されると,
 

「灰色の 毛並みがいい 足の早い 欧州産の オオカミ」
 

と改名されます.

こうなってくると、この2種の狼の会話が

かなり複雑なことになってしまう可能性は否めません.

 

対してリンネの二名法では,名前をあくまでも記号として扱い,定義は別のものとして扱いました. 
 

つまり,種の形質(この場合は分布域)が変わろうとも,名前は変えなかったわけです.

上の会話の
 

「灰色の 毛並みがいい 足の早い 北欧産の オオカミ」

および「灰色の 毛並みがいい 足の早い 欧州産の オオカミ」

と呼ばれていた種を二名法で
 

「灰色の オオカミ」に,
 

「薄灰色の 毛並みがいい 足の早い 北欧産の オオカミ」を

二名法で
 

「薄灰色の オオカミ」

というように、名前はあくまでも記号にすれば、

生物の名前の複雑化に伴う混乱は解消したといえるでしょう.
 
 
 

そしてさらに、リンネはこの二名法の他にさらに便利な方法を開発しています.
 

 
 

続く.

 


分類学について③

分類学の話です.
 

舞台は中世ヨーロッパです.生物の名前がどんどん長くなり,

目前に迫った生物資源利用の困難化救ったのが,

スウェーデンの博物学者
 

カール・フォン・リンネ(Carl von Linné)

でした.
 

彼はその著書「自然の体系(Systema Naturae)」の中で,

生物の名前を表すのに「二名法」という方法を採用しました. 
 

二語名法

これは,分類の最小単位「種」の学名である「種名」の表示法です.

基本セットは「属名」+「種小名」です.
 

属名は必ず名詞です(ですから一文字目が大文字です).

種小名は,基本は形容詞なので,種名は種小名が属名を形容する

(「灰色のオオカミ」など)

形になります.
 

ただし,種小名は名詞でもかまいません.
 

時々,名詞が二つ続く事に違和感を覚える方もいらっしゃいますが,

例えば「オレンジ・ジュース」みたいなものと思っていただければよいでしょう.
 

学名は

「ラテン語」

で表されます.
 

例えば種小名にsabineaeとか,japonicusとか,

“ae”とか”us”とかの聞きなれない語尾がついていることがあるかと思いますが,

これは全て単語をラテン語化する際につけられた語尾です.
 

以下に,種小名に頻繁にみられるラテン語尾をリストアップします.
 
 

“***i”, “***ae”:人名などの有性単語につける語尾.

男性にはi, 女性にはaeを付ける(ちなみに船は女性名詞です).

例) smithi, soyoaeなど
 
 

“***ensis”, “***iensis”:地名につける.

例) nipponensisなど
 
 

“***(a)nus”, “***inus”, “icus”:地域名につける

例) japonicusなど
 
 

ただし,これらの綴りや組み合わせは,

もとになった単語(語幹)が単数か複数かよっても変わりますし,

出来上がる単語の響きによっては,iが追加されたり,

語幹の一部が削られたりするので,一概にこうと言えるものではありません.
 

先にも述べましたが,種小名は名詞で表すこともできます.

例えば”soyoae”は蒼鷹丸という中央水研の有名な調査船に献名した種小名ですが,

単に”soyo”という名詞を種小名に使っても同じような意味となります.

ラテン語の名詞と考えればよいのです.
 

少し長くなってしまいましたが,このようなラテン語の2単語の後に「命名者」+「命名年号」が続き,

4単語が基本となって種名が表されます.

(亜種,亜属などが含まれるともっと単語数は増えますが,その説明はまたの機会に)
 

この二名法の発明により,生物の名前が簡便に表され,

それまでの混乱が解消されることとなりました.
 

これは「リンネ式二名法」と呼ばれ現在も変わらず用いられているため,

リンネは現代分類学の父と称されています.
 
 
 
 

しかし、実は,二名法のメリットはこれだけではないのです.

続く.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習オフショット集

関西学院大学の実習が,今日終わりました
 

そちらの写真もだいぶ溜まっているのですが,

まずは京大実習オフショット集です
 

今回もなかなか愉快な写真がたくさん撮れておりました.

その①
 

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OLYMPUS DIGITAL CAMERAフィールド移動中に他の車とはぐれて,

先の方の様子を見に行って帰ってきた大和先生でした

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その②

干潟でさっそうと歩く三年生のO塚君.

干潟二回目(3月の実習のリピーター)だけあって,

なかなかの足捌き.
 

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その③

久保田先生が撮影してくださった,干潟実習の風景.

全然気づかなかったのですが,いつの間にか久保田先生がいらっしゃっていて,

橋の上から激写してくださいました.

こうしてみると泥んこ遊び中にも見えますが,

実際に干潟を歩くと,結構大変なんです


 

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その④

磯歩きで学生が集めた貝シリーズ,

ハナマルユキ,ハルシャガイ,タガヤサンミナシ,ヤクシマダカラ,カタベガイなどなど.

海岸に打ち上げられたものだけでもかなりの種類が確認できます.
 

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その⑤

発生に使ったタコノマクラを解剖した強者あり

他の正形ウニと違い,かなり殻が厚く,ペンチで割る必要がありました.
 

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そのタコノマクラのアリストテレスのランタン(顎).

意外なことに,かなり大きく強固な顎を持っています.
 

海藻ではなく砂の中の有機物などを餌にしているのに,

なぜこんな顎が必要なのでしょうか.

体の骨格を維持するために,顎も支持組織として発達したのではないかという意見に落ち着きました.
 

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そして最後はコレ.ハマガニッのスケッチです
 

ハマガニッを捕まえた学生が,あまりにハマガニッを気に入ってしまったために,

渾身のスケッチを書き上げてしまいました.
 

彼のハマガニッへの愛情が伝わります.
 

スケッチしたハマガニッは,無事に元の場所に返されました.

※この表現は,実験所OBの藤本・メイオ・心太氏が

瀬戸ブロに寄稿してくれた記事を存分に参考にしました.


 

ということで,京大実習レポートおしまい!

お疲れ様でした!


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑧

京大実習レポートいよいよ大詰め
 

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この写真を覚えておいででしょうか?
 

自由課題実習です.
 

実はこれまでの実習に他の人たちが取り組んでいる間に,

滋賀県立大の杉本君が,

「潮間帯の岩礁や転石帯において,波や乾燥などの環境要因が,

貝類の分布に及ぼしている影響についての考察」

というテーマに取り組んでいました.
 

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鳥の巣,番所崎など数地点でコドラート・ライントランセクト調査を行い,

干潮時の海岸線から約1m 間隔で潮上帯まで50 cm四方のコドラートをとりました.
 

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得られたデータを解析中.

地点ごとにシャノン・ベイナー多様度指数(H’)や

類似度を算出しています.
 

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結果発表
 

台風の影響であまりたくさんデータが採れなかったので,

中野先生のコドラート調査のデータもお借りして比較に用いました.
 

分布図を書き,多様度などを地点ごとに比較したところ,

波あたりが強い場所では生物の多様性が高そうだ,

という考察に至りました.
 

そもそも生物学では,どうしても厳密なデータを採るのが難しいため,

たくさんのデータを採り,統計学的に処理することでその傾向を見る,

という手法が多くとられるます(特に生態学のような分野では).
 

台風でデータが得られなかったという原因はありますが,

今回はやや解析だよりになってしまったかもしれません.
 

例えば,分布図を書いてみた時点で,

肉食の捕食者のイボニシやシマレイシガイダマシ(巻貝)の分布と,

被食者のクログチガイ(固着性二枚貝)などの分布に,

ある程度の重なりがみられることがわかりました.
 

これを新たな出発点とし,

干潮時と満潮時での巻貝の挙動の違いや,

実際の捕食行動や捕食数から推測される捕食圧などを地点ごとに調べると,

さらに面白いことがわかったかもしれせん.
 

そして,新たに得られたデータを基に多様度や類似度を検定できれば,

解析をさらに「有意義」なものにできたでしょう.
 

また来年度,新たなチャレンジャーがこの謎を究明してくれることを祈ります
 

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実習の最終日は恒例のBBQ大会
 

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白浜の海の幸をたっぷりと堪能してもらいながら,

海洋生物談義に花を咲かせ,夜が更けていきましたとさ.
 

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一夜明けて,本当の最終日.

最後に宿舎と実験室の掃除をして,気持ちよく家に帰りましょう

こんなにピカピカにしてくれました!
 

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最後に白浜水族館をバックにパシャリ.
 

皆さんお疲れ様でした


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑦

さて,いよいよ佳境に近づいてきた京都大学の実習レポートです
 

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干潟の生き物をいざ同定



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今回注目のクリーチャーはこいつ

ハマガニです

なんでも本州でみられるのは非常に珍しい芦原性の種だそうで,

芦原の減少とともに個体数も減ってきているのだそうです.
 

興味のある方は「ハマガニ」で検索してみてください.

いろいろ絶滅危惧に関連したウェブサイトが引っかかってきますよ
 

ハンティング能力に長けた学生により捕獲されました
 

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干潟で採集された生物.こちらもかなり種数が多く,なんと計63種に上りました.

みなさんの採集努力に脱帽です
 

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干潟のお次は久保田先生によるプランクトン実習です
 

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専用ピペットの作り方解説中.

非常に小さなプランクトンをうまく海水からピックアップするためには,

先の細いピペットを使う必要があります.
 

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まずプラスチック製のピペットの先を火であぶって溶かします.
 

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そしてこう!
 

溶けた部分が固まらないうちにピンセットでつまみ,

びろーーーん

...と伸ばします.

あとは冷めて固まるのを待ち,細くなった部分を鋏で切ればOK
 

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 実態顕微鏡で観察中.

毎度おなじみ田辺湾から,今回は何が採れたのでしょうか?
 

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おお,プルテウス幼生が採れました

腕の長さからしてクモヒトデの幼生でしょう.
 

台風の影響か,普段に比べると生き物が少ない印象でしたが...
 

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こんなものが採れました
 

なんと内肛動物の幼生の可能性が高いということです
 

おしりに一対の針状の構造を持っているのが特徴とのこと.

勿論,白浜周辺でも成体がみられるのですが,うーむ幼生は初めてみました.
 

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台風で外洋性生物の観察の機会がなかったので,

浜に打ちあがったプランクトンを観察するついでに,番所崎にも磯採集にきました.
 

打ちあがったペットボトルに,エボシガイというカメノテの仲間が付着していました.

これも広い意味ではプランクトンと言えるでしょう.
 

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激しい波に晒されたせいでしょう.しっかりと岩に張り付いているカキも,

一部はがされてしまったようです.台風の脅威を感じます.
 

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急遽敢行した磯採集だったのであまり潮の条件がよくなく,満潮に近い状態です.

いつもは余裕で通れるところが,水浸し状態

普段みる干潮とは違った景色でした
 

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 いつもハネウミヒドラがみられるタイドプールがなくなっていました

いつもは小高い丘も,このように孤島に.

磯観察での潮位の重要性を改めて理解しました.
 

続く.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑥

発生実習の次は,干潟にやってまいりました
 

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まずは干潟下流の用水路にて観察.

朝倉先生の説明が終わった後...
 

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わら...
 

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わらわら...
 

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あっという間に岩礁に食らいつくソルジャーたち.

生き物への愛情があふれています.
 

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そしてお次は干潟にやってまいりました.

いい具合に潮が引いて,泥干潟になっています.
 

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なかなかの日照りでした.暑い
 

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 麦わら帽子に長靴,これが磯観察の基本スタイルです.

これに,軍手というオプションを付ける場合もあります.
 

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段々と川の上流に遡っていくと,分布している生物も少しずつ変わっていきます.
 

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ほぼ川のような状態になってきましたが,

それでも下流の干潟で見られたチゴガニなどがみられました.
 

こういった種は生息場所の塩分濃度が一日で劇的に変化するため,

幅広い塩分変化に対する耐性(広塩性)を持っているということです.
 

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またしてもi phoneのパノラマ機能を使ってみました.

天気も恵まれており,ここでもかなりたくさんの種を採集できました.
 

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ドロドロになった長靴を洗っておしまい
 

お疲れ様でした


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑤

 ナマコの卵成熟方法
 

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このように,謎の液に卵を浸し
 

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十分ほどしたら,スポイトで丁寧に液を海水に置換するだけ.
 

では,その液とは!?
 

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こちらです.ジチオトレイトール(DTT)溶液です.
 

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コチラを適当な濃度に調整し,冷凍庫で保管しておきます.
 

最終的な使用濃度は1 mMなので,

スペース確保のため,今回はその十倍の10 mMに調整した液を保管しました.
 

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こちらが処理前の卵.小さく映って見にくいかもしれませんが,

卵の中に.未成熟であることを示す大きな卵核胞と呼ばれる丸い構造が見えています.
 

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DTT溶液に曝すことで卵核胞が崩壊して見えなくなり(減数分裂が進み),

受精可能な状態となります.ちなみに,周りに群がっている小さな粒粒は精子です.
 

この精子の形も,ウニのものとは少し違います.
 

後はウニと同様に環境を整えながら,発生観察を行います.
 

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本実習ではもう一つ,ウニの掛け合わせ実験も行いました.
 

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その名の通り,様々なウニの精子と卵を採りだし,

総当たりで掛け合わせるというものです.
 

コチラはタコノマクラの採卵中.
 

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こちらは,各ウニ(ツマジロ,ムラサキ,コシダカ,ガンガゼ,タコノマクラ,ラッパなどなど)

から採取した精子の懸濁液です.
 

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今回は,ほとんどすべてのウニが放精,放卵してくれました

それぞれ掛け合わせの担当を決めて,結果を考察してもらいました.
 

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実験のあとはみんなで後片付け.
 

洗って干場に置くまででなく,元の場所に戻すまでが片づけです
 
 

勿論,すべてをいちいち洗った後に拭いて戻す必要はありませんが,

自然乾燥しにくい形状のものや,乾きかけのものは拭いておくと,

後の片づけが楽になります.
 

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夜中にそっと実習室を除いてみると,たくさんの学生がレポートに取り組んでいました.
 

今回の掛け合わせでは,受精の可否,発生段階の違いなどなど,

様々な興味深い結果が出たようです.
 

それぞれのウニの生息環境や系統関係を考慮すると,

面白いことが分かりそうですね

いいレポートがかけることを期待しています.
 

続く.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習④

京大実習レポートももう第四弾です.

付着生物実習の次は,発生学実習です
 

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講師は毎度おなじみ,宮崎先生です.

詳しい事前解説の様子は,これまでの実習の様子をご覧下さい.

今回は実践の様子をかいつまんでレポートいたします.
 

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ウニを散髪(棘)中.棘が飛んで目に入らないよう,ゴーグルで完全防備
 

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配偶子誘発物質(塩化アセチルコリン)を注射したウニを観察中.

雌であれば,生殖孔(反口側にある)が水につくようにして,卵が容器の底にたまるのを待ちます.
 

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採卵を観察中.なぜこのように,卵同士がくっつかずに,

一様の間隔で配置されるのか?気になったあなたは公開臨海実習に参加しましょう

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お次はナマコの発生実習です.

ナマコは,ウニのような薬品による放精抱卵の誘発が困難です.

そこで,このようにある方法でナマコの生殖腺を吐き出させます.
 

解剖によって精巣・卵巣を取り出すこともできますが,

とある方法で無傷(?)で吐き出させることができます.

気になったあなたは公開臨海実習に参加しましょう!
 

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赤いソーメンみたいのが取り出されました.

これは色からして卵巣ですね.このように,ピンセットでしごいてやると...
 

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赤い小さな粒粒をとりだすことができます.

これが卵です
 

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そしてこちらはクリーム色をした精巣です.

これもハサミ等でチョキチョキ切ってやると,精子を取り出すことができます.
 

では,あとはウニのようにこれらを混ぜ合わせておしまいかというと,

実はそう単純なものではありません.
 

ナマコの卵は,成体内では卵形成が減数分裂の第一分裂前期でブロックされています.

この状態では受精能力がなく,いくら精子の懸濁液と混ぜ合わせても受精は起こりません.
 

自然状況下では,温度変化などの環境変化を感じ取ったナマコが

体内で卵成熟を進め,放卵を行うのですが,

実験室での誘導はなかなか大変で,確実とは言えません.
 

そこで,本実習では「ある方法」によって,ナマコの卵を実験的に成熟させます.
 

その方法とはなんなのか?
 

ふふふ,気になってきたでしょう.
 

続きはまた明日
 
 
 
 

...余談ですが,ウニの卵はこのような方法を用いずとも,

放精,抱卵させた配偶子を混ぜ合わせることで簡単に受精させることができます.

このように,生殖期に配偶子が成熟状態で体内で待機している動物は実は少数派です.

ウニが古くから発生実験に使われてきた所以と言えるでしょう.
 

他にも,
 

・採集が容易

・放精・抱卵を簡単に誘発できる

・卵が大きく観察しやすい

・一年中,生殖期の種採集できる(場所によりますが).
 

などなど,実はウニは発生実験において,

唯一無二と言えるほどの優れた実験材料なのです.
 

と,何気なく棘皮動物アピールをしておきます


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習③

真夏の京大は実習まだまだ続きます
 

瀬戸臨海が誇る高速型多機能調査船「ヤンチナ」の係留港にやってまいりました.
 

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設備の説明中.黄緑の鉄枠は「Aフレーム」と呼ばれ,

ドレッジなどの重量物を船上に引き上げるのに大変役にたちます.
 

何度もこれにお世話になっております.
 

台風避難のために湾に多数の船が入り込んでヤンチナが出港不可につき,

本来予定していた畠島渡航は断念と相成りました.
 

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しかしそこは百戦錬磨のSMBLスタッフです

係留物に付着する生物を観察するという代案を繰り出しました
 

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船を係留しているロープなどには,驚くほど多数の生物が付着します.
 

ちなみに,これは以前紹介した筑波大学の中野先生が,

平板動物を採集するためのガラス板を入れておいた買い物かごを沈めておいたものです.

海中に入れて1年はんほど経っていますが,かごであった形跡は微塵もみられませんね.
 

ほとんどが海藻,コケムシ,ヒドロ虫,ホヤなどで,ゴカイの棲管なども

この光景の形成に一役買っています.
 

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タイヤやロープなど,様々な係留物から生き物を採集してもらいました.
 

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採集物の解説中.磯観察ではどうしても動くものばかりに目が行ってしまうのですが,

固着物だけを見るというのも,なかなかどうして面白いものです.
 

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コケムシの群体をモニターに映し出しました.
 

採集当初は虫室に引っ込んでしまっていたのですが,

しばらくすると安心したのか,ほとんどの個虫が元気に顔(触手)を出してくれました.
 

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たくさん採れたシロボヤを解剖してみました.
 

はじめに小さな個体を真っ二つにした際には何がなんだかわからなかったのですが,

複数の個体を捌いているうちにだんだんと構造が分かってきました.
 

体内の鰓の構造,胃の位置,さらには口と肛門と,入水孔と出水孔の位置関係など,

大変興味深く勉強させてもらいました.
 

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観察の合間に水族館を解説.

白浜水族館の誇る無脊椎動物ラインナップをとくとご覧あれ.
 

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付着生物実習のまとめです.前日に引き続き,様々な生き物が採れました.
 

「動かない」とう一見不利な生活を行いながら,食う,寝る,子孫を残す,などの生活の必須要素を

どのように達成しているのかを考える,良い機会になったのではないでしょうか.
 

続く.

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習②

京大実習のレポートです
 

最初の実習は付着生物観察です.
 

多くの動物はその名のとおり「動」いて生活しています.
 

ところが,中にはフジツボやイソギンチャクのように,「動かない」という生活を選択したものがいます.

それらの付着生物にターゲットを絞り,その生態的な意義を考察してもらうのが目的です.
 

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講師は大和先生.

調査地の説明中.


 

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台風の接近に伴い,実験所近くは荒天につき磯観察ができなかったので,

普段は来ない,内湾の鳥の巣という場所に来ました.
 

堤防の向こうが観察地ですが,流石にこの高さは降りられません
 

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ということで少し離れた階段から歩いて磯に向かいます.
 

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台風の影響はありましたが,まだ雨は降っておらず,

青空も垣間見えました.
 

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こんなコンクリートの棒の橋を渡ります.
 

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田辺湾の景色を説明中.

普段は遠くに望んでいる神島が近くに見られました.
 

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公開臨海実習の自由課題用のコドラート調査中.

このような方形枠を何地点かでとり,その中の生物相を

地点ごとに比較するという伝統的な方法です.
 

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例のごとく,持ち帰った生物を図鑑で同定中.

図鑑の使用方法も,臨海実習の重要な教育事項です.
 

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バットの中で,何やら小さな黒い粒が蠢いています.

こんなものは採っていなかったはずですが...
 

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黒い粒をモニターに映してみました.
 

なんとこれらは,ゾエア幼生と呼ばれるカニの赤ちゃんでした
 

お母さんガニはお腹に卵を抱えて,孵化するまで育てます.

採集された際の刺激で,ゾエア幼生が孵化してしまったのかもしれません.

(もちろん自然に孵化した可能性もあります)
 

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む,このコンビは.

TAの小泉君と,3月の実習に来ていた大塚くんの感動の再会です.

詳しくは3月の実習報告をご覧下さい.
 

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Nahraさんも磯の生物に興味津津

タンタ大学では軟体動物の生物学を専攻していらっしゃるそうです.
 

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イソギンチャクが,槍糸と呼ばれる防御用の刺胞を備えた糸を出していたので,

河村博士がモニターに映し出して解説中です.
 

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指示棒で指しているのが刺胞細胞ですね.

さすが防御用ということで,長い刺胞が発射されている様子が観察できました.
 

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最後に,採集された生き物を黒板に書き出しました.
 

なんとその数60種!
 

これは生物が豊富な畠島実習での採集数に迫ります.

学生のみなさんの採集努力の賜物ですね.
 

次は,漁港などの係留物に付着した生物を観察しに行きます
 

続く.

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習①

2014年8月6日~13日にかけて,

京都大学の臨海実習(一部,四部)+公開臨海実習が開催されました.
 

臨海実習一部は,

海洋生物学の基礎を学ぶことを目的とし、乗船・磯での海産無脊椎動物の観察や採集、さらに各種顕微鏡によるプランクトンの観察やウニ類の発生観察などを行う。

事を目的とした実習です(京都大学シラバスより)

今回は12名が受講してくれました!
 

臨海実習四部はいわゆる自由課題実習で,実習期間中に自ら研究テーマを決定し,

データの収集,解析,発表までの一通りの研究の流れを習得してもらう実習です.

公開臨海実習も自由課題形式で,全国の大学生が受講可能です.
 

第四部の受講者はいなかったものの,

滋賀県立大学の学生一名が公開臨海実習を受講してくれました。
 

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京都大学の2年生が多めです.

将来の海洋学者の芽をここで育みたいものです。
 

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瀬戸臨海側の挨拶.

一番左のピンクの服を着た方は,エジプトのタンタ大学から瀬戸臨海に「外国人共同研究者」として来られている,

Nahra Omran准教授です.
 

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一週間お世話になる宿泊棟の説明.

おや,なんだか見た顔がいる気がしますが...きっと気のせいですよね.
 

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避難経路の説明のついでに,公園化した番所山に登ってみました.

入道雲と青空のバランスが夏を感じさせます。

この後白浜はすさまじい暴風雨に襲われます.
 
 

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宮崎先生によるウェルカム講義.

海洋生物の多様性に関するお話です.本来は朝倉先生の担当ですが,

大学院入試で不在のため,宮崎先生がピンチヒッターを引き受けられました.
 

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河村博士による顕微鏡の説明.

こちらも本来は宮崎先生のご担当ですが,先の講義の後に大学院入試に行かれたため,

河村博士がピンチヒッターで引き受けられました.
 

瀬戸臨海実験所実習担当の層の厚さによってなせる玉突きピンチヒッター術です。
 

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 みなさん大変丁寧に顕微鏡を扱ってくれました.

これから一週間をともにする相棒です.
 

さあ,真夏の実習が始まります。


日本海でサンプリング!④

 

サンプリングの合間に,鳥取県立博物館の特別展を見に行ってまいりました。

その名も・・・
 

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「胸キュン★サンゴ展~わたしを深海(うみ)につれてって~」

なんという乙女チックなネーミング。

胸キュンです。
 

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まずはサンゴの種類から説明です.

各説明パネルの前に,個性的なサンゴたちのぬいぐるみが並んでいます。
 

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中でも気に入ったのがこちら.
 

髑髏で表されたヒドロサンゴさん。

ヒドロ虫には毒の強いものが多いので納得のデザインです。
 

ちなみにこれらは全て県博の職員の方が作られたそうです。
 

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生体も展示されていました。

サンゴの蛍光がよくわかるとても綺麗な展示になっていて,

思わずしばらく見惚れてしまいました.
 

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概観の一角がこちら.

i phoneのパノラマ機能を使った一枚
 

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こちらは,サンゴを観察してみようのコーナーです.
 

小さな実態顕微鏡とサンゴの破片が用意されており,

サンゴの骨格が詳しく観察できます.
 

こんな事されたら思わず観察しちゃうじゃないですか。

※じっくり観察しながら.
 

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深海サンゴのコーナーもありましたが...

ついつい立派なタカアシガニに目が行ってしまいました.
 

さすが世界最大のカニですね.

白浜水族館の飼育個体がまだまだミニサイズということがわかりました.
 

サンゴ展は今月末まで開催されています.

この夏,避暑も兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか?

鳥取は爽やかで非常に過ごしやすかったです。
 

そしてサンゴ展閲覧の後に,学芸員の徳田さんのデスクに案内されて...
 

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なんとモヅポロをお持ちでした。
 

私のacademistのプロジェクトにご支援いただいたそうです。

ありがとうございます。
 

こうして支援者の方に直接お会いできると,

研究を頑張ろうという気持ちがふつふつと湧いてきますね.
 

うおー頑張ります。

 


日本海でサンプリング!③

本日,京都大学の実習が終わりました.

台風の影響で一時は開催も危ぶまれましたが,

後半は天気も回復し,無事に終えることができました.
 

学生たちの居なくなった実習室は少し寂しくもありますが,

また8/22から始まる関西学院大学の実習に向けて英気を蓄えます。
 

ということで,まずは日本海サンプリングの報告の続きです。

今回は日本海で採れた生物を紹介しますよ。

※サンプル撮影用のいいカメラを忘れてしまったので,フィールド用のカメラで少し画質がアレかもしれません.
 
 

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ホヤの一種.いかにもホヤな形をしていますが,なんでしょうこれは.

鮮やかなオレンジです.
 

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そしてこちらは群体ボヤのイタボヤ.
 

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クモヒトデもいました。

これはアミメクモヒトデ科の一種かと思います.
 

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これはスナクモヒトデ科.

おそらくスナクモヒトデAmphipholis kochiiかと思われますが,顕微鏡で見ないと同定はできません.
 

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そして日本海の棘皮動物の代表格,イトマキヒトデPatiria pectinifera
 

というかどこにでもいるヒトデなのですが,なぜか白浜周辺にはイトマキヒトデがおらず,

トゲイトマキヒトデAquilonastra coronataなどが多く生息しています.
 

海蝕洞には行けませんでしたが,いろいろな生き物が採れてご満悦です。


日本海でサンプリング!②

日本海サンプリング二日目。

ですが,残念ながらこの日も出港不可。
 

ということでこの日もシュノーケリング。
 

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鳥取県立博物館分館「山陰海岸学習館」近くの川からエントリー.
 

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こんな感じの半海蝕洞みたいなところに案内してもらいました。
 

まだ日が差し込む段階で陸になっていたのですが,

やや珍奇な雰囲気を醸し出す生き物ポツポツ見られました.

これはまた暗黒部を待つ更なる海蝕洞を再訪しなくてはなりません。
 

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やや波が高い中,りょうくんは頑張ってコガモガイをサンプリング中。
 

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海中を漂う赤い魚の群れ.
 

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ふじもんが,海藻にたくさんついていたアオウミウシを見せてくれました.
 

うーん,いたるところに分布しているのですね...
 

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日本海で一番度胆を抜かれたのはコチラ。

これはなんでしょう。
 

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でかいでしょう。
 

おまけにぬめぬめしています.

そしてさらに,柑橘系の匂いが漂います。
 

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ヤマトメリベというウミウシでした。
 

体長30 cmはゆうに超えます.
 

メリベウミウシは時々瀬戸臨海周辺でも見られますが,

こんなに大きくなるとは知りませんでした.
 

左側のびろーんがどうやら口で,ここをガバッと広げて海底をさらい,

微小な甲殻類などを食べるそうです.
 

発見時にはすでに死んでいたようで海綿を漂っていたところを

ネットに押し込んだのですが,その際に体についていた突起がバラバラになってしまいました...
 

できれば体全体を持って帰りたかったんですが,さすがにそれは断念して,

突起をひとつ持って帰りました.
 

続く.


日本海でサンプリング!

 

 

先日,鳥取に日本海の生物の採集調査に行ってまいりました。

目的は,実習での比較観察用の生物の採集と,

海蝕洞で深海生物が採れないかと期待していってまいりました.
 

調査一日目。
 

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高波のため,残念ながら海蝕洞へいくための船が出られないということで,

近くの浜でシュノーケリングということになりました。
 

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凌君も去年卸したばかりのウェットスーツに身を包みます。
 

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いざ着水。正直陸にいるときは暑くてたまりませんでしたが,

潜ってみるとなかなか快適でした.

ラッシュガード組は寒そうでしたので,引き分けでしょう。
 

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日本海の生物その①!
 

ムラサキカイメン?太平洋と同種でしょうか.
 

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ホンダワラの仲間.イギリスでも見ましたが,

本当にどこにでも分布しているんですね.
 

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M2凌君のコガモガイも見つかりました。
 

分子系統地理学的な研究を行う上では,

なるべく多くの地点からのサンプリングが欠かせません.
 

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岩の隙間にウミシダも発見。色彩からニッポンウミシダかと思われます.
 

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「無人島に漂着した人」を実演中.
 

続く


エジプト土産

京都大学臨海実習第一部+四部が始まっています。
 

台風

しかしながら台風11号の

この挙動です

実は開催さえも危ぶまれたこの実習ですが,

なんとか接近する前にフィールドワークは終えており,

9, 10日と室内のウニ・ナマコの発生実験を行っております.
 

明後日にはまた干潟での採集行う予定ですので.

早めに通り過ぎ去ってくれるか,熱帯低気圧に変わってくれるのを祈るばかりです.
 
 

さて,実習の話題はまた後ほど詳しく報告するとして,

今日はうれしい貰い物がありました。
 
 

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こいつです!
 

一目見ればお分かりかと思いますが,これエジプトの絵です.

なんと本物のパピルスに書かれた,正真正銘のエジプト産です。
 

実は今白浜にエジプトのタンタ大学の准教授Nahraさんが客員として来られていて,

所員へのお土産にこれをくださいました。
 

アラビア文字ではBardy paperと言うそうです.勉強になります.

京大実習は9月も開催します.国際色が一段と増した瀬戸臨海で,是非とも熱い夏をお過ごしください。

 


イギリス旅行記オフショット集

移動日に少し時間があったので,
 

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研修も兼ねまして.
 

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ロンドンの自然史博物館に行ってまいりました。
 

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開館前から長蛇の列です。
 

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「扉をくぐると恐竜がお出迎え」
 

初めから派手な出迎えで,度胆をぬかれました.

館全体はレッド・グリーン・ブルー・オレンジの4つのゾーンに区切られており,

それぞれ違ったテーマの展示がなされています.
 

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こちらは入口すぐのブルーゾーン.

のっけから出し惜しみなく恐竜ですよ。
 

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これはトリケラトプスですね.恐竜ゾーンだけでも,

詳しく見れば1時間以上はかかるのではないでしょうか.
 

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そしてこちらは海産無脊椎動物コーナー。
 

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…と,思ったら展示準備中でした.
 

数時間後にオープンとのこと.

出発時間に間に合わないため,あえなく断念(;_;)

これはまたイギリスに来なくてはなりません。
 

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こちらはレッドゾーン(地学関係)の入り口.

一つ一つの展示に非常に手が込んでいます.
 

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熱水噴出孔に見られたハオリムシの展示.

なんとこれ,ぬいぐるみなのです。
 

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「神戸スーパーマーケット」の文字発見.

この中は地震体験施設になっていて,

阪神大震災の揺れが再現されていました.
 

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店内はなかなかの再現度.

揺れは若干抑え目でした

(本格的に再現したらアトラクションとして成り立たないでしょう)
 

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節足動物展示をフラッとのぞいてみました.

このような微小なミジンコから,
 

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  世界最大の節足動物のタカアシガニ(日本の固有種です)まで。
 

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思いがけず世界有数の博物館を見ることができました。
 

とはいえ,とても数時間の滞在時間では回りきれませんでした.
 

次はまた研究で訪れたいものですね。

 


イギリス旅行記⑧

みなさん
 

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これなんだかわかりますか?
 

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ホバークラフトの乗船券です 
 

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学会最終日の翌朝,再びホテルに集う棘皮研究者たち.

そう,今日はエクスカーションなのです

エクスカーションとは
 

訪れた場所で案内人の解説に耳を傾けながら参加者も意見を交わし、

地域の自然や歴史、文化など、さまざまな学術的内容で専門家の解説を聞くと共に、

参加者も現地での体験や議論を行い社会資本に対する理解を深めていく「体験型の見学会」です。

参照URL: http://www.cbr.mlit.go.jp/kikaku/excursion/01.htm
 
 

ということです
 

ほとんどの国際学会では,学会予定日のどこかでエクスカーションが挿まれます.
 

地域によってまちまちですが,これまでの参加経験でいえば,

オーストラリアでは「山頂からの自転車でのライディングツアー」

ドイツでは「ビール工場見学ツアー」
 

などです

中でもビール見学は最高でした.何より見学の最後のビール飲み放題g
 
 

そして今回のエクスカーションは
 

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藤田先生と石田先生のこの恰好を見てお分かりの通り
 

島での地質見学です
 

私はこの日に出国予定だったので正式に申し込んではいなかったのですが,

フライトまで時間があったので,フラッとみなさんについていくことにしました.
 

ちなみに,渡航するWight島は,ポーツマスからホバクラで約10分で行けちゃう小さな島で,

なんとリゾート地らしいのです

そりゃあいくっきゃないっしょ...
 

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ということで,ホテルから歩いて3分の港でホバクラ待ち.

Mikeさんもこの笑顔.

そしてついに
 

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ゴゴ・・・
 

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ゴゴゴ...
 

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ゴゴゴ...
 

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ズーン(上陸)
 

意外にスムーズにホバクラが上陸
 

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これがホバーの室内

半分くらいは棘皮研究者という,近年まれにみるであろう星密度です.
 

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ズズ...
 

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ズズズ...
 

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ザバーッ(着水)

車輪がないので,転回も着水もとてもスムーズ
 

ほんとに約10分でWight島に着いちゃいました
 

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正面からの雄姿をパシャリ.
 

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島でAndy博士がお出迎え& ご説明.

博士はなんとWight島にご在住とのこと.

リゾート地からの通勤とかうらやましい限りです
 

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そして,彼らはバンと車に分乗して,エクスカーションにでかけました.

この後,wight島を巡って地質調査(化石堀り)を行うそうです.
 

帰りに合わせると飛行機に乗れなくなるので,私はここでお別れしました.
 

また逢う日まで
 
 
 
 
 
 
 
 

まあ...
 
 
 
 
 
 
 
 

「え,マサは昼までやることがないのかい?」
 
 
 
 
 

「OK!じゃあそれまで一緒に行動しよう!さあ!バンに乗れよ!」




っていうのを...
 
 
 
 

期待してなかったといえば嘘になりますが...
 
 
 
 

結果的に...
 
 
 

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見知らぬリゾート地にぼっち 
 

続く


イギリス旅行記⑦

さてさてそろそろ佳境に入ってきたイギリス放浪記も,

気付けばもう第七弾です
 

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二日目はもう最終日です.

ポスターを肴に,皆ここぞとばかりに棘皮話に花を咲かせます.
 

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一つ,面白いポスター発表がありました.
 

Lea Numberger-Thuy & Ben Thuy

“Spiny celebs: echinoderms named after echinodermologists”
 

タイトルの和約は,「トゲトゲのセレブ達:棘皮動物研究者の名を関した棘皮動物」

といったところでしょうか.
 

これまでに棘皮動物学者に献名された棘皮動物をまとめたリストです.
 

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今大会に参加されていた入村精一(Seichi Irimura)先生や,

石田吉明(Yoshiaki Ishida)先生の名前がありました
 

献名は,多くの場合は尊敬の念を込めて行われます.

生物の学名に自分の名前が含まれる事は,基本的には名誉なことだと考えてよいでしょう.
 

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今年私がSabineさんに献名したAsterostegus sabineaeも掲載されていました.

私もいつかは献名されるよう精進せねば!
 

ちなみに,このポスターの作成者は(本人不在でしたが),

ドイツのクモヒトデ貴公子Ben君の奥さんです.
 

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気付けばついに学会もクロージングのお時間です.

最後に,学生発表賞が発表されました
 

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今回は口頭から二人,ポスターから二人の計四人が選ばれました.おめでとうございます
 

授与者はロンドン自然史博物館のA. B. Smith博士です.

専門はウニの系統進化ですが,棘皮動物全般を扱われており,

もう20年も昔ですが,クモヒトデ全体の系統に関する論文も出版されています.
 

Natureなどに論文をバンバン出版されている,憧れの人です.

今回,私の発表に質問してくださったことは,何気に自慢です 
 
 

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後ろ髪をひかれながら会場を後にする棘皮動物学者たち.

次は来年の棘皮動物国際会議@メキシコでしょうか.
 

その時まで,さらば 
 
 
 
 
 
 
 

と思いきや...
 
 
 
 
 

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宿泊所前ににわかに集合し始める棘皮動物学者たち...
 
 
 
 

そして...
 
 
 
 

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ラストパ―ティー開催です 
 

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どうせ明日は移動日かエクスカーションを残すのみ

大いに飲んでやりましょう
 

「なぜ,棘皮動物研究を始めたのか」
 

「各国の研究者の就職状況は」
 

「『棘皮動物』って言っても,だれもわかってくれないんだよねwww」
 

「Brittle star (クモヒトデの英名)って言っても,だれもわかってくれない...

みんな『Star fish (ヒトデ)の仲間ですか?』っていうんだwww」
 

「わかる」



などなど,棘皮動物+研究の話に大いに花が咲きました

どの国でも同じような悩みがあるのですね
 

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Ben君は,ドイツ人チームと飲んでいます.
 

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夜も更け,そろそろ帰るものもちらほら.

左の男性は,ロシアの学生のAlexander君です.

数少ないクモヒトデの古生物屋さんです.
 

一方,手前の大柄な男性はドイツのMikeさん.

ナマコの古生物屋さんです.
 

こんな風にして,各国入り乱れてワイワイやりながら,

ポーツマスの夜は過ぎていきましたとさ.
 

棘皮動物屋さんはいい人ばかりです.

続く

 

 


イギリス旅行記⑥

イギリスから帰ってだいぶ経ちますが,まだまだ旅行記は続きます

さてさて,お昼休みの時間はポスター発表も兼ねています
 

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藤田先生は,相模湾産の海シダ類の発表をされていました.

お話されているのは,ブルネイのDavid Lane博士です.
 

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石田先生も,日本産のクモヒトデ化石の発表をされておりました.
 

スペインのGallemiさんとお話中です.
 
 

さて,ランチについての事前説明がまったくなかったので,

外食を検討いたところ...
 

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なんとケータリングでランチのサービスが

待てば海路の日和ありです
 

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サンドイッチと中華とタイ料理のミックスです

このタイミングで食べる中華の美味しかったこと...
 

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神奈川大学の斎藤君も,同じ日に発表でした.
 

ブンブクが,天敵の巨大巻貝「トウカムリ」からどのように逃避行動を進化させてきたのかを,

化石記録と飼育実験から検証した大変興味深い研究発表でした
 

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一日目の帰り際,会場の外でパシャリ.

これからバンケットです
 

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地図を頼りに歩くこと20分...
 

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つきました!この半分植物に覆われている建物が,

バンケット会場の”Kitsch’n d’or”です.

実はこれは全て蒲萄ということでした

さすが欧州だぜ...
 

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バンケットが始まるまで,外でしばらく舌を湿らせました.
 

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お食事がはじまりました!なかなか濃ゆいテーブルにつきました.
 

一番左(ちょっと切れてますが)は,オーストリア博物館のAndreas Kroh博士で,

化石,現生のウニを扱って,スケールの大きい進化学的研究をされています.
 

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イギリスのお食事

ムール貝
 

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その二ステーキ

こんな分厚いステーキ食べたことがありません

たっぷり堪能しました
 

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ということで,この日も楽しい食事とお酒に囲まれて過ぎて行きました.

気候も良く,この頃にはすっかりイギリスが好きになってしまいました
 

続く


イギリス旅行記⑤

 ウェルカムパーティから一夜明け,

いよいよ2014EECが始まります
 

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学会場のポーツマス大学 Richmond Building.

色あい鮮やかなオシャレビルディングです.
 

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学会ポスターには,ウミシダの粋な写真が使われています
 

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こちらがレストフロア兼ポスター会場.

今回はいつもに比べて人数少なめなので,この1フロアにすべてが収まりました.
 

外観もさることながら,とてもカラフルな建物が多い大学でした.
 

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藤田先生(右)と,クモヒトデ化石研究者の石田先生(左)も,

せっせとポスターを貼っています
 

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こちらは口頭発表会場.
 

どの場所からでも見やすいコンパクトな会場です

入口(右奥)から席に着くためには,演者の目の前を通らなくてはならないため,

途中での入場が非常に困難な作りになっています.

おそらく講義を抜けにくくする(あるいは途中参加する)ための策略ではないかという結論に落ち着きました.
 

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いよいよ学会が始まります

各国の研究者たちが着席
 

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Ben Thuy君から口頭発表が始まりました.

最新の形態と古生物学的視点からクモヒトデ系統を探った興味深いお話でした.
 

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この日が私の発表でした.
 

「キヌガサモヅル(Asteronyx loveni)の生物地理学的な研究」です.

世界中に分布しているといわれている本種ですが,

実は日本産の個体だけでもいくつかの種がいそうということがわかっています
 

専門の分類の話でないのでちょっと緊張しましたが,

無事に終えることができました.
 

いくつかうまく答えられなかった質問があったのですが,

後から考えると当然のごとく予想できた質問で,悔しい思いしました.
 

質問想定の重要性を改めて自覚しました.
 

次は頑張ります

続く.
 


実習の思い出

学会のあと,鳥取で日本海の調査を行ってきました.  
 

海蝕洞という半分海に浸かっている洞窟の調査でしたが,

いろいろあって非常に楽しく,ブログを更新するのを忘れてしまいました
 

その様子はいずれ更新する予定です
 

その前に,先日の市立大学の実習の最終日ですが...

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帰宅を控えたみなさんがなにやらごそごそ...
 
 
 
 
 

していると思ったらなんと
 
 
 
 
 
 

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色紙をいただきました(画面右下の河村博士の手元に注目)
 

「瀬戸臨海実験所の皆さまへ」

とのことでした.大変嬉しかったです.

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バスで帰途につくみなさん.

本当にありがとうございました
 

今後の実習ラッシュも頑張ります


イギリス旅行記③

イギリス旅行記第三弾
 

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イギリスでの宿泊先は,主催のポーツマス大学の附属施設でした.

とても快適な部屋でしたよ
 

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印象深かったのがこのバスマット
 

おそらく吸水・放水性に優れたマットなのでしょうが,見た目は完全にペラペラの紙で,

最初風呂上がりにこのマットに乗るのは抵抗がありました.
 

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部屋の窓から,アイスブレイカーの準備の様子が見られたのですが,私は見てしまったのです.

思いっきりお肉を床にこぼしてしまったのを...
 

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アイスブレイカーまで時間があったので,近くを散歩.

歩いて三分のところに港があり,Wight島という離島に渡れるのですが,

渡航手段がなんとホバークラフト
 

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すさまじい音を立てながら着水し...
 

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そのまま島にわたっていきました.

初めて見ましたが,意外にスムーズに着水するものなのですね.
 

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BBQがはじまりました

宿泊施設の中庭を利用しています.
 

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豪華な食事に,あれ,飲み物はミネラルウォーターと,オレンジジュースのみ...?

まさかのノンアルコールパーティーでしょうか...

ちなみに,髭を蓄えた紳士は今大会のオーガナイザーのAndy Gale博士です.
 

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欧米といえばお肉

ここでもしっかりと栄養補給を行いました
 
 

続く.

 


イギリス旅行記②

 

イギリス旅行記第二弾

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South Kensington Parkで遭遇した動物その一
 

リス
 

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そのニ 水際にいた鳥さん
 

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少なくとも二種類くらいの鳥はんが,

公園の湖を支配していました.
 

前を歩いていた人も思わず激写.
 

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散歩後の朝食

ベイクドビーンズ,ベーコン,ウインナー,フレンチトースト,クロワッサンなどなど...

メニューが豊富で,とても美味しかったです
 

しっかり栄養補給して,学会会場のポーツマスへ向かいました
 

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イギリスの各地へのハブとなっているLondon Victoria駅.

かなり混み合っていて,余裕を持っていったつもりでしたが,

気づけば時間ギリギリでした.
 

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なんと電車の中で,神奈川大学の金澤先生と,

お弟子さんの斎藤博士に遭遇
 

お二人は不正形ウニと呼ばれる,

五放射相称でないウニの古生物学研究の専門家です.

各地から続々と棘皮動物研究者が集まっています
 

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のどかな風景.電車移動の醍醐味ですね.
 

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ポーツマス駅につきました

  ロンドンから特急で約二時間の港町です.
 

気候は暑すぎず寒すぎず,

湿度もなくカラっとしていて非常に爽やかでした.
 

さあ,いよいよ三年に一度の棘皮動物の祭典が始まりますよ


大阪市立大学実習⑦

イギリス旅行記の第二弾を書こうと思っていましたが,

大事なことを忘れていました。
 

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大阪市立大学実習オフショット写真集です。 
 
 

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久保田先生による磯観察の講義中.
 

日差しが強いので,日傘で防衛中です.
 

久保田先生はベテランなのでサンダルでも大丈夫ですが,

磯観察の際は,基本的には長靴長ズボンで怪我がないようにしましょうね。
 

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水族館で見たモミジガイ類(ヒトデ)の底力.
 

彼らの管足は吸盤状になっていおらず,砂に潜るために機能分化しているのですが,

なんとかして水槽の壁面にへばりつくこともできるようです.

ただしその速さや吸着力は,他のヒトデには及ばないようです。
 

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放課後,浜でビーチバレー中.
 

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こちらに気づいてポーズ。
 

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これは(笑)
 

詳しいルールを聞いていないので推測のなりますが,

真ん中の人がミスをしたら,周りから水をか行けられるゲームだったようです。

いずれにせよ,みなさん大変仲がよくて楽しく実習に取り組んでいて,

こちらも楽しく勉強することができました.
 

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小宮先生とみなさんでパシャリ.

今回の履修者の中から,海関係の研究者が出てくれることを期待しています。
 

終わり


イギリス旅行紀①

改めまして,7/19-23にかけて,

イギリスはポーツマスに国際学会に出席してきたのでそのレポートをば
 

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ロンドンの税関にて.

なぞの青ジャージ多国籍軍団に囲まれて入国致しました.
 

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便の関係でロンドンに一泊.

こちらはSouth Kensington駅前.

実にオサレな広場で行き場に困りました.
 

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ホテルへの道中.

何気なく撮った歴史ある建物でしたが,なんとこれがかの有名な

“Natural History Museum”「自然史博物館」でした。
 

後に自らの不準備さを恥じたのでした.
 

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こちらは一泊したロンドンの宿泊施設.

Imperial Collegeという名前からするに伝統のありそうな大学の備え付けの宿泊施設でした.

真夏で冷房はなかったのですが,カラっとしているので扇風機で充分快適に過ごせました.

体感不快指数に最も影響を及ぼすのは湿度なのかもしれません.
 

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宿泊施設の中庭.
 

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お隣の円形施設.

霧の都とは思えぬ快晴に恵まれました.
 

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通りの向かいの建物.

どこからどう撮っても絵になります。
 

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電車の出発時刻まで時間があったので,

公園を散歩してみました.

South Kensington Parkです.
 

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やたら広い公園で,遠くに見える塔型の建物まで敷地内でした.
 

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公園内の川の水面.

時差ボケが吹き飛んでしまうくらい綺麗な風景ばかりでした.
 

続く.


大阪市立大学実習⑥

大阪市立大学実習最終レポートです。
 

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最終日は,夜中まで研究発表会でした。
 

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スベスベマンジュウガニに関するお話.

一部の足を切り外し,機能形態学的な話をしてもらいました.
 

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学生,教員関係ありません.

全員が,各々興味を持った生物についての発表を行いました.

橘先生の,ヒメヒラアワビなどの軟体部が露出する貝類の刺激反応に対するお話.
 

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こちらは後藤先生による,巻貝類の歯舌のお話.

カサガイの齒舌が本当に体長の何倍も長いのか?

そしてヒザラガイの齒舌は本当に磁性があるのか?

というお話を,見事に完結に短時間でまとめてくださいました。
 

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川村博士の,シマレイシガイダマシの同定と生態学に関するお話.

ご自身のこれませのシマレイシガイダマシの他種との分類の問題点と,

食性などの生態について,見事にまとめてくださいました.
 

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私も発表を行いました.

番所崎に生息する星虫類の分類学的研究です.
 

白浜周辺の礫石間を探るとたくさんの星口動物が採集できるのですが,

実は実はそれらをよく観察すると,少なくとも三種がいることがわかりました.
 

そのうちの一種が,現在の図鑑的な文献では同定できないことがわかりました.
 

タテホシムシ科だと思うのですが,吻部の鉤列が50以上あるので種が同定できませんでした.
 

ご意見を伺ええる方は是非ともご一報を。

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こんな感じで深夜まで研究発表が行われました.
 

最終的に私自身は大変楽しめ,またみなさんとてもいい笑顔で実習を終えられましたが,

それがランナーズハイ的な笑顔でないことをを祈るばかりです(笑)
 
 

最終日は,みなさんの清掃により,

大変気持ちよく実習を終えることができました.
 

みなさんお疲れ様でした。


大阪市立大学実習⑤

 国際学会@ポーツマスが終わりました。
 

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発表も済ませてきました.
 

なんやかんやしているうちに発表の日が来てしまったのですが,

なんとか無事に発表を終えられてほっとしています.
 

学会の様子についてはまた後日。
 

その前にこのレポートを終えなくては。
 

大阪市立大学の実習レポートです。
 

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久保田先生の系統分類学の講義の続きです.

白浜水族館は海産無脊椎動物の展示が充実しており,

海の生き物の多様性を学びやすい構造になっています.
 

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また,各水槽は分類群(主に門や綱)ごとに分けられ,

それぞれに設けられたトピック的な解説を読んでもらうだけで,

楽しく生き物の分類を知ってもらえます.
 

引率の後藤先生や橘先生も含め,皆勉強熱心になっていました.
 

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さてさて,生き物の基本構造が頭に入ったところで,

再び番所崎で磯観察です!
 

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柔らかいホネナシサンゴなどもタイドプールで見られました.
 

これは,ヤギなどとは異なる六放サンゴの仲間です.

ですが,いわゆるソフトコーラルとは呼ばないのだとか.
 

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番所崎一周中.前回はいかなかった北側をグルっと回ってくると...
 

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なんとホンダワラ(Sargassum)が大量に打ち上がっていました。

普段は穏やかな砂浜ですが,足の踏み場もないとはこのことです!
 

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どこまでが砂浜でどこまでが水やら...

うっかりすると長靴が水没しそうでした。

夏の到来が感じられる出来事でした.
 

続く.

 


大阪市立大学実習④

 大阪市立大学の実習もいよいよ佳境です。

生理学実習の次は,系統分類学実習です.

講師は瀬戸臨海の久保田先生。
 

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動物門の説明中.我々研究員が整理した標本が使われております。
 

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浜に打ち上がっていたヤギ(硬い骨格のない柔らかいサンゴ)の説明.

台風八号の影響で,普段はなかなかうち上がらない生き物が見られたそうです.
 

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と,盗撮者が!?
 
 
 
 
 
 

...というわけではもちろんありません.
 

ドイツから来ていた久保田先生の取材チームが実習に同行していました.

ベニクラゲに関する記事でしょうか.
 

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南浜での磯採集の様子.

みんなで力を合わせて石の裏の生物を探します。
 

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誰かが踏んだようですね.タツナミガイを。

姿は見えねど,体液が見えています。
 

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なんと,カツオノエボシが打ち上がっていたそうです。

こいつの触手(この写真では水中に隠れて見えませんが)は強力な毒があるのでご注意を.
 

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カツオノエボシの刺胞の観察中.
 

種類にもよるのですが,触手を薄い酸(食酢くらい)に晒すと,

刺胞を発射してくれます.
 

右下のポコポコした黒い部分が触手で,

毛のようにピュっと伸びたのが刺胞です.
 

この刺胞の長さと,刺胞に含まれる毒の量で,

人間に対する害の度合いが決まってくるんだとか.
 

カツオノエボシの刺胞は非常に長く,刺す気が伝わってきます.

みなさんは触らないようにしましょうね!
 

くわばらくわばら...
 

続く.