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大阪市立大学実習③

市立大学実習,まだまだ続きます.
 

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小宮先生の次は後藤先生(中央)の,生理学実験です.

新しくなった実習室の棚に言及していただきました。
 

棚改修の詳しい様子はコチラ↓

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_3.html

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_4.html
 
 

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まずは実験材料にする巻貝を採りまくります.
 

アラレタマキビ300個体,

イボニシ200個体,

イシダタミ150個体...

全員の力を合わせて,なんとか採集できました。
 

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そして,新聞紙の上において一晩乾燥状態におきます.
 

乾燥(蓋が閉じた状態)の巻貝を,さまざまな塩組成の水溶液につけてみて,

その反応を見ることで,彼らが海水のどのような成分を認識しているのかを確かめるのです。
 

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乾燥状態に置かれたイボニシ.

元気な個体は軟体部を出してしまうので,ひっくり返していきます.
 

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アラレタマキビを10個体ずつ実験用に分けます.
 

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これを1セットにして溶液につけて,

反応した個体の%をカウントします.
 

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助教の橘先生(左)の指示のもと,みんなで手分けをして溶液作成中.
 

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最終的にさまざまな種類の塩溶液が作られました.
 

あとは得られた結果をまとめて,各自でレポートを提出して完了。

お疲れ様でした。
 

続く.

 


大阪市立大学実習②

ロンドンで一泊し,ポーツマスに移動しました。

これから三日間,棘皮動物に関するマニアックな国際会議が開かれます。
 

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ロンドンでのった地下鉄の乗車券.

正直「イギリス+地下鉄=オサレの方式」に乗っかってます.
 

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意外に夕暮れどきの地下鉄は混んでいました.

イギリシアンの方々も,通勤に苦労されているのですね...
 

 今は無事に発表を終えました。

あとは学会を楽しむだけです。
 

ということで,市大実習の続きです。
 

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 卵を受精させました.

このあと,正常発生はうまくいったようです。
 

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おや,小宮先生がなにか操作をされています.
 

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むむ,これはカルシウム(イオン)フリー?

人工的にカルシウムがない状態の海水を作り,発生にどのような影響を与えるのかを見る実験です.
 

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なんと桑実胚がこのようなぶどう状態に。

普通はきちんと球状に配置する割球が,このようにバラバラになっちゃいました。
 

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TAさんも活躍

タイ留学経験があると噂のタナチュウさん.
 

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 追加実験中の日野上さん(右)

いずれも頼りになる学生さんです。
 

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市大は千徳博士の古巣です.
 

小宮先生の後の実習を担当される後藤先生(分子実験のお師匠さんだそうです)と,

旧交を温めていました。
 

たくさんの先生方が集まり,いよいよ楽しくなってまいりました。

このあとの展開にも乞うご期待。
 

続く

 


大阪市立大学実習①

10時間フライトの後に,ロンドンはサウスケジントンに到着しているMokanishiです。
 

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ホテル周辺はこんな感じ.
 

ロンドン到着から一夜明けた7/19の夕方までにポーツマスに移動して,

アイスブレイカー(学会前夜祭みたいなもの)です。
 

それまでに自然史博物館を見学できないかなと目論んでおります。
 

そして少し遅くなりましたが,

大阪市立大学の実習(7/8-7/14)のレポートをしていきます。
 

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去る2014/7/8.

SMBLに愉快な学生と先生方が集いました。
 

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この実習では,先生方が入れ替わりで実習を担当されます.

まずは小宮先生による発生実習.
 

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放精・放卵誘発剤の塩化アセチルコリン水溶液を分注中の小宮先生.

ピペット口吸いでいぶし銀です.

学部生の頃の実習を思い出します.
 

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デモンストレーション.
 

コシダカウニはムラサキウニに比べてやや小さいです.
 

小宮先生のお手元をよーーくご覧下さい.

小さなオレンジの丸い生き物が見えたら,それがコシダカウニです。

大きくて直径5cmくらいでしょうか.
 

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みんなで放精・放卵を見守ります.
 

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若干産みが悪かったのですが,何個体かが卵を出してくれました。
 

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さらに他の個体でも追加実験中.

結局,あまりたくさんの配偶子は得られませんでした.
 

ちょうどこの時に台風8号が来ていたので,淡水で塩分が薄まったショックで,

実験前に放精・放卵してしまったのかもしれません.
 

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とはいえ,正常発生出来るだけのモノは得られたので,

お手製のスライドグラス(ビニールテープで空間を作り,環境をよく保つ)で発生観察を行いました.
 

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学生さんへの親密なご指導の様子.
 

とても気さくでユーモラスな小宮先生でした。
 

続く.


仁川空港

国際学会でロンドンに向かいます。

大韓航空利用なので、ソウルの仁川(インチョン)で乗り換え待ちです。

あまり人も多くなく、とても落ち着いた雰囲気で、快適です。

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充電スポット発見。

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電圧分けがなされていたり、USBポートまで用意されているではありませんか。

ここにパソコンをつなげたまま安心して寝ている人もいました。

そんな快適空間ともお別れして、

これから10時間くらい飛行機の中です。

行ってまいります。


お散歩

 実習もひと段落し,ちょっと落ち着いた今日この頃.

白浜の街を散歩してみました.
 

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結構いい雰囲気の坂道です.
 

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白浜にはちょこちょこ高台があり,

町を見下ろせるポイントがいくつかあります.
 

夕日がさしている(風)の写真が撮れました。
 

白浜在住三年目に突入していますが,

まだまだ見ていないところがたくさんあるんだなあと実感します(出不精なだけだったりして).
 

最近は暑さもそれほど厳しくなく,とてもいい気候です.

この後真夏の超暑(熱)いシーズンが訪れる前に満喫しておかねば。
 

といいつつ,今週末はイギリスはポーツマスで開催されるEuropean Echinoderms Colloqium 2014で発表を行ってきます。

今は準備に大忙しです.終わるかしら...(笑)


 

Okanishi, M. & Fujita, T.

“Molecular phylogeography of the euryalid brittle star, Asteronyx loveni
 

東南アジア以外の海外出張は久しぶりです。

頑張ってきます。


奈良教育大学実習⑥

奈良教育大学実習のレポート最終話です。
 

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最終日の朝,名残惜しそうに各自採集用具を片付けています.
 

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菊池先生が,ポリタンクにナマコを詰めています。

「海水を持って帰るついで」だそうです.
 

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私も感化されてナマコ収集?システムを作ってみました.

棘皮動物は,硬さを自由に変えることのできるキャッチ結合組織(英名:Mutative connective tissue)

を持ち,体型可塑性がかなり高いのです.

このように,半分に切ったペットボトルの入り口にナマコを突っ込んでおくと...
 

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 体を柔らかくしてペットボトルの口を抜けてしまします(奥はほぼ抜けかけ)。

我々はこのシステムを”Namaco Ninja Sysytem”と名付け,実習室に保管しました.

興味のある方は是非ともやってみてください.
 

それしても,ナマコは無事に奈良に持ち帰られたのでしょうか.
 

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最後に記念撮影.
 

本当に楽しい五日間でした.

お世話になった教員の方々,

船を出してくださった技官さん,

そして一緒に勉強してくださった学生の皆さん,

ありがとうございました
 
 
 
 
 
 

ということで,奈良教育大学実習レポート終了
 
 
 
 
 
 
 

と思いきや,
 
 
 
 
 
 
 

まだまだたくさん使われていない名シーンがありますので,
 
 
 
 
 
 
 

オフショット集公開です。 
 
 

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 畠島で磯採集中の石田先生(右)です.
 

ご専門は微生物ですが,その磯採集能力は特筆に値します.
 

今回も実に様々な生物を採集してくださいました.

腰の装備が,歴戦を物語っています.
 

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 採集物を見に来られていた技術職員の加藤博士に,

飛び入りでマクロベントスの解説をしてもらいました。
 

ご専門は多毛類ですが,なぜか貝類の説明をしてもらうという。

それでも解説できてしまうところがいぶし銀なところです。
 

解剖動作が速すぎて,写真がぶれてしましました.

決してカメラマンの腕ではないのです.決して...
 

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奈良教の教員大集合の様子が写真に収まっていました。
 

後列の黒シャツの面々が,左から松井先生,石田先生,辻野先生,

一番右の青シャツの方が菊池先生です.
 

みなさんフィールドは海ではないのですが,

あふれんばかりの生物への情熱をもって教育に取り組んでおられました.
 

そして何よりご自身が実習を楽んでおられました.

我々も見習わなくてはいけません。
 

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「名シーンはメイオベントス採集にあり」
 

という名言は別にないのですが,その傾向はあるのではと個人的に思っております.

稀有な抽出作業が,人を笑顔にさせるのでしょうか.
 

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このように,ネットで受けることでもメイオベントスを採集できます.

「マーメイド・ブラ」と呼ばれる,メイオベントス採集必須アイテムの一つです.
 

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彼には,何も頼んではいけない(一応期待は持たせるから).
 

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 ウニの撮影中.
 

最近はスマートフォンのカメラ性能の向上で,

野外や出先で手軽に良質な写真を撮影できるようになりました.
 

野外実習でも,たくさん生物の写真を撮って,

家に帰っても自然に思いを馳せてもらいたいものですね。
 

ということで
 

本当に奈良教育大学レポート終了。
 

お疲れ様でした。


奈良教育大学実習⑤

※本日の記事は若干グロ注意です 
 

先日,大阪市立大学の実習が無事に終了しました.

笑いあり,涙ありで,大変勉強になった一週間でした.
 

市立大学のレポートはまたのちにするとして,

まずは奈良教育大学実習のレポートです。
 

昨日の記事の最後に現れた謎の黒き物体たち...

その正体は!
 

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ニセクロナマコでした
 

麻酔されてだらーんとしています.

ナマコを海水につけた状態で,メントールの結晶をその上に浮かべておくと,

徐々に溶けたメントールによって麻酔されます.
 

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棘皮動物研究者の端くれとして,

デモンストレーションを務めさせていただきました.
 

ニセクロナマコ

たまには詳しく構造を解説しましょう.
 

上側が頭,下側がおしりです.

実は解剖の途中で切ってしまったのですが,

消化管が頭から肛門までつながっています.

赤い線の束が生殖腺で,本来は頭の近くの消化管につながっています.
 

左の方の消化管につながっているもやもやがあり,

そのうち茶色いほうが腸間膜(消化管から栄養を吸い取るところ)で,

白っぽいのが呼吸樹です.
 

体の後端の真っ白いのはキュビエ氏管です.

非常に粘着性の強い器官です,

刺激を受けるとこれを相手に浴びせ,困っているうちに逃げるそうです.
 

ちなみに体内にあるうちは粘着力はないのですが,

体の外に出る際に表面の構造が壊れて粘着力をの持つようになるそうです.
 

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学生さんもトライ。
 

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筋がいい学生さんばかりです.

これらは生殖腺がクリーム色なので,雄ですね(解説写真の個体は雌).
 

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こちらはナマコに飽き足らず,タツナミガイを解剖中.

さすが軟体動物.外套膜になかなか弾力があり,

ナマコより苦労したようです.
 

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そうこうしているうちに,成長を続けていた胞胚が,

いよいよ受精膜からハッチ(孵化)しようとしていました。
 

しばらくぐるぐる回っていると思ったら...
 

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ポンッ

と抜けていきました。

うまくタイミングが合わないとなかなか観察できない現象です.

みなさん,運がいいですね。
 

続く


奈良教育大学実習④

メイオベントス,プランクトン観察とくれば,

お次はウニの発生実験でしょう。
 

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河村博士の主導の元,

いざ発生実験開始。
 

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ウニの口の周りのやわらかい周口膜という部分に注射をうち,

1 mM塩化アセチルコリン(1 ml)を注入します.
 

二日目だけあって皆手慣れたものです.

笑顔すらこぼれる余裕っぷりです.
 

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研究員の間で抜群の定評を誇るムラサキウニは,

今回も優秀な成績で放精放卵をしてくれました。
 

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1時間30分後,第一卵割が始まっています.
 

割球が二つに増えている卵が観察できました。
 

ムラサキウニの卵は黒くて観察がしにくいという話もありますが,

親個体の採集や放精放卵のしやすさ,生殖時期の長さを考えると,

やはり発生実験には欠かせない動物と言えます.
 

私はそんなムラサキウニが好きです。
 

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これは一日目に時間差で受精させたもの.

もうプルテウス型幼生にまで変態が進んでいました。
 

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受精させたウニの幼生の入ったボウル.

このように,使ったウニの名前と,受精した時間をきっちり記録させましょう。
 

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水槽にうごめく謎の黒木物体...

その正体は次回の記事で明らかに。
 

続く


奈良教育大学実習③

奈良教大実習レポです。
 

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北浜です。
 

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フジツボを採ります。
 

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砂を掘ります。
 

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海藻を採ります。
 
 

もうわかりますね。
 
 

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メイオベントス観察です。 
 
 

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シェイクされたフジツボの液.

この上澄みの中に極小生物がいるのです。
 

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このようにボールにとってピペットでスライドグラス上に移して観察します.
 

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今回の目玉はこれ。

謎の動きでみんなを騒がせた生物ですが,

どうやら昆虫か何かの幼虫だったようです.
 

みる人が見れば一発なのでしょうが,

海産生物しか頭にないと完全に謎の生物でした.

一つ勉強になりました。
 

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この実習ではプランクトン観察も行いました.

田辺湾産の採れたて新鮮プランクトンです.

メイオベントスと同様の方法で観察します.
 

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河村博士のイチオシ紹介中。
 

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クシクラゲです。

櫛板を活発に動かしている様子が観察できました.
 

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アイドル顔負けの撮影会に。

私もかなりの枚数の写真を激写したのですが,

ひとつ前のような写真しか採れませんでした.

写真撮影の技術も向上させねばと誓うのでした。
 

続く.


奈良教育大学実習②

 奈良教育大学実習レポートです。
 

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一度で船に乗りきらない人数なので,

後発隊は船着場でなく,近くの岸壁から乗船です.
 

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いつもの分室で説明がされている間に...
 

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河村博士が分室入口の掃除をしていました.
 

このような実験所所員の努力によって,

清潔に保たれているのですね.

※撮影後,私も手伝いました.
 
 

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講義のあとは,磯観察開始。

そしてタイドプールにウミシダ発見。

オオウミシダのようです.
 

黒色で,時折潮間帯でもみられる種だそうです.
 

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黒く濁ったタイドプールを発見。
 

中にタコがいるに違いないと,タコ採り名人の石田先生(奈良教大)がチャレンジをしましたが,

意外に穴が深く,残念ながら採れませんでした.
 

穴の中のタコを引っ張るのではなく,奥の方にぐいぐい押し込む力を与えてやると,

嫌がって出てくるそうです.
 

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デローンと転がったニセクロナマコたち.
 

畠島の北西の方には,このようなナマコゾーンが広がっています.

要因不明ですが,彼らにとっては住み心地のよい環境のようです.
 

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大阪教育大学の実習の時にも見つかった亀の死体がまだ残っていました.
 

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おや,まさか...?
 

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なんと辻野先生(奈良教大)が持ち帰るそうです。
 

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無事に岸壁に帰着.

この後奈良まで持ち帰ったようです.
 

辻野先生は,シカやサルなどの哺乳類と樹木のかかわりや,

人と自然のかかわりなどを研究されています.
 

自然が作り上げた脊椎動物の骨格標本に,思わず食指が動いたのでしょう.
 

ウミガメが今後の研究に生かされるとよいですね。
 

続く


奈良教育大学実習①

いよいよ実習シーズンです。
 

6月30日~7月4日にかけて,奈良教育大学の実習が開催されました。
 

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大阪教育大学実習に引き続き,担当は宮崎先生です。
 

まずは開館直前の水族館解説です。
 

これだけのコンディションの整った状態の水族館を見られることもなかなかないでしょう.
 

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そしてすぐにウニの受精を行います.
 

後にも受精を行うのですが,まずは一日目に受精をさせてしまい,

時間差で発生の進んだ状態を観察してもらうためです.
 

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慎重に塩化アセチルコリンを注射.
 

今回使うのは,人口放精と放卵が比較的簡単な

ムラサキウニHeliocidaris crassispinaです。
 

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放卵が認められたら,さかさま(口を上)にして,

おしりをビーカーに満たした海水につけます.
 

静かに見ていると,真ん中のビーカーに見られるように,

卵が底の方に溜まっていきます.
 

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こちらは放精の様子.
 

精子の動きは,肉眼で絶対に見えず,海水中では白いもやのように見えます.

放精が確認されたら,おしりを,乾いたシャーレーの底に擦り付けるようにし,

ドライスパームと呼ばれる状態にして保存しておきます.
 

精子は海水につけると動き出し,すぐにエネルギーを消費してしまうのですが,

ドライスパームの状態で置いておけば何時間ももちます.
 

冷蔵庫などに入れておけば,さらに長持ちします.
 

この後いよいよ受精させるのですが,それはまた後のお話にしましょう。
 

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みなさんモニターに興味津々
 

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宮崎先生の受精卵の観察に,みなさん釘付けです.
 

向学心の高い学生さんに来ていただいて,うれしい限りです。
 

続く

 


大阪教育大学実習④

 大阪教育大学の実習最終レポートです。
 

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プランクトン観察を行いました.
 

他の実習では,こちらで用意したプランクトンを観察してもらうことが多いのですが,

この実習では自分たちで採集します.
 

北浜の船着場に出て,プロフェッショナル河村博士による

プランクトンネットの説明.
 

このネットを...
 

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投げる 
 
 

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投げる 
 
 

できるだけ遠くまで投げて,水面下50 cmくらいを

すーっと曳いてくるのがコツです。
 

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ネットで集められたプランクトンは,

おしりのゴムとプラスチックのチューブの中に集積されます.
 

ゴム止めを外して,サンプル瓶に移せば終了。

何か採れたかな?
 

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プランクトンやメイオベントスでは,

何年見ていてもわからないものが時々出てきます.
 

今回も謎の胞胚状の球形物体が採れました.
 

プロフェッショナルの久保田先生に見ていただき,

どうやら何かの卵(やはり胞胚だった?)ということが分かりましたが,

詳しい種類まではわかりませんでした.
 

まだまだ勉強することはたくさんあるのですね.
 

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最終日は水族館観察を行いました。
 

再開館直前のキレイな状態を観察で来て,みなさんたくさんのものを得てくれたことでしょう.

※私は古生物学会参加のため,最終日はおりませんでした.

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そして最後に,王道のウニの発生実験です。
 

コシダカウニは卵が透明なので発生観察に非常に適しているのですが,

繁殖時期が短いことと,採集がやや難しいため,

年によってはうまくいかないことがあります.
 

今年は大分うまくいったようです。
 

ということで,大教大の実習レポートは以上です。
 

この後,奈良教育大学,大阪市立大学の実習が目白押しでやってきています。
 

それらも徐々にレポートにしてきますのでお楽しみに。
 

(特に素敵なポージングをしてくださったみなさん)


大阪教育大学実習③

 台風八号が本州に接近しています。
 

海に近いので「非常に強い」と聞くとひやひやしてしまいますが,

今のところ少し風が強くなってきたかなというところです.
 

大阪市立大学の実習日程の日にもろに直撃しそうですが,

逸れてくれるか,早く過ぎ去るかを願うのみです.
 

というわけで,過ぎし日の実習のレポート(大教大)です。
 

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海岸へやってきた一向.

もう目的は言わずもがなですね。
 

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フジツボをこそぎ採ります。
 

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せっせと海藻を採ります。
 

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そして砂を掘ります.
 

そう,
 
 

メイオベントス観察です。  
 

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とってきた砂に真水を混ぜ,ひたすらかき混ぜます。
 

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海藻にも真水を混ぜ,かき混ぜます。

目に見えない生き物の採集は,想像力が命.

大漁を想像中の表情ですね。
 

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撹拌後しばらく待機,後に上澄みを篩いに受ける。

簡単そうに見えますが...
 

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「疲れた...」
 

実はこれがなかなか筋肉を使う作業です。
 

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そして篩の上に残っている(はず)のメイオベントスを,

丁寧にボールに移します.
 

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さて,何が採れたかな?

わくわくが伝わってきますね!
 

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今回もいろんなメイオベントスが採れました。

海藻からは,クマムシ(矢印)が.
 

海藻の裏に隠れてしまっていますが,いるのです。

生で見たい人は,瀬戸臨海実験所の公開臨海実習にお申し込みくださいね.
 

続く


大阪教育大学実習②

大教大実習レポート第二弾です。
 

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畠島から持ち帰った生物を,例のごとく分類群ごとに仕分けして,同定を行います.
 

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図鑑と照らし合わせながらあーだこーだと悩みます.

例えば貝類の場合,アクキガイ科などの難しい種類を同定する場合は,

一種に一時間以上かかる場合もあります.
 

このような同定の苦労を経て,生物の多様性を直に感じてもらうことが,

この分類の実習の醍醐味ではないでしょうか.
 

少なくとも瀬戸臨海で開催されるすべての大学の実習では,

必ずこの分類の実習が行われます.

各大学で分類の重要性が理解され,今後も続けていってもらえるといいなー

なんて,密かに期待していたりします.
 

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真剣にスケッチ中。
 

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おや,こちらに気づいて...
 

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良い笑顔です。

最近気づいたのですが,事前に

「この写真はブログに載せる可能性があります」

と宣言したほうが,学生の皆さんのポージングが良い気がします.

みんな誰でも心にアイドル性を秘めているのですね.
 

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全部でこれだけの生き物が得られました。

今回の参加学生は8名とやや少なかったのですが,

それでも数時間でこれだけの生物が観察できるのは,

畠島の生物相の豊かさを物語っていますね.
 

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担当した分類群の説明中.
 

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河村博士の刺胞動物の説明.
 

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そして宮崎先生の総括の説明.
 

遊び心も織り交ぜつつ,実習は進んでいきました。
 

続く.


大阪教育大学実習①

2014年6月24日~6/28日にかけて,

大阪教育大学の臨海実習が行われました。

例によってその様子をレポートします。
 

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大阪教育大学教育学部の生田准教授です.
 

生田先生は宮崎先生の筑波大学時代の後輩にあたり,

甲殻類を主な研究材料として,形態・発生学的な研究をすすめておられます.
 

ウェブサイトはコチラ
 

珍しい生き物がお好きで,珍奇生物に興奮してしまう私としては,

親近感を覚えてしまいます.
 

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この実習でも畠島へ渡ります.

畠島頻度が高くなってくすると,いよいよ実習シーズンが始まったなという感じです。
 

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畠島から一望できる白浜の様子を開設する宮崎先生.

生田先生とのつながりで,本実習は宮崎先生が担当されています.
 

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帯状分布の説明.磯観察の基本ですね。
 

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いつも人気のタツナミガイさん Delabella auricularia
 
 

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 ガンガゼDiadema setosum発見
 

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そして横にはアオスジガンガゼDiadema savignyi

本種は肛門の周りに青い筋があることでガンガゼと区別できたのですが,

うまく写真が撮れていませんでした.なんたるイージーミス。
 

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ウミガメの死骸.アオウミガメだそうですが,

実はこのウミガメ,二か月前からここにいました.
 

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ケハダヒザラガイAcanthochiton defippi
 
 

多板綱という軟体動物門の一群ですが,必ず八枚の殻を持つグループです.

(化石種では七枚のやつがいるらしい)
 

以前はその八枚の板が繰り返し構造とみられ,

環形動物や節足動物との類縁性を疑われた時期もありましたが,

現在ではなんの関係もないということが分かっています.
 

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小丸島付近の転石をひっくり返すと,必ずこいつがいます.
 

でろーーんと長く伸びたムラサキクルマナマコPolycheira fusca

無足類と呼ばれる,管足(体表面のぶつぶつ)がないタイプのナマコです.
 

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こちらは,ニセクロナマコHolothuria leucospilotaを片手に,ナイスポージング。
 

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 さすが甲殻類研究者の生田先生.

怒らせると怖いベニツケガニを見つけたと思ったら...
 

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なんとそのおなかにフクロムシがついているではありませんか。
 

しかも二個体同時。

※あまり詳しい説明はありませんが,フクロムシについてはコチラ
 
 

フクロムシがどこにいるかわからない
 

という方のために
 

特別にイラストレーションします。
 

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これでおわかりいただけるでしょう。

しかし同じ甲殻類でもこんなに形が変わるんですね.
 

実際に目の当たりにすると,生物の適応力の底知れなさを感じます.
 

続く.

 


ウミウシストラップ&マグネット

先日,奇譚クラブのウミウシフィギュアを手に入れました。

非常によくできたフィギュアで,マグネット・ストラップ合わせて全16種類のウミウシが楽しめます。

実物はコチラ。
 

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ガッツリクモヒトデを襲わせてみました。
 

6種のウミウシ(ニコちゃんマーク)に襲われる構図です.

実際にクモヒトデとウミウシはあまり自然界で関わることはありませんが,

実はハナデンシャというとても綺麗なウミウシは,

積極的にクモヒトデを餌にしていると言われています.オソロシイ...
 

ちなみにクモヒトデフィギュアは,昔指導教官の先生が展示用に作ったものです.
 


白浜水族館再開館!

昨年より耐震工事のため休館していた白浜水族館が,

ついにオープンしました。
 

リニューアルオープンを記念して,7/5, 6は無料開館です。
 

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7/5のオープンの様子.

天気にも恵まれました。
 

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朝から続々とお客さんが。
 

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入口の外には長蛇の列です。
 

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普段は開放していない職員用駐車場も開放していますが,それでもいっぱいです。

技術職員さん,事務員さん総出で対応しなければならないほどでした。
 

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こちらは入口すぐの大水槽.大変な賑わいでした.
 

耐震工事ではありますが,内装はほぼ一新されており,

とても綺麗になっています。
 

無料開館は,7/6の日曜日も行っております.
 

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最後に,7/4に放映された朝倉館長のインタビューを激写しました。
 

この夏は生まれ変わった白浜水族館に,是非とも足をお運びくださいね。


論文紹介

今日は真面目に論文の紹介をしたいと思います.
 

Nakano 2014

“Survey of the Japanese Coast Reveals Abundant Placozoan Populations in the Northern Pacific Ocean”

Scientific Reports. 4 (5356)

doi:10.1038/srep05356
 

リンクはコチラ

この論文は,平板動物(Placozoa)という海産無脊椎動物が,

日本各地に分布していることを明らかにした論文です.
 

平板動物は,板状のアメーバのような,直径0.5-3 mm程度の動物です.

特筆すべきはその体制単純さで,

7種類の細胞がわずか3層にしか配置されておらず,非常に薄いのが特徴です.
 

この動物は,背腹はあるのですが前後左右がないため,

動物全体の左右相称性の進化を考える上で非常に重要です.

しかしながらその小ささゆえにこれまでほとんど見過ごされてきました.
 

世界中に生息するといわれているのですが,

これまで日本で定量的な研究が行われたことはほとんどありませんでした.
 

この度,筑波大学下田臨海センターの中野裕昭助教が,

日本各地の6地域から平板動物の採集を試みたところ,

北は能登半島,南は沖縄のすべての調査地域において採集ができ,

一年中を通して日本各地に分布していることが示唆されました.
 

実はこの6地域のうちの1つが瀬戸臨海実験所で,

二年前に来所された際のデータが論文に使われました.

詳しくはコチラをチェックしてみてください!
 

中野さんは非常に優秀な発生進化学者で,

これまでトリノアシ珍渦虫などの珍しい海産無脊椎動物の発生を明らかにされています.

動物学会でもよくお会いするのですが,

物腰柔らかで,兼ね備えている人はいるものだなあと思い,

いつも研究への刺激を受けております。
 

ということで,瀬戸臨海を利用した研究成果を紹介してみました.

臨海実験所ならではの仕事に携わることができて,ちょっとうれしい出来事でした。
 


てづるもづるを捕まえよう!③

漁師さんの刺し網などの漁具にテヅルモヅルが絡まって挙がってくることがあります.
 

たいていの場合テヅルモヅルは邪魔者扱いで漁師さんには不要ですので,

運が良ければそのテヅルモヅルを貰う事が出来ます.
 

ただし、漁師さんによってはテヅルモヅルの価値をよくわかっていて,

水族館などに渡すために隠している事もあるそうです.
 

足しげく漁港に通って漁師さんに顔を覚えてもらえれば,

こういう「とっておき」を見せてもらったりできるかもしれません.
 

また、季節によって網を下している深さが変わります.

例えば、和歌山県の南部漁港であれば,

漁師さんが深場を狙う冬ごろが狙いめでしょう.
 

それでは採点です。
 

port

 

採れる度!!  ☆~☆☆(季節によります)
辛さ!!     ☆☆(漁師さんに顔を覚えられるまでが大変かも)
お手軽さ!!  ☆(車さえあればお手軽ですが…)
楽しさ!!    ☆☆(最大限に楽しむためには、漁師さんとの会話を楽しむトークスキルが必要)
標本状態!!  ☆(捨てられてカッピカピに乾いていることもあります)
 

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実際に見つけるとこんな感じです。
 


日本古生物学会⑦

古生物学会から帰ってきて早々,

実習が始まっています。

これから実習シーズンです。

ということで,学会レポート最終話です。
 

学会もいよいよ終わり,

各地から集った古生物学者たちは,

それぞれの場所に帰っていきます.
 

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帰りの電車まで時間があったので,

千徳博士とお師匠の江崎先生とお食事に.
 

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なんと有名な水炊きのお店に連れて行ってもらいました。

前菜からとても美味しくてびっくりしました.
 

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水炊きを囲みながら論文についての議論を交わす師弟の図.

美味しい水炊きと熱いディスカッションのコラボレーションで,

こちらの研究へのモチベーションも上がりました。

江崎先生,本当にごちそうさまでした。
 

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その後,なんと帰りの新幹線の座席が近くに。

師弟の旧交を温めるの図.
 

私も近くに座っていましたが,

2時間半,本当に楽しそうにおしゃべりをされていました.
 

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そして,先生はずいぶんとたくさんの荷物をお持ちだなーと思っていたら,

なんと我々へのお土産だったのです。
 

いやはや至れり尽くせりで,なんとお礼を申し上げてよいのやら...

江崎先生の研究室では,何度か研究機器を使わせてもらっているので,

その成果の公表が何よりの恩返しかと思います.
 

頑張ります。
 

今回の古生物学会では,本当にたくさんの方にお世話になりました.
 

発表でアドバイスをくださった方,

懇親会でお話してくださった方,

連日ご馳走してくださった学会長の大路先生,

そして何より,三日間の学会運営をしてくださったスタッフの皆様,
 

本当にありがとうございました。

 


日本古生物学会⑥

ちゃんと私も発表してきました。
 

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岡西政典・千徳明日香・三井翔太・石田吉明・藤田敏彦

「日本国内より初めて産出したツルクモヒトデ目(クモヒトデ綱)の骨片化石」
 

これまで発表した中で,最大人数の共著者かもしれません.
 

今回は,古生物出身の方々が採集・観察してくださった化石骨片が,

どうやら私の研究対象(ツルクモヒトデ目)だということが判明しました.
 

ツルクモヒトデ目は,あらゆる研究が進んでいない生き物ですが,

化石の研究は壊滅的に進んでいません.
 

ところが,今回の研究の結果,

どうやらこれまで見落とされていた小さな骨片には

実はそれなりの数の本目の骨片が含まれていることが示唆されました.
 

今後は,自らハンマーを振って化石探索を行う必要がありそうです。
 

ちなみに,発表本番ではピンマイクを口に近づけすぎたせいで,

大分音量が上がってしまい,かなりうるさかったようです...
 

私は私で,吐息が混声するのを防ぐために,

なるべく息を吐かないように喋っていたところ,

酸欠になりかけました(笑)
 

何年学会発表してるんだか,という話ですね.

まだまだ修行が足りません.
 

内容自体は,幾人かの方々に興味を持っていただきました.

発表前は結構ナーバスになっていたので,ほっとしました.
 

ありがとうございました。


日本古生物学会⑤

今さらですが,古生物学会が開かれた会場はここです.
 

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九州大学総合研究博物館です。
 

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立派な看板ですね~.

伝統ある博物館の前で,よく映えています。
 

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古生物学会では,お知り合いの先生も発表されていました.

千徳博士のお師匠の,江崎先生の発表. 
 

江﨑洋一・足立奈津子・刘建波

「北中国山東省の張夏層(カンブリア系第三統)から産する“サンゴ類”の特異な産状と生活様式」
 

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古生物学会の現会長の大路先生の発表.
 

大路樹生・Stephen Dornbos・長谷川精・Sersmaa Gonchigdorj・望月貴史

「モンゴル西部の後期エディアカラ系から垂直方向の潜入痕を持つ生痕化石の発見」
 

いずれも,モンゴルや中国を調査地としたスケールの大きい発表でした.
 

普段,海を調査地としていると,あまり内陸での調査と言ってもピンとこないのですが,

このように実際の作業の様子などを聞いていると,

まさに化石を扱う古生物学のイメージにぴったりです.
 

これからは化石も扱っていきたいと考えているので,

とても興味深く聞くことができました。
 

続く.


日本古生物学会④

 古生物学会が終わりました。

お世話になったみなさん,本当にありがとうございました.

今後,少しづつ様子をアップデートして行きたいと思います。
 

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古生物学会は,同僚の千徳博士のホームです.
 

そんな千徳博士の口頭発表です!
 

千徳明日香・徳田悠希・江崎洋一

「非造礁性群体六射サンゴDendrophyllia cribrosaでの大型群体の形成」
 

マイクロX線を用いた,サンゴの群体形成過程を解析したお話で,

何人かの先生が興味をもって質問をされていました.
 

動物の中では原始的と考えられている刺胞動物ですが,

そうとは思えないほど多様かつ緻密な生き残り戦略を展開しているようです.


 

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さて,発表が終わったら打ち上げです。

京大の脊椎動物チームと,学会長の連合チームにお邪魔しました。
 

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博多に来れば,もつ鍋と...
 

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ラーメンは欠かせないでしょう。
 

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すっかりごちそうになってしまいました。

ありがとうございました。
 

自分の様子についてはまた今度。

 


日本古生物学会③

古生物学会に来ています。

今日はポスター発表がありました。
 

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九州大学博物館の一室に,27題のポスターが張り出されています。
 

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命名規約を一緒に輪読した早稲田大学の生野さんの発表もありました.

「白亜紀アンモナイトPolyptychoceras12種名の適格性のと原記載」

研究が進んでいない分類学では,命名行為自体に問題がある場合も多く見られます.
 

その場合は,百年以上前の文献や標本にあたって調査をする必要があります.

今回の発表では,そのあたりのデリケートな問題について,

実に緻密な検証がなされていました。
 

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瀬戸臨海のメンバーの中野さんも発表されていました.

東大の佐々木先生もこられています.
 

佐々木先生は去年も瀬戸臨海に来られています.
 

知り合いがたくさんいて,

とても楽しい学会です。


日本古生物学会

今日から福岡で古生物学会です。

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これから六時間かけて移動です。

前回始めて参加して、ポスター発表を行いましたが、

今回は口頭発表を行います。

しかも初めての化石の発表です。

「日本国内から初めて産出したツルクモヒトデ目の骨片化石」

というタイトルです。


マイクロX線CTスキャン②

 マイクロX線観察は順調に進みました。
 

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予定していたものは早い段階で終ったので,

科博の標本の中から気になるものをピックアップして解析にかけてみました.

固定液(エタノール)で濡れたものでも解析にかけることができます.
 

標本によっては乾燥させたくないので,これはとても便利。
 

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画像処理パソコンを見ながら,千徳博士と,

私の元指導教官の藤田先生が議論中.
 

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三次元構築処理ソフトの使い方を勉強中。

ヒザラガイの専門家の,斎藤先生に教わりました.
 

先生のキレイなヒザラガイの三次元画像みたいにはなかなかできませんでしたが,

それなりに見たいところの画像が得られました。
 

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作業の合間に,学会でも発表していた藤田研のお客さんのAlexanderさんとランチに行きました.
 

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なんと,ご家族も来日されていたのでご一緒に.

カメラ目線のAlezanderさんと,奥さんのターニアさん(真ん中),娘さんのオーラさん(左)です.
 

うどん屋にお連れしたのですが,箸の使い方がうまくてびっくり.

時々,ご家庭でも箸を使うのだとか.
 

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そして,夜は懐かしのつくばの居酒屋で飲みました。

元同じ部屋の先輩たちに囲まれ,

あーだこーだと研究話や,

ワールドカップ談義に花がさきました(この時はまだ結果が分かっていませんでした...)


 

結構飲んだおかげで,翌日はややグロッキーでした.

ということで,大変実りのある科博滞在となりました.
 

お次は六月末の日本古生物学会@福岡です。
 

実習も併せて頑張ります。


マイクロX線CTスキャン

 科博でクモヒトデ標本の観察を行ってきました。
 

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今回使うのはX線CTスキャンです。

脳外科などで使われているアレです.

標本にX線を当てて,非破壊的に内部構造を観察できる装置です。
 

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上の画像の出っ張った部分を開け,

このような筒をセットします.
 

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そしてその中に標本をセットし,ふたを閉じます.
 

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そして,スキャン開始。

X線発生装置のある本体の中に吸い込まれていく標本。

気分はドナドナです.
 

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操作は基本的に横に設置したPCで行います.

まずは軟X線で全体の構造がみられるので,

どこまで撮りたいかを決めます.
 

大きさにもよりますが,小さければ20-30分,大きければ数時間といったところです.
 

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計測範囲を決めたら,スキャン開始。

後は結果が出るのを待つのみ。
 

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こんな風にして片っ端からクモヒトデのスキャンを行いました.
 

一緒にサンゴをスキャンしていた千徳博士は,

得られた画像から立体構造の復元をしていました.
 

続く.


奈良女子大学実習⑤

奈良女子大学レポートシリーズ最終話です。
 

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本実習ではプランクトン観察も行います.
 

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 みなさん生物顕微鏡の使い方にもだいぶ慣れた様子.
 

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その間に,畠島で得られた珍しい生き物を撮影.

なんと,小さなウミシダが採れたのです.

専門家伺ってみたところ,成体ではなく何かの赤ちゃんとのことです.
 

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器の中で所在なさげにしていたので,

ウニの死に殻を入れてみたところ,必死に張り付いていました.

可愛いですね~.
 

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さてさて,そうこうしている間に次の課題が始まりました.

この実習では毎年,自由課題実習も行われています.
 

それぞれの班に分かれ,まずは課題を黒板に書きだします.

毎年,独創的な課題が出てくるのでとても楽しみです.
 

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私は棘皮班の付き添いに名乗りを上げ,

ニセクロナマコの採集のお手伝いをしました.
 

例によって激写する先生を激写.
 

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室内に生物を持ち帰って実験です。
 

この班は,イソクズガニが体の付着物の趣向性について調べるため,

捕まえてきたカニの付着物を歯ブラシで落としています.
 

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こちらの班は,ナマコがどれくらいのストレスを受ければ,

体内から忌避物質を出すのかを調べるため,

あらゆるストレス実験を行っています.
 

ナマコを解剖し,その体液で他のナマコに影響が出るかを調べています.

解剖されたナマコについては,しっかりと内臓の構造を解説いたしました.
 

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実験が終わったら,結果を取りまとめてまた発表です。

例によって,紙に手書きで資料をまとめます.
 

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そしていよいよ発表です。
 

短い時間で得た結果をもとに発表を行うのは,

実はとても難しいのですが,

みなさん,ここでもうまく結果をまとめられていました.
 

中には本当に科学的に新発見なのではないかという発表もあり,

個人的に非常に楽しませてもらいました.
 

ここで興味を持ったことを,そのまま卒研のテーマにして

瀬戸臨海で実験を続けてくれる学生もいます.
 

今年,ナマコに興味をもった学生が,棘皮の研究をしてくれないかなあと

期待してみるのでした.
 

実はナマコはまだ分類が進んでいないおすすめ研究対象なのです。

と,密かに宣伝をしておきます。
 

というわけで,奈良女子大学の実習レポート終了。

 


奈良女子大学実習④

奈良女子大学実習レポートです。

タイドプール相の比較調査の結果を,班ごとに発表していきます.

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画用紙に手書きのタイドプールのスケッチを描き,

それを元に説明してきます.

生物のスケッチの意義について,よく

「スケッチするために観察するのでなく,観察するためにスケッチする」

と説かれます.タイドプールでも同じことが言えるのかもしれません.

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みなさん,大変よく説明できており,

質問も活発に投げかけられ,大変アカデミックな雰囲気でした。

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さて,お次は畠島でのマクロベントス観察です.

遊佐先生の合図でGO。

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みんなでお弁当を持ち込んで乗船.

渡し橋から落ちないようにね!

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出港してすぐ,水クラゲの大群が出迎えてくれました.

この時期はクラゲ相の変化によって,季節の移り変わりが感じられます.

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畠島には様々な底質環境がみられます.

岩礁でのZonationの説明や,生物の乾燥耐性についてのお話.

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アマモ場の重要性と,そこに生息する生物群の解説,

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砂場をよーーーく見ると,タツナミガイDolabella auriculariaが。

見事にゴカイの巣穴に擬態しているように見えます.

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うわー!だれか間違えてタツナミガイをふんじゃったようです.

紫色の汁を出してしまい,スプラッタ状態に。

※タツナミガイはこれくらいでは死にません.

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「みんなまってー!!」

畠島はそこらのアドベンチャー施設には負けないくらい広く,

細かく見ようと思ったら一日では回り切れません。

引率の先生,お疲れ様でした.

続く.


奈良女子大学実習③

 分類学会のレポートで遅くなってしまいましたが,

奈良女子大学の実習レポートの続きです。

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前回の磯観察で採集された海藻を標本にしました.

これで海藻の知識はばっちりですね。

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ということで再び磯に出ます.

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さてさて,磯で頃合いのタイドプールを探しますよー.

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「これなんかどうかな?」

彼女たちが何をしているのか,

賢明な皆様はもうお気づきでしょう.

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そう,3月の海藻実習でも行われた,タイドプールの海藻相比較です。

大きさや深さ,海抜や海からの距離のうち,一つないし二つが異なるタイドプールを二つ選び,

その生物相を比較します.

まずはプールの計測.

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そんな様子を激写する先生を例により激写.

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測定の後はプールの水抜き。

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えっさほいさ!

大変な作業ですが,みなめげずに頑張りました。

※タイドプールの水は,その後スタッフによって元の水位に戻されました.

続く


若手分類学者の集い②

命名規約の輪読会は,主にこちらの部屋で行われていました.

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北は北海道,南は白浜(私ですね)から集った輪読戦士達です.

研究対象も,海産無脊椎動物から陸産の昆虫,アンモナイトと,現生化石問わず多様でした.

また,なんとこの間入学したばかりの学部の一年生も勉強に来ていました.

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そんな中で,異彩を放つ学生が一人.

広島大学が生んだ奇才,自見直人くんです.

ご覧ください,“No polychaeta No life”Tシャツです。

「多毛類なくして人生なし」

※多毛類…ゴカイなどを含む環形動物の仲間.体の各体節に疣足と剛毛をもつ.

この覚悟は見習わなくてはいけません。

ちなみに彼は,今月末瀬戸に来所の予定です.

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そんなこんなで内容の濃い二日間が終わりました.

終わったあとはみんなで打ち上げ。

命名規約の話や,各人の研究の話で盛り上がって,みんな仲良くなっていきます.

このあと,それぞれの場所へ帰って行きました.

さらに科博で調査予定だった私は,そのまま筑波に残りましたとさ.


若手分類学者の集い

動物分類学会が終わった直後,

若手分類学者の集い主催の,

動物命名規約の輪読会に参加してきました。

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科博からほど近い,筑波研修センターにて行われました。

実は毎年,輪読会の開催場所探しには苦労するのですが,

さすが科学の街つくばですね.研究場所には事欠かないようです.

こんな風に団体名が表記されると,なかなか風格が出てくる気がしますね。

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分類学会からそのまま参加するもの,

この勉強会のために集まったもの,

学生から研究員までさまざまな(気持ちが)若手14名が集いました。

こちらはサンプルのやりとり中.

分類学者が集うと必ずこういうことが起こります.

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JAMSTECの伊勢戸さん,東大の瀬尾さん,早稲田大の生野さん.

ここには写っておりませんが,科博の神保さんが今回の世話人を引き受けてくださいました.

感謝です。

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輪読を行うにはまず体力から。

ということで,挨拶もそこそにお食事タイムです.

研修センターは三食付きです.

安心して勉強に励めます。

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こちらが輪読会のスケジュール.

ご覧のとおり,なかなかのハードスケジュールです.

本輪読会では,全員が完全に規約が納得できるまで,

時間を忘れてあーだこーだと議論を続けるのです.

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各規約の担当者が作ったレジュメ.

それぞれが規約と格闘した汗と涙の結晶です.

これが手に入るだけでも集った価値があるというものです.

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食事と入浴後も輪読は続きます.

時には議論が白熱することもあり,

非常にアカデミックな雰囲気です.

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みんなで和気あいあいと語り合いながら,

輪読の夜は更けていきましたとさ.

続く.


日本動物分類学会⑥

さてさて,もちろん懇親会だけではありません.

分類学会では,さまざまな人が,

いろんな興味深い発表をされていました。

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功労賞を受賞された,京大の中野さんの発表.

「本州産クガビル属の一未記載種について」

彼はクガビルという研究の進んでいないグループの分類を精力的に行っていて,

いつもシンパシーを感じてしまいます.

今回は,小型のクガビルについての話を聞かせてくれました.

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琉球大学の吉田さんの発表

「沖縄県産フクロムシ属の未記載種とPeltogasterella aculcataとの比較」

うみさわ会でも話を伺いましたが,

フクロムシは形態が非常に退化的な節足動物で,

よくこんなに寄生に特化したものだと,

いつも興味をそそられる生物です.

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東京大学の広瀬雅人先生の受賞記念講演

「触手冠動物の分類学-コケムシ動物の多様な形質と生活史の記載を例として-」

コケムシ研究の歴史と,網羅的なサンプリングに基づくご自身の最新の研究についてのお話でした.

広瀬先生の妥協を許さないサンプリング活動には,いつも刺激を受けています。

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クモヒトデの発表もありました。

ロシアから藤田研究室に長期研究滞在をされていたAlexander Martynovさんの発表.

「A common undescribed species reveals developmental and batheymetric differentiation among a species complex of the genus Ophiacantha in the deep sea of Japan」

Ophiacantha属という,よく見られるクモヒトデについて,

膨大な科博のサンプルの検討に基づいて未記載種を発見したという発表です.

彼は私がクモヒトデ研究を志す前から研究を行われていますが,

毎回凄まじい数のサンプルの検討に基づいて結果を出されており,

クモヒトデへの情熱が溢れんばかりに伝わってきます.

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私も発表しました.

「Asterostegus属の分類学的再検討」

ツルクモヒトデ目の中でもレアな属の分類学的再検討です.

後半では,先日行ったクラウドファンディングの話もさせてもらいました。

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そしてなんと,先月開催されたうみさわ会のレポートもありました.

琉球大学の山崎博士の,

「うみさわ会(若手海洋生物学研究者フィールドワークショップ)の報告」

うみさわ会がなぜ始まったのか,

そしてこれからどのように活動していくのか,

笑いと感動(?)を交えて大変魅力的に発表してくださいました.

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これまで動物分類学会大会では,

前の発表者が次の発表者の座長を行っていましたが,

今年は演題が多かったため,座長を立てることとなりました.

なんと,節足動物のセッションでは,瀬戸の宮崎先生が座長をされていました!

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休憩室も用意されていました!

お昼ご飯をみんなでいただいて交流を深めます!

おや,後ろの方で...

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ピース!

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ポスター発表も大変盛況でした。

もっちーと宮崎先生も,中野先生と共同で発表をしていました。

「汎温帯性フタツメイソウミグモの謎:白浜個体群(紀伊半島)と下田個体群(伊豆半島)は同種なのか」

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研究の少ないウミグモに関する貴重な話に,

たくさんの方が興味をもたれたようです.

質問に答える宮崎先生と,弟子のもっちー.

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解説中もカメラ目線を忘れないもっちー。

九州でも,是非ウミグモの研究を続けてね。

ということで,今年も大変盛況のうちに分類学会がお開きとなりました。

来年は広島大学で開催されます.

いろんな生き物の話が聞きたい人,

珍しい生き物の話を語りたい人は,

是非ともお越しください。

最後になりますが,記念講演会を一緒に企画してくださった

国立科学博物館の神保博士,

JAMSTECの伊勢戸博士,

農業・食品産業技術総合研究機構の三田博士,

並びに講演を快くお引き受けくださった

京都大学の江頭博士,

九州大学の荒谷博士,細谷博士,

北海道大学の柁原博士

の皆さんには格別の感謝を申し上げます.



また,

今回の発表を聞いていただいた方,

ご意見をくださった方,

本当にありがとうございました。

大変勉強になりました!


日本動物分類学会⑤

学会の醍醐味は懇親会の後の二次会にアリ。

ということで,二次会のレポートです。

学会発表で知的に興奮した科学者達は,

その熱が冷めやらぬところに酒の勢いが足されるため,

二次会ともなると大いにバカ話科学談義に花を咲かせるのです。

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ほぼ店を貸切状態です。

こちらは若者席.

今後の分類学会を担う人々が,大変陽気に盛り上がっております。

いずれも愉快な奴らばかりで,

一緒に話していて笑いが絶えません.

これからもこの人たちと一緒に酒が飲めると思うと,

自分は本当に幸せ者だなあと思えるくらいです.

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そして重鎮の方々.

今の分類学会の盛況があるのは,この方々が礎を築いてくださったからこそです.

いまでも第一線で活躍されており,

お話を伺っていて本当に勉強になります.

それにしても,最近の分類学会は若手が増えてきており,

勢いを感じます.

生物学を志す学生の方々は,

是非とも一度は分類学に触れてみることをおすすめしますよ!




ところで,もっちーが瀬戸臨海を離れて二ヶ月経ちますが,

私は実は密かに気にかけていました.

この二ヶ月の間に,彼が,彼でなくなっているのではないかと...

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心配は無用でした。 


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ご覧下さいこの表情。

彼はアイドルとしての才能を,

失うどころか,磨いていました。

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 「さ,受け取り給え」

衰えるところを知らない,恐るべき才能です.

私は見くびっていました.

彼は九州でシャッターの前での立ち居振る舞いの向上に

磨きをかけていたに違いありません.

今後ももっちーの動向から目が離せません。

続く.


日本動物分類学会④

日本動物分類学会レポートの続きです。

毎年,日本動物分類学会では若手の分類学研究者に対し,

奨励賞の受賞選考を行っています.

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今回の受賞者は,東大海洋研の特任助教の広瀬雅人先生でした。

広瀬さんはコケムシを含む触手冠動物の専門家で,

日本産淡水コケムシ類の分類,

歴史的な標本群に基づく相模湾産コケムシ類の分類学的再検討,

および日本産のホウキムシ類や腕足類の分類学的研究を,

精力的に行ってきたことから,今回の受賞となりました.

おめでとうございます!

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それから,今回は特別功労賞の受賞もありました.

なんと,受賞者は同じ京大の中野隆文博士でした。

日本におけるZoobankへの命名法行為や学名などの精力的な登録を行ったことや,

それによって日本人で唯一Zoobank Editorを勤めていることから今回の受賞に繋がりました.

中野さんのHPはコチラ

おめでとうございます!

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はにかむ二人を激写.

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そして,懇親会に突入です。

ホテルの一角を借り切ってのオサレなパーティでした。

50周年記念のロゴが映えますね~.

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豪華な食事に舌鼓です。

美味しい食事と美酒で舌を滑らかにし,懇親するのです.

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社会人になったもっちーが,

お仕事で学会に来ていました。

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なんとスーツです。

会っていない二ヶ月間ですっかり大人になっていました。

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奨励賞受賞者の広瀬さんと名刺交換中.

働く男は輝いて見えますね。

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50周年記念講演会ということで,

49年前(!)の第1回大会参加者の入村先生に当時の様子を振り返っていただきました.

入村先生は,日本におけるクモヒトデ研究の大家で,

実は私が大変お世話になったLiving legend(生きる伝説)です.

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一緒に来ていた千徳博士と,瀬戸の三人でパシャリ.

こうして,久しぶりに研究仲間に会えるのも,

学会の醍醐味ですね!

続く.


日本動物分類学会③

 

さていよいよ記念講演会も終わり,

日本動物分類学会本番です。

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開催場所は,古巣の国立科学博物館つくば分館です.

なつかしい建物。

私がD3の時にこの建物に越したので半年ほどしかいなかったのですが,

いろいろと思い出がよみがえります.

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会場にはたくさんの研究者や学生が集まっていて,とても盛況でした。

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おや,なにやらみた顔が.

うみさわなメンバーもやはり集っていました。

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生き物の写真を見せ合うのも,

もはや恒例の風景でしょう.

さまざまな動物を扱う研究者が集まっているので,

珍しい生き物の写真には事欠きません。

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今年度より,分類学会会長に就任された

藤田先生(私の元指導教官)のご挨拶です.

スーツでバシっと決められています。

こんなふうにして分類学会ははじまりました。

続く


日本動物分類学会①

動物分類学会が始まりました。

まずはその記念講演会が

上野の国立科学博物館で開催されました。

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講演会開始前の様子.

研究者だけでなく,高校生を含める,たくさんの学生がご来場くださいました。

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まずは学会長の藤田先生のご挨拶.

お師匠に見られているとなると,緊張しますね。

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まずは私の発表「分類学ってどんな学問?」

私がこのような話をしてよいのか恐縮でしたが,

私がこれまで専攻してきた学問分野についての話をさせていただきました.

高校生を対象にということでしたが,

楽しくお話をさせていただきました。

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京都大学の江頭さんの発表.

 両生類の最近の分類学(+系統地理学)的な研究について,

最新の研究成果も交えてのびのびと発表していただきました。

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九州大学の荒谷先生の,クワガタムシカブトムシの分類学の生物多様性研究への応用の発表.

様々なデータから,多角的に,分類学の生物多様性保全への貢献をお話していただきました.

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そしてトリは,北大の柁原先生の,分類学の愉悦と若手の分類学者へのエールです.

昨今の分類学を取り巻く現状と,

これから,若手分類学者がどのような活動をしていけるのか,

ということに関して,ご自身の経験も踏まえた熱い講義をしていただきました.

質疑応答も,研究者だけでなく,

学生も交えて,終始非常の良い雰囲気で講演は進められました。

明日からは分類学会本番です。

アカデミックに楽しんできます。

 


東京

 明日はいよいよ日本動物分類学会記念講演会です.

最終的に,定員の120人がほぼ埋まる人数が集まりました.

学生の割合も多く,当初計画したとおりの人数構成での講演会ができそうです!

ということで...

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久々に東京に来ました。

オサレなカフェでお食事.

せっかくなので,ステーキと洒落込みました。

あとは明日を待つのみです。

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日本動物分類学会大会 50回記念講演会
「世界の動物に名前をつけよう~動物分類学への招待~」

日時 2014年6月13日(金) 18:00-20:00
場所 国立科学博物館 上野本館 日本館2階講堂
主催 日本動物分類学会
共催 国立科学博物館

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いろいろと講演の準備してきましたが,

泣いても笑っても,明日が本番です。

私は,18:00頃より,「分類学ってどんな学問?」

というタイトルでお話いたします.

ちなみに,そのあとは動物分類学会大会がつくばで開催されます.

2014年6月14日(土)〜15日(日)に,国立科学博物館筑波地区にて。

おそらく,日本でも屈指の「いろんな生き物」の話が聞ける学会かと思います.

気になった方はつくばに来ちゃえばいいじゃない。

ちなみに,私じゃこちらでも発表の予定です.

どちらも頑張ります。


奈良女子大学実習②

奈良女子大学実習第二弾です.

番所崎での観察はまだまだ続きます.

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波打ち際から...

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タイドプールから...

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波が激しく当たる岩場まで!



それぞれの環境には,それぞれに適応した海藻が分布しています.

段々と環境を変えながら観察していくことで,その変遷がよく理解できます.

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岩場の最前線に果敢に攻めいる人物が一人。

と思ったら遊佐先生でした。

学生に見せるためのウミウシを探していたそうです.

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お,遠くに見たことある人が.

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調査中の凌君でした!

遠くなので声はかけられませんでしたが,

彼は毎月大潮の際に,どんなに寒かろうと暑かろうと,

定点で貝類の調査をしています. 

※安全には十分注意した上で調査にあたっています.

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みなさん,とても真面目に先生の海藻の解説に耳を傾けています.

普段何気なく見ている岩場にも,実は驚く程多様な海藻が生息していることがよくわかります.

分類を学ぶことの一つの意義は,

こうした自然をより深く楽しめるようになるための知識を得られるところにあるのかもしれません.

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南浜からグルッと回って,北浜の洞門に帰ってきました.

お疲れ様でした。


教育利用募集

瀬戸臨海実験所は平成23年度より教育関係共同利用拠点に認定されていて,

臨海実験所を有しない全国の大学に施設を開放し,

海洋生物の自然史科学に関わる人材を育成することで,

高等教育の充実に貢献することを目的としています。実習施設と臨海実習プログラムを提供し,

共同利用に必要な基本的施設の整備,公募の実施,共同利用者の利用支援を行っています.

瀬戸臨海実験所HPより転載





ということで,




パンフレット表(提出版)

拠点利用案内のポスターが作られました。

デザインは,拠点ポスドクの河村博士によるものです.

全国の卒論生,および大学院生の皆さん,

是非とも瀬戸臨海を研究に利用してくださいね。

以上,宣伝でした.