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2014年6月24日~28日「臨海実習(大阪教育大学実習)」

大阪教育大学実習④

 大阪教育大学の実習最終レポートです。
 

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プランクトン観察を行いました.
 

他の実習では,こちらで用意したプランクトンを観察してもらうことが多いのですが,

この実習では自分たちで採集します.
 

北浜の船着場に出て,プロフェッショナル河村博士による

プランクトンネットの説明.
 

このネットを...
 

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投げる 
 
 

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投げる 
 
 

できるだけ遠くまで投げて,水面下50 cmくらいを

すーっと曳いてくるのがコツです。
 

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ネットで集められたプランクトンは,

おしりのゴムとプラスチックのチューブの中に集積されます.
 

ゴム止めを外して,サンプル瓶に移せば終了。

何か採れたかな?
 

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プランクトンやメイオベントスでは,

何年見ていてもわからないものが時々出てきます.
 

今回も謎の胞胚状の球形物体が採れました.
 

プロフェッショナルの久保田先生に見ていただき,

どうやら何かの卵(やはり胞胚だった?)ということが分かりましたが,

詳しい種類まではわかりませんでした.
 

まだまだ勉強することはたくさんあるのですね.
 

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最終日は水族館観察を行いました。
 

再開館直前のキレイな状態を観察で来て,みなさんたくさんのものを得てくれたことでしょう.

※私は古生物学会参加のため,最終日はおりませんでした.

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そして最後に,王道のウニの発生実験です。
 

コシダカウニは卵が透明なので発生観察に非常に適しているのですが,

繁殖時期が短いことと,採集がやや難しいため,

年によってはうまくいかないことがあります.
 

今年は大分うまくいったようです。
 

ということで,大教大の実習レポートは以上です。
 

この後,奈良教育大学,大阪市立大学の実習が目白押しでやってきています。
 

それらも徐々にレポートにしてきますのでお楽しみに。
 

(特に素敵なポージングをしてくださったみなさん)


大阪教育大学実習③

 台風八号が本州に接近しています。
 

海に近いので「非常に強い」と聞くとひやひやしてしまいますが,

今のところ少し風が強くなってきたかなというところです.
 

大阪市立大学の実習日程の日にもろに直撃しそうですが,

逸れてくれるか,早く過ぎ去るかを願うのみです.
 

というわけで,過ぎし日の実習のレポート(大教大)です。
 

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海岸へやってきた一向.

もう目的は言わずもがなですね。
 

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フジツボをこそぎ採ります。
 

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せっせと海藻を採ります。
 

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そして砂を掘ります.
 

そう,
 
 

メイオベントス観察です。  
 

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とってきた砂に真水を混ぜ,ひたすらかき混ぜます。
 

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海藻にも真水を混ぜ,かき混ぜます。

目に見えない生き物の採集は,想像力が命.

大漁を想像中の表情ですね。
 

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撹拌後しばらく待機,後に上澄みを篩いに受ける。

簡単そうに見えますが...
 

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「疲れた...」
 

実はこれがなかなか筋肉を使う作業です。
 

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そして篩の上に残っている(はず)のメイオベントスを,

丁寧にボールに移します.
 

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さて,何が採れたかな?

わくわくが伝わってきますね!
 

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今回もいろんなメイオベントスが採れました。

海藻からは,クマムシ(矢印)が.
 

海藻の裏に隠れてしまっていますが,いるのです。

生で見たい人は,瀬戸臨海実験所の公開臨海実習にお申し込みくださいね.
 

続く


大阪教育大学実習②

大教大実習レポート第二弾です。
 

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畠島から持ち帰った生物を,例のごとく分類群ごとに仕分けして,同定を行います.
 

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図鑑と照らし合わせながらあーだこーだと悩みます.

例えば貝類の場合,アクキガイ科などの難しい種類を同定する場合は,

一種に一時間以上かかる場合もあります.
 

このような同定の苦労を経て,生物の多様性を直に感じてもらうことが,

この分類の実習の醍醐味ではないでしょうか.
 

少なくとも瀬戸臨海で開催されるすべての大学の実習では,

必ずこの分類の実習が行われます.

各大学で分類の重要性が理解され,今後も続けていってもらえるといいなー

なんて,密かに期待していたりします.
 

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真剣にスケッチ中。
 

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おや,こちらに気づいて...
 

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良い笑顔です。

最近気づいたのですが,事前に

「この写真はブログに載せる可能性があります」

と宣言したほうが,学生の皆さんのポージングが良い気がします.

みんな誰でも心にアイドル性を秘めているのですね.
 

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全部でこれだけの生き物が得られました。

今回の参加学生は8名とやや少なかったのですが,

それでも数時間でこれだけの生物が観察できるのは,

畠島の生物相の豊かさを物語っていますね.
 

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担当した分類群の説明中.
 

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河村博士の刺胞動物の説明.
 

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そして宮崎先生の総括の説明.
 

遊び心も織り交ぜつつ,実習は進んでいきました。
 

続く.


大阪教育大学実習①

2014年6月24日~6/28日にかけて,

大阪教育大学の臨海実習が行われました。

例によってその様子をレポートします。
 

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大阪教育大学教育学部の生田准教授です.
 

生田先生は宮崎先生の筑波大学時代の後輩にあたり,

甲殻類を主な研究材料として,形態・発生学的な研究をすすめておられます.
 

ウェブサイトはコチラ
 

珍しい生き物がお好きで,珍奇生物に興奮してしまう私としては,

親近感を覚えてしまいます.
 

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この実習でも畠島へ渡ります.

畠島頻度が高くなってくすると,いよいよ実習シーズンが始まったなという感じです。
 

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畠島から一望できる白浜の様子を開設する宮崎先生.

生田先生とのつながりで,本実習は宮崎先生が担当されています.
 

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帯状分布の説明.磯観察の基本ですね。
 

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いつも人気のタツナミガイさん Delabella auricularia
 
 

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 ガンガゼDiadema setosum発見
 

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そして横にはアオスジガンガゼDiadema savignyi

本種は肛門の周りに青い筋があることでガンガゼと区別できたのですが,

うまく写真が撮れていませんでした.なんたるイージーミス。
 

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ウミガメの死骸.アオウミガメだそうですが,

実はこのウミガメ,二か月前からここにいました.
 

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ケハダヒザラガイAcanthochiton defippi
 
 

多板綱という軟体動物門の一群ですが,必ず八枚の殻を持つグループです.

(化石種では七枚のやつがいるらしい)
 

以前はその八枚の板が繰り返し構造とみられ,

環形動物や節足動物との類縁性を疑われた時期もありましたが,

現在ではなんの関係もないということが分かっています.
 

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小丸島付近の転石をひっくり返すと,必ずこいつがいます.
 

でろーーんと長く伸びたムラサキクルマナマコPolycheira fusca

無足類と呼ばれる,管足(体表面のぶつぶつ)がないタイプのナマコです.
 

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こちらは,ニセクロナマコHolothuria leucospilotaを片手に,ナイスポージング。
 

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 さすが甲殻類研究者の生田先生.

怒らせると怖いベニツケガニを見つけたと思ったら...
 

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なんとそのおなかにフクロムシがついているではありませんか。
 

しかも二個体同時。

※あまり詳しい説明はありませんが,フクロムシについてはコチラ
 
 

フクロムシがどこにいるかわからない
 

という方のために
 

特別にイラストレーションします。
 

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これでおわかりいただけるでしょう。

しかし同じ甲殻類でもこんなに形が変わるんですね.
 

実際に目の当たりにすると,生物の適応力の底知れなさを感じます.
 

続く.