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Monthly Archives: 7月 2014

実習の思い出

学会のあと,鳥取で日本海の調査を行ってきました.  
 

海蝕洞という半分海に浸かっている洞窟の調査でしたが,

いろいろあって非常に楽しく,ブログを更新するのを忘れてしまいました
 

その様子はいずれ更新する予定です
 

その前に,先日の市立大学の実習の最終日ですが...

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帰宅を控えたみなさんがなにやらごそごそ...
 
 
 
 
 

していると思ったらなんと
 
 
 
 
 
 

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色紙をいただきました(画面右下の河村博士の手元に注目)
 

「瀬戸臨海実験所の皆さまへ」

とのことでした.大変嬉しかったです.

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バスで帰途につくみなさん.

本当にありがとうございました
 

今後の実習ラッシュも頑張ります


イギリス旅行記③

イギリス旅行記第三弾
 

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イギリスでの宿泊先は,主催のポーツマス大学の附属施設でした.

とても快適な部屋でしたよ
 

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印象深かったのがこのバスマット
 

おそらく吸水・放水性に優れたマットなのでしょうが,見た目は完全にペラペラの紙で,

最初風呂上がりにこのマットに乗るのは抵抗がありました.
 

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部屋の窓から,アイスブレイカーの準備の様子が見られたのですが,私は見てしまったのです.

思いっきりお肉を床にこぼしてしまったのを...
 

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アイスブレイカーまで時間があったので,近くを散歩.

歩いて三分のところに港があり,Wight島という離島に渡れるのですが,

渡航手段がなんとホバークラフト
 

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すさまじい音を立てながら着水し...
 

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そのまま島にわたっていきました.

初めて見ましたが,意外にスムーズに着水するものなのですね.
 

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BBQがはじまりました

宿泊施設の中庭を利用しています.
 

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豪華な食事に,あれ,飲み物はミネラルウォーターと,オレンジジュースのみ...?

まさかのノンアルコールパーティーでしょうか...

ちなみに,髭を蓄えた紳士は今大会のオーガナイザーのAndy Gale博士です.
 

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欧米といえばお肉

ここでもしっかりと栄養補給を行いました
 
 

続く.

 


イギリス旅行記②

 

イギリス旅行記第二弾

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South Kensington Parkで遭遇した動物その一
 

リス
 

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そのニ 水際にいた鳥さん
 

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少なくとも二種類くらいの鳥はんが,

公園の湖を支配していました.
 

前を歩いていた人も思わず激写.
 

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散歩後の朝食

ベイクドビーンズ,ベーコン,ウインナー,フレンチトースト,クロワッサンなどなど...

メニューが豊富で,とても美味しかったです
 

しっかり栄養補給して,学会会場のポーツマスへ向かいました
 

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イギリスの各地へのハブとなっているLondon Victoria駅.

かなり混み合っていて,余裕を持っていったつもりでしたが,

気づけば時間ギリギリでした.
 

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なんと電車の中で,神奈川大学の金澤先生と,

お弟子さんの斎藤博士に遭遇
 

お二人は不正形ウニと呼ばれる,

五放射相称でないウニの古生物学研究の専門家です.

各地から続々と棘皮動物研究者が集まっています
 

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のどかな風景.電車移動の醍醐味ですね.
 

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ポーツマス駅につきました

  ロンドンから特急で約二時間の港町です.
 

気候は暑すぎず寒すぎず,

湿度もなくカラっとしていて非常に爽やかでした.
 

さあ,いよいよ三年に一度の棘皮動物の祭典が始まりますよ


大阪市立大学実習⑦

イギリス旅行記の第二弾を書こうと思っていましたが,

大事なことを忘れていました。
 

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大阪市立大学実習オフショット写真集です。 
 
 

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久保田先生による磯観察の講義中.
 

日差しが強いので,日傘で防衛中です.
 

久保田先生はベテランなのでサンダルでも大丈夫ですが,

磯観察の際は,基本的には長靴長ズボンで怪我がないようにしましょうね。
 

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水族館で見たモミジガイ類(ヒトデ)の底力.
 

彼らの管足は吸盤状になっていおらず,砂に潜るために機能分化しているのですが,

なんとかして水槽の壁面にへばりつくこともできるようです.

ただしその速さや吸着力は,他のヒトデには及ばないようです。
 

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放課後,浜でビーチバレー中.
 

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こちらに気づいてポーズ。
 

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これは(笑)
 

詳しいルールを聞いていないので推測のなりますが,

真ん中の人がミスをしたら,周りから水をか行けられるゲームだったようです。

いずれにせよ,みなさん大変仲がよくて楽しく実習に取り組んでいて,

こちらも楽しく勉強することができました.
 

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小宮先生とみなさんでパシャリ.

今回の履修者の中から,海関係の研究者が出てくれることを期待しています。
 

終わり


イギリス旅行紀①

改めまして,7/19-23にかけて,

イギリスはポーツマスに国際学会に出席してきたのでそのレポートをば
 

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ロンドンの税関にて.

なぞの青ジャージ多国籍軍団に囲まれて入国致しました.
 

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便の関係でロンドンに一泊.

こちらはSouth Kensington駅前.

実にオサレな広場で行き場に困りました.
 

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ホテルへの道中.

何気なく撮った歴史ある建物でしたが,なんとこれがかの有名な

“Natural History Museum”「自然史博物館」でした。
 

後に自らの不準備さを恥じたのでした.
 

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こちらは一泊したロンドンの宿泊施設.

Imperial Collegeという名前からするに伝統のありそうな大学の備え付けの宿泊施設でした.

真夏で冷房はなかったのですが,カラっとしているので扇風機で充分快適に過ごせました.

体感不快指数に最も影響を及ぼすのは湿度なのかもしれません.
 

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宿泊施設の中庭.
 

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お隣の円形施設.

霧の都とは思えぬ快晴に恵まれました.
 

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通りの向かいの建物.

どこからどう撮っても絵になります。
 

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電車の出発時刻まで時間があったので,

公園を散歩してみました.

South Kensington Parkです.
 

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やたら広い公園で,遠くに見える塔型の建物まで敷地内でした.
 

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公園内の川の水面.

時差ボケが吹き飛んでしまうくらい綺麗な風景ばかりでした.
 

続く.


大阪市立大学実習⑥

大阪市立大学実習最終レポートです。
 

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最終日は,夜中まで研究発表会でした。
 

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スベスベマンジュウガニに関するお話.

一部の足を切り外し,機能形態学的な話をしてもらいました.
 

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学生,教員関係ありません.

全員が,各々興味を持った生物についての発表を行いました.

橘先生の,ヒメヒラアワビなどの軟体部が露出する貝類の刺激反応に対するお話.
 

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こちらは後藤先生による,巻貝類の歯舌のお話.

カサガイの齒舌が本当に体長の何倍も長いのか?

そしてヒザラガイの齒舌は本当に磁性があるのか?

というお話を,見事に完結に短時間でまとめてくださいました。
 

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川村博士の,シマレイシガイダマシの同定と生態学に関するお話.

ご自身のこれませのシマレイシガイダマシの他種との分類の問題点と,

食性などの生態について,見事にまとめてくださいました.
 

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私も発表を行いました.

番所崎に生息する星虫類の分類学的研究です.
 

白浜周辺の礫石間を探るとたくさんの星口動物が採集できるのですが,

実は実はそれらをよく観察すると,少なくとも三種がいることがわかりました.
 

そのうちの一種が,現在の図鑑的な文献では同定できないことがわかりました.
 

タテホシムシ科だと思うのですが,吻部の鉤列が50以上あるので種が同定できませんでした.
 

ご意見を伺ええる方は是非ともご一報を。

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こんな感じで深夜まで研究発表が行われました.
 

最終的に私自身は大変楽しめ,またみなさんとてもいい笑顔で実習を終えられましたが,

それがランナーズハイ的な笑顔でないことをを祈るばかりです(笑)
 
 

最終日は,みなさんの清掃により,

大変気持ちよく実習を終えることができました.
 

みなさんお疲れ様でした。


大阪市立大学実習⑤

 国際学会@ポーツマスが終わりました。
 

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発表も済ませてきました.
 

なんやかんやしているうちに発表の日が来てしまったのですが,

なんとか無事に発表を終えられてほっとしています.
 

学会の様子についてはまた後日。
 

その前にこのレポートを終えなくては。
 

大阪市立大学の実習レポートです。
 

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久保田先生の系統分類学の講義の続きです.

白浜水族館は海産無脊椎動物の展示が充実しており,

海の生き物の多様性を学びやすい構造になっています.
 

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また,各水槽は分類群(主に門や綱)ごとに分けられ,

それぞれに設けられたトピック的な解説を読んでもらうだけで,

楽しく生き物の分類を知ってもらえます.
 

引率の後藤先生や橘先生も含め,皆勉強熱心になっていました.
 

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さてさて,生き物の基本構造が頭に入ったところで,

再び番所崎で磯観察です!
 

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柔らかいホネナシサンゴなどもタイドプールで見られました.
 

これは,ヤギなどとは異なる六放サンゴの仲間です.

ですが,いわゆるソフトコーラルとは呼ばないのだとか.
 

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番所崎一周中.前回はいかなかった北側をグルっと回ってくると...
 

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なんとホンダワラ(Sargassum)が大量に打ち上がっていました。

普段は穏やかな砂浜ですが,足の踏み場もないとはこのことです!
 

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どこまでが砂浜でどこまでが水やら...

うっかりすると長靴が水没しそうでした。

夏の到来が感じられる出来事でした.
 

続く.

 


大阪市立大学実習④

 大阪市立大学の実習もいよいよ佳境です。

生理学実習の次は,系統分類学実習です.

講師は瀬戸臨海の久保田先生。
 

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動物門の説明中.我々研究員が整理した標本が使われております。
 

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浜に打ち上がっていたヤギ(硬い骨格のない柔らかいサンゴ)の説明.

台風八号の影響で,普段はなかなかうち上がらない生き物が見られたそうです.
 

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と,盗撮者が!?
 
 
 
 
 
 

...というわけではもちろんありません.
 

ドイツから来ていた久保田先生の取材チームが実習に同行していました.

ベニクラゲに関する記事でしょうか.
 

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南浜での磯採集の様子.

みんなで力を合わせて石の裏の生物を探します。
 

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誰かが踏んだようですね.タツナミガイを。

姿は見えねど,体液が見えています。
 

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なんと,カツオノエボシが打ち上がっていたそうです。

こいつの触手(この写真では水中に隠れて見えませんが)は強力な毒があるのでご注意を.
 

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カツオノエボシの刺胞の観察中.
 

種類にもよるのですが,触手を薄い酸(食酢くらい)に晒すと,

刺胞を発射してくれます.
 

右下のポコポコした黒い部分が触手で,

毛のようにピュっと伸びたのが刺胞です.
 

この刺胞の長さと,刺胞に含まれる毒の量で,

人間に対する害の度合いが決まってくるんだとか.
 

カツオノエボシの刺胞は非常に長く,刺す気が伝わってきます.

みなさんは触らないようにしましょうね!
 

くわばらくわばら...
 

続く.

 

 

 


大阪市立大学実習③

市立大学実習,まだまだ続きます.
 

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小宮先生の次は後藤先生(中央)の,生理学実験です.

新しくなった実習室の棚に言及していただきました。
 

棚改修の詳しい様子はコチラ↓

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_3.html

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_4.html
 
 

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まずは実験材料にする巻貝を採りまくります.
 

アラレタマキビ300個体,

イボニシ200個体,

イシダタミ150個体...

全員の力を合わせて,なんとか採集できました。
 

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そして,新聞紙の上において一晩乾燥状態におきます.
 

乾燥(蓋が閉じた状態)の巻貝を,さまざまな塩組成の水溶液につけてみて,

その反応を見ることで,彼らが海水のどのような成分を認識しているのかを確かめるのです。
 

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乾燥状態に置かれたイボニシ.

元気な個体は軟体部を出してしまうので,ひっくり返していきます.
 

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アラレタマキビを10個体ずつ実験用に分けます.
 

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これを1セットにして溶液につけて,

反応した個体の%をカウントします.
 

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助教の橘先生(左)の指示のもと,みんなで手分けをして溶液作成中.
 

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最終的にさまざまな種類の塩溶液が作られました.
 

あとは得られた結果をまとめて,各自でレポートを提出して完了。

お疲れ様でした。
 

続く.

 


大阪市立大学実習②

ロンドンで一泊し,ポーツマスに移動しました。

これから三日間,棘皮動物に関するマニアックな国際会議が開かれます。
 

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ロンドンでのった地下鉄の乗車券.

正直「イギリス+地下鉄=オサレの方式」に乗っかってます.
 

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意外に夕暮れどきの地下鉄は混んでいました.

イギリシアンの方々も,通勤に苦労されているのですね...
 

 今は無事に発表を終えました。

あとは学会を楽しむだけです。
 

ということで,市大実習の続きです。
 

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 卵を受精させました.

このあと,正常発生はうまくいったようです。
 

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おや,小宮先生がなにか操作をされています.
 

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むむ,これはカルシウム(イオン)フリー?

人工的にカルシウムがない状態の海水を作り,発生にどのような影響を与えるのかを見る実験です.
 

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なんと桑実胚がこのようなぶどう状態に。

普通はきちんと球状に配置する割球が,このようにバラバラになっちゃいました。
 

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TAさんも活躍

タイ留学経験があると噂のタナチュウさん.
 

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 追加実験中の日野上さん(右)

いずれも頼りになる学生さんです。
 

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市大は千徳博士の古巣です.
 

小宮先生の後の実習を担当される後藤先生(分子実験のお師匠さんだそうです)と,

旧交を温めていました。
 

たくさんの先生方が集まり,いよいよ楽しくなってまいりました。

このあとの展開にも乞うご期待。
 

続く

 


大阪市立大学実習①

10時間フライトの後に,ロンドンはサウスケジントンに到着しているMokanishiです。
 

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ホテル周辺はこんな感じ.
 

ロンドン到着から一夜明けた7/19の夕方までにポーツマスに移動して,

アイスブレイカー(学会前夜祭みたいなもの)です。
 

それまでに自然史博物館を見学できないかなと目論んでおります。
 

そして少し遅くなりましたが,

大阪市立大学の実習(7/8-7/14)のレポートをしていきます。
 

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去る2014/7/8.

SMBLに愉快な学生と先生方が集いました。
 

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この実習では,先生方が入れ替わりで実習を担当されます.

まずは小宮先生による発生実習.
 

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放精・放卵誘発剤の塩化アセチルコリン水溶液を分注中の小宮先生.

ピペット口吸いでいぶし銀です.

学部生の頃の実習を思い出します.
 

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デモンストレーション.
 

コシダカウニはムラサキウニに比べてやや小さいです.
 

小宮先生のお手元をよーーくご覧下さい.

小さなオレンジの丸い生き物が見えたら,それがコシダカウニです。

大きくて直径5cmくらいでしょうか.
 

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みんなで放精・放卵を見守ります.
 

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若干産みが悪かったのですが,何個体かが卵を出してくれました。
 

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さらに他の個体でも追加実験中.

結局,あまりたくさんの配偶子は得られませんでした.
 

ちょうどこの時に台風8号が来ていたので,淡水で塩分が薄まったショックで,

実験前に放精・放卵してしまったのかもしれません.
 

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とはいえ,正常発生出来るだけのモノは得られたので,

お手製のスライドグラス(ビニールテープで空間を作り,環境をよく保つ)で発生観察を行いました.
 

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学生さんへの親密なご指導の様子.
 

とても気さくでユーモラスな小宮先生でした。
 

続く.


仁川空港

国際学会でロンドンに向かいます。

大韓航空利用なので、ソウルの仁川(インチョン)で乗り換え待ちです。

あまり人も多くなく、とても落ち着いた雰囲気で、快適です。

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充電スポット発見。

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電圧分けがなされていたり、USBポートまで用意されているではありませんか。

ここにパソコンをつなげたまま安心して寝ている人もいました。

そんな快適空間ともお別れして、

これから10時間くらい飛行機の中です。

行ってまいります。


お散歩

 実習もひと段落し,ちょっと落ち着いた今日この頃.

白浜の街を散歩してみました.
 

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結構いい雰囲気の坂道です.
 

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白浜にはちょこちょこ高台があり,

町を見下ろせるポイントがいくつかあります.
 

夕日がさしている(風)の写真が撮れました。
 

白浜在住三年目に突入していますが,

まだまだ見ていないところがたくさんあるんだなあと実感します(出不精なだけだったりして).
 

最近は暑さもそれほど厳しくなく,とてもいい気候です.

この後真夏の超暑(熱)いシーズンが訪れる前に満喫しておかねば。
 

といいつつ,今週末はイギリスはポーツマスで開催されるEuropean Echinoderms Colloqium 2014で発表を行ってきます。

今は準備に大忙しです.終わるかしら...(笑)


 

Okanishi, M. & Fujita, T.

“Molecular phylogeography of the euryalid brittle star, Asteronyx loveni
 

東南アジア以外の海外出張は久しぶりです。

頑張ってきます。


奈良教育大学実習⑥

奈良教育大学実習のレポート最終話です。
 

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最終日の朝,名残惜しそうに各自採集用具を片付けています.
 

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菊池先生が,ポリタンクにナマコを詰めています。

「海水を持って帰るついで」だそうです.
 

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私も感化されてナマコ収集?システムを作ってみました.

棘皮動物は,硬さを自由に変えることのできるキャッチ結合組織(英名:Mutative connective tissue)

を持ち,体型可塑性がかなり高いのです.

このように,半分に切ったペットボトルの入り口にナマコを突っ込んでおくと...
 

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 体を柔らかくしてペットボトルの口を抜けてしまします(奥はほぼ抜けかけ)。

我々はこのシステムを”Namaco Ninja Sysytem”と名付け,実習室に保管しました.

興味のある方は是非ともやってみてください.
 

それしても,ナマコは無事に奈良に持ち帰られたのでしょうか.
 

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最後に記念撮影.
 

本当に楽しい五日間でした.

お世話になった教員の方々,

船を出してくださった技官さん,

そして一緒に勉強してくださった学生の皆さん,

ありがとうございました
 
 
 
 
 
 

ということで,奈良教育大学実習レポート終了
 
 
 
 
 
 
 

と思いきや,
 
 
 
 
 
 
 

まだまだたくさん使われていない名シーンがありますので,
 
 
 
 
 
 
 

オフショット集公開です。 
 
 

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 畠島で磯採集中の石田先生(右)です.
 

ご専門は微生物ですが,その磯採集能力は特筆に値します.
 

今回も実に様々な生物を採集してくださいました.

腰の装備が,歴戦を物語っています.
 

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 採集物を見に来られていた技術職員の加藤博士に,

飛び入りでマクロベントスの解説をしてもらいました。
 

ご専門は多毛類ですが,なぜか貝類の説明をしてもらうという。

それでも解説できてしまうところがいぶし銀なところです。
 

解剖動作が速すぎて,写真がぶれてしましました.

決してカメラマンの腕ではないのです.決して...
 

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奈良教の教員大集合の様子が写真に収まっていました。
 

後列の黒シャツの面々が,左から松井先生,石田先生,辻野先生,

一番右の青シャツの方が菊池先生です.
 

みなさんフィールドは海ではないのですが,

あふれんばかりの生物への情熱をもって教育に取り組んでおられました.
 

そして何よりご自身が実習を楽んでおられました.

我々も見習わなくてはいけません。
 

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「名シーンはメイオベントス採集にあり」
 

という名言は別にないのですが,その傾向はあるのではと個人的に思っております.

稀有な抽出作業が,人を笑顔にさせるのでしょうか.
 

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このように,ネットで受けることでもメイオベントスを採集できます.

「マーメイド・ブラ」と呼ばれる,メイオベントス採集必須アイテムの一つです.
 

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彼には,何も頼んではいけない(一応期待は持たせるから).
 

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 ウニの撮影中.
 

最近はスマートフォンのカメラ性能の向上で,

野外や出先で手軽に良質な写真を撮影できるようになりました.
 

野外実習でも,たくさん生物の写真を撮って,

家に帰っても自然に思いを馳せてもらいたいものですね。
 

ということで
 

本当に奈良教育大学レポート終了。
 

お疲れ様でした。


奈良教育大学実習⑤

※本日の記事は若干グロ注意です 
 

先日,大阪市立大学の実習が無事に終了しました.

笑いあり,涙ありで,大変勉強になった一週間でした.
 

市立大学のレポートはまたのちにするとして,

まずは奈良教育大学実習のレポートです。
 

昨日の記事の最後に現れた謎の黒き物体たち...

その正体は!
 

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ニセクロナマコでした
 

麻酔されてだらーんとしています.

ナマコを海水につけた状態で,メントールの結晶をその上に浮かべておくと,

徐々に溶けたメントールによって麻酔されます.
 

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棘皮動物研究者の端くれとして,

デモンストレーションを務めさせていただきました.
 

ニセクロナマコ

たまには詳しく構造を解説しましょう.
 

上側が頭,下側がおしりです.

実は解剖の途中で切ってしまったのですが,

消化管が頭から肛門までつながっています.

赤い線の束が生殖腺で,本来は頭の近くの消化管につながっています.
 

左の方の消化管につながっているもやもやがあり,

そのうち茶色いほうが腸間膜(消化管から栄養を吸い取るところ)で,

白っぽいのが呼吸樹です.
 

体の後端の真っ白いのはキュビエ氏管です.

非常に粘着性の強い器官です,

刺激を受けるとこれを相手に浴びせ,困っているうちに逃げるそうです.
 

ちなみに体内にあるうちは粘着力はないのですが,

体の外に出る際に表面の構造が壊れて粘着力をの持つようになるそうです.
 

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学生さんもトライ。
 

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筋がいい学生さんばかりです.

これらは生殖腺がクリーム色なので,雄ですね(解説写真の個体は雌).
 

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こちらはナマコに飽き足らず,タツナミガイを解剖中.

さすが軟体動物.外套膜になかなか弾力があり,

ナマコより苦労したようです.
 

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そうこうしているうちに,成長を続けていた胞胚が,

いよいよ受精膜からハッチ(孵化)しようとしていました。
 

しばらくぐるぐる回っていると思ったら...
 

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ポンッ

と抜けていきました。

うまくタイミングが合わないとなかなか観察できない現象です.

みなさん,運がいいですね。
 

続く


奈良教育大学実習④

メイオベントス,プランクトン観察とくれば,

お次はウニの発生実験でしょう。
 

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河村博士の主導の元,

いざ発生実験開始。
 

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ウニの口の周りのやわらかい周口膜という部分に注射をうち,

1 mM塩化アセチルコリン(1 ml)を注入します.
 

二日目だけあって皆手慣れたものです.

笑顔すらこぼれる余裕っぷりです.
 

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研究員の間で抜群の定評を誇るムラサキウニは,

今回も優秀な成績で放精放卵をしてくれました。
 

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1時間30分後,第一卵割が始まっています.
 

割球が二つに増えている卵が観察できました。
 

ムラサキウニの卵は黒くて観察がしにくいという話もありますが,

親個体の採集や放精放卵のしやすさ,生殖時期の長さを考えると,

やはり発生実験には欠かせない動物と言えます.
 

私はそんなムラサキウニが好きです。
 

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これは一日目に時間差で受精させたもの.

もうプルテウス型幼生にまで変態が進んでいました。
 

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受精させたウニの幼生の入ったボウル.

このように,使ったウニの名前と,受精した時間をきっちり記録させましょう。
 

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水槽にうごめく謎の黒木物体...

その正体は次回の記事で明らかに。
 

続く


奈良教育大学実習③

奈良教大実習レポです。
 

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北浜です。
 

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フジツボを採ります。
 

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砂を掘ります。
 

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海藻を採ります。
 
 

もうわかりますね。
 
 

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メイオベントス観察です。 
 
 

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シェイクされたフジツボの液.

この上澄みの中に極小生物がいるのです。
 

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このようにボールにとってピペットでスライドグラス上に移して観察します.
 

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今回の目玉はこれ。

謎の動きでみんなを騒がせた生物ですが,

どうやら昆虫か何かの幼虫だったようです.
 

みる人が見れば一発なのでしょうが,

海産生物しか頭にないと完全に謎の生物でした.

一つ勉強になりました。
 

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この実習ではプランクトン観察も行いました.

田辺湾産の採れたて新鮮プランクトンです.

メイオベントスと同様の方法で観察します.
 

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河村博士のイチオシ紹介中。
 

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クシクラゲです。

櫛板を活発に動かしている様子が観察できました.
 

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アイドル顔負けの撮影会に。

私もかなりの枚数の写真を激写したのですが,

ひとつ前のような写真しか採れませんでした.

写真撮影の技術も向上させねばと誓うのでした。
 

続く.


奈良教育大学実習②

 奈良教育大学実習レポートです。
 

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一度で船に乗りきらない人数なので,

後発隊は船着場でなく,近くの岸壁から乗船です.
 

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いつもの分室で説明がされている間に...
 

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河村博士が分室入口の掃除をしていました.
 

このような実験所所員の努力によって,

清潔に保たれているのですね.

※撮影後,私も手伝いました.
 
 

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講義のあとは,磯観察開始。

そしてタイドプールにウミシダ発見。

オオウミシダのようです.
 

黒色で,時折潮間帯でもみられる種だそうです.
 

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黒く濁ったタイドプールを発見。
 

中にタコがいるに違いないと,タコ採り名人の石田先生(奈良教大)がチャレンジをしましたが,

意外に穴が深く,残念ながら採れませんでした.
 

穴の中のタコを引っ張るのではなく,奥の方にぐいぐい押し込む力を与えてやると,

嫌がって出てくるそうです.
 

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デローンと転がったニセクロナマコたち.
 

畠島の北西の方には,このようなナマコゾーンが広がっています.

要因不明ですが,彼らにとっては住み心地のよい環境のようです.
 

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大阪教育大学の実習の時にも見つかった亀の死体がまだ残っていました.
 

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おや,まさか...?
 

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なんと辻野先生(奈良教大)が持ち帰るそうです。
 

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無事に岸壁に帰着.

この後奈良まで持ち帰ったようです.
 

辻野先生は,シカやサルなどの哺乳類と樹木のかかわりや,

人と自然のかかわりなどを研究されています.
 

自然が作り上げた脊椎動物の骨格標本に,思わず食指が動いたのでしょう.
 

ウミガメが今後の研究に生かされるとよいですね。
 

続く


奈良教育大学実習①

いよいよ実習シーズンです。
 

6月30日~7月4日にかけて,奈良教育大学の実習が開催されました。
 

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大阪教育大学実習に引き続き,担当は宮崎先生です。
 

まずは開館直前の水族館解説です。
 

これだけのコンディションの整った状態の水族館を見られることもなかなかないでしょう.
 

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そしてすぐにウニの受精を行います.
 

後にも受精を行うのですが,まずは一日目に受精をさせてしまい,

時間差で発生の進んだ状態を観察してもらうためです.
 

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慎重に塩化アセチルコリンを注射.
 

今回使うのは,人口放精と放卵が比較的簡単な

ムラサキウニHeliocidaris crassispinaです。
 

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放卵が認められたら,さかさま(口を上)にして,

おしりをビーカーに満たした海水につけます.
 

静かに見ていると,真ん中のビーカーに見られるように,

卵が底の方に溜まっていきます.
 

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こちらは放精の様子.
 

精子の動きは,肉眼で絶対に見えず,海水中では白いもやのように見えます.

放精が確認されたら,おしりを,乾いたシャーレーの底に擦り付けるようにし,

ドライスパームと呼ばれる状態にして保存しておきます.
 

精子は海水につけると動き出し,すぐにエネルギーを消費してしまうのですが,

ドライスパームの状態で置いておけば何時間ももちます.
 

冷蔵庫などに入れておけば,さらに長持ちします.
 

この後いよいよ受精させるのですが,それはまた後のお話にしましょう。
 

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みなさんモニターに興味津々
 

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宮崎先生の受精卵の観察に,みなさん釘付けです.
 

向学心の高い学生さんに来ていただいて,うれしい限りです。
 

続く

 


大阪教育大学実習④

 大阪教育大学の実習最終レポートです。
 

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プランクトン観察を行いました.
 

他の実習では,こちらで用意したプランクトンを観察してもらうことが多いのですが,

この実習では自分たちで採集します.
 

北浜の船着場に出て,プロフェッショナル河村博士による

プランクトンネットの説明.
 

このネットを...
 

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投げる 
 
 

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投げる 
 
 

できるだけ遠くまで投げて,水面下50 cmくらいを

すーっと曳いてくるのがコツです。
 

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ネットで集められたプランクトンは,

おしりのゴムとプラスチックのチューブの中に集積されます.
 

ゴム止めを外して,サンプル瓶に移せば終了。

何か採れたかな?
 

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プランクトンやメイオベントスでは,

何年見ていてもわからないものが時々出てきます.
 

今回も謎の胞胚状の球形物体が採れました.
 

プロフェッショナルの久保田先生に見ていただき,

どうやら何かの卵(やはり胞胚だった?)ということが分かりましたが,

詳しい種類まではわかりませんでした.
 

まだまだ勉強することはたくさんあるのですね.
 

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最終日は水族館観察を行いました。
 

再開館直前のキレイな状態を観察で来て,みなさんたくさんのものを得てくれたことでしょう.

※私は古生物学会参加のため,最終日はおりませんでした.

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そして最後に,王道のウニの発生実験です。
 

コシダカウニは卵が透明なので発生観察に非常に適しているのですが,

繁殖時期が短いことと,採集がやや難しいため,

年によってはうまくいかないことがあります.
 

今年は大分うまくいったようです。
 

ということで,大教大の実習レポートは以上です。
 

この後,奈良教育大学,大阪市立大学の実習が目白押しでやってきています。
 

それらも徐々にレポートにしてきますのでお楽しみに。
 

(特に素敵なポージングをしてくださったみなさん)


大阪教育大学実習③

 台風八号が本州に接近しています。
 

海に近いので「非常に強い」と聞くとひやひやしてしまいますが,

今のところ少し風が強くなってきたかなというところです.
 

大阪市立大学の実習日程の日にもろに直撃しそうですが,

逸れてくれるか,早く過ぎ去るかを願うのみです.
 

というわけで,過ぎし日の実習のレポート(大教大)です。
 

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海岸へやってきた一向.

もう目的は言わずもがなですね。
 

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フジツボをこそぎ採ります。
 

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せっせと海藻を採ります。
 

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そして砂を掘ります.
 

そう,
 
 

メイオベントス観察です。  
 

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とってきた砂に真水を混ぜ,ひたすらかき混ぜます。
 

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海藻にも真水を混ぜ,かき混ぜます。

目に見えない生き物の採集は,想像力が命.

大漁を想像中の表情ですね。
 

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撹拌後しばらく待機,後に上澄みを篩いに受ける。

簡単そうに見えますが...
 

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「疲れた...」
 

実はこれがなかなか筋肉を使う作業です。
 

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そして篩の上に残っている(はず)のメイオベントスを,

丁寧にボールに移します.
 

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さて,何が採れたかな?

わくわくが伝わってきますね!
 

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今回もいろんなメイオベントスが採れました。

海藻からは,クマムシ(矢印)が.
 

海藻の裏に隠れてしまっていますが,いるのです。

生で見たい人は,瀬戸臨海実験所の公開臨海実習にお申し込みくださいね.
 

続く


大阪教育大学実習②

大教大実習レポート第二弾です。
 

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畠島から持ち帰った生物を,例のごとく分類群ごとに仕分けして,同定を行います.
 

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図鑑と照らし合わせながらあーだこーだと悩みます.

例えば貝類の場合,アクキガイ科などの難しい種類を同定する場合は,

一種に一時間以上かかる場合もあります.
 

このような同定の苦労を経て,生物の多様性を直に感じてもらうことが,

この分類の実習の醍醐味ではないでしょうか.
 

少なくとも瀬戸臨海で開催されるすべての大学の実習では,

必ずこの分類の実習が行われます.

各大学で分類の重要性が理解され,今後も続けていってもらえるといいなー

なんて,密かに期待していたりします.
 

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真剣にスケッチ中。
 

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おや,こちらに気づいて...
 

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良い笑顔です。

最近気づいたのですが,事前に

「この写真はブログに載せる可能性があります」

と宣言したほうが,学生の皆さんのポージングが良い気がします.

みんな誰でも心にアイドル性を秘めているのですね.
 

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全部でこれだけの生き物が得られました。

今回の参加学生は8名とやや少なかったのですが,

それでも数時間でこれだけの生物が観察できるのは,

畠島の生物相の豊かさを物語っていますね.
 

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担当した分類群の説明中.
 

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河村博士の刺胞動物の説明.
 

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そして宮崎先生の総括の説明.
 

遊び心も織り交ぜつつ,実習は進んでいきました。
 

続く.


大阪教育大学実習①

2014年6月24日~6/28日にかけて,

大阪教育大学の臨海実習が行われました。

例によってその様子をレポートします。
 

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大阪教育大学教育学部の生田准教授です.
 

生田先生は宮崎先生の筑波大学時代の後輩にあたり,

甲殻類を主な研究材料として,形態・発生学的な研究をすすめておられます.
 

ウェブサイトはコチラ
 

珍しい生き物がお好きで,珍奇生物に興奮してしまう私としては,

親近感を覚えてしまいます.
 

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この実習でも畠島へ渡ります.

畠島頻度が高くなってくすると,いよいよ実習シーズンが始まったなという感じです。
 

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畠島から一望できる白浜の様子を開設する宮崎先生.

生田先生とのつながりで,本実習は宮崎先生が担当されています.
 

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帯状分布の説明.磯観察の基本ですね。
 

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いつも人気のタツナミガイさん Delabella auricularia
 
 

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 ガンガゼDiadema setosum発見
 

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そして横にはアオスジガンガゼDiadema savignyi

本種は肛門の周りに青い筋があることでガンガゼと区別できたのですが,

うまく写真が撮れていませんでした.なんたるイージーミス。
 

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ウミガメの死骸.アオウミガメだそうですが,

実はこのウミガメ,二か月前からここにいました.
 

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ケハダヒザラガイAcanthochiton defippi
 
 

多板綱という軟体動物門の一群ですが,必ず八枚の殻を持つグループです.

(化石種では七枚のやつがいるらしい)
 

以前はその八枚の板が繰り返し構造とみられ,

環形動物や節足動物との類縁性を疑われた時期もありましたが,

現在ではなんの関係もないということが分かっています.
 

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小丸島付近の転石をひっくり返すと,必ずこいつがいます.
 

でろーーんと長く伸びたムラサキクルマナマコPolycheira fusca

無足類と呼ばれる,管足(体表面のぶつぶつ)がないタイプのナマコです.
 

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こちらは,ニセクロナマコHolothuria leucospilotaを片手に,ナイスポージング。
 

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 さすが甲殻類研究者の生田先生.

怒らせると怖いベニツケガニを見つけたと思ったら...
 

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なんとそのおなかにフクロムシがついているではありませんか。
 

しかも二個体同時。

※あまり詳しい説明はありませんが,フクロムシについてはコチラ
 
 

フクロムシがどこにいるかわからない
 

という方のために
 

特別にイラストレーションします。
 

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これでおわかりいただけるでしょう。

しかし同じ甲殻類でもこんなに形が変わるんですね.
 

実際に目の当たりにすると,生物の適応力の底知れなさを感じます.
 

続く.

 


ウミウシストラップ&マグネット

先日,奇譚クラブのウミウシフィギュアを手に入れました。

非常によくできたフィギュアで,マグネット・ストラップ合わせて全16種類のウミウシが楽しめます。

実物はコチラ。
 

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ガッツリクモヒトデを襲わせてみました。
 

6種のウミウシ(ニコちゃんマーク)に襲われる構図です.

実際にクモヒトデとウミウシはあまり自然界で関わることはありませんが,

実はハナデンシャというとても綺麗なウミウシは,

積極的にクモヒトデを餌にしていると言われています.オソロシイ...
 

ちなみにクモヒトデフィギュアは,昔指導教官の先生が展示用に作ったものです.
 


白浜水族館再開館!

昨年より耐震工事のため休館していた白浜水族館が,

ついにオープンしました。
 

リニューアルオープンを記念して,7/5, 6は無料開館です。
 

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7/5のオープンの様子.

天気にも恵まれました。
 

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朝から続々とお客さんが。
 

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入口の外には長蛇の列です。
 

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普段は開放していない職員用駐車場も開放していますが,それでもいっぱいです。

技術職員さん,事務員さん総出で対応しなければならないほどでした。
 

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こちらは入口すぐの大水槽.大変な賑わいでした.
 

耐震工事ではありますが,内装はほぼ一新されており,

とても綺麗になっています。
 

無料開館は,7/6の日曜日も行っております.
 

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最後に,7/4に放映された朝倉館長のインタビューを激写しました。
 

この夏は生まれ変わった白浜水族館に,是非とも足をお運びくださいね。


論文紹介

今日は真面目に論文の紹介をしたいと思います.
 

Nakano 2014

“Survey of the Japanese Coast Reveals Abundant Placozoan Populations in the Northern Pacific Ocean”

Scientific Reports. 4 (5356)

doi:10.1038/srep05356
 

リンクはコチラ

この論文は,平板動物(Placozoa)という海産無脊椎動物が,

日本各地に分布していることを明らかにした論文です.
 

平板動物は,板状のアメーバのような,直径0.5-3 mm程度の動物です.

特筆すべきはその体制単純さで,

7種類の細胞がわずか3層にしか配置されておらず,非常に薄いのが特徴です.
 

この動物は,背腹はあるのですが前後左右がないため,

動物全体の左右相称性の進化を考える上で非常に重要です.

しかしながらその小ささゆえにこれまでほとんど見過ごされてきました.
 

世界中に生息するといわれているのですが,

これまで日本で定量的な研究が行われたことはほとんどありませんでした.
 

この度,筑波大学下田臨海センターの中野裕昭助教が,

日本各地の6地域から平板動物の採集を試みたところ,

北は能登半島,南は沖縄のすべての調査地域において採集ができ,

一年中を通して日本各地に分布していることが示唆されました.
 

実はこの6地域のうちの1つが瀬戸臨海実験所で,

二年前に来所された際のデータが論文に使われました.

詳しくはコチラをチェックしてみてください!
 

中野さんは非常に優秀な発生進化学者で,

これまでトリノアシ珍渦虫などの珍しい海産無脊椎動物の発生を明らかにされています.

動物学会でもよくお会いするのですが,

物腰柔らかで,兼ね備えている人はいるものだなあと思い,

いつも研究への刺激を受けております。
 

ということで,瀬戸臨海を利用した研究成果を紹介してみました.

臨海実験所ならではの仕事に携わることができて,ちょっとうれしい出来事でした。
 


てづるもづるを捕まえよう!③

漁師さんの刺し網などの漁具にテヅルモヅルが絡まって挙がってくることがあります.
 

たいていの場合テヅルモヅルは邪魔者扱いで漁師さんには不要ですので,

運が良ければそのテヅルモヅルを貰う事が出来ます.
 

ただし、漁師さんによってはテヅルモヅルの価値をよくわかっていて,

水族館などに渡すために隠している事もあるそうです.
 

足しげく漁港に通って漁師さんに顔を覚えてもらえれば,

こういう「とっておき」を見せてもらったりできるかもしれません.
 

また、季節によって網を下している深さが変わります.

例えば、和歌山県の南部漁港であれば,

漁師さんが深場を狙う冬ごろが狙いめでしょう.
 

それでは採点です。
 

port

 

採れる度!!  ☆~☆☆(季節によります)
辛さ!!     ☆☆(漁師さんに顔を覚えられるまでが大変かも)
お手軽さ!!  ☆(車さえあればお手軽ですが…)
楽しさ!!    ☆☆(最大限に楽しむためには、漁師さんとの会話を楽しむトークスキルが必要)
標本状態!!  ☆(捨てられてカッピカピに乾いていることもあります)
 

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実際に見つけるとこんな感じです。
 


日本古生物学会⑦

古生物学会から帰ってきて早々,

実習が始まっています。

これから実習シーズンです。

ということで,学会レポート最終話です。
 

学会もいよいよ終わり,

各地から集った古生物学者たちは,

それぞれの場所に帰っていきます.
 

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帰りの電車まで時間があったので,

千徳博士とお師匠の江崎先生とお食事に.
 

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なんと有名な水炊きのお店に連れて行ってもらいました。

前菜からとても美味しくてびっくりしました.
 

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水炊きを囲みながら論文についての議論を交わす師弟の図.

美味しい水炊きと熱いディスカッションのコラボレーションで,

こちらの研究へのモチベーションも上がりました。

江崎先生,本当にごちそうさまでした。
 

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その後,なんと帰りの新幹線の座席が近くに。

師弟の旧交を温めるの図.
 

私も近くに座っていましたが,

2時間半,本当に楽しそうにおしゃべりをされていました.
 

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そして,先生はずいぶんとたくさんの荷物をお持ちだなーと思っていたら,

なんと我々へのお土産だったのです。
 

いやはや至れり尽くせりで,なんとお礼を申し上げてよいのやら...

江崎先生の研究室では,何度か研究機器を使わせてもらっているので,

その成果の公表が何よりの恩返しかと思います.
 

頑張ります。
 

今回の古生物学会では,本当にたくさんの方にお世話になりました.
 

発表でアドバイスをくださった方,

懇親会でお話してくださった方,

連日ご馳走してくださった学会長の大路先生,

そして何より,三日間の学会運営をしてくださったスタッフの皆様,
 

本当にありがとうございました。

 


日本古生物学会⑥

ちゃんと私も発表してきました。
 

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岡西政典・千徳明日香・三井翔太・石田吉明・藤田敏彦

「日本国内より初めて産出したツルクモヒトデ目(クモヒトデ綱)の骨片化石」
 

これまで発表した中で,最大人数の共著者かもしれません.
 

今回は,古生物出身の方々が採集・観察してくださった化石骨片が,

どうやら私の研究対象(ツルクモヒトデ目)だということが判明しました.
 

ツルクモヒトデ目は,あらゆる研究が進んでいない生き物ですが,

化石の研究は壊滅的に進んでいません.
 

ところが,今回の研究の結果,

どうやらこれまで見落とされていた小さな骨片には

実はそれなりの数の本目の骨片が含まれていることが示唆されました.
 

今後は,自らハンマーを振って化石探索を行う必要がありそうです。
 

ちなみに,発表本番ではピンマイクを口に近づけすぎたせいで,

大分音量が上がってしまい,かなりうるさかったようです...
 

私は私で,吐息が混声するのを防ぐために,

なるべく息を吐かないように喋っていたところ,

酸欠になりかけました(笑)
 

何年学会発表してるんだか,という話ですね.

まだまだ修行が足りません.
 

内容自体は,幾人かの方々に興味を持っていただきました.

発表前は結構ナーバスになっていたので,ほっとしました.
 

ありがとうございました。


日本古生物学会⑤

今さらですが,古生物学会が開かれた会場はここです.
 

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九州大学総合研究博物館です。
 

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立派な看板ですね~.

伝統ある博物館の前で,よく映えています。
 

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古生物学会では,お知り合いの先生も発表されていました.

千徳博士のお師匠の,江崎先生の発表. 
 

江﨑洋一・足立奈津子・刘建波

「北中国山東省の張夏層(カンブリア系第三統)から産する“サンゴ類”の特異な産状と生活様式」
 

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古生物学会の現会長の大路先生の発表.
 

大路樹生・Stephen Dornbos・長谷川精・Sersmaa Gonchigdorj・望月貴史

「モンゴル西部の後期エディアカラ系から垂直方向の潜入痕を持つ生痕化石の発見」
 

いずれも,モンゴルや中国を調査地としたスケールの大きい発表でした.
 

普段,海を調査地としていると,あまり内陸での調査と言ってもピンとこないのですが,

このように実際の作業の様子などを聞いていると,

まさに化石を扱う古生物学のイメージにぴったりです.
 

これからは化石も扱っていきたいと考えているので,

とても興味深く聞くことができました。
 

続く.