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標本整理

クモヒトデの骨片観察法

クモヒトデを分類する際には,体の中の微小骨片の観察が必要になる時があります.

今日はその観察法をレクチャーいたしましょう.
 

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①まず時計皿に,観察したい部位を入れます.
 

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②ハイターを,
 

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③注入.
 

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③軟組織が泡を立てて溶け始めます.
 

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しばらく待つと,骨片が出てきました!
 

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④ピペットでハイターを取り除きます.

骨片を吸い込んでしまわないように注意.

ハイターは乾燥すると結晶化するため,観察の邪魔になります.
 

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そこで,⑤水ですすいでやります.

極力ハイターを取り除き,洗瓶で純粋を注入.
 

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⑥ピペットで水を吸い出す操作を2-3回繰り返します.
 

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⑦水分をなるべく取り除いた後は,乾燥するまで待ちます.

最後に,水の代わりにエタノールですすぐと乾燥が早くなります.
 

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ピンセットで,骨片を両面テープに張り付けて完成!

あとはSEMで観察するのみです!

 


標本整理③

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最近調査が多いので,サンプルがたまってきました.

少しずつ整理をしていかなくてはなりません.
 

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 現場でパッキングした標本はこのように,

ビニールパックに耐水紙とともに入れ,
 

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ポリ瓶にぎっしり詰めてあります.
 

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中身を取り出しまして,
 

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瓶に移します.
 

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なるべく中の保存液(基本はエタノール)が揮発しないよう,

我々はこの二重蓋の瓶を使っています.
 

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そしてエタノールを注ぐ!
 

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きっちり肩まで入れましょう.標本が小さいからと言ってけちると,

後で揮発量が分からなくなります.
 

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蓋を閉めて完成!

この状態で置いておけば,少なくとも何十年という単位で保つはずです.
 

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ラベルだけでなく,蓋にも識別番号などをつけておくとより効果的です.

例えば万が一中のラベルが無くなっていても,蓋の識別番号から情報を追うことができます.
 

また,最近はレーザープリンタで耐水紙に打ち出したラベルを使うことあありますが,

場合によっては文字がはがれてしまう事があります.
 

そのため,ラベルには必ず手書きで標本番号を書いておくとよいでしょう.

オーストラリアの博物館では,一度レーザープリンタから打ち出したラベルを,

オーブンで少し焼いて,文字を定着させるという技を使っていました.
 

標本の恒久的な保管のために,世界中で様々な工夫が凝らされています.
 

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また,あまりに小さいものは,さらに小さなバイアルなどに入れないと,

瓶の中で探すのに苦労します.
 

しかしそのようなバイアルは小さすぎて紛失しやすいため,

このように瓶に入れておくことで紛失を防ぐ共に,

同じ大きさで瓶の規格が統一され,整理がしやすくなります.
 


2014年和歌山大学実習⑦

四双島でウミシダが採れたので!

ウミシダの標本作製についてお話しましょう!

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まず,クモヒトデと同様,まずは容器に入れて写真撮影です.

しかし,麻酔はご法度です.

実はウミシダでは塩化マグネシウム溶液による麻酔ができません.

無理に麻酔液に漬けると,苦しんで腕がバラバラになってしまいます.

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撮影が終わったら,クモヒトデの時と同じように,別の容器にエタノールを入れます.

写真の様子は灯油の配注ではありません.

一斗缶にエタノールが入っていて,灯油ポンプで取り出しているのです.

私の知る限り,大体の科学者が灯油ポンプでエタノールを扱っています.

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そしておもむろにウミシダを隣におきまして...

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えい.

とひっくり返してエタノールに漬けます.

この時,しばらく上から軽く抑えてやるのがポイントです.

腕が平面上に固定され,あとで観察のしやすい良い標本になります.

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そっ…と手をのけてやると

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ウミシダ標本の完成です!

あとはクモヒトデと同様,ビニールパックに入れるなりして研究室に持ち帰り,

瓶などに入れ替えます.

ちなみに,オレンジ色のモヤモヤはエタノールに体色の構成要素が溶け出したものです.

固定後は色が変わってしまうので,その前に写真を撮っておく必要があります.

続く


2014年和歌山大学実習③

和歌山大学実習レポの続きではありますが!




畠島でクモヒトデが採れたので!




突然ですがクモヒトデの標本の作り方を紹介します!




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まず,これが今回採れたクモヒトデ.

岩の下にいました.

バットの上にあけましたが,これだと逃げようとして腕をからませあったりして,

何個体いるかもよくわからず,とても標本にするどころではありません.

そこで,麻酔液(塩化マグネシウム水溶液(MgCl2))を使います!

作り方は簡単で,塩化マグネシウム六水和物を73.5g/1Lの分量で真水に溶かすだけ!

注意点としては,潮解性のある試薬なので,

素早く計量しないとどんどん水を吸って秤がべちゃべちゃになっちゃいます.

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麻酔液に浸した状態がコチラ!

種類によりますが,2,3分で効きます.

完全に脱力し,形もこちらの意のままです.

この状態だと腕の自切もありません.

スペースを稼ぐため,このように「彗星型」にするのが私の出身の藤田研究室のスタイルです.

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そしてこのスキに写真を撮ります!

最も重要なのは,体の真ん中の「盤」です.激写しまくるのです!

コチラは反口側. 

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コチラは口側.真ん中にあるのが口です.

写真は,もちろん標本にした後でも撮影できるのですが,

エタノールなどにつけると色が抜けてしまう場合が多いので,

麻酔している間にとるのがベストです.

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そして,別のトレイに固定液(最近は主にエタノールです)を満たしておき,

麻酔したクモヒトデをそっと移します.

後はこれをビニールパックにラベルとともに入れておき,後日瓶に移して標本完成です!

たまには真面目な研究話でした.

続く.

 


標本整理②

標本整理のお話です。

海産動物の標本は、①乾燥標本と②液浸標本に大別されます.

読んだまま、①は乾燥させた標本で、②は液に漬けた標本です。

生物の種類によって適当な標本状態は違いますが、海産標本の場合は、液浸にしておく事が多いです。

液浸に使われる主な液は、ズバリ、ホルマリンとエタノールです!

今日はまずエタノール標本についてご説明を。

【エタノール】

・脱水によって加水分解酵素の働きを止めることで、

固定(生物を生体に近い状態に保つこと)する。

そのため、柔組織は縮んでしまうことがある。

・そんなに臭くないが、余り多く揮発気体を吸い込むと酔っ払う??

・普通は70%以上の濃度で調整する。
 

とまあ,いろいろな特徴があるのですが、

なんといってもエタノールの特徴は、DNAを保存できるところです。

最近はDNA解析のために、エタノールで標本を作る場合が多くなってきました。

しかし、クラゲなどのように水分が多く脱水によって形が変わるため、

エタノール標本には向いていない生き物もいます。

また、エタノールは脱色作用もあるようです。
 

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例えば、こんなキレイなメナシクモヒトデ(Ophiopsammus anchista)も
 
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このように真っ白に笑
エタノール標本を作るときは、事前の写真撮影が必須です!
次はホルマリンについてお話します。

標本整理①

瀬戸臨海実験所の実習室には、
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様々な標本が保管されているのですが、
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こんな状態で保存液が浸りきっていなかったり
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液が少くなってしまったりしています
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このような標本たちを救うために!
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研究員が立ち上がりましたよ!

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標本整理の様子を、随時アップしていきます。
お楽しみに!