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マイクロX線CTスキャン

CT画像からの立体構築①

 

Image Jを使ったCT画像の立体構築の方法について,

少し(ホントに初歩的ですが)出来るようになったので備忘録もかねて紹介します.

今回はFijiというImage Jの画像処理パッケージを使用します.
 

用意するものは以下の通り.
 

1.  連続切片画像データ(組織切片画像などは別途ズレを調整する必要あり)

2. Fijiソフトウェア

3. 立体構築にかける意気込み 
 

○準備

・連続画像データのファイル名は全て連続番号にしておく.

・立体構築を行うためのフォルダ(今回は「3D」とします)を作り,

その中を連続画像データだけにしておく.
 

CT1

「3D」フォルダ内がこんな感じになればOK. 
 

1.Fiji をDLする.

http://fiji.sc/Fijiのリンク先の”Downloads”から適切なver.をDLする.

・fiji.weim64.zipがDLされるので,解凍する.

・解凍先(デスクトップにしておくと便利)にFiji.appフォルダーができる.
 

2. Fijiで画像を読み込む

・Fiji.appフォルダ内のImageJ-win64.exeを立ち上げる.

CT2

・こんなのが立ち上がるので,「File> Import> Image Sequence」を選択し,

「3D」フォルダの中から最も番号の若い連続切片画像を選択する.
 

・連続切片画像が重ねられた「Stack」画像が表示される.
 

CT3

こんな感じ.下のスライドバーを動かせば,Stackされているか確認できる.
 

・Stack画面を選択した状態でShift+Cで「Brightness & Contrast」が調整できる.

・スライドバーで調整して,周りのゴミなどが写らないように調整する.

・この際,(Fiji Is Just) Image Jウィンドウの「Process> Sharpen」などで,

より精彩な画像にする事ができるようです.

※上の画像は調整済.
 

3. 立体構築

・(Fiji Is Just) Image Jウィンドウを選択し,

「Plugins> 3D Viewer」で3D画像が構築できる.

CT4

こんな感じ.後はマウスでぐりぐり動かして3D映像のエンジョイできます.
 

Virtual dissectingの方法などはまだ勉強中.


X線撮影再び

以前串本で採れたこのモヅル
 

IMG_5394

その後解析を進めてみたところ,やはり面白い種である事がわかりつつあります.
 

IMG_5399

そこで科博に行ってCTスキャン映像を撮ってきました

この筒の中に入れる必要があるので,泣く泣く腕をカット.

科学に犠牲はつきものです.
 

IMG_5402

そしてスキャン

おお!いろいろ見えてるじゃありませんか!
 

最近,スキャンの使い方も色々とわかってきて,

軌道に乗り始めた感触です.ホクホクです.
 


マイクロX線CTスキャン②

 マイクロX線観察は順調に進みました。
 

IMG_0504

予定していたものは早い段階で終ったので,

科博の標本の中から気になるものをピックアップして解析にかけてみました.

固定液(エタノール)で濡れたものでも解析にかけることができます.
 

標本によっては乾燥させたくないので,これはとても便利。
 

IMG_2794

画像処理パソコンを見ながら,千徳博士と,

私の元指導教官の藤田先生が議論中.
 

IMG_2808

三次元構築処理ソフトの使い方を勉強中。

ヒザラガイの専門家の,斎藤先生に教わりました.
 

先生のキレイなヒザラガイの三次元画像みたいにはなかなかできませんでしたが,

それなりに見たいところの画像が得られました。
 

IMG_0510

作業の合間に,学会でも発表していた藤田研のお客さんのAlexanderさんとランチに行きました.
 

IMG_0517

なんと,ご家族も来日されていたのでご一緒に.

カメラ目線のAlezanderさんと,奥さんのターニアさん(真ん中),娘さんのオーラさん(左)です.
 

うどん屋にお連れしたのですが,箸の使い方がうまくてびっくり.

時々,ご家庭でも箸を使うのだとか.
 

IMG_0545

そして,夜は懐かしのつくばの居酒屋で飲みました。

元同じ部屋の先輩たちに囲まれ,

あーだこーだと研究話や,

ワールドカップ談義に花がさきました(この時はまだ結果が分かっていませんでした...)


 

結構飲んだおかげで,翌日はややグロッキーでした.

ということで,大変実りのある科博滞在となりました.
 

お次は六月末の日本古生物学会@福岡です。
 

実習も併せて頑張ります。


マイクロX線CTスキャン

 科博でクモヒトデ標本の観察を行ってきました。
 

IMG_2788

今回使うのはX線CTスキャンです。

脳外科などで使われているアレです.

標本にX線を当てて,非破壊的に内部構造を観察できる装置です。
 

IMG_0479

上の画像の出っ張った部分を開け,

このような筒をセットします.
 

IMG_0480

そしてその中に標本をセットし,ふたを閉じます.
 

IMG_2800

そして,スキャン開始。

X線発生装置のある本体の中に吸い込まれていく標本。

気分はドナドナです.
 

IMG_0484

操作は基本的に横に設置したPCで行います.

まずは軟X線で全体の構造がみられるので,

どこまで撮りたいかを決めます.
 

大きさにもよりますが,小さければ20-30分,大きければ数時間といったところです.
 

IMG_2786

計測範囲を決めたら,スキャン開始。

後は結果が出るのを待つのみ。
 

   IMG_0488

こんな風にして片っ端からクモヒトデのスキャンを行いました.
 

一緒にサンゴをスキャンしていた千徳博士は,

得られた画像から立体構造の復元をしていました.
 

続く.