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Monthly Archives: 4月 2014

海産無脊椎動物多様性実習⑦

海ばかりではありません。汽水域の生物も見ます。

河口付近の川にきてみました。

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朝倉所長の解説中。

終わるやいなや…?

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ワラ…。

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ワラワラ…。

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ワラワラワラワラ

あっという間に生物を探し求めて学生が拡散していきます。

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御覧くださいこの幸せそうな表情。 

彼らにとっては、生物との触れ合いの時間が、

なにものにも代えがたいプライムタイムなのです。

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お次は干潟。 

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ワラワラワラ 

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こちらは、汎用干潟兵器「ヤビーポンプ」に挑戦中。

これは巣穴に隠れている生物を取るためのウェポンで、

物理的に金属の筒の中を陰圧にすることで、

水や泥ごと孔内の生物を吸い取ってしまいます。

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見学に来ていた千徳博士も実施中。

吸ってー。

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出す。

何回か繰り返せば、この泥と一緒にアナジャコ等がポロッと出てきます。

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 こうして泥だらけになりながら持ち帰ったサンプルを同定中。

苦労しただけに愛情が湧くというものです。

続く


WESTPAC 9th International Scientific Symposiumに参加してきました!③

 ベトナム出張日記、まだまだ続きます。

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今回は一つのポスター部屋は設けず、

廊下にポスターを張り出していました。

ただし1フロアには収まりきらなかったらしく、2フロアに渡っていました。

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ポスターの裏側はこんな感じ。

完全にリゾートです。

しかし科学者たちは、そんなリゾートには目もくれず、

ポスターの前で議論に明け暮れるのです。

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前回、A-Coreプログラムのチェンマイセミナーでもご一緒した、

科博の魚類研究者の中江先生も発表されていました。

科博時代の私の兄貴分でございます。

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学会に参加すると、大抵バッグに講演要旨集などが入っているのですが、

国際学会ではその中にご当地のお土産が入っていることもしばしば。

今回はこんなものをもらいました。

ベトナムコーヒーセットです!

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どうやら、金属製のフィルターを組み合わせた中に

上からお湯を注ぐことで、コーヒーが抽出できるそうです。

研究室でやってみます。

続く


WESTPAC 9th International Scientific Symposiumに参加してきました!②

WESTPACミーティングの参加日記の続きです。

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少し時間をオーバーしてしまいましたが、無事口頭発表を終えました。

Masanori Okanishi, Suchana Chavanich, Voranop Viyakarn and Toshihiko Fuijta

 “Population structure of a brittle star Ophiothela danae (Echinodermata, Ophiuroidea) on gorgonacean corals from Gulf of Thailand”

ソフトコーラルと呼ばれる、硬い骨格を持たないサンゴに絡んでいるニシキクモヒトデ(Ophiothela danae)についての発表でした。

食性や被度についての質問がありましたが、正直なところほとんどなにも分かっていないクモヒトデです。

今後、発生や遺伝子配列を見ていく必要があると思っています。

そして、発表が終わったあとは打懇親会です。

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懇親会は、近くのホテルで行われました。

ベトナムビールで乾杯。

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これは「バーバーバー」とよむベトナムのビールです。

「333」はベトナムでは幸運を表す数字列だそうです。

ラッキーセブンならぬラッキースリーですね。

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東南アジアといえば食!

エビです。

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北京ダックです。ベトナムシチューです。

他にも魅惑の料理がずらりで、

お腹いっぱいになりました。

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さて、この懇親会では、WESTPAC Outstanding Scientist Awardの表彰式も行われました。

受賞者の名前が読み上げられていきます。おや、この方は…?

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なんと今回の共同発表者のSuchana Chavanich(タイ・チュラロンコーン大学)さんです!

珊瑚礁の生態系の研究をされており、研究業績だけでなくサンゴの保全やリクルート活動も評価されての授賞となりました。

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もう一度、Suchanaさんを交えて乾杯。

おめでとうございます!

こうしてベトナムの夜は更けていきましたとさ。

続く

 


海産無脊椎動物多様性実習⑥

もちろん今回の実習でも畠島に上陸しました。

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人数が多いので、2班にわけて乗船しました。

一般は船着場ではなく、別の岸壁で待機中。

ちなみにパーフェクト凪。

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鏡のような水面を切り裂いてやってきた我らがヤンチナ。

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毎度おなじみ、上陸後の畠島分室でのレクチャー。

ここで事前講義を受けているのとそうでないのとでは、畠島の楽しみ方が数倍違います。(当社比)

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いざ磯観察へ。

先に上陸した班が遠くに見えます。

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「うおりゃーーー!!」

岩の下には、自分では動くことの出来ないレア生物が隠れ住んでいることが多いのです。

ひっくり返した岩はもとに戻しましょう。

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持ち帰った生物の仕分け。

いくつかウニが採れていますが、何種類でしょう?

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こ、これはいけません!

弱ったニセクロナマコ(Holothuria leucospilota)が内蔵を…。

衝撃映像なのでモザイクをかけておきます。

是非とも直接見たいという猛者は、公開臨海実習に参加してみましょう。

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ナマコの骨片の観察中。

ナマコは一見ブヨブヨしていて形質が少なく、分類が難しいのですが、

体表に埋め込まれている小さな骨片の形が種ごとに違っており、

この形の違いで種が分けられています。

今回は皮の一部をキッチンハイターに浸して、

骨片を取り出して観察しました。

ちなみに、ナマコもウニも同じ棘皮動物で非常に近縁なのですが、

このような骨片を観察すると、ウニもナマコもカルシウムの骨片で体が作られているのが理解できます。

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今回畠島からはこれだけの生物が得られました。

湾内の外洋と内湾の水が入り混じる場所に位置している畠島は、

「奇跡の島」と称されているそうです。

1968年に京都大学瀬戸臨海実験所に買い取られてから、

百年計画でその生物相のモニタリングが行われており、

現在でも所員によって五年に一度、全島調査が行われています。

こんな奇跡の島で実習ができるのは、日本広しといえでも瀬戸臨海実験所だけです。

みなさんこぞって公開臨海実習に申込みましょう!

続く


Yahooに進出!

先日ご紹介したクラウドファンディングの件ですが、

yahoo

Yahooニュースになってます。

しかも他にも、様々なニュースサイトやブログで取り上げてもらっています↓

○日本初のアカデミック・クラウドファンディング「academist(アカデミスト)」:

もうひとつのソーシャルを考える:ITmedia オルタナティブ・ブログ

http://blogs.itmedia.co.jp/shakaikouken0023/2014/04/academist-21b6.html 



○むしブロ:クマムシ博士のドライ日記
「研究活動支援型クラウドファンディングサイトがオープン」

http://horikawad.hatenadiary.com/entry/2014/04/22/063326



国内初の研究費獲得のためのクラウドファンディングということでやはり注目を集めているようです。

そして、






success

達成しました  




なんと開始から20日と経たずに達成してしまいました。

ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

これでキヌガサモヅルの種の分類を明らかにすることができます。

ちなみに、達成はしましたが、プロジェクト自体は6/5まで続きますので、引き続きご支援は可能です。

こんなに早く達成すると思っていなかったので、まだ用意できていないのですが、

達成額を超えた分の使い道はまた別途プロジェクトページに掲載する予定です。

引き続きご支援よろしくお願いいたします。

この度、ご支援をいただいた皆様と、

このような機会を与えてくださった(株)エデュケーショナルデザインの皆様に、

心よりお礼を申し上げます。

ありがとうございました!


WESTPAC 9th International Scientific Symposiumに参加してきました!①

WESTPAC 9th International Scientific Symposiumに参加してきました。

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なんとニャチャンのシェラトンホテルで開催です。

☆☆☆☆☆

(私は、その隣のリーズナブルなホテルに宿泊しました)

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この会議の母体は政府間海洋学委員会(Intergovernmental Oceanographic Commission: IOC)という組織で、その西太平洋区の委員会によって開催されている会議です。

つまり、西太平洋区の海洋学研究に関する大規模な国際会議です。

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初日の参加登録時の受付付近の様子。

人が多すぎて進めません。

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開会式の様子。

壇上にいらっしゃるのは、UNESCOの副理事です。

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開会式が終わって移動中。

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会場の目の前が海岸です。

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赤い椅子に座っていく参加者達。

賢明なみなさんはお気づきかもしれませんが、記念撮影の様子です。

これで参加者の約1/3くらいです。


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撮影が終わったら、みんなすぐにホテルに避難。

この時期のベトナムは30度を越えています!

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これが私の発表予定会場。 

 


海産無脊椎動物多様性実習⑤

メイオベントス観察開始。

今回は、泡立て法を試してみました。

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~泡立て法の手順~

まず基質と真水を混ぜてよく振ります。

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それをバケツに注ぎまして。

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さらに真水を注ぎます。

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ゆっくりと、しかしなるべく泡が立つように移植ゴテでかき混ぜます。

こうすると、空気(疎水性)と親和性の高い外皮を持つ生き物が、

空気にトラップされて泡と共に水面に浮かんできます。

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そして、水面をコピー用紙などのツルツルの紙でそっと撫でてやります。

すると、今度はこの紙にメイオベントスがトラップされるというわけです。

あとはこの紙を水で洗いながら表面のメイオベントスを洗い、

目の細かい網で濾してやれば、

網の中に獲物が残るということですよ。

誰がこの方法を思いついたのでしょうか。

しかし画期的です。

実際にこの方法によって、動吻動物(Kinorhyncha)などはかなり効率的に採集されるということです。

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お次はフジツボ。これは単純に真水でシェイクするだけ。

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こうして得たサンプルたちです。

それぞれの基質には、特有の生物が観察できます。

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この日は夜遅くまで観察は続いたようです。 


海産無脊椎動物多様性実習④

前回基質を採集したメイオベントスについてはさておきまして。

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プランクトン観察がスタートです。

船上で採ってきたプランクトンが、この赤い蓋のボトルに入っています。

どんなプランクトンが採れてますかな?

  

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久保田先生によるプランクトン解説。

「あんまし採れてないなあ」といいつつも、次々にプランクトンを解説していきます。

実習に関わり出して二年経ちますが、いまでもぱっと見てわからないプランクトンはたくさんいます。

先生のようにはなかなかなれません。精進ですね。

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プランクトンといえば河村博士です。

飼育中のクラゲ(タコクラゲ[Mastigias papua]だったかな?)のポリプの解説中。

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漁網に混獲されるベントスを採集しに、隣町の境港にも行きました。

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大和先生のヤギの解説中。

ソフトコーラルと呼ばれる、硬い骨格を持たないサンゴの仲間のうち、

木の枝みたいな形になるヤツをヤギと呼ぶのです。

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漁網にかかったままの獲物に手を出す強者も。

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香ばしく香る魚カゴの中にも、探せばお宝があるものです。

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なんとテヅルモヅルが採れました。

自慢げに(?)解説中です。

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収穫物。手前でブリッジ気味なのはアオヒトデです。

カラーバリエーションが多く、青くないものも時々見られます。

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並べてみると結構な生き物が採れているものです。

ですが、いずれもそれなりに深い場所の生き物だけあって、

いつもの磯で採れるものとはだいぶ様子が違います。

深海では、捕食に対する戦略の一つとして、

体の大型化があるそうです。

言われてみれば、ヤドカリにしろ、巻貝にしろ、大型ものが多い気がします。

もちろん、採集漁具の関係もあるのでしょうが、

きちんと調べてみたらそれなりの傾向がでるのではないでしょうか。

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収穫物を再び実習室で解説中。

いえ、好きな生き物は、何度解説しても楽しいものです。


街の灯

出張でベトナムへ行くため、

関西国際空港付近のホテルに来ています。

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街の灯じゃあー。

波の音が心地よい白浜も良いですが、

久々の都会はやっぱり心が躍ります。

もちろん遊びに行くわけではありません。

9th WESTPAC International Scientific symposiumに参加してくるのです。

発表演題だけで500近くになる大きな学会です。

あんまりよく知らずに申し込んでいたら、意外に大きな学会だったのは秘密です…。

頑張ってきます。


海産無脊椎動物多様性実習③

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宮﨑先生の先導の下、北浜にきました。

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相談しながら穴を掘っています。

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そして、岸壁のイワフジツボも集めます。

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Invertebrateな皆さんは既にお気づきでしょうが、

これはメイオベントスを観察するための基質採集です。

メイオベントスとは、海岸の砂浜の隙間にいるような、非常に小さな生き物です。

1 mm のメッシュを通り、64 umのメッシュの上に残るくらいの大きさの生物の事を指し、

近年になって莫大な多様性を秘めている事が明らかになりつつある生物群です。

分類とは関係がなく、節足動物、線形動物を始めとして、

環形動物、扁形動物、動吻動物、緩歩動物、さらには棘皮動物(ナマコ)などがみられます。

また、最近になって発見された胴甲動物は、メイオベントスサイズしか知られていません。

まだまだ研究が進んでおらず、我々が見てもなかなか種まではわからないものが多いのが現状です。

今回はどんな生き物が見られるのでしょうか。

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夜は久保田先生と共に、プランクトンのDVD鑑賞。

海産無脊椎づくしの日々です。

続く


海産無脊椎動物多様性実習②

標本解説を行っていたその頃、

田辺湾の海上では、プランクトン採集実習が行われていました。

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研究員の河村さんによるプランクトンネットの使い方の説明です。



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海中に放り出したプランクトンネットを、

ロープを使って手繰り寄せます。

なるべく海表付近を引くのがコツだそうですが、

雨が振ると塩分濃度の影響で海表のプランクトンは下に下がるそうです。

慎重な調整が求められます。

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お次は海底の砂をスミス・マッキンタイアー(SM)採泥器で採集します。

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赤いのがSM採泥器です。

下のオレンジの入れ物に泥を受けました。

さてさて、何が採れたかな?

まだまだ続く


てづるもづるはじめました②

てづるもづる飼育日記第二弾です。

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一番体の大きい太郎は、元気に腕を広げています。

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しかし、一番体の小さい三郎は、

ほとんど死にかけ…。

ということで、三郎は天に召(標本に)されました。

漁港で採った際の状態が悪いと、

その後はいくら頑張っても基本的には死んでしまうとの飼育員さんの話でした。

てづるもづるは死に方が壮絶なので、

そうなる前にとの苦渋の決断です。

翌日、次郎もほとんど死にかけの姿で発見されたので、

彼も標本とされました。

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残った太郎には、底砂などを入れて環境を整備してみました。

果たして彼の運命はいかに。

続く

 


海産無脊椎動物多様性実習①

2014年3月25日~30日にかけて、

公開臨海実習「海産無脊椎度異物多様性実習」が開講されました。

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今年は全国津々浦々から、計23名のInvertebrateソルジャーが集いました。

大変盛況です。

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中にはこれまでの公開臨海実習に何度か参加してくれている猛者まで。

リピーターがきてくれるのは、実験所的にはとても嬉しいことです。

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整備した実習室の標本が役に立つ時がきましたよ。

標本を使った動物の形態の多様性の解説を行いました。

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久保田先生による脊索動物の説明。

ご専門は刺胞動物ですが、大変博識で、様々な動物の解説を担当してくださいました。

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私も棘皮動物の解説を担当しました。

これは先日手に入れたサキワレテヅルモヅルの仲間を、

自慢気に見せびらかしている様子です。

こんな感じで始まった海産無脊椎動物多様性実習、

今回はどんなドラマが飛び出すのでしょうか。

続く


棚を自作しました!

 とある昼下がり

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あまりに天気が良いので一つ工作でもしてやろうと思い、

瀬戸臨海の工作室に来てみました。

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ターゲットはこいつ

この金属の棒です。

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こいつを万力で挟みまして。

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金ノコギリでギコギコ!

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突破口が開けました。

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更に本格的にギコギコ

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大分汗だくになりながら、なんとか四本の棒をカットしてやりました。

これらは一体何になったかと申しますと…?

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これこの通り

棚の支柱だったのですね。

これでまたひとつ、デスク周りが快適になりました。

瀬戸臨海ではこのように、自前で調度をこしらえることも出来るのです。

 


命名規約輪読会が開催されます

動物の名前の付け方で迷っている…。


ひょっとしてこれってシノニム(同種異名)?でも確証がない…。


そんなあなたに朗報です。


動物命名規約の勉強会が開催されます!


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※前回の輪読会の様子(撮影:伊勢戸徹[JAMSTEC]

この会は、「若手分類学者の集い」が主催している会です。

「若手分類学者の会」は、分類学に関係する論文を記述する(または理解する)上で欠かせない

「命名規約」の解釈や、その具体的応用(または適 用)

についての勉強会を続けている研究会です。

毎年、日本動物分類学会の後に開催されており、今年はつくばで六月に開催されます。

いくつかのMLで回っているかもしれませんが、

詳細は以下の通りです。

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第6回『若手分類学者の集い』のご案内
———————————————————–


ウェブサイトはこちら
http://wakate-taxonomists.jimdo.com/

<開催趣旨> 

これまで5回にわたり日本動物分類学会大会にあわせて開催された勉強会『若手分類学者の集い』では、

全国の若手分類学者が集まって国際動物命名規約の学習を行いました。

さまざまな分野の研究者による自由闊達な議論によって

規約への理解を深めることができたと感じています。

今年も日本動物分類学会大会の日程に合わせて勉強会の開催を企画しましたので参加者を募集いたします。 

勉強会の内容はこれまでと同様、『国際動物命名規約第4版』を輪読形式で読み進め、

疑問がある場合にはそのつど全員で徹底的に議論を行い、解決する、というものです。 

また、勉強会は、予算的な負担が最小限で済むように

日本動物分類学会の終了後に会場である国立科学博物館筑波研究施設の近くで行います。

もちろん、日本動物分類学会大会に出られない方の参加も大歓迎いたします。 

なお、「若手分類学者の集い」という名前ではありますが、

これは特に若手の参加が重要だと考えているからで、

若手しか参加できないという意味ではありません。

また、専攻が分類学でなくてもまったく問題ありません。

気持ちが若手!で、分類学に興味をお持ちの全ての方の参加を歓迎いたします。

<内容>

国際動物命名規約の勉強会
※基本的に輪読形式です。『国際動物命名規約第4版日本語版』をお持ちください。

第5回より2巡目の輪読を開始しています。

第5回までに条11.10(14ページ)までの学習が済みました。

第6回はこの続きの条12から輪読を行いたいと考えています。

なお、勉強会の最後に次回の開催や内容について話し合う予定です。

『国際動物命名規約 第4版日本語版』をお持ちでない方は

日本分類学会連合のウェブサイト(下記)をご参照ください。

PDF版のダウンロードができます(無料)。

2,800円(送料込み)で印刷体の購入もできます。

一般の書店では取り扱われていません。
http://www.ujssb.org/iczn/index.html
※2012年9月4日に国際物命名規約が改正され,同日に発効しました。こちらも適宜参照します。

改正文の和訳を含む解説記事が「タクサ」第34号に掲載されています。

PDFが日本動物分類学会のウェブサイト(下記)からダウンロードできます。
http://jssz.sakura.ne.jp/

<勉強会会場および宿泊先>

筑波研修センター
http://www.meikei.or.jp/~center/

国立科学博物館筑波分館からは徒歩約15分
つくば駅からは、バスセンター6番乗り場より「筑波大学循環」(右回り・左回りどちらでも)

「筑波大学中央」行きで「筑波メディカルセンター前」下車、

徒歩約10分(休日は本数は少ないので注意してください)、またはタクシーで約5分

<日時>

2014年6月15日(日)18:00 ~ 16日(月)17:00
※1日目の開始時刻は日本動物分類学会大会のプログラムに合わせて調整する可能性があります。
※2日目の17時以降に、希望者で打ち上げを行う予定です。

<費用>

・会場使用料:23,300円を、参加人数で割ります
・宿泊費:1人当たり3,700円~4,000円の予定です
・食費:1人当たり2,100円(1日目の夕食・2日目の朝食・昼食の合計)の予定です。

※研修センター内の食堂を利用します。

<参加申し込み方法>

参加ご希望の方は、5月19日(月)までに瀬尾絵理子(mail: seoe@aori.u-tokyo.ac.jp)

まで下記の点をご連絡ください。
なお、会場の収容人数の問題があるため、先着順で定員に達した場合には、

募集を締め切らせていただきます。あしからずご了承ください。

1.氏名・フリガナ
2.性別
3.所属(学生の方は学年もお知らせください)
4.E-mailアドレス
5.研究対象(例:河川性アマオブネ科腹足類の系統と分類)
6.動物分類学会大会への参加の有無
7.部分参加や会場に宿泊されない方はその旨をお書きください

(勉強会は合宿形式で夜遅くまで続きますので、できる限り会場にご宿泊されることをお勧めします)。
8.食べ物等のアレルギーがある方は、その旨をお書き下さい

ご不明な点がありましたら下記の4名の世話人のうち、誰にでもどうぞお気軽にお問い合わせください。

<世話人>(五十音順)
生野 賢司(早稲田大学大学院 創造理工学研究科 修士2年)
E-mail:id-kenji-ikuno@asagi.waseda.jp
伊勢戸 徹(海洋研究開発機構 地球情報基盤センター)
E-mail:iseto@jamstec.go.jp
神保 宇嗣(国立科学博物館 動物研究部)
E-mail:ujinbo@kahaku.go.jp
瀬尾 絵理子(東京大学 大気海洋研究所 新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 博士後期課程)
E-mail:seoe@aori.u-tokyo.ac.jp
——————————————————————–


以上です。命名でお悩みの方、是非ともご参加ください。

ちなみに、少しでも命名規約を読み進めてみた方はお分かりかと思いますが、

命名規約は法律文であるため、

解釈の方法が一通りでない場合もあり、

一人で読むのはとても困難です。

これまでの輪読会に参加した経験から、

命名規約を複数人で読み進めるのは、

時間はかかりますが非常に効率的であると私は考えています。

おそらく、命名規約の存在は知っていたけど、

読む機会がなかった、という方もおられるでしょう。

この機会に触れてみてはいかがでしょうか?


藻類の系統と進化⑦

長きにわたる藻類実習レポートも、ついに最終話です。 

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最後の夜は、もちろん先生お手製の海藻たこ焼きです。

緑のつぶつぶは、ヒジキです。

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関東から来てくれた学生がたこ焼きを。

彼はこの一週間弱で、しっかりと関西に馴染めたようです。

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こちらはお好み焼き。

サラミと海藻の絶妙なコンビネーションを、貴方はもう体験しましたか?

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ムカデノリのサラダ

ドレッシングがよく絡み、食感も良く絶品です。

この料理のおかげでムカデ嫌いが克服できそうです。

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乾杯!

天候には恵まれませんでしたが、

皆さんよく頑張りました。

この日は遅くまで解放感に浸りながら美酒に酔ったことでしょう。



翌日



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いよいよ今日で皆さんともお別れです。

一週間弱お世話になった実習用具をピカピカに掃除してくれました。

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それでは、みなさん。

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お疲れ様でした。



以上、藻類実習レポートでした。


この実習は、2014年度より「藻類と海浜に生息する種子植物の系統と進化」

と、実施項目を反映した名前に変更されます。

藻類だけでなく、海浜植物に興味がある方も、

是非ともご参加ください。

※1 食卓に上った海藻類は、実習で観察して余ったものです。

※2 学名の典拠→ネイチャーウォッチングガイドブック「海藻」、発刊:誠文堂新光社、監修:神谷充伸


藻類の系統と進化⑥

 

ついに最後の野外実習です。

この日の作業は、海藻の組成比較です。

各班で二つのタイドプールを決めてもらい、海藻の分布を調べ、比較します。

ポイントになるのはタイドプールの選び方です。

水深、面積、低質、海岸からの距離、高さなどの条件のうち、一つの条件だけが異なるように

タイドプールを選定することで、その条件が海藻の分布に及ぼす影響を考察してもらいます。

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タイドプールを決めたら、まずは水をバケツで掻き出します。

ある程度の深さに生えている海藻も観察するためです。

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しかしこの日は強風でした。

掻き出した水が、風にあおられてすぐに霧状に。

本当に過酷な作業でした(経験者談)

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水がなくなったタイドプール内の海藻の分布を調査中。

水平分布だけでなく、垂直分布も調べます。

実に骨の折れる作業です。

みんなヘトヘトかと思いきや…?

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まだポージングする余裕が。

強風も、彼らにとっては演出の一部にすぎないようです。

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穴の見えない円月島をバックに、この余裕っぷり。 

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実習室に戻って、結果発表会です。

今回は、多くの班が水深に着目していました。

光合成を行う植物にとっては、やはり数10cmといえども、

水深は大きく分布に影響するようです。

紅藻、褐藻、緑藻である程度垂直分布に差が見られました。

とはいえ、そう簡単に傾向が出ないのもフィールドワークの妙。

みなさん、それぞれの結果に全身全霊で考察を加えてくれました。

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発表会終盤。

とある鋭い指摘が。

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あ!May 21て!!

※3月に行われた実習です。

この班は文字のデザインにこだわってくれましたが、

最後の詰めが甘かったようです。

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無事発表終了。

このあとはいよいよ打ち上げです。

最終話へ続く。

※タイドプールの水は、スタッフによってもとの水位に戻されました。


宣伝(クラウドファンディング始めました)

クラウドファンディングをご存じでしょうか?

研究費を得たいけど、申請先がない!

そんな人が、ネット上で多数の人に金銭的に援助してもらい、

その代わりに自分で用意したリターンを支援者に提供するというものです。





で、




academistのコピー (コピー)

私もやってみました。

研究テーマは「深海生物テヅルモヅルの分類学的研究」です。

魅惑のリターンをたくさん用意しております。(詳しくはウェブで)

ご支援よろしくお願いいたします。


てづるもづるはじめました

テヅルモヅルの事がもっと知りたい…。



生きている様子をもっとみたい…。



そんなあなたに朗報です!



先日、白浜のすぐ近くの南部漁港に行ってきました。

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南部では古くから刺し網漁が行われており、

展示用の生き物を白浜水族館に提供してくれています。

何気なく飼育員の方々についていくと…?

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なんとテヅルモヅルが採れていました。

しかもデカイ。

ということで…。

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てづるもづる(の飼育)始めました。

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今回採れたのは三個体。

いずれもアカテヅルモヅルかと思われます。

実はこれまでも何回か飼育にチャレンジしていたのですが、

通常の方法ではうまく行きませんでした。

この度、暗室、低温という環境を整備し、

飼育にチャレンジするというわけです。

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現在は元気に腕を広げています。

今後の飼育報告に乞うご期待。

 


てづるもづるとは④

てづるもづるの説明について、大分時間が経ってしまいましたが、マイペースで説明していきます。

ヒトデとクモヒトデの違い、それはズバリ、腕の中の骨格の構造の違いです。

ヒトデの腕の中にはいくつかの骨片が組み合わさっており、その構造から腕の口側に歩帯溝という溝を備えています。

ここから管足という触手を出し入れし、主に移動に使っています。

ところが、クモヒトデではこの溝が腹腕板という板によって閉じられています。

そして、 その腹腕板の縁っこに、触手孔と呼ばれる、

管足(クモヒトデでは管足は触手と呼ばれています。これは、直した方がよいと個人的には思っています。) を出し入れする穴があります。

つまり、腕の口側に溝があるかないか、 これがクモヒトデとヒトデを見分けるシンプルかつ本質的な違いなわけです。

Trichaster_Cetonardoa2

こちらの図はCetonardoa属のヒトデ(左)ツルタコクモヒトデ(右)の腕の口側(腹側)の様子です。

ヒトデの腕の正中線上には溝がありますが、クモヒトデの腕には溝らしき構造が見られないのがお分かり頂けると思います。

みなさんも、海で星形の生き物をみつけたら、ひっくり返して口側を見てみましょうね。


藻類の系統と進化⑤

まだまだ続く藻類実習。

今日は畠島でのライントランセクト及びコドラート調査です。

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ライントランセクト(Line Transect)は、海岸線に任意のラインを引き、

その上の生物の被度や個体数などを調査する方法です。

一方コドラート(quadrat)法は、四角形の枠を海岸の基質の上に置き、

その中の生物の個体数や被度を調査する方法です。

今回は、両者を同時に行いました。

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まずはラインを引く場所を決めます。

なるべくその辺り一帯の生物相を反映するような場所を選ぶ必要があります。

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調査開始!

コドラート内の海藻の被度を調べていきました。

この日はなかなか激しい雨風に見舞われ大変な作業となりましたが、

めげることなく完遂してくれました。

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畠島で見られた海藻「オニアマノリ(Pyropia dentata)」

荒見かけた実習生たちの心を癒してくれた食卓の人気者です。

※食べてません。

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実習室に帰って、データの解析。

苦労して持ち帰った宝のようなデータです。

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今回は畠島の内湾側と外洋側の二回に分けて調査を行ってもらいました。

果たしてどんな差が出るのでしょうか?

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 実習の合間に、外国人を想定したディスカッションの練習中。

あらゆる場合を想定した準備に余年がありません。

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ライントランセクト・コドラート調査結果発表

外洋側ではヒジキやウミトラノオなどの茎が長い褐藻が多いのですが、

内湾側では、ボタンアオサ(Ulva conglobata)やボウアオノリ(Ulva intestinalis)のような緑藻などが多く見られました。

この違いおそらく波当たりの強さに由来しているのではないかという考察でした。

今は海岸を覆い尽くす勢いの海藻類も、夏には脱落してしまいます。

藻類が豊富な時期だからこそできる調査といえるかもしれません。

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前日に作成した藻類の標本達です。

乾燥すると、だいぶ様子が変わって、生きている時とは全く違う形になったりするものもあります。

このような標本作成法は、古典的ではありますが、

いまでも藻類の分類学では中心的に行われているようです。

続く


論説出版!

我々の論説が、日本動物分類学会誌「タクサ」に出版されました。

岡西政典*, 加藤哲哉, 宮崎勝己 (2014)

瀬戸臨海実験所の教育と研究における分類学の重要性―時岡隆先生と臨海実習に注目して― A focus on Takasi Tokioka (1913―2001) and short training course in marine biology: The importance of the taxonomy for education and research at the Seto Marine Biological Laboratory.

タクサ. 日本動物分類学会誌. 36: 1-5.

本論説は、2013年9月に開催された日本動物分類学会シンポジウム

「臨海実験所と動物学研究」で私が講演した内容を文章にまとめたものです。

2013年に生誕100周年を迎えられた時岡隆先生の一生を振り返り、

瀬戸臨海実験における分類学および生物学教育に対する貢献につ いて紹介しています。

また、実験所で開催されている近畿一円の大学の臨海実習に注目し、

動物学教育における臨海実習の意義と分類学の重要性について述べています。

 

私の現在の職務である、臨海実習における教育活動を、

文章に残せてとても嬉しい限りです。  

本論文を執筆するに辺り、

資料等をご提供いただいた時岡先生のご遺族、

河村真理子博士、

並びに、建設的なコメントを下さったSMBLの

宮﨑勝己先生、加藤哲哉博士、

ありがとうございました!


藻類の系統と進化④

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野外観察の続きです。

先生の後ろには深いくぼみがあり、日中は陽が差さない場所になっています。

こういったところには、暗所に適応した藻類が生息しています。

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これはムカデノリ「Grateloupia asiatica 」です。

太い茎部分から、細い足がたくさん生えていて、

まるでアレのようなことからこの名前が付けられているそうです。

ああ、そういえばもうそろそろアレが出てくる時期なのですね…(遠い目)

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少し休憩。

無理せずこまめに休憩をとることも、磯観察の重要なポイントです。

ゴールまであと少し!

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帰所後、採集した海藻の標本づくりです。

綺麗につくると、このような美しい標本になるそうです。

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まず、海藻を、このようにツルツルのコピー用紙に

そっと乗せて、形を整えます。

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吸水性のあるフェルトでこの海藻用紙を挟みまして。

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サンドイッチに。

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そらにダンボールで挟んで、扇風機で一晩乾かします。

うまく標本はできているでしょうか?

続く


水族館改修中

 現在白浜水族館が改修作業中です。

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水族館屋上にあった水槽を交換するらしく、

技術職員さんたちがせっせと作業をしていました。

看板や内装が整ってきて、いよいよ改修も終盤にさしかっています。

リニューアルした白浜水族館は、7月からオープンの予定です。 

白浜にお越しの際には是非ともお立ち寄りください。


藻類の系統と進化③

 海浜植物の次は、海藻実習です。 

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野外に出る前に、まずは海藻のご説明。

「かいそう」と言うと「海草」とも「海藻」ともとれますが、

これらは全く異なる分類群です。

「海草」は、海に生息している種子植物(アマモなど)です。

「海藻」は、呼んで字の如く、目に見える大きさの海の藻類(コンブなど)です。

こうした混同を防ぐため、「海草」は「うみくさ」と呼び分ける場合もあるそうです。

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先生が事前に採ってきた実物の海藻 を見ながらの説明。

みなさん興味津々ですねー。

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そして野外へ。

普段何気なくみている堤防などの岸壁にも、実はたくさんの藻類が生えています。

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岩場の藻類の説明。

ヒトに踏みつけられてもめげない

海藻達のたくましい生き様が見られます。

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磯の海藻シリーズ!!その①

ヒジキ(Sargassum fusiforme)

言わずと知れた食卓の名脇役。

乾燥させる前では、このように枝がプリプリしています。

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その②

イソモク(Sargassum hemiphyllum 

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その③

イワヒゲ(Myelophycus simplex

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その④

ヒジキを囲むように生えているウミトラノオ(Sargassum thunbergii

この海藻の根本には、マキトラノオガニ(Pilumnopeus makianus)というカニが潜んでいることがあります。

藻類実習レポート、まだまだ続く!

 


藻類の系統と進化②

藻類実習レポート第二弾です。

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採集してきた植物のスケッチ中。

ほとんどの場合、実習で採集された生物はスケッチをしてもらいます。

スケッチは、単にその生物の形の記録を残すための作業ではありません。

俗に、スケッチをするために観察するのではなく、観察するためにスケッチをする、と言います。

スケッチの際、その生物の特徴をよく観察する必要があり、

この作業こそがスケッチの意義であり本質でもあります。

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ウラシマソウの仏炎苞を開いたところ。

小花が見えます。

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陸上植物の標本作成手順の説明。

水分を吸い取れる布とダンボールで標本をサンドイッチしたものをいくつも重ねることで、

押し葉標本ができるというわけです。

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学生による、陸上植物の研究発表。

ハマダイコン(Raphanus sativus)を説明しています。

実験所内でもわんさか生えている種です。

根は、細いですが、ちゃんと「大根」です。

ハマダイコンは、他の海浜植物と違って、

見た目に際立った乾燥適応は見られないのですが、

種子が海流に乗った放散に非常に適した形をしているとのことです。

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 思わず先生も身を乗り出して解説!

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所員も質問!

熱い発表会となりました。

続く。

 

 


藻類の系統と進化①

 

2014年3月17-22日にかけて、公開臨海実習「藻類の系統と進化」が開催されました!

白浜周辺の藻類や、海浜植物の高い多様性に着目した実習です。

普段海産無脊椎動物を見ているだけでは得られないことも多く、大変勉強になります。

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畠島へ向かう一行。

畠島は、離島の植物相が手付かずのまま残っている貴重な場所でもあるのです。

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現場での植物の説明。

海岸付近は潮風の影響で、

植物にとっては過酷な乾燥環境なのだとか。

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海浜植物をシャベルで掘り出して採集します。

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陸上だけではありません。

学生の足元に生えているのは「コアマモZostera japonica」です。

陸上から海中に適応した珍しい種子植物です。

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帰所後、所内の植物の観察です。

何気なく毎日見ている植物も、実は面白い生態をもっているそうですよ。

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ウラシマソウです。

雌雄を判定するには、

葉に包まれた部分を解剖する必要があるそうです。

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楽しき植物の生態解説に、学生も興味津津でした!


ゲストセミナー

京都大学本学でのセミナーに招かれました!

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京都大学動物生態学のゲストセミナーですって!

講演は私の、

「西太平洋海域におけるツルクモヒトデ目(棘皮動物門)の分類・系統・進化」

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西海区水産研究所の林亮太さんの

「本草学資料を用いて科学する:海亀・鯨・藤壺の生態学」

でした!

林さんとは数年前に若手分類学者の集いの命名規約輪読会で知り合い、時々学会などでお会いしています。

京大本学を訪問するのは数回目なのですが、このようなセミナーに参加させていただき、大変勉強になりました。

招待していただいた

動物生態学研究室の細将貴さん、

ならびにセミナーを企画してくださった林さん、

ありがとうございました!


レモンカード

研究員の河村さんが、レモンカードをこしらえてくださいました!

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 ふわっふわです!

クラッカーを用意しまして…。

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贅沢に乗せちゃいました。

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程よい甘さと酸味が効いていてとても美味しかったです。

レモン、無塩バター、砂糖、卵があれば簡単に出来るそうです。

みなさんも是非チャレンジを!