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研究

化石拾い

先日採集した,化石を含む砂部層の処理です.

よーく乾燥させた土を水に付けて,泥に戻します.
そして,篩で微小な砂を除きます.

この作業は,船上でお手のものですね.

こちらが篩の残渣です.

乾燥させると,貝などが良く分かります.

これ,全部化石です!

容器にまとめるとこれくらい.

これを少しずつスプーンですくっては...

顕微鏡で見ていきます.

主な目的は,棘皮動物の骨片です!

コケムシやサンゴ,腕足動物なども混じっているので,

気づいたら拾って,種類ごとに分けていきます.

一日10掬いでも,2-3カ月かかりそう...

でも,いいものも入っていそうです!


Dr. Alan Noel Baker

2017年10月13日に,ニュージーランド在住のAlan Noel Baker 博士が,闘病生活の末亡くなりました.77歳でした.博士はニュージーランド自然史博物館に勤められながら40年(1965-2003)の研究キャリアの中で,ウミシダ類を除く現生棘皮動物に関する,約25報の論文を著しました.これらの著作のうち初期のものでは,多くの新属や新種,新記録の報告を行っており,そのほとんどがニュージーランドとオーストラリアを中心とするものです.

彼はキャリアの半ばに差し掛かると,クモヒトデ類にその興味を傾倒させるようになります.特に1970年代後半から1980年にかけて,博士は南西太平洋産のクモヒトデ類に関する研究を精力的に進め,24以上の新分類群の設立を含む,94種のクモヒトデを報告しています.これらの多くには,博士の”pen-and-ink”による美麗なスケッチが与えられ,各種の分類学的な特徴が非常によく表されています.

中でも1980年に博士が出版された「ニュージーランド・オーストラリア・南西太平洋のツルクモヒトデ目について」と銘打たれた論文は,2007年に私がツルクモヒトデ目の研究を始めるにあたって,何度も参考にsました.情報の少ない本目の研究の良例が30年前に示されていたことは,私にとって非常にありがたい事でした.

そして1986年に,博士は,Frank Rowe 博士(オーストラリア博物館),Helen Clark 博士(ニュージーランド自然史博物館)と共に,「シャリンヒトデ綱」を新しく記載されました.これは深海の沈木の上に生息する小さなヒトデに似た動物ですが,その形態的な特徴が他のいかなる棘皮動物の綱とも異なります.高次分類についてはある程度の決着がつけられている棘皮動物の中での新綱の記載は非常にセンセーショナルで,この論文は有名な科学誌natureに出版されました.

その後,このシャリンヒトデ綱の所属については,様々な研究者による検討がなされてきましたが,記載から30年後,現在のDNA解析などによって,ヒトデ綱の独立した一科という結論に落ち着いています.

博士は,棘皮動物の研究の後には鯨類の研究にも打ち込まれていたようで,海洋生物に対する造形の深さが伺えます.

残念ながら私は博士にお会いしたことはありません.しかし,彼の旅立ちの三ヶ月ほど前に,メールのやり取りをしました.既に闘病生活に入られていましたが,彼の文面から伝わる優しさや誠実さは,私がその著作から感じ取ったそのものでした.生前の博士とやり取りができた事を光栄に思います.

ご冥福をお祈りいたします.


第14回JAMBIO調査に参加してきました

2017/11/20-22に,千葉県館山の東京海洋大学の館山ステーションで開催された

第14回JAMBIO合同沿岸生物調査に参加してきました.

こちら,ステーションの練習船,サジッタです.

一日目は荒天のため出港できず.二日目のみの出港となりました.

晴れ渡る空,意気揚々と出発!

...のはずが,ちょっと海況が悪いので,近くの港でしばし待機.

気を取り直して出発!

計3回のドレッジを行いました.

しかしこの日は酔いました...大きな船は大丈夫なのですが,小さな船はどうも合わないようで,久しぶりに盛大に船酔いしました.

陸地に上がって,なんとか復活.

色々な生物が採れました.


異動しました

最近全く更新しておりませんでしたが,生きています.

ちゃんと調査や研究に,忙しくしておりました.

沖縄で潜ったり,船で沖ノ鳥島までいったりと,いろいろありましたが,

最近で一番大きな出来事は,所属が変わった事です.
 

実は10月1日を持って,東京大学の三崎臨海実験所に異動することとなりました.

もうこちらに来て10日経ち,やっと落ち着いてきたところです.
 

こちらでは特任助教として,三崎の実習教育や研究に携わっていく予定です.

皆さん,神奈川にお立ち寄りの際には,是非三崎にも足をお伸ばし下さい.

自宅近くの漁港の風景です.

また海の近くに帰ってきたのだと実感します.

また,近況などを定期的に更新していきます!


論説が出版されました

うみうし通信に論説が出版されました.
 

岡西政典* (2017)

クモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類の現状(2)

うみうし通信. 94: 10—12.
 

本論説は、最近激変期を迎えつつあるクモヒトデ類の系統分類についてのレビューを行ったものです.実は二部作になっており,前作(クモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類の現状(1))は,うみうし通信の前号(93号)に掲載されています.

これでシリーズ終了,のはずでしたが,ひょっとするともう少し続くかもしれません.


論文が出版されました

2016年度ギリギリに論文が発表されました.テヅルモヅルの仲間であるキヌガサモヅルをマイクロX線で観察して,分類学・形態学的に非常に有用なツールであることを提唱した,という内容です.ご興味がお有りの方は,以下よりアクセスできます(オープンアクセス)
 

Zookeys
http://zookeys.pensoft.net/articles.php?id=11413



書誌情報
Okanishi, M, Fujita, T, Maekawa, Y, Sasaki, T. (2017) Non-destructive morphological observations of the fleshy brittle star, Asteronyx loveni using micro-computed tomography (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida). Zookeys. 663: 1-19.



また,本研究は,国内初の学術系クラウドファンディングサイトであるacademistからのご支援の一部を元に得られた初の論文成果ということで,茨城大学をはじめとする各所でプレスリリースされることとなりました.



academistを通じてご支援いただいた皆様,本当にありがとうございました.academist資金を快く受け入れてくださった京都大学の皆様,プレスリリースしてくださった茨城大学の皆様,そしてacademistの皆様,特に一番最初の挑戦を薦めてくださった柴藤さん,ありがとうございました.



academistの支援成果としてはまだまだ一部です.今後の更なる成果にご期待いただければと思います.

以下,プレスリリースです.



茨城大学
http://www.ibaraki.ac.jp/news/2017/03/280911.html

Euekalert!
https://www.eurekalert.org/pub_rel…/2017-03/pp-tfc032717.php


MEGAによる最尤法系統樹推定

MEGAは視覚的にわかりやすいGUI形式ですので,

特に解説は必要ないと思いますが,備忘録的に.



アライメントした配列を用意します.COI配列です.

Data→Phylogenetic Analysisを選択.



アミノ酸のコーディング領域かどうかを聞かれます.

今回はCOIなのでYesです.



うまくいけばこのようなウィンドウが表示されます.

MEGAの基本ウィンドウ(ここではMEGA 6.06(6140226))でPhylogeny→Construct/Test Maximum Likelihood Tree…を選択.



ここで解析のパラメーターを設定します.



Phylogeny Test :どのように系統を検定するかです.各枝の信頼性が得たい場合はここでBootstrap Methodを選択しましょう.

No. of Bootstrap Replications:Bootstrap検定を何回行うかです.100回でも構いませんが,1000回くらいはしたほうが無難です.2-3000回やってる論文もたまに見かけます.

Substitution Type:塩基(Nucleotide)かアミノ酸(Amino Acid)が選べます.選べないと困ります.

Model/Method:塩基(アミノ酸)置換モデルが選べます.

Rates among Sites:座位ごとの置換の頻度の違いを,ガンマ分布に基づいて分類するか否かを設定できます.

No of Discrete Gamma Categories:ガンマカテゴリ数を設定できます.

Gaps/Missing Data Treatment:ギャップの扱いの設定です.Complete deletionとすると,一つでもギャップがあるサイト(列)を解析からのぞけます.

ML Heuristic Method:最尤法系統樹の探索方法を選べます.系統樹探索方法についてはまたどこかで書くかもしれませんが,局所解がたくさんあるようなデータセットだと,ここでの方法選びは結構重要だと思います.いくつか試してみても良いかもしれません.

Initial Tree for ML:系統樹探索を行う際の,最初の出発点の系統樹の作成法を選びます.上記した通り,これも結構重要だと思います.デフォルトのNJでも問題はないと思いますが,もし既にそれらしい系統樹があるのであれば,それを設定する事もできます.

Blanch Swap Filter:系統樹探索の際の枝の入れ替えの大胆さを決めます.Strongにすると枝長の入れ替えがより消極的になり,解析時間は短くなりますが,考慮する系統樹は少なくなります.よりWeakにすると,枝長の入れ替えが大胆になり,解析時間は長くなりますが,考慮する系統樹が多くなるようです.



パラメーター設定が終わったら,Computeをクリックして解析開始です.

Progressが100%になるまで,気長に待ちましょう.



解析が終わると,このようにTree Explorerに系統樹が表示されます.

各枝の上にブートストラップ確率(2桁の整数)と枝の下に枝長(有理数)が示されています.



このExplorerで色々系統樹をいじれます.例えば特定の枝を選択して,左上のコマンドの中からPlace root on Branchを選ぶと



外群を指定できます.



他にもCompress/Expand Subtreeで,枝を一つにまとめたり,



Fit Tree to Screenで,ウィンドウ内に系統を収めたり,



Flip Subtreeで枝の上下を入れ替えたりできます.

良い時代になりました.



この他にもたくさんのコマンドがありますが,感覚的に理解できると思いますので,いろいろ試してみてください.



今日はここまで.


iqtreeによる最尤法系統樹推定

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

iq treeは,パーティション分けが可能な最尤法系統樹推定ソフトです.

コマンドプロンプト対応で非常に使い勝手が良く,しかも解析速度がべらぼうに速いのが特徴です.

RAxMLがコマンドプロンプトに対応した今,やり方自体はRAxMLとほぼ同じです.
 

塩基配列データ作成(MEGA, SeaVeiwなど)
  • 事前準備として解析用フォルダをつくりましょう(iqとします).

アライメントソフトでの作業

  • アライメントを行ったセッションを.phy形式で出力する(iq.phyとしましょう).
  • パーティション分けとそれぞれのモデル指定のファイルを作る(iq.nexとしましょう).以下は例と解説(赤字)です.

#nexus

begin sets;

このコマンドで読み込みを開始します.

 

charset part1 = 1-430 431-1940\3 432-1940\3;

charset part2 = 433-1940\3;

charset part3 = 1941-2889;

ここで,モデルごとのパーティション分けを指定します.

ハイフンでつないだ配列が一つの領域で,それぞれをスペースで分けます.

アミノ酸指定領域の場合は,”日本円マーク”か”\”で各コドンをします.

ここでは,431番目から始まるアミノ酸指定の第一コドンと第二コドンは同じパーティションですが,

第三コドンは違うパーティションとしています.

 

charpartition mine = GTR+I+G:part1, TN93+I+G:part2, K2P+G: part3;

ここで,各パーティションごとのモデルを指定します.

よくモデルテストで見る形式をそのまま入力すればよいので楽です.

主な塩基置換モデルのリストはコチラ

 

end;

おしまい.


iqtreeを走らせる(コマンドプロンプト,iqtree)
  • 事前準備として,iqフォルダにiqtreeからDLしたiqtree.exeとiqtree-click.exeを入れておきます.

コマンドプロンプトでの作業

  • コマンドプロンプトを立ち上げ,iqフォルダまでのパスを通します.
  • iqtreeを走らせるためのコマンドを入力します.以下,例とコマンドの解説(赤字)です.

iqtree -s iq.phy -spp iq.nex -m TEST -bb 1000

“-s”で配列ファイルの読み込みを行います.

“-spp”でパーティション分けファイルの読み込み,

“-m” で検定方法を指定,

“-bb”でブートストラップ検定とその回数の指定を行います.


 

  • 解析が終わったら,iqフォルダ内に解析のログファイルや,系統樹ファイルiq.phy.treefileが生成されるはずです.
  • 参考までに,iqtreeでは他にも様々なコマンドがあります.コチラをご参照ください.

 

今日はここまで.