磯観察@畠島です
人数が多いため,二回に分けてヤンチナに乗船.
船の上でポーズを取り,
上陸
分室の黒板で畠島の説明をし,
磯に出る
大和先生と,
内田先生のお話に耳を傾けます.
自分たちも採集にチャレンジ
それにしてもいい天気ですねえ.
良い磯観察が期待できそうです
磯観察@畠島です
人数が多いため,二回に分けてヤンチナに乗船.
船の上でポーズを取り,
上陸
分室の黒板で畠島の説明をし,
磯に出る
大和先生と,
内田先生のお話に耳を傾けます.
自分たちも採集にチャレンジ
それにしてもいい天気ですねえ.
良い磯観察が期待できそうです
ウニの発生の次は,視点を少しマクロへ移します.
「磯観察」です.
講師は内田先生です.南紀で長年生物の研究をされております.
この日は事前講義ですが,
とにかく「熱い」内田先生の情熱が,学生に伝わっていきます.
磯観察地の畠島の説明.
畠島といえば大和先生です.その地理的.歴史的重要性を説いています.
更にプランクトン観察も行います.盛りだくさんです
技官さんが,外洋と内湾からそれぞれプランクトンを採ってきてくださいました.
どのような差があるでしょうか?
教員も学生も,同じ生物に夢中になれるのが実習の良いところですね.
解剖とくれば次はウニの発生実習です.
講師は関学の西脇先生です.
放精放卵のデモンストレーション.多くの学生が未知との遭遇を果たす瞬間です.
学生もウニの発生にトライ
まずはウニの散髪です.散髪する方もされる方もいい表情.
そしておもむろに塩化アセチルコリンを注射.
今回の実習で使ったのはこのムラサキウニと,
コシダカウニです.
生物顕微鏡の鏡筒を回すときはご注意を
最近をこれを取り外して落としてしまう学生が相次いでおります.
ということでウニの発生観察でした.
両ウニともしっかりと発生が進み,プルテウスまで観察ができました
関学でもカメノテの解剖を行いました.
カメノテやフジツボなどの「動かない」生物は磯の景観を形成しており,
普段注目される事があまりありません.
しかしその形態には潮間帯の厳しい環境を生き抜くための工夫がちりばめられており,
解剖を行う事でその機能形態を学ぶことができます.
また,カメノテやフジツボは外見はかなり異なりますが,
蔓脚類という同じグループに属しており,
体の外の殻を割ってやると,内部構造に類似性を見ることができます.
2015年8月17日~21日にかけて,関西学院大学の実習が行われました.
この実習では関学の先生方と,
例年瀬戸からは大和先生が講師を務められています.
また例年,関学OBの内田先生も特別に講師を務められています.
まずは到着早々磯に出ます.実習期間があまり長くないので,
なるべく早めに到着してもらいました.
生憎嵐が近づいており,潮があまりよくなかったのですが,
皆さん楽しそうにサンプルを採集しています.
実はこの後に解剖するカメノテとフジツボを採集中.
潮上帯に分布しているので,潮が高くても簡単に採集できます.
そんな中,浜に打ち上げられたニセクロナマコを発見.
どの段階でダメージを受けたのかはわかりませんが,
内臓を吐き出してしまっていました.
この後再生することを期待して海に返しました.
採集の後は水族館で解説です.
様々な動物の「かたち」を見てもらいます.
この水槽でもさもさしているのはオオカワリギンチャクです.
今回講師を務められている内田先生が記載された種です.
それぞれの生物の暮らし方も見どころの一つです.
「かたち」と「くらし」の間には切っても切れない関係があります.
江津良でシュノーケリングの生物シリーズもそろそろ終わりにしましょう.
最後は棘皮動物と軟体動物です.
石をひっくり返すとアカクモヒトデがいました.
目立つし個体数もそれなりに多いので,初心者向きです.
これもアカクモヒトデと生息地や生態が似ているクロクモヒトデ(多分)
ウデナガクモヒトデ.名前の通り腕が非常に長く,
且つ自切しやすいので,完品を得るのが少し難しい.
因みにクモヒトデの採集の方法ですが,腕を引っ張ったりするのでなく,
盤をやさしく手で包み込んでみてください.
そうすると,手の中に自ら収まってくれます.
石などの隙間に入り込もうとする習性を利用した採集法です.
タコノマクラもいました.砂の中に潜っている事が多いのですが,
運よく石の隙間に見つけることができました.
ホンナガウニ?
白浜では小型の個体が多いのですが,これは結構大型でした.
トラフナマコでしょうか.
イソナマコに少し似ていますが,こちらの方が柔らかめ.
砂の上にコロッとマガキガイ.
目を出している様がミギーそっくりなのですが,
残念ながらちょっとさわると警戒して引っ込んでしまいました.
最後に,カコボラが産卵していました.
砂の中に産み付けようとしていたところを採ってしまいました.
その後,元気なベリジャーが飛び出してきたので,海に帰してあげました.
江津良の生物シリーズまだ続きます.
(あまり)動かない生物達です.
その代表格,ソフトコーラルのヤギ類ですね.
これはイソバナでしょうか?ポリプは見られませんでした.
これもイソバナ類?こっちはポリプがわさわさ
骨軸が大きなヤギ.さらにポリプがわさわさです.
肉眼ではっきり見てとれます.
これは,ヒドロ虫?分岐パターンが違って見えます.
最後におまけのオオウミシダ.
学部生の頃に「植物ですか?」と棘皮の専門家に訊ねて,
びっくりされたのも今やいい思い出です.
江津良の生物シリーズ第二弾です.
これはクロイソカイメン?
ムラサキカイメン?
海綿は骨片を見ないと正確な分類は出来ないとのことです.
個体性もはっきりせず,とても不思議な生き物です.
サンゴイソギンチャク.
触手が膨らんでいますねー.
オオスリバチサンゴ.
大型の群体が海藻の隙間に鎮座していて驚きました.
カンザシゴカイ.様々なカラーバリエーションが見られます.
おお,テヅルモヅルか!?
...と思いきや,これはナマコの触手ですね.
惜しい!
トゲトサカ.
トゲトサカの別種?
これらの体を構成する微小な骨片を観察しないと,
同定が難しいということです.
先日の京大実習の解剖用軟体動物を採集しに,
江津良でシュノーケリングを行いました.
天気は上々
透明度もまあまあです
さてさて何がいますかな.
海底に物体を発見
何かの排泄物ですね.
意外に種類が抱負です
太さや形状など様々.
この下には種々の生物が潜んでいる事と思いますが,
残念ながら簡単に掘り出すことはできません.
いつか掘り出してやると心に誓ったのでした.
今度は動く物体発見
エイでした.まだお子様でしょうか.
いきなり面白生物に出会うことができました
実習最終日は恒例の打ち上げ(BBQ)です.
長い間お疲れ様でした.
白浜のお肉と海鮮をご堪能あれ.
学習プログラムを修めた実習生達の表情は,心なしか誇らしげです.
今年は七輪も登場.
もはや立食がしんどい人たち用の席が確保されました
BBQの後は室内に移動.呑兵衛たちの夜は更けていきます.
翌日は,お世話になった実習棟と研究室を綺麗にします.
最後にピカピカの実習室で集合写真を撮影して解散
お疲れ様でした.
前回の記事の最後の写真の正体,それは
スナギンチャクでした.
彼らイソギンチャク類は体の中に隔壁と呼ばれる板状の仕切り構造を備えており,
その配置や数が一つの分類の基準となっています.
こちらが解剖結果.左上の破片が切断面を見たものですが,
隔壁が分かりますか?難しいですよね
イソギンチャク類研究者には,
この隔壁をうまくみるための高度な解剖スキルが求められます.
久保田先生が,やや大型のカワリイソギンチャクで解剖に挑戦.
麻酔にかけた個体を解剖.頭の部分を切断し,
その断片を顕微鏡で見てみます.
しかしやっぱり難しかった!
生体を麻酔解剖したので,
柔組織が変形しすぎてなかなか隔壁が分かりませんでした.
綺麗に見ようと思うとホルマリンなどで固定して標本にしてみるのが良いそうです.
将来の学習用に,この個体は標本としました.
河村博士による講義.
並々ならぬ刺胞動物への熱意があふれます.
タコクラゲ解剖用の模式図(河村博士作).
一口にクラゲといってもいろんな形態がみられ,
一種類解剖しただけでは「クラゲのかたち」の包括的な理解はままなりません.
ここでも比較解剖が重要なのですね.
京大臨海実習+公開臨海実習,最終日は久保田先生による刺胞動物の解剖です.
海産無脊椎動物の展示に定評のある白浜水族館で基礎解説です.
たくさんの刺胞動物が飼育展示されています.
このイラモ,毒のある刺胞動物として有名ですが,どの綱に所属するかおわかりですか?
バックヤードに移動して,乾燥標本を見ながら様々な刺胞動物の形を学びます.
ここでは主に花虫の類の骨格がみられます.
最後に実習室の標本を見ながら,綱ごとに分類してもらいます.
十文字クラゲ以外の主要な綱の標本を備えてあるのです
これは...ヒドロ...?鉢虫...?
悩んだ分,頭に入ってくるというものです!
いよいよ事前に採集した生物の解剖.
ハネウミヒドラなど固着性のものから順に解剖していきます.
お次はこの子です.どんなかたちを見せてくれるのでしょうか.
色々解剖してみようということで,棘皮動物の解剖のお手伝いをしました.
対象はウニとナマコ.まずはウニです.
ゴーグルをつけて散髪ならぬ散棘です.
お次はナマコ.ナマコの口はどっち?
こんな風に前端と後端をつまんでみればわかります.
ちなみにこのニセクロナマコはメンソールによって麻酔中です.だらーん.
麻酔中に一気に切開します.
内臓の配置を確認すると,
図説に載っているマナマコとはずいぶん配置や構造が異なります.
なぜ内臓の配置が違うのか?
口の位置は他の種でも簡単にわかる?
キュビエ管は他の種にもある?
実はある種の機能形態は,他の種(分類群)と比較することで,
得られる情報が格段に増えます.
このような比較形態学的な手法は,
地味ながら,生態や行動を考える上で非常に重要で,
かつとてもエキサイティングです.
白浜の多様な生き物を通じて,
少しでもその楽しさに触れてもらえたらうれしいですね.
実習四日目はカメノテ甲殻類(+α)の解剖です.
非常に波が高い中,頑張っていろんな生き物を採集しました
まずはカメノテを解剖.講師は大和先生です.
解剖を実演中.
ピンセットでの細かい作業です.
ヤドカリの解剖で技術を高めたみなさんには朝飯前です
例によってアーティスティック撮影.
フジツボはカメノテの仲間ですよ.
今回はカメノテだけでなく,他の好きな生き物も解剖してもらうことにしました.
まずは採ってきた生物の仕分け.
海岸で見つけた卵の中に貝のベリジャー幼生が
凌君が解説してくれました.
カメノテの中から出てきたヨツメヒモムシ.
かなりの確率でこのヒモムシが入っている事があるのですが,
共生関係にあるのでしょうか.
ユムシも採れました.
白浜の豊かな生物相を体験してもらえたことでしょう.
軟体動物の次は節足動物です.
朝倉所長のご専門であるヤドカリの解剖.
附属肢を一つ一つ外して観察することで,
節足動物の特徴である節に分かれた体制と,
付属肢の機能分化を理解します.
教える側にも熱が入ります.
TAとリピータ―学生のコラボレーション.
旧交を温めます.
朝倉先生によるご指導場面.
あらゆる実習風景をカメラに収めようと尽力しているのですが,
最近,カメラを腰の位置くらいまで下げることで,
臨場感あふれる写真が撮れることを見出しました(TAさんが).
いかがでしょうか.ヤドカリを見つめる真剣な眼差し.
熱意がダイレクトに伝わってまいります.
他にも,近くのものに焦点を合わせる技法が多用されております.
(撮影は私ではありません)
芸術性すら漂う写真ですね.
(撮影は私ではありません)
いつの間にか誰かに撮影されていた一コマ.
熱く語る所員の姿が記録されておりました.
メイオベントスの次は軟体動物(主に巻貝類)の解剖です.
担当は中野先生です.
まずは海で採ってきた貝類の同定です.
今回は実施日の潮が悪いということもあり,事前にシュノーケリングで採ってきたものもあります.
図鑑を片手に名前を調べます.
最近武者修行で解剖スキルを身に付けた凌君が大活躍です
専門のカサガイの解剖のデモンストレーションを行いました.
黒いマットと針を使って固定してから解剖していきます.
プロですね~.
カコボラが抱いていた卵の中の赤ちゃんが,
危機を感じたためか,一斉に孵化して泳ぎ出しました.
茶色の小さい粒粒が全て幼生です
この後スタッフによって大海原に返されました.
こちらはメインサブジェクトの解剖.
まずは軟体部を取り出すために,殻ごと茹でる必要があります.
この茹でる時間は貝殻の形や大きさによって様々です.
TAの吉川君が大活躍
解剖して,歯舌(細い紐状のもの)の構造を見るのが目的です.
これは巻貝やヒザラガイなどに特異的な器官ですが,
それぞれのグループの食性と形態の関係を探ります.
余裕の観察中.
余裕の観察中②.
それぞれに気に入った分類群の観察ができたようです
集合日の翌日は実質実習初日です.
まずは朝倉先生による講義「動物の分類と体制」.
これから解剖を行うに当たって,各動物門の体の仕組みの基礎を学びます.
そして初日のコンテンツは宮崎先生によるメイオベントス観察です.
極小のメイオベントスをピックアップするための「アーウィンループ」を作ります.
非常に細かい作業です.TAも挑戦
アーウィンループ完成後は,いよいよ生物を基質から取り出します.
TAの吉川君のデモンストレーション
学生も挑戦.目には見えませんが,この瞬間にいろんな生物がネットに引っかかっています.
各基質(カメノテ・海藻・砂など)から抽出したサンプルが,
このボウルの中に入っているはずです.
実体顕微鏡と生物顕微鏡を駆使して生物を観察します
2015年8月6日から12日にかけて,
京大理学部臨海実習第二部と公開臨海実習「発展生物学実習」が同時開催されました.
本実習では,様々な海洋生物の採集と,
解剖によるその機能形態の解明がメインプログラムとなります.
実習初日はいつものように実験所の案内の後,
早速磯に出ました.
全体的に潮があまりよくないため,事前にサンプルを採集します.
北浜に来ました.
ご覧の通りの満ち具合.
残されたタイドプールで,巻貝やカサガイと,
メイオベントス採集用の基質を採集します.
カメノテの表面には,様々な微生物がくっついているのです.
採集物を簡単に仕分けて,
夕方までに顕微鏡の使い方も説明しちゃいます.
果たしてどんな生物がみられるのでしょうか.
四双島で採れた生物写真をご紹介.
四双島(赤丸)は実験所(黄丸)の西方に浮かぶ島で,
外洋の影響を受けて,番所崎よりも南方性の生物相が観察できます.
クサフグ.
かなりアップで撮らせてくれました.
青い目が素敵ですね.
ギンポ.
こちらも大分近くまで寄らせてくれました.
カタベガイ.
四双島でなくてもみられる種ですが,
なんとなく撮ってしまいました.
アミメ?ジュズベリヒトデ.
実験所周辺の潮間帯ではあまりみられません.
そしてこれはトサカでしょうか?
近くによって撮影できなかったのですが,
写真を拡大してみると,触手っぽいものが見えました.
後で図鑑を調べてみたんですが,
キイロトゲトサカに近いような印象です.
私は見くびっていました.
まさかあれほどの完成度とは.
実習が生み出した奇跡の映像を,私は入手してしました.
百聞は一見にしかず.
ご覧ください.
ウニ発生組体操です
スマホで撮影したウニの受精卵の発生の経過を見ているうちに,
「体で表現できるんじゃね?」
と深夜に思いたち,実施してみたそうです.
素晴らしいですね.
連日の実習により蓄積したウニへの愛情と,
非日常空間に絆された彼女らの熱意が生み出した芸術作品です.
私も長く実習に参加してきましたが,
これほど胸を打つ映像は初めて遭遇しました.
若者の無限の可能性を世に示した力作といえるでしょう.
本当に実習お疲れ様でした.
感動をありがとうございました!
大阪市立大学臨海実習もいよいよ最後です.
全てのプログラムを終えた最終日はやっぱり打ち上げですね.
みなさんとても楽しそう.
髪がマッキンキンの学生が3人いましたが,
実はこれ,この実習限定なのだとか.
夜空に輝く花火のごとく,最後まで白浜の夜を照らしていました.
最後までお付き合いいただいた後藤先生,ありがとうございました
そして志賀先生も,久しぶりに白浜にお越しいただき,ありがとうございました
最後はみんなで記念写真.
実に楽しそうです.
こういう場面に立ち会うと,臨海実習をお手伝いできて,
本当に良かったなと実感できます.
今後も,たくさんの人に是非実習に参加してほしいですね.
一夜明けて,最終日はお掃除です.
大分盛り上がったようで,少し(?)しんどそうな学生も.
ベッドパッドまできっちり
台風の影響もありましたが,
最終日はとても良い天気でした.
きっとみなさんの日ごろの行いのおかげでしょう.
お疲れ様でした!
生理学実験の担当は,後藤先生と志賀先生です.
この実験では,貝たちを様々な塩分組成の水溶液に浸してその反応を見ます.
そのため,貝の表面の余分な海水を取り除くために,十分乾燥させる必要があります.
ということで,後藤先生の合図で早速貝の乾燥です.
新聞紙の上に乾燥させて,一晩ほど放置して,乾燥終了です.
ポイントは,貝の口側を上が向くようにすることと,
一個体ずつきちんと別々に分けおくことでしょうか.
※巻貝はこれくらいでは死にません.
次は各種水溶液の作成です.
これは各班からの代表が分担して作成します.
貝の同定中.簡単なものはすぐにわかるのですが,
難しいもの(アッキガイの類など)は,慣れないと同定ミスが頻発します.
実験に足る個体数が確保できたら,いよいよ実験開始です.
各水溶液に浸された貝類がどのような反応を示すのかを逐一記録します.
中にはスマホで動画を記録する猛者も.
基本は肉眼で観察しなくてはなりませんが,
動画を参考にするのは,確かに有効な手段と言えるでしょう.
実に便利な世の中になりました.
皆さん手際よく実験を進めてくれて,無事に終了しました
最後は実験器具を洗って実習コンプリート
お疲れ様でした!
盛りだくさんの大阪市立大学臨海実習,次は生理学実験です.
この実験ではたくさんの巻貝を採ってきて実験を行います.
担当の市大の先生が台風の影響で到着が遅れたため,
河村博士が巻貝の採集に関する事前レクチャーをしました.
因みに,担当の先生方は丁度採集の直前に到着されました.
台風一過の海岸.
こんな巨木が浜に打ち上げられるんだから,波の力というのはすごいですね.
南浜で巻貝の採集中.全員が全員岸壁にへばりつくというのは,
なかなか磯では見られない光景でしょう.
なかなか異様ですね.
まずは簡単に手に入るアラレタマキビを採集中なのです.
潮上帯で暑さにじっと耐える我慢強い貝です.
タマキビ採集を終えて,段々と散らばってきました.
なるべくいろんな環境にすむ貝を採集するのです.
発生実習を終えた水野先生もお手伝いしてくださいました.
総員総出で,かなりたくさんの巻貝が採れました
捕まえた貝(特に乾燥に強いタマキビなど)が逃げ出さないよう,
バケツでフタをします.実習もいよいよ大詰めですね.
ウニの次は前口動物に視点をうつして,ゴカイです
左の丸形カップの中に入っているのがカンザシゴカイです.
カンザシゴカイは石灰質の棲管(巣)を作るため,
先の細いニッパーで丁寧に棲管を壊し,中身を取り出す必要があります.
棲管の中に入ったカンザシゴカイ.
石の塊にしか見えません.
ニッパーでプチプチ巣を破壊.
なかなか神経を使う作業です.
場合によっては顕微鏡下でも作業します.
取り出したカンザシゴカイの生殖巣部分を切開して配偶子を取り出し,
人工授精を行うのですが,残念ながら今回は発達の良いものが得られず,
成功とはなりませんでした.残念
プランクトン・ベントス実習の次はウニの発生実験です.
講師は市立大学の水野先生にバトンタッチ.
まずはウニの人工授精から.
デモンストレーションを河村博士が務められます.
今年はムラサキウニ,コシダカウニともに順調に放精放卵を誘発する事ができました
学生も実践.この実習では,実験の前にウニを真水に漬けます.
少しちゃぷちゃぷしたくらいではウニは死にませんが,
体の表面の微生物を殺すことができます.
これにより,微生物の繁殖による卵海水の水質悪化を防げます.
小さなコシダカウニにアセチルコリンを注射
なかなかの確率で成功したようです
ナマコの解剖のあと,おもむろに取り出された黒い糸と針...
一体これで何をするのかと思いきや...
こ,
これは!
解剖されたナマコの腹を縫い合わせています.
聴いたところによると,ナマコを横に切って真っ二つにすると,
それなりの確率でどちらも再生するのだとか.
(再生率に偏りがあった気がしますが,忘れました)
対して今回のように縦に切ってしまうと,ほとんど再生しないらしいのです.
そこで,腹を縫合することで,再生検証実験を試みているのだとか.
実に野心あふれるフレッシュな実験ですね.
果たしてうまくいくのでしょうか??
生物を分けると世界が分かる ー分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷ー
講談社ブルーバックス
新種の発見
ー見つけ、名づけ、系統づける動物分類学ー
中公新書 2589
深海生物テヅルモヅルの謎を追え!
系統分類から進化を探る
東海大学出版会
フィールドの生物学シリーズ 第20巻
これらのリンク先のページには系統解析に関する記事が,上から新しい順に並べられています.古い順にみる場合は,ページの一番下からご覧ください.
・2020/10/28 論文が出版されました!
Okanishi, M.*, Fujii, T. (2020)
“A new record of brittle star Ophiopsila cf. polyacantha (Echinodermata: Ophiuroidea) from Southwestern Japan, with notes on its bioluminescence”.
Species Diversity. 25(2): 283—294.
・論文が出版されました!
Okanishi, M.*, Kohtsuka, H., Fujita, T. (2020)
“A taxonomic review of the genus Astrocladus (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida, Gorgonocephalidae) from Japanese coastal waters”.
PeerJ. 8: e9636 (42 pp.)
・論文が出版されました!
Oikawa, S*. Matsui, Y., Oguro, M., Okanishi, M., Tanabe, R., Tanaka, T., Togashi, A. Itagaki, T. (2020)
“Species-specific nitrogen resorption proficiency in legumes and nonlegumes”.
Journal of Plant Research. 133(5): 639—648.
・論文が出版されました!
Okanishi, M.*, Mah, C., L. (2020)
“Overlooked biodiversity from museum collections: Four new species and one new genus of Ophiuroidea (Echinodermata) from Antarctica and adjacent regions with notes on multi-armed ophiuroids”.
Marine Biodiversity. 50: 64 (26 pp. )
・論文が出版されました!
Okanishi, M., Kato, M., Watanabe, H., Chong, C. and Fujita, T. (2020)
“Large populations of two new species of Ophiambix (Echinodermata, Ophiuroidea) discovered on Japanese hot vents and cold seeps”.
Raffles Bulletin of Zoology. 68: 196—213.
・論文が出版されました!
木村妙子他…(著者24人中9番目) (2019)
「紀伊水道南方海域および熊野灘の深海底生動物相」.
三重大学大学院生物資源研究科紀要. 45: 11—50.
・論文が出版されました!
木村妙子他…(著者25人中10番目) (2019)
「紀伊水道南方海域および熊野灘の深海底生動物相(第2報)」.
平成30年度三重大学フィールド研究・技術年報. 17: 1—29.
・論文が出版されました!
Hayashi, R. & Okanishi, M. (2019)
“The widely occurring brittlestar Ophiactis savignyi (Amphilepidida: Ophiactidae) as an epibiont on loggerhead sea turtle, Caretta caretta”.
Zootaxa. 4695: 497—500.
・論文が出版されました!
Okanishi, M., Ishida, Y. & Mistui, S. (2019)
“Fossil gorgonocephalid basket stars (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalida) from the Middle Pleistocene of Japan; the first record from the Indo Pacific region”.
Paleontological Research. 23: 179—185.
・論文が出版されました!
Okanishi, M., Oba, Y. & Fujita, Y. (2019)
“Brittle stars from a submarine cave of Christmas Island, northwestern Australia, with description of a new species <i>Ophiopsila xmasilluminans</i> (Echinodermata: Ophiuroidea) and notes on its behavior”.
Raffles Bulletin of Zoology. 67: 421—439.
・2019/3/27: 論文が出版されました!
Okanishi, M & Fujita, T (2018) “A comprehensive taxonomic list of brittle stars (Echinodermata: Ophiuroidea) from submarine caves of the Ryukyu Islands, southwestern Japan, with a description of a rare species, Dougaloplus echinatus (Amphiuridae)”. Zootaxa. 4571(1): 73—98.
・2018/6/21: 論文が出版されました!
Okanishi, M & Fujita, T (2018) “A new species of Ophioconis (Echinodermata: Ophiuroidea) from a submarine cave at Shimoji Island, Miyako Island Group, southwestern Japan”. Proceedings of the Biological Society of Washington. 131: 163—174.
・2018/4/6: 論文が出版されました!
Okanishi, M & Fujita, T (2018) “Description of a New Subfamily, Astrocloninae (Ophiuroidea: Euryalida: Gorgonocephalidae), Based on Molecular Phylogeny and Morphological Observations”. Zoological Science. 35(2): 179—187.
・2018/4/5: 論文が出版されました!
Okanishi, M, et al. (2018) “A new cryptic species of Asteronyx Müller and Troschel, 1842 (Echinodermata: Ophiuroidea), based on molecular phylogeny and morphology, from off Pacific Coast of Japan”. Zoologischer Anzeiger. 274: 14—33.
・2018/3/9: 論文が出版されました!
Okanishi M, Fujita, T. (2018) “A taxonomic review of the genus Astrodendrum (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida, Gorgonocephalidae) with description of a new species from Japan”. Zootaxa. 4392(2): 289-310.
・2018/3/8: 論文が出版されました!
Baker, AN, Okanishi M, Pawson, DL. (2018) “Euryalid brittle stars from the International Indian Ocean Expedition 1963–64
(Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalida)”. Zootaxa. 4392(1): 1-27.
・2018/1/31: 論文が出版されました!
Okanishi M, Fujita, Y. (2018) “First finding of anchialine and submarine cave dwelling brittle stars from the Pacific Ocean, with descriptions of new species of Ophiolepis and Ophiozonella (Echinodermata: Ophiuroidea: Amphilepidida)”. Zootaxa. 4377: 1-20.
・2017/12/23: リバネス 「サイエンスキャッスル関西大会」にて講演を行ってきました!
・2017/11/20-22: 第14回JAMBIO 沿岸生物合同調査@千葉県館山に参加してきました!
・2017/11/4: 平成29年度自然史学会連合公開講座「海の今昔を深~~く探る.」にて講演を行ってきました!
・2017/9/21: 日本動物学会 第88回富山大会@富山県民会館にて口頭発表を行ってきました!
・2017/6/4: 日本動物分類学会 第53回大会@海洋研究開発機構にて口頭発表を行ってきました!
・2017/3/28: 論文が出版されました!
Okanishi M, Fujita T, Maekawa Y, and Sasaki, T. (2017) “Non-destructive morphological observations of the fleshy brittle star, Asteronyx loveni using micro-computed tomography (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida)”. Zookeys. 663: 1-19.
・2017/2/7: 論文が出版されました!
Okanishi M.(2017)
“A taxonomic review of the genus Astrohelix Döderlein, 1930 including the
synonymy of the subgenus Asteroporpa (Astromoana) Baker, 1980 to Astrohelix”
Zootaxa. 4227 (4): 543-553.
・2016/12/5: 論文が出版されました!
Okanishi M., Sentoku, A, Fujimoto, S, Jimi, N, Nakayama, R, Yamana, Y, Yamauchi, H, Tanaka, H, Kato, T, Kashio, S, Uyeno, D, Yamamoto, K, Miyazaki, K and Asakura, A. (2016)
“Marine benthic community in Shirahama, southwestern Kii Peninsula, central Japan”
Publications of the Seto Marine Biological Laboratory. 44: 7-52.
・2016/12/1: 論文(著書)が出版されました!
Okanishi M. (2016)
“Ophiuroidea (Echinodermata): Systematics and Japanese Fauna”
In: Masaharu Motokawa and Hiroshi Kajihara (eds.) Species Diversity of Animals in Japan.
Springer Japan, Tokyo, Japan, pp. 657—678.
・2016/11/18: 日本動物分類学会 第87回沖縄大会と,第22回国際動物学会議の合同大会にてシンポジウムを企画し,講演・ポスター発表を行ってきました!
・2016/6/12: 日本動物分類学会 第52回大会@札幌にて口頭発表を行ってきました!
・2016/5/18: 読売新聞に記事が掲載されました!
・2016/1/29: マイナビニュースに記事が掲載されました!
・2015/12/5: 第12回棘皮動物研究集会が開催されました!
・2015/12/1: マイナビニュースに記事が掲載されました!
・2015/10/30-11/6: タイ・プーケットで調査を行ってきました!
・2015/10/1茨城大学理学部生物科学コースに所属が移りました!
・2015/9/17-19:日本動物学会 第86回 新潟大会にて招待講演と口頭発表を行ってきました!
・2015/6/13-15: 日本動物分類学会 第51回大会@広島にて口頭発表を行ってきました!
・2015/6/6: 化石研究会 第33回総会・学術大会のミニシンポジウム「深海環境と生物」にて招待講演を行ってきました!
・2014/12/7: サイエンスカフェを開催してきました!
・2014/12/6: 第11回棘皮動物研究集会に参加してきました!
・2014/11/20-25: 沖縄で調査を行ってきました!
・2014/11/02-08: タイ・プーケットで調査を行ってきました!
・2014/10/11: Smips, 研究現場の知財分科会にて招待講演を行ってきました!
・2014/9/21: 論文が出版されました!
Okanishi M., Moritaki T. and Fujita T. (2014)
“Redescription of an euryalid bittle star, Astroceras coniunctum (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalidae).”
Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series A (Zoology). 40 (3): 133-139.
・2014/9/11-13: 日本動物学会 第85回 仙台大会にて口頭発表を行ってきました!
・2014/8/31: 鳥取県立博物館特別展示「胸キュン☆サンゴ展~わたしを深海(うみ)につれてって~」の特別シンポジウムにて招待講演を行ってきました!
・2014/7/20-23: 2014 European Echinoderms Colloqium(欧州棘皮動物研究会議)にて口頭発表を行ってきました!
・2014/6/28: 日本古生物学会2014年年会・総会にて口頭発表を行ってきました!
・2014/6/13: 日本動物分類学会第50回記念講演会を企画いたしました.たくさんの方にお越しいただきました.ありがとうございました!
・2014/5/29: 研究費獲得のためのクラウドファンディング”academist”でのチャレンジが終了しました!最終獲得金額は,目標金額40万円を達大きく上回る63.45万円でした!
皆さん、本当に応援ありがとうございました。
・2014/4/22-25: WESTPAC 9th International Scientific Symposiumで口頭発表を行ってきました!
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岡西政典 OKANISHI Masanori
広島修道大学 人間環境学部
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