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プランクトン観察

2015年9月7日~9月12日 大阪大学「臨海実習」③

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ベントス観察のお次は,プランクトン観察です.

講師は大阪大学の古屋先生にバトンタッチ



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教卓に置いたボウルの中に,プランクトンがわんさかです.

誰が最初にレアものを見つけるかな?



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真剣な眼差しで顕微鏡を見つめます.

その先にあるものは...?



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お,これは,ウミクワガタの子供??



寄生生活を送る種が多いので,

ホストから外れてしまったのか,それともホストを求めて遊泳中だったのか?

いずれにしてもレアですねえ.肢の数がやや少ないことから,幼体と判断しました.



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こんな感じで,実習(実質)一日目の夜は更けていきました.
 

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これがプランクトン実習の課題です.

天気によってプランクトンの取れ高は変わってくるので,

この後実際の観察状況を加味して,課題種数は少しずつ少なくなってきましたとさ.


2015年8月28日~9月4日 京都大学臨海実習第一部+四部+公開臨海実習「自由課題実習」③

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 実習二日目はプランクトン観察.講師は久保田先生です.

まずは近くの防波堤でプランクトン採集です.

 
 

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久保田先生によるデモンストレーション.

さすが年季が違います.

 
 

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 実習生もチャレンジ!うまくネットが曳けました

なるべく岸壁から離して,ネットを傷つけないようにするのがポイント.

 
 

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遠くまで曳くと,たくさんプランクトンが採れます.

久保田先生が最後に長曳を披露してくださいました.



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雨の日はプランクトンが表層から逃げる傾向があるのですが,

今回はそれなりの量が採れたようです



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プランクトン観察の合間に,水族館で(多くの)プランクトンの成体の形を見学です.



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標本なども通して,生物の形の多様性を学びます.
 

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最後は久保田先生の解説付きでDVDを観ながら〆です.

お疲れ様でした!


2015年8月24日~27日 「海洋実習(滋賀県立大学)」③

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溶存酸素滴定の結果が少しずつ出てきました.

各瓶の容積や温度,pH等を考慮して最終的な値を算出するようです.
 

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滴定の合間にプランクトン観察を行います.

担当は伴先生です.
 

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果たして何が採れてかな?
 

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おお!ヤムシ(毛顎動物門)が採れていました

真ん中にスーッと透明な縦筋が通っているのが見えますでしょうか?

上が頭で舌が尾となります.
 

「シロクマみたいで可愛い」というコメントが飛び出ていましたが,

実際は肉食で獲物を丸呑みにする獰猛な動物です.
 

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「これじゃあ動物の特徴が出てないよ~.」

先生と実習生の心温まるやり取りもみられました.


2015年8月24日~27日 「海洋実習(滋賀県立大学)」②

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採水だけでなく,プランクトンもしっかり採集します.



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早くしないと嵐がひどくなるよ



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と言っているうちに雨風はさらに勢いを増してきます.

とても前を向いていられない様子.



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這う這うの体で帰ってきました.
 

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さて,せっかく苦労して持ち帰ったサンプルです.

存分に滴定しましょう



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ヨウ素参カリウム水溶液,ヨウ化カリウム溶液をサンプルに加え,
 

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塩酸 1mlを加えて,ヨウ素を単離します.
 

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チオ硫酸ナトリウムでそのヨウ素を滴定!いい表情です.
 

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ある程度薄くなってくると黄色が消えた境界が分かりにくくなるので,

ヨウ素を染めるための指示薬(でんぷん)を加えて,青紫に染めます.

完全に透明になったら滴定完了
 

滴定に要したチオ硫酸ナトリウムの量から溶存酸素量を算出します.


2015年8月17日~21日 関西学院大学「臨海実習」④

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ウニの発生の次は,視点を少しマクロへ移します.

「磯観察」です.



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講師は内田先生です.南紀で長年生物の研究をされております.

この日は事前講義ですが,

とにかく「熱い」内田先生の情熱が,学生に伝わっていきます.



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磯観察地の畠島の説明.

畠島といえば大和先生です.その地理的.歴史的重要性を説いています.

 
 

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更にプランクトン観察も行います.盛りだくさんです
 

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技官さんが,外洋と内湾からそれぞれプランクトンを採ってきてくださいました.

どのような差があるでしょうか?



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 教員も学生も,同じ生物に夢中になれるのが実習の良いところですね.
 


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」➄

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ベントス実習では,それぞれ特定の分類群を選んで,

それについてとことん掘り下げて調べます.
 

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ナマコを選んだ学生が,是非とも内部形態を観察したいというので,

解剖してみることとなりました.
 

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毎度おなじみニセクロナマコの解剖.

赤い生殖巣が見えます.メスですね.

他にも呼吸樹や消化管,キュビエ管の配置など,

慎重に観察してくれました.
 

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こちらはイソアワモチ(カタツムリの仲間の有肺類)に愛を感じてしまったらしく,

まさしく肌身離さなくなってしまった学生たち.

生き物に愛を持つのはよいことですね.
 

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因みにプランクトンに話を戻すとヤムシが採れていました.

多様な動物門がみられるのは,海の実習の特権ですね.


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」④

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マクロベントスの次は,プランクトン観察です.
 

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小さいものが多いため,スポイトで「何かいそう」なところを狙って吸い出します.
 

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顕微鏡をのぞくと,そこには驚くべきプランクトンたちの世界が
 

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ここでも,もちろん図鑑が大活躍
 

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結構いろんなものが採れました.

集団になっているケイソウ.
 

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着底寸前の腕足動物(!)
 

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渦虫類と思われる扁形動物.

これは本来はプランクトンではないので,

波に舞っている間にネットに紛れ込んだのでしょう.
 

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プランクトン専門の河村博士による講義も催されました.
 

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刺胞発射の様子も観察しました.

「生物界最速」と謳われるその動きに,みなさん興味津々です.

実際に見たい人は,ぜひ実習に参加してみましょう!


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」⑦

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メイオベントスのお次はプランクトン採集です.

北浜で河村博士によるプランクトンネットの使い方の講義を行っていると...
 

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沖から一隻の船がやってきたではありませんか.
 

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実験所のゾエアでした

技官さんが沖のプランクトンを採ってくださったのでした
 

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ということで再開.一通りの説明が済んだあと,
 

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実習生に実践してもらいました.投げる
 

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投げる
 

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皆さんいい投げっぷりでした.さて何が採れたのでしょうか.


奈良女子大学実習2015④

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少し天気が悪くなりそうということで,

予定を前倒しにして,集魚灯によるプランクトン採集を行いました.
 

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やや雨が降り始めていましたが何のその

集魚灯に集まるプランクトンに夢中な人たち.
 

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プランクトンにボールにを移し,ピペットで採って観察します.

TAさんのアイデアで,懐中電灯で照らして見やすくすることで,

効率的に観察することができました
 

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ということで,前半の実習プログラムは無事に終了
 

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中締めということで,恒例のタコ焼きパーティを開催.

タコ焼きスキルを会得しました
 

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 鰺坂先生が今年を持って退官ということで,

瀬戸臨海実験所としては,今年度の三月の実習が最後となりますが,

奈良女子大学の実習はこれで最後ということです.
 

最後の教え子たちからプレゼントが

鰺坂先生,ありがとうございました.


和歌山大学 臨海実習 ④

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さてさて,和歌山大学臨海実習も折り返し地点です.

ウツボやハゼなど,魚類中心に行われた心電図測定ですが...
 

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むむ,電極に何やらフックのようなものを通しています.
 

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なんとケブカガニに針を通し,心電図を測定しようという試みです

はじめは表面にテープで電極をくっつけようとしたらしいのですが,

なかなかうまくいかなかったため,針に切り替えたそうです.

何事も工夫が必要ということですね.

※ちなみに,これくらいではカニは死にません.
 
 

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生物ごとに違った波形が見られます.

魚類はしっかりした拍動の様子が観察できましたが,

無脊椎動物はノイズが多く,なかなかしっかりした結果は出なかったようです.

なぜ,同じく心臓を持つのに脊椎とは違った結果になってしまうのか.

興味深い課題ですね.
 

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心電図の次はプランクトン

集魚灯によって来たプランクトンを網で集めて...
 

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顕微鏡で観察
 

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カイアシ,渦鞭毛藻,ゾエア幼生...

プランクトンの形はバライエティに富んでおり,

いつも我々の目を楽しませてくれますね.


海産無脊椎動物多様性実習⑦

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海産無背喫動物多様性実習最終日は,

船を使ってプランクトンとドレッジ採集
 

...の予定でしたが,荒天のため船は出せず.
 

とりあえず,ドレッジは説明だけにとどめ,
 

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久保田先生によるプランクトン実習がメインとなりました.
 

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岸壁でプランクトンネットを曳きます.

河村博士によるご指導です
 

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なかなかの量のプランクトンが採れます.

みんな興味津々です
 

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皆さんに一通り採集してもらいました.
 

岸壁に触れないように,慎重に曳いてもらいます.なかなか上手です
 

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技術職員の興田さんにもご指導を願いました.

プランクトン採集のプロフェッショナルの目が光ります
 

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持ち帰って研究室で観察です.

1Lのポリ瓶に入れたものを見ていきますが,

弱らないように常に冷やし続ける工夫が凝らされています.
 

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途中,久保田先生の漂着物の説明が入りました.

紀伊半島に流れ着く漂着物から,様々なことがわかるのです.
 

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エダアシクラゲが採れました

触手が分岐するクラゲです
 

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他にも,美しいクシクラゲの櫛板の観察や,
 

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GFPタンパクの観察も行いました.

お疲れ様でした
 


大阪大学臨海実習

9月25日~30日にかけて,

大阪大学の臨海実習が開催されました
 

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磯採集の講師は久保田先生
 

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畠島での熱い生物解説です
 

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TAさんがドライスーツでやる気まんまんです

彼は,去年も大阪大学の実習で瀬戸に来ていた中島くんです.

過去の臨海実習で出会った学生が,

瀬戸に再訪してくれると,なんだか嬉しくなります.
 

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帰ったあとは,プランクトン観察です.
 

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河村さんが,夜中に集魚灯を仕掛けてくださいました
 

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集魚灯の周りを網ですくって,

昼間は見られない生き物がたくさん見られました
 

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本実習は二部構成になっており,前半では系統部類学の古屋先生のチームが,

後半では発生学の西田先生のチームが担当されます.

こちらは古屋先生の下で学位を取得された,

イタチムシ(腹毛動物)を研究されている鈴木さん.
 

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美味しいイカ焼きをこしらえてくださいました
 

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乾杯!

 

この夏最後の実習がはじまりました


大阪大学(留学生)臨海実習③

 

 

皆さんの努力の甲斐あって,畠島ではいろいろと珍しい生物が採れました

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ギンカクラゲ.
 

これで一個体かと思いきやなんと群体性のヒドロクラゲで,

真ん中の気胞体と呼ばれる部分に多数のポリプがぶら下っているのだそうです.

ちょっとボロボロになってしまっていますが,よくこんな小さなものを見つけましたね
 

甲殻類に挟まれて窮屈そうなカツオノエボシ.

触手が未熟なの失くしたのか,ほとんど気胞体の部分(烏帽子)しか残っていませんね.

猛毒のクラゲなので,触手には触れないよう注意
 

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 ガンガゼの撮影会. 
 

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畠島の次はウニの発生実習です
 

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さすがのムラサキウニさんもそろそろ生殖時期が終わりかけ.

ということで,ツマジロナガウニさんの出番です
 

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阪大の鈴木さんによる精子混入実験.

受精膜が上がるのを観察してもらいます.
 

未受精卵の表面に精子が到達すると,原形質膜と卵膜の間に空間(囲卵腔)ができ,

原形質膜の内側にある表層粒が爆発的に膨張し,

その内部にあった受精膜形成物質が囲卵腔に流れ込んで,

卵膜に内側から作用し,物理的にも化学的にも強固な受精膜が形成されるという仕組みです.
  
 

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ウニの精子を求める長蛇の列.

かつてこれほど(以下略
 

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実習課題は山積みです
 

お次はウニの解剖実習.まずトゲを鋏やピンセットで取り除いた後,

歯ブラシで丁寧に表皮を磨いてやります.
 

あまり知られていませんが,ウニやヒトデを含む棘皮動物は,

体の外側が必ず薄い皮でおおわれています.

そういう意味では,実は厳密にいうとウニのトゲなどは外骨格にも見えますが,

内骨格であるともいえるのです.
 

生物学辞典などを見ても,その辺りの決着は実はついていないそうです.
 

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丁寧に計測中.
 

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そして,ヤスリで赤道面を削って,横方向に開いてやると,

体内の構造がよく見えます.
 

時間がないときは鋏などで一気に割ってしまいますが,

ウニの内臓は殻の内部に裏打ちされているので,

それだと内臓を傷つける恐れがあります.
 

実はヤスリで外側から削ってやるのが,最もダメージが少なく内部形態を観察できる方法なのです.
 

続く.


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習②

学会のお次は,京大実習のレポートです.
 

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久保田先生のプランクトン実習.

多くの海洋生物は間接発生を行うため,

親と子の形が全然違います.
 

こちらは,親と子のそれぞれの写真から,

親子関係をつなぎ合わせる作業中.
 

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おお,なかなか大きめのクラゲが採れたようです.

最近,久保田先生は田辺湾で採集されるクラゲを長年連載で紹介されていますが,

最近,そのまとめがご著書として発売されました.
 

「魅惑的な暖海おクラゲたち~田辺湾(和歌山県)は日本一のクラゲ天国~」

http://book.akahoshitakuya.com/b/4907841159
 

要チェックです
 

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翌日は畠島へGO
 

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天気にも恵まれました
 

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たまには畠島の風景をご紹介しましょう.

こちらは畠島北西部に位置する小丸島.

潮がよければ,この小丸島へも歩いて渡れます
 

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小丸島を超えて,その先の部分まで来ました.

画面右上に見えるポコッとした島は,

わが実験所の在る番所崎の先端の塔島です.
 

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途中の泥岩帯で,足元の岩を割ってみると...
 

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このような穴が開いています.なんじゃこら.
 

犯人はこいつコツブムシですね.
 

ダイオウグソクムシと同じ等脚類で,ダンゴムシの仲間です.

泥岩に穴を開けて巣にしているのですが,

瀬戸内海のある島では,彼らによる激しい穿孔圧のせいで,

島自体がなくなってしまったとか
 

小さいながら,島ひとつを消してしまう破壊力を秘めた巨虫です.
 

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他にも,穿孔性のホシムシなどもみられました.

一見何気ない岩場にも,実はいろんな生き物が暮らしているのですね.
 

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往路では渡れた道が,復路では水没しているのはよくあること.

皆さん長靴に水をたっぷり湛えて帰りましたとさ

続く.


関西学院大学臨海実習④

 

関学実習のレポートです.

ウニの正常発生は,プルテウス幼生まで進みました.
 

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こちらはモニターに映し出された幼生.

ある処理を施してやると...?
 

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ピカピカに光りました
 

これは,偏光板という一定方向の光しか通さない板で対象物を挟んで観察して得られた画像です.

プルテウス幼生になると体の中にカルシウムの骨片が出来てくるのですが,これは一定の方向性をもって配列した単結晶です.

偏光のみが反射される状態では,この単結晶以外は光が反射されないため,それだけが光って見えるということだそうです.

(という説明で合っているのか甚だ不安ですが)
 

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しかし美しいものは美しい
 

結晶の組成が,各部位で違うのでしょうか.

時折体の一部分だけが光ります.
 

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思わず関学の富永先生もパシャリ.

生き物の造形美ですよね.
 

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ウニとくればお次はプランクトンです

関学OBの内田先生が講師を務められます.
 

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プランクトンはなぜ浮いていられるのか?

浮くためにどんな努力をしているのか?
 

その答えは,この内田先生のポーズに隠されています.

後ろの黒板の文字と併せてご考察あれ.
 

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野外でプランクトン採集.

この実習では,円月島付近の流れの速い場所で泳ぎながらプランクトンネットを曳くという,

変わった方法をとります.
 

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これはベントス採集ではありません.プランクトン採集なのです
 

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内田先生の指示の元,全員で作業に取り掛かります
 

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最後に濾しとったプランクトンを瓶に集めます.
 

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実験室に持ち帰って,この日も遅くまで観察が続きました.

おつかれされまでした!
 

まだまだ続く.

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑦

さて,いよいよ佳境に近づいてきた京都大学の実習レポートです
 

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干潟の生き物をいざ同定



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今回注目のクリーチャーはこいつ

ハマガニです

なんでも本州でみられるのは非常に珍しい芦原性の種だそうで,

芦原の減少とともに個体数も減ってきているのだそうです.
 

興味のある方は「ハマガニ」で検索してみてください.

いろいろ絶滅危惧に関連したウェブサイトが引っかかってきますよ
 

ハンティング能力に長けた学生により捕獲されました
 

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干潟で採集された生物.こちらもかなり種数が多く,なんと計63種に上りました.

みなさんの採集努力に脱帽です
 

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干潟のお次は久保田先生によるプランクトン実習です
 

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専用ピペットの作り方解説中.

非常に小さなプランクトンをうまく海水からピックアップするためには,

先の細いピペットを使う必要があります.
 

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まずプラスチック製のピペットの先を火であぶって溶かします.
 

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そしてこう!
 

溶けた部分が固まらないうちにピンセットでつまみ,

びろーーーん

...と伸ばします.

あとは冷めて固まるのを待ち,細くなった部分を鋏で切ればOK
 

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 実態顕微鏡で観察中.

毎度おなじみ田辺湾から,今回は何が採れたのでしょうか?
 

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おお,プルテウス幼生が採れました

腕の長さからしてクモヒトデの幼生でしょう.
 

台風の影響か,普段に比べると生き物が少ない印象でしたが...
 

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こんなものが採れました
 

なんと内肛動物の幼生の可能性が高いということです
 

おしりに一対の針状の構造を持っているのが特徴とのこと.

勿論,白浜周辺でも成体がみられるのですが,うーむ幼生は初めてみました.
 

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台風で外洋性生物の観察の機会がなかったので,

浜に打ちあがったプランクトンを観察するついでに,番所崎にも磯採集にきました.
 

打ちあがったペットボトルに,エボシガイというカメノテの仲間が付着していました.

これも広い意味ではプランクトンと言えるでしょう.
 

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激しい波に晒されたせいでしょう.しっかりと岩に張り付いているカキも,

一部はがされてしまったようです.台風の脅威を感じます.
 

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急遽敢行した磯採集だったのであまり潮の条件がよくなく,満潮に近い状態です.

いつもは余裕で通れるところが,水浸し状態

普段みる干潮とは違った景色でした
 

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 いつもハネウミヒドラがみられるタイドプールがなくなっていました

いつもは小高い丘も,このように孤島に.

磯観察での潮位の重要性を改めて理解しました.
 

続く.


奈良教育大学実習③

奈良教大実習レポです。
 

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北浜です。
 

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フジツボを採ります。
 

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砂を掘ります。
 

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海藻を採ります。
 
 

もうわかりますね。
 
 

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メイオベントス観察です。 
 
 

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シェイクされたフジツボの液.

この上澄みの中に極小生物がいるのです。
 

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このようにボールにとってピペットでスライドグラス上に移して観察します.
 

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今回の目玉はこれ。

謎の動きでみんなを騒がせた生物ですが,

どうやら昆虫か何かの幼虫だったようです.
 

みる人が見れば一発なのでしょうが,

海産生物しか頭にないと完全に謎の生物でした.

一つ勉強になりました。
 

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この実習ではプランクトン観察も行いました.

田辺湾産の採れたて新鮮プランクトンです.

メイオベントスと同様の方法で観察します.
 

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河村博士のイチオシ紹介中。
 

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クシクラゲです。

櫛板を活発に動かしている様子が観察できました.
 

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アイドル顔負けの撮影会に。

私もかなりの枚数の写真を激写したのですが,

ひとつ前のような写真しか採れませんでした.

写真撮影の技術も向上させねばと誓うのでした。
 

続く.


大阪教育大学実習④

 大阪教育大学の実習最終レポートです。
 

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プランクトン観察を行いました.
 

他の実習では,こちらで用意したプランクトンを観察してもらうことが多いのですが,

この実習では自分たちで採集します.
 

北浜の船着場に出て,プロフェッショナル河村博士による

プランクトンネットの説明.
 

このネットを...
 

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投げる 
 
 

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投げる 
 
 

できるだけ遠くまで投げて,水面下50 cmくらいを

すーっと曳いてくるのがコツです。
 

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ネットで集められたプランクトンは,

おしりのゴムとプラスチックのチューブの中に集積されます.
 

ゴム止めを外して,サンプル瓶に移せば終了。

何か採れたかな?
 

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プランクトンやメイオベントスでは,

何年見ていてもわからないものが時々出てきます.
 

今回も謎の胞胚状の球形物体が採れました.
 

プロフェッショナルの久保田先生に見ていただき,

どうやら何かの卵(やはり胞胚だった?)ということが分かりましたが,

詳しい種類まではわかりませんでした.
 

まだまだ勉強することはたくさんあるのですね.
 

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最終日は水族館観察を行いました。
 

再開館直前のキレイな状態を観察で来て,みなさんたくさんのものを得てくれたことでしょう.

※私は古生物学会参加のため,最終日はおりませんでした.

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そして最後に,王道のウニの発生実験です。
 

コシダカウニは卵が透明なので発生観察に非常に適しているのですが,

繁殖時期が短いことと,採集がやや難しいため,

年によってはうまくいかないことがあります.
 

今年は大分うまくいったようです。
 

ということで,大教大の実習レポートは以上です。
 

この後,奈良教育大学,大阪市立大学の実習が目白押しでやってきています。
 

それらも徐々にレポートにしてきますのでお楽しみに。
 

(特に素敵なポージングをしてくださったみなさん)


2014年和歌山大学実習⑧

和歌山大学実習レポートも

ついにラストです。

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和歌山大学ではコドラートを使った実習も行います.

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コドラート調査では,このように特定の方形枠を設定し(50 cm×50 cmなど),

その枠の中にいる生物の組成を調べる方法です.

今回の実習では,潮上帯(潮が満ちても水が来ず,水しぶきだけがあたる場所),

潮間帯(普段は水の底で,干潮時に陸になる場所)

潮下帯(干潮時にだけ陸になる場所)

に分けてコドラート調査が行われました.

これにより,水深ごとの生物分布を比較します.

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デジカメで方形内を撮影.

後の情報整理に役立ちます.

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あまりに計測個体数が多い場合は,一部分の計測値をもとに,

全体の計測数を割り出す方法をとります.

なんだかクイックスを思い出しますね.

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この日は潮がよく引いていたので,

普段は渡れない塔島までわたることができました。

先端まで行くと,外洋性の生物が少しだけ見られたりします.

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現場で同定できなかったものは,

実習室へ持ち帰ってじっくり鑑定します。

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そして最後の実習,プランクトン観察。

本当はウニの発生実験も行う予定だったのですが,

なぜかムラサキウニがうまく放精放卵しなかったため,中止となってしまったのです.

時期はそんなに悪くなかったのですが,不思議ですね.

予想外のハプニングもある意味,生物を扱った実習の醍醐味です.

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プランクトン実習では,先生でもわからないような生き物が出てくることがあります.

先生と学生で頭を悩ませながら種を同定することもしばしば.

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先生お手製の篩で,実験所のすぐ裏の海水を濾してみました。

結構たくさんのプランクトンが採れたようですよ.

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そんなこんなで,野外尽くしの和歌山大学実習でした.

そろそろ実習シーズンに突入します.

この夏は学会,実習,提出期限のある論文に大忙しになりそうです.

まずは目の前の日本動物分類学会第50回大会で頑張って発表してきます!


海産無脊椎動物多様性実習④

前回基質を採集したメイオベントスについてはさておきまして。

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プランクトン観察がスタートです。

船上で採ってきたプランクトンが、この赤い蓋のボトルに入っています。

どんなプランクトンが採れてますかな?

  

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久保田先生によるプランクトン解説。

「あんまし採れてないなあ」といいつつも、次々にプランクトンを解説していきます。

実習に関わり出して二年経ちますが、いまでもぱっと見てわからないプランクトンはたくさんいます。

先生のようにはなかなかなれません。精進ですね。

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プランクトンといえば河村博士です。

飼育中のクラゲ(タコクラゲ[Mastigias papua]だったかな?)のポリプの解説中。

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漁網に混獲されるベントスを採集しに、隣町の境港にも行きました。

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大和先生のヤギの解説中。

ソフトコーラルと呼ばれる、硬い骨格を持たないサンゴの仲間のうち、

木の枝みたいな形になるヤツをヤギと呼ぶのです。

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漁網にかかったままの獲物に手を出す強者も。

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香ばしく香る魚カゴの中にも、探せばお宝があるものです。

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なんとテヅルモヅルが採れました。

自慢げに(?)解説中です。

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収穫物。手前でブリッジ気味なのはアオヒトデです。

カラーバリエーションが多く、青くないものも時々見られます。

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並べてみると結構な生き物が採れているものです。

ですが、いずれもそれなりに深い場所の生き物だけあって、

いつもの磯で採れるものとはだいぶ様子が違います。

深海では、捕食に対する戦略の一つとして、

体の大型化があるそうです。

言われてみれば、ヤドカリにしろ、巻貝にしろ、大型ものが多い気がします。

もちろん、採集漁具の関係もあるのでしょうが、

きちんと調べてみたらそれなりの傾向がでるのではないでしょうか。

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収穫物を再び実習室で解説中。

いえ、好きな生き物は、何度解説しても楽しいものです。


海産無脊椎動物多様性実習②

標本解説を行っていたその頃、

田辺湾の海上では、プランクトン採集実習が行われていました。

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研究員の河村さんによるプランクトンネットの使い方の説明です。



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海中に放り出したプランクトンネットを、

ロープを使って手繰り寄せます。

なるべく海表付近を引くのがコツだそうですが、

雨が振ると塩分濃度の影響で海表のプランクトンは下に下がるそうです。

慎重な調整が求められます。

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お次は海底の砂をスミス・マッキンタイアー(SM)採泥器で採集します。

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赤いのがSM採泥器です。

下のオレンジの入れ物に泥を受けました。

さてさて、何が採れたかな?

まだまだ続く