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Monthly Archives: 2月 2015

宿泊棟改善大作戦②

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みなさん,これ,なんだかわかりますか?
 

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こちらで使います.そう,宿泊棟です.
 

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ベランダの金属枠部分にこのように固定し,
 

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先端の輪っかにしっかりステンレスワイヤーを固定
 

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ワイヤーにはピンチを通しておきます.
 

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もう一方を,同じように固定した輪っかにつなげば...
 

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宿泊棟のベランダに,物干しの完成です
 

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真ん中に結束バンドで結節を作り,
 

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洗濯物が一方に偏らないように工夫しています.
 

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金具もばっちりハンダで固定

技術職員さんのテクニックに感謝です
 

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もうすぐ春の実習が始まりますが,

宿泊棟も着々と快適度を増しております.
 

目いっぱい海の生きものを勉強していってくださいね


刺網サンプル

毎週木曜日は南部の日.
 

ということで,水族館から南部産の変なテヅルモヅルが入ったとの一方を受けて,すぐさま駆けつけました.

 
 

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形態的にはアカテヅルモヅルAstroglymma sculptaで間違いないのですが,

うーん,なんか黄色いですね...こんな色の個体は初めてみました.

何かの変異でしょうか.興味深いです.
 

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この日はいろいろ盛りだくさんで,

派手なミカドウミウシも採れていました.
 

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実習で採れたりするものより,はるかにデカい

傍らのツマジロナガウニが大体手のひらサイズなので,

30 cmはあろうかという巨躯!
 

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しかもこの体躯でダイナミックに体を動かし,泳ぎまくります.
 

水族館フィーバーな一日でした.


ラボゼミ

 先日,実験所でラボゼミが行われました.
 

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発表者は奈良女子大学の宮嶋彩さんです.

彼女は一昨年くらいまで二年間ほど瀬戸に通ってデータを取っておりました.

今回はその作業がひと段落したとのことで,報告もかねて発表をしてくださることになりました.
 

モクズガニ科のケフサイソガニ類は,鋏脚の内側に軟毛の房を持つこ堵が知られていましたが,

その機能的な意義などは明らかにされたことはありませんでした.
 

宮島さんは,瀬戸や三重に赴き,現地でのサンプリングと行動学的実験により,

タカノケフサイソガニHemigrapsus takanoiとヒメケフサイソガニHemigrapsus sinensis

2種において,軟毛の有無が闘争の勝敗に影響を与えることや,

パートナーの選択に影響を与えることを突き止められました.
 

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この日は実験所メンバーのゼミでもありました.
 

朝倉先生による「世界のゼブラヤドカリの分類学的再検討」.
 

世界各地から収集された膨大な標本に基づき,14種もの未記載種の記載を含む精力的なお仕事です.

後生の研究者に気を配った記載の工夫が施されており,

若手の分類学者にとっては非常に勉強になるお話でした.
 

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院生の中町君による「浅海性等脚類シリケンウミセミの脱皮齢推定」
 

海にすむダンゴムシに 近い仲間であるシリケンウミセミを対象として,

野外採集によってシリケンウミセミを採集して丹念に体サイズを計測し,

室内実験によってその脱皮回数を突き止めています.
 

彼はまだM1で,将来有望な甲殻類屋さんです!
 

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宮嶋さんと,その指導教官の和田先生(左列真ん中)を囲んでの鍋パーティの様子.

実は宮嶋さんは既に就職が決まっているそうで,来年度からは新天地に移ります.
 

この席にはもう一方,瀬戸へのお客さんがかくれているのですが,

その方についてはまた今度お話いたしましょう.


もづる紹介コーナー(Astrocharis monospinosa④)

 

 

ヒメモヅルについての続記です.
 

コペンハーゲンから届いたAstrocharis gracilisのタイプ標本はこちら.
 

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こんな感じで,箱に丁寧に梱包されて送られてきます.

真ん中の小さいのが標本です.

この1個体が,A. gracilisの記載に使われた唯一一個体になります.
 

これに対して,アムステルダム博物館から届いたタイプ標本は2つの瓶に入れられていました.

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これと
 

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これです.
 

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そして日本近海から記載されたヒメモヅルA. ijimaiの標本がこれです(タイプ標本ではありません).
 

これらの観察を始めたところ,すぐに違和感に気づきました.

明瞭に区別できる形が見つからないのです.
 

先行研究では,A. gracilis, A. ijimai, A. virgoの順に体表の鱗が小さくなるというのですが,

少なくともタイプ標本だけを見てやるとどうにも分けられません.
 

そこで,先日も記事にした新種と思われる個体と,

日本で採れたヒメモヅルも含めて,41個体の鱗の大きさと,体サイズ(盤径)を相関させて比較したところ,
 

どうやらA. gracilisA. virgoのタイプ標本の一部とA.ijimaiの鱗の大きさは同じくらいであり,

A. virgoの別のタイプ標本はそれよりも鱗が小さく,

新種と思われる標本は統計的に鱗が大きい,ということがわかりました.
 

つまり,これまでに認められていた三種は,実は二種の混合だったのです.
 

そこで,これらの結果をまとめて,これまで三種が知られていたヒメモヅル属を,

Astrocharis monospinosaと名付けた新種の記載も含めて,

一減一増の末に,三種にまとめた論文を日本動物学会誌のZoological Scienceに発表しました.
 

http://www.zoology.or.jp/html/01_infopublic/01_index.htm
 

実は,このあたりの詳しい話は↑にも書かれています.
 

この論文は,初めはAstrocharis monospinosaの記載だけで発表しようと思っていたのですが,

もう少しまとまった発表にしたほうがいいのでは?

という藤田先生の意向もあり,

少し粘って分類学的再検討という内容にしました.
 

時間はかかったものの,

結果的に一つの分類群のレビューを初めて完遂することとなった,

思い出深い論文となりました.


電気泳動

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実験で電気泳動を行っています.

この一つ一つのチューブの中で,

試薬を混合し,DNA増幅反応(PCR)を行います.

電気泳動は,その実験結果の検証作業です.
 

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電気泳動層の中にこのような穴あきゲルを浸します.

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サンプルチューブより,PCR実験液を,

µピペットで適量吸います(私の場合は4µl)
 

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パラフィルムシートの上に,泳動マーカーと呼ばれる色付きの液を滴下しておき,
 

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パラフィルム状で混ぜます!
 

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十分混ざったら...
 

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ゲルの穴の中に...
 

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アプライします
 

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チュー...
 

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っと出してやると,マーカーと混合したPCR液は穴の中に落ちていきます.
 

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全ての穴にアプライし終えたら,
 

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蓋を閉じる
 

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電源ボタンを,
 

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ポチっとな
 

これで,20-25分ほど待てばDNAがゲルの中を流れて,

その存在が確認できるという仕組みです


宿泊棟改善大作戦

真面目な話はおいといて,

実験所のお話を一つ.
 

とある晩冬の昼下がり,

宿泊棟のベランダに何をする人ぞ.
 

おお,技術職員の山本さんと津越さんです.
 

宿泊室のベランダに,物干しを作成中でした
 

特注の金属のストッパーと鋼線で立派な物干しが作られるそうです
 

食堂のテレビの棚には...
 

なんとWi Fiルータが!これで宿泊棟でも

インターネットにつながります

 
 

玄関の靴箱も一新
 

各浴室にドライヤーも完備
 

床全面も湿気防止用に一新
 

お風呂場の床マットも総入れ替えです.
 

地道にカーペットを計測し,
 

地道にカット
 

地道に計測&カット
 

フィット
 

マットの裏側に切り取り線を書き,カット
 

ジャストフィット
 

このカーブを出すのに苦労しました.
 

もう一方の浴室の床マットも貼り換えました
 

春の足音が聞こえつつある,紀伊の一夜を,

ますます快適になった宿泊棟で

過ごされてみてはいかがでしょうか?
 

皆様の積極的なご利用をお待ちしております


もづる紹介コーナー(Astrocharis monospinosa)③

Astrocharis monospinosa は新種であるということがわかりました.

しかし,Astrocharisi属の全3種の原記載を読んでみて,ふと気づいたことがありました.
 

これらは本当に区別できるんだろうか?
 

当時Astrocharisに知られていたのは,
 

A. virgo Koehler, 1904

A. ijimai Matsumoto, 1911

A. gracilis Mortensen, 1918
 

で,体表を覆う鱗が,それぞれ,小,中,大,ということで区別されていました.
 

しかしこれでは具体的な数字がなく,

本当にそれが明確に数値として分けられるのか不明瞭です.
 

こうなってくると原記載を読んデイてもラチがあきません.
 

そこでタイプ標本です.
 

原記載の基となった標本を担名タイプ標本といい,

基本的にはこれらの標本に基づいて種の命名は行われます.
 

上記の三種のタイプ標本の所在を調べていたところ,

A. virgoはアムステルダム動物学博物館に,

A. gracilisはコペンハーゲン大学動物学博物館に,

それぞれ所蔵されている事がわかり,

学芸員さんにコンタクトをとってみたところ,なんと貸出をしてくれるというのです
 

喜び勇んで申し込みをして数週間後,果たしてそれらの標本は,

はるばる海を越え,果たして私の手元に到着したのです.
 

続く


もづる紹介コーナー(Astrocharis monospinosa)②

Arm midd. ven. 5.0 (2)

科博に所蔵されていた標本はAstrocharis gracilisと同定されていました.

この種はMortensenによって1918年に記載されたものでしたが,

原記載の掲載雑誌が少なくとも国内になかったため,

Döderlein (1927)による別の個体の再記載を頼りにこの種を同定していました.
 

しかしDöderleinの記載と科博の個体はどうも形が異なるのです. 
 

果たしてこの違いは種内変異なのか,

それとも科博の個体は別種なのか?

見極めるためにはやはり原記載を見る必要がありました.
 

国外の図書館に複写を依頼して果たして手元に届いた原記載.

あれほど気持ちを昂ぶらせた文献拝読は未だかつてないかもしれません.

一ページずつページをめくるたびに,疑問が確信に変わっていきました.
 

Mortensen (1918)の原記載は,明らかにDöderlein (1927)と一致しており,

科博の標本とは異なることが分かりました. 
 

すなわちこの時点で,手元の標本は新種であるという事が明らかになったのです. 
 

しかし原記載を読んで気づいたことはこれだけではありませんでした.

続く.


もづる紹介コーナー(Astrocharis monospinosa)

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撮影[国立科学博物館:藤田敏彦]

Family: Astrocharidae ヒメクモヒトデ科

Genus: Astrocharis ヒメモヅル属

Specific name: monospinosa オオヒメモヅル(新称) 
 

非常にレアなモヅルです.

まずヒメモヅル属からして珍しい.
 

体の表面がブヨブヨの皮か細かい顆粒に覆われていることの多いツルクモヒトデ目ですが,

この属は体が鱗に覆われており,かつ輻楯(ふくじゅん)と呼ばれる盤の背面の板状骨片が,

裸出する,という特徴があります.
 

1.0

特に,この輻楯の裸出という特徴は,他のツルクモヒトデ目にはほとんど見られません.

私の中のかっこいいモヅルランキングベスト3には間違いなく入る属です.
 

生息域も,海山の頂上,約300 m以深に限られており,

種数も本種を含めて3種しか知られていません.
 

Astrocharis monospinosaは,
 

①体を覆う皮下骨片が他の種に比べて大きい(0.5-1 mm程度)

②各触手孔に生えている腕針が1本

③体内の側腕板や腕骨が腕の基部で裸出する
 

といった特徴によって区別されます.
 

私が科博の学生になって,博物館の標本を片っ端から見ていた時に,

この標本を見つけました.ヒメモヅル属である事はすぐにわかったのですが,

新種だという確信は得られませんでした.
 

その後,調査を進めているうちに本種が新種である事が突き止められていきました.
 

続く.


ニシキクモヒトデの謎を追え②

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先日お伝えしたニシキクモヒトデ.

ほとんどヤギに絡んでいることは以前からお伝えしている通りですが,
 

ヤギに絡まず岩場に張り付いているものもいるのです.
 

彼らは何故わざわざ岩場という荒野でその身を危険にさらしているのか?
 

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ということで,岩場の個体をとってきて,

足掛かりになりそうなものを入れてみました.

まずはクリップです.
 

因みに,形態観察からはヤギに絡んでいるものと違いがみられませんでした.
 

こんな安直な実験でいいのだうか...

ニシキクモヒトデにもプライドがあるのでは... 
 

 
 

10分後
 
 
 
 

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めっちゃくっつきましたね...
 

別にヤギでなくても良いようです.
 

うーーむ,彼らはなぜ,どうやって,ヤギに絡んでいるのでしょうか.
 

これだけ簡単に採れて,飼育も比較的簡単なので,

実験で証明できそうです.


ニシキクモヒトデの謎を追え①

 

 

最近,調査に行くたびに何かと採集しているニシキクモヒトデですが,

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いつの間にか白浜水族館のヤギに も湧いていたようで,

たくさんついていましたのでもらってきました.
 

タイや沖縄で採ってきたものは赤や紫などいろんなカラーバリエーションがあったのですが,

今回発見したものは全てオレンジと白のストライプです.
 

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よーく観察すると,腕の背面になにやら棒状のものが伸びでいます.

最初は腕針かと思ったのですが,どうやらこれは触手が背中まで伸びているようです.

そこまで伸縮できるのかと驚きました.
 

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ヨコエビが,クモヒトデの腕に捕えられているのか,

さっぱり動きません.

その割にはクモヒトデの口に運ばれる様子もありませんでした.
 

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ヤギをよーく見てみると,クモヒトデだけでなくヘラムシ?のような等脚類もたくさんついていました.

うーむ,ヤギ,クモヒトデ,ヘラムシ,三者の関係とかどうなっているのでしょうか.
 

生物を観察していると,疑問に尽きません.


クモヒトデの腕骨

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こちらはクモヒトデの腕の中にある腕骨です.

我々の持つ脊椎のようにこの腕骨が腕の中に連なっているため,

英語ではVertebraと呼ばれます.
 

これは腕の先端側から見た画像で,

腕の基部側から見ると,この突起形状がフィットするような形になっています.

つまり,お互いが関節構造を持っています.
 

この関節の構造は分類群によって違っており,

古くから,主に科以上の高次分類群の分類形質に使われてきました.
 

この表面を拡大したのが以下の画像です.
 

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なんだか縞々が見えますよね.

実はこれ,クモヒトデの腕骨に刻まれる「年輪」と考えられています.
 

季節輪であるとの報告もありますが,

実際にこの輪がどのような生物学的特性によって刻まれているのかは,

いまだはっきりとはわかっていません.
 

しかも,実はこれは更新統から得られた化石なのです.

化石にも残るこの輪の特性がわかれば,

クモヒトデが生息していた古環境の復元も可能になるのではないかと考えています.
 

少し前からいろいろと手を広げて研究を進めているのですが,

最近それらの結果が徐々にまとまってきつつあります.
 

今年はいろいろと発表できることがありそうで,今からワクワクです.
 

それにしても,無限の可能性を秘めたこのクモヒトデ.

そろそろ一緒に研究をしてくれる仲間が現れないかなーと考えたりする今日この頃です.


JAMBIO 合同沿岸調査⑥

 

 

 

三崎で採れたクモヒトデ第二弾. 
 

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Amphipholis sp. 
 

イソコモチクモヒトデAmphipholis squamata

スナクモヒトデAmphiphilis kochiiかなと思っているのですが,

小型であることと,六腕であることから確信が持てずにいます.
 

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Amphiura bellis
 
 

腕一本になってしまっても,基本的には5放射なので,

1放射でも残っていれば同定が可能です.

本種は比較的大きな輻楯を持っています.
 

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Ophiomyxa anisacantha

キヌハダクモヒトデですね.
 

このグループ(キヌハダクモヒトデ科)は,

体の内部構造を観察した松本(1915, 1917)によって

テヅルモヅル類と同じグループであると考えられていましたが,

最近のDNA解析の結果はこの説を支持していません.
 

クモヒトデの系統分類には,

まだまだやり残されていることがあります.


JAMBIO 合同沿岸調査⑤

 

 

 

相模湾で採れたクモヒトデを紹介しましょう. 
 

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Amphiura euopla ヤブクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
 

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Amphiura trachydisca イボスナクモヒトデ

相模湾,水深500 m,2015年1月20日.
 

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盤のアップ.盤上の鱗があまり細かくなく,

盤自体がポコっと半球状に盛り上がっているのが特徴です.
 

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Ophiura kinbergi クシノハクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
 

良く採れるクモヒトデです. 
 

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Ophiothela danae ニシキクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.

カラフルな色彩が特徴.ふつうはヤギなどに絡んでいます.


 

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Stegophiura vivipara コモチクモヒトデ

相模湾,水深200 m,2015年1月20日.
 

盤が非常にしっかりした鱗に覆われています.

輻楯がオーバーラップしているのも本種の特徴.

その名の通り,体の中である程度の大きさになるまで子供を保育します.
 

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反口側は真っ赤ですが,口側はこのように白っぽくてかわいいやつです.
 

が,採れる時はわんさか採れるので油断なりません.


分類学について⑩

リンネ以降爆発的に記載が増加し,

徐々に自然の体系が整理されていきました.

ところが,それに伴って浮き彫りとなった問題もありました.
 

例えば,ある人がフィリピンで新種の魚を記載しました.

その後,別の人がこのフィリピンの魚を知らずに,

日本で採れた同じ魚を新種として記載しました.
 

この場合,同じ種に別の名前が付けられることになります.
 

これを「異名」と言います.
 

さらに,リンネの階層式分類体系の中では,

化石種の扱いは定められていませんでした.
 

このような問題が増える中,18世紀から19世紀にかけて,

世紀英国科学振興会,アメリカの地質・博物学会,

国際地質学会議,国際動物学会議で議論が重ねられた結果,

著名な動物学者による動物の命名を審議するための委員会が結成されました.
 

これが動物命名法国際審議会の誕生です.

その後,第5回国際動物学会議(ベルリン,1901)における同委員会による報告が,

「Regles internationales de Nomenclature zoologique」

なる法典として成文化されました.
 

この法典は,その後の諸会議で一連の改正を伴い,

1961年に,「国際動物命名規約」として出版されました.
 

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現在は第4版まで出版されており,

動物の学名が恒久的に,混乱なく使えるようにするための取決めが,

詳細に書かれています.
 

また,この規約では,動物の学名を運用するための,

様々な重要な概念などについても言及されているのです.
 

私もよくお世話になっている一冊です.


分類学について➈

新種発表等の命名法的行為は,

「適格な」著作物の学術論文の中で行われなければなりません.
 

学術論文の一般的な構造は以下の通りです.
 

1.タイトル(その論文のテーマを的確に表す題名)

2.著者とその所属

3.緒言(論文を書くにあたっての背景)

4.材料と方法(論文で用いた材料や,解析などの方法)

5.結果(論文で得られた結果の明示)

6.考察(得られた結果から考えられる科学的知見)

7.謝辞(お世話になった方々へのお礼の言葉)

8.文献(論文内で引用した文献の正確なリスト)
 

記載論文も基本的にはこの構造をとります.

が,ちょっと違う部分もあります.

実際にはどのような構成でしょうか.

クモヒトデの新種記載論文をここに書いてみましょう.


1.タイトル

和歌山県白浜町より得られたクモヒトデの新種
 

2・著者と所属

岡西政典 京都大学フィールド科学教育研究センター 瀬戸臨海実験所
 

3.緒言

紀伊半島西岸では,これまで63種のクモヒトデが記録されている(Murakami, 1963; Irimura, 1981).2015年++月に和歌山県南部漁港で得られたクモヒトデが未記載であることが判明したため,本論文で報告する.
 

4.材料と方法

本研究で扱ったクモヒトデ30個体は,****年**月**日に,和歌山県南部漁港の刺し網で得られた.採集場所は南部沖の水深約30 mである.形態観察には実体顕微鏡を用いた.

標本は**博物館に保管した.標本番号は***である.
 

5.記載

Ophioaus bus sp .nov.
 

検討標本: タイプ(標本番号***),和歌山県南部,約30 m.
 

記載:盤は**mm, 腕の長さ** mm,盤上は長さ** mmの鱗に覆われ云々.
 

*記載論文が一般の論文と大きく異なるのはこの部分です.「結果」の代わりに「記載」というセクションになります.ここで当該論文で扱った標本についての,詳細な記述を行います.因みに,Ophioaus busは本論文でつけようとしている二名法で記された新種の名前,sp. nov. はラテン語で「新種」という意味ですので,この一文で,「こんな新種の名前を提唱します!」という意味を成しており,現在では,この一文がないと記載を行ったことになりません.また,タイプとはその種の名前を担う標本の事で,これがきちんと指定されていないと,現在では命名したことには成りません.ちなみにいちいち「現在では」とただしているのは,実は論文の発行された年代によって,命名法的行為の満たすべき要件は違ってくるためです.そのあたりについてはまた今度.
 

6.所見

本種は**という形を持つことから,Ophioausに属する.本属は世界で10種が知られるが,本種のような***を持つ種は他にO. cus, O. dus, O. eusの3種が知られる.しかし,これら3種の腕の長さは最長でも100 mmなのに対し,本研究で扱う新種の腕は30 mに達する事から容易に区別できる.また,他にも**という特徴により区別できため,これらの形質を考慮して,本種は新種と考えられる.

*この部分も,一般の論文では「考察」だったのに対し,記載論文では「所見」です.ここでは,当該論文で扱う種が新種である根拠を,他の近縁種との比較から論理的に説明していきます.また,ここで生態や分布域について言及すrことも少なくありません.
 
 

7.謝辞

白浜大学の瀬戸博士には,サンプルの採集,記載におけるアドバイスなど,多方面にわたりご助力をいただいた.ここに記して謝意を表する.
 

8.文献

Irimura, S. 1981. Opiurans from Tanabe Bay and its vicinity, with the description of a new species of Ophiocentrus. Publ. Seto Mar. Biol. Lab., 26(1/3): 15–49, pl. 1.

Murakami, S. 1963. On some ophiurans from Kii and vicinities with description of a new species. Publ. Seto Mar. Biol. Lab., 11(2): 171–184.
 

これが記載論文の基本的な流れとなります.
 

長くなりましたが,このような論文をせっせと書くことでやっと新種として認められるわけです.

もちろん,単に書いたから明日から新種!というわけではなく,論文が完成したら,

雑誌に投稿,査読者からの長いやり取りの後にようやく雑誌に掲載が許可(受理)され,

その後何か月後かに雑誌が発刊されてやっとその命名法的行為は認められます.
 

おそらく,早い人でも新種を発見してから発表に至るまでは半年はかかるでしょう.
 

リンネによって分類学の基礎が築かれてから250年あまり,

現在名前が付けられている生物は180万種程度かと思いますが,

まだ名前のついていない種は1000万種はいるといわれています(これは研究者によって意見が違いますが).
 

このような作業を行いながら人類が地球上の生物に名前を付けることができるのは,

まだまだ遠い未来の事になりそうです.
 

*この記事ではZoobankへの登録がない,タイプの指定がない,

などの理由から命名法的行為には当たらないとは思いますが,

念のため,筆者からも命名法的行為の棄権を明言しておきます.


分類学について⑧

新種はそう珍しいものではありません.

離島の海底洞窟の中,

人影まばらなビーチの砂の間,

漁港に打ち捨てられた漁労物などなど.
 

まだまだ探せばいくらでも見つかるはずです.
 

しかし,では新種を見つけたからと言って,

「新種を発見しました!名前はAus busです!」
 

とブログに書いても,それはAus busを命名したことにはなりません.
 

生物の名前に関わる行為(命名法的行為)は,

決められた要件を満たした著作物の中で,

決められた手順を踏んで行われる(「公表される」)必要があります.
 

というとなんのことやらですが,

おそらく,現代ではほぼすべての命名法的行為は,

学術論文の中で行われています.
 

著作物が満たすべき決められた要件とは,

国際命名規約第四版では以下のように定められています.
 

条8.1.1. 公的かつ永続的な科学的記録を提供する目的で発行しなければならず,かつ,

条8.1.2. 最初に発行された時点で,無料あるいは有料で入手可能でなければならず,さらに,

条8.1.3. 長期保存に耐える同じ複本を一度に多部数制作可能ななんらかの方法に余tt,同時に入手可能な複本からなるひとつの版として制作されたものでなければならない.
 

ただし,以下のものは条9のもと,除かれます.
 

条9.1. 1931年以降の,手書きの著作物の模写

条9.2. 写真

条9.3. 校正刷り(印刷段階前の,著者の確認のための版)

条9.4. マイクロフィルム

条9.5. 録音

条9.6. 標本のラベル

条9.7. 図書館などに供託されているが,公表されていない著作物の,注文による複本

条9.8. ウェブサイトで公開された文章や絵

条9.9. 学会の要旨集,ポスターなど.
 

これらに基づくと,学術雑誌は完全にOK,ウェブサイトはダメとなります.

しかし,例えば新聞であれば,もし万が一新種記載の要件を記事の中で満たしてしまった場合,

それが新種の提唱になりうるのではないかと私は考えています.
 

また,最近では電子出版の著作物内での命名法的行為も認められており,

迅速な新種の記載がおこなわれるようになってきました.
 

そのあたりについてはまた今度.


分類学について⑦

 

 

分類学について.
 

分類学ってどんな学問?[岡西]

リンネによる階層式分類体系が確立される前から,

人々は生物を分類してきました.

その基準はどのようなものでしょうか?
 

最も頻繁に用いられるのは,やはり見た目,すなわち「形」でしょう.
 

・星形の体

・くねくね動く腕

・腕は分岐する

・腕の背面にはかぎ爪の列

・多孔板は五つ

・全体的に赤い
 

例えばこんな見た目の動物がいたら,

我々はそれを「アカテヅルモヅル」と,

一瞬で判断することができます.
 

形だけでなく,
 

顕花植物などでは花の「匂い」,

鳥などでは「鳴き声」, 
 

なども分類の基準にされています.

最近では,例えば菌類などは「DNA配列」自体を特徴として分類をしています.
 

このような分類の指標となる生物の指標を「形質」と呼びます.
 

分類学者は古来より,可能な限りたくさんの形質を総合的に比較して,

生物を分類・命名してきました.
 

では,この命名行為とは,一体どのようにして行われるのでしょうか?
 

続く.


書籍紹介①「ウニ学」

 

 

突然ですが本を紹介いたします.

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その名も「ウニ学」
 

東京工業大学名誉教授の本川達雄先生が編集されています.
 

ウニを題材として,行動,水産,形態,生態,分類,ゲノム科学に至る幅広い分野をカバーした優れた学術書です.
 

「ウニ」と銘打たれてはいますが,棘皮動物の基礎的な知見も学べる,

数少ない棘皮動物の「日本語教科書」でもあります.
 

なぜウニは「五放射」なのか?

どうやってごはんを食べているのか?

移動手段は?

ほとんど動かなくても生きていけるのはなぜ?
 

海の景観づくりに一役買い,食卓を彩り,

親しみ深い「ウニ」ですが,

この本を読めば貴方のウニを見る目が変わること請け合いですよ.
 

春休みの愛読書に一冊いかがでしょうか.


ブンブク

 

 

水族館の飼育員さんが,砂の中に潜んでいた生物を発見しました.

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ジャーンこちらです.このフサフサの生物.
 

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ウニです.

先ほどの写真は口側.こっちは反口(背)側.
 

ブンブクという類のウニで,体が前後にやや細長くなっているので,

厳密な星形ではなく,左右対称です.

一番上の写真では,左側が進行方向になります.
 

このようなウニを不正形ウニといい,

他にもカシパンウニやタコノマクラといった類がこの仲間になります.
 

これに対してムラサキウニなどの,

背側から見るとほぼ完全な円形になるのは,正形ウニといいます.
 

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不正形類の一つの特徴は,この花紋と呼ばれる管足孔の列です.

4つの管足孔が列を成していますが,実はここから4つの管足が伸びるわけでなく,

2つの孔から1つの管足が出ます.

実はこれは呼吸用に発達した管足です.
 

これらのウニは砂に潜って暮らすため,

呼吸用管足で効率よくガス交換する必要があります.

そのために管足内で効率的に水を循環させなければなりません.
 

管足

呼吸用管足の断面図.矢印は水流を表す. 
 

1つの管足の中に2つの仕切りとなる孔があると,双方で別の方向の流れを作ることで,

管足内の水の対流をよくするという仕組みということです.

詳しくは上の手書きの芸術的なイラストをご覧ください.
 

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因みに,フサフサの毛は光沢鮮やか.
 

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口の周りには房毛管足と呼ばれる,一見イソギンチャクのような管足があります.
 

このようにブンブクの体は,砂中で暮らすための様々なうまい仕組みに満ちているだけでなく,

機能的に洗練された形態には美しさすら感じられます..

気になった方は,是非ともウニ本を読んでみましょう
 
 

海洋大でウニを研究しているの田中颯さんに聞いたところ,

どうやらオオブンブク(Brissus agassizii)か

ミナミオオブンブク(B. latecarinatus)の可能性が高いとのことです.
 

田中さん,ありがとうございました


思い出

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昨年の伊良部島調査の際の写真をもらいました.
 

菅島臨海実験所の伊勢優史先生が撮ってくださったものです.

水面でぱちゃぱちゃしているのが私です.
 

この写真ではわかりませんが,この下は水深30 m辺りまで一気に落ち込んだ崖になっているのですが,

透明度が高いため水面からでも海底が見下ろせる絶景です.
 

あー,思い出したらまた行きたくなってきました.

また今年も潜りたいものです.
 

写真を提供してくださった伊勢先生,ありがとうございました


てづるもづるについて~クモヒトデの体の仕組み④~

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こちらはミツイタクモヒトデの腕の中部あたりの口側の画像.

画面の上側が腕の先端,下側は腕の基部(盤より)です.
 

前回記事にした,腕の反口側の構造同様,

口側でも,腕節を構成する以下の骨片のセットが観察できます.
 

①口側正中線上に並ぶ「腹腕板」

②その側面にある「側腕板」

③反口側でも見られる「腕針」

④通常は最も口側の根元にある触手孔の蓋の役割をする「触手鱗」
 

クモヒトデが骨片より成る動物である事が伺えるかと思います.

勿論内臓などの内部構造もあるのですが,それはまた別の機会に.
 

因みに,ツルクモヒトデ目では触手鱗がなく,

最も口側の腕針が触手鱗の役割を果たしています.


てづるもづる飼育日記

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瀬戸臨海実験所のとある暗室...
 

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赤いライトに照らされた水槽...
 

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こ,これは
 

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てづるもづるです 
 

てづるもづるの飼育を始めました
 

この間の南部漁港で採れたてづるもづるを飼育しているのですが

水温か水質か,はたまた他の生物との相互関係か,

暗室状態か...

 


 
 

なんと夏場よりも長生き

手前の金網は絡むための足場のつもりです.

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100円ショップで手に入れた代物.
 

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今のところあまり絡んでいないようですが...
 

今のうちにいろいろ観察できないかと試みています


刺し網②

 南部で採れた生き物シリーズ
 

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まずはナマモノから.新鮮なウミエラ.
 

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コブヒトデモドキ
 

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わざわざ漁師さんが車で届けてくれた,

(多分)オオカイカムリ.
 

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赤いカイメンと黄色いスナギンチャクに浸食されたヤギ.
 

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よーく拡大すると,ニシキクモヒトデがついていました.

わかりますか?
 

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水揚げからしばらく経ってカピカピになったサンプルですが...
 

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おお!テヅルモヅル(腕だけ)が採れました 
 

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と,思ったらなんと本体も

アカテヅルモヅルAstroglymma sculptaですね.

なかなか活きがよさそうでホクホクです
 

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ということで,色々と実りの多い刺網採集でした

最後は自販機でコーヒーを買って,白浜へ帰ります.
 

お疲れ様でした