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Monthly Archives: 6月 2014

日本古生物学会④

 古生物学会が終わりました。

お世話になったみなさん,本当にありがとうございました.

今後,少しづつ様子をアップデートして行きたいと思います。
 

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古生物学会は,同僚の千徳博士のホームです.
 

そんな千徳博士の口頭発表です!
 

千徳明日香・徳田悠希・江崎洋一

「非造礁性群体六射サンゴDendrophyllia cribrosaでの大型群体の形成」
 

マイクロX線を用いた,サンゴの群体形成過程を解析したお話で,

何人かの先生が興味をもって質問をされていました.
 

動物の中では原始的と考えられている刺胞動物ですが,

そうとは思えないほど多様かつ緻密な生き残り戦略を展開しているようです.


 

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さて,発表が終わったら打ち上げです。

京大の脊椎動物チームと,学会長の連合チームにお邪魔しました。
 

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博多に来れば,もつ鍋と...
 

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ラーメンは欠かせないでしょう。
 

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すっかりごちそうになってしまいました。

ありがとうございました。
 

自分の様子についてはまた今度。

 


日本古生物学会③

古生物学会に来ています。

今日はポスター発表がありました。
 

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九州大学博物館の一室に,27題のポスターが張り出されています。
 

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命名規約を一緒に輪読した早稲田大学の生野さんの発表もありました.

「白亜紀アンモナイトPolyptychoceras12種名の適格性のと原記載」

研究が進んでいない分類学では,命名行為自体に問題がある場合も多く見られます.
 

その場合は,百年以上前の文献や標本にあたって調査をする必要があります.

今回の発表では,そのあたりのデリケートな問題について,

実に緻密な検証がなされていました。
 

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瀬戸臨海のメンバーの中野さんも発表されていました.

東大の佐々木先生もこられています.
 

佐々木先生は去年も瀬戸臨海に来られています.
 

知り合いがたくさんいて,

とても楽しい学会です。


日本古生物学会

今日から福岡で古生物学会です。

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これから六時間かけて移動です。

前回始めて参加して、ポスター発表を行いましたが、

今回は口頭発表を行います。

しかも初めての化石の発表です。

「日本国内から初めて産出したツルクモヒトデ目の骨片化石」

というタイトルです。


マイクロX線CTスキャン②

 マイクロX線観察は順調に進みました。
 

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予定していたものは早い段階で終ったので,

科博の標本の中から気になるものをピックアップして解析にかけてみました.

固定液(エタノール)で濡れたものでも解析にかけることができます.
 

標本によっては乾燥させたくないので,これはとても便利。
 

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画像処理パソコンを見ながら,千徳博士と,

私の元指導教官の藤田先生が議論中.
 

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三次元構築処理ソフトの使い方を勉強中。

ヒザラガイの専門家の,斎藤先生に教わりました.
 

先生のキレイなヒザラガイの三次元画像みたいにはなかなかできませんでしたが,

それなりに見たいところの画像が得られました。
 

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作業の合間に,学会でも発表していた藤田研のお客さんのAlexanderさんとランチに行きました.
 

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なんと,ご家族も来日されていたのでご一緒に.

カメラ目線のAlezanderさんと,奥さんのターニアさん(真ん中),娘さんのオーラさん(左)です.
 

うどん屋にお連れしたのですが,箸の使い方がうまくてびっくり.

時々,ご家庭でも箸を使うのだとか.
 

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そして,夜は懐かしのつくばの居酒屋で飲みました。

元同じ部屋の先輩たちに囲まれ,

あーだこーだと研究話や,

ワールドカップ談義に花がさきました(この時はまだ結果が分かっていませんでした...)


 

結構飲んだおかげで,翌日はややグロッキーでした.

ということで,大変実りのある科博滞在となりました.
 

お次は六月末の日本古生物学会@福岡です。
 

実習も併せて頑張ります。


マイクロX線CTスキャン

 科博でクモヒトデ標本の観察を行ってきました。
 

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今回使うのはX線CTスキャンです。

脳外科などで使われているアレです.

標本にX線を当てて,非破壊的に内部構造を観察できる装置です。
 

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上の画像の出っ張った部分を開け,

このような筒をセットします.
 

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そしてその中に標本をセットし,ふたを閉じます.
 

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そして,スキャン開始。

X線発生装置のある本体の中に吸い込まれていく標本。

気分はドナドナです.
 

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操作は基本的に横に設置したPCで行います.

まずは軟X線で全体の構造がみられるので,

どこまで撮りたいかを決めます.
 

大きさにもよりますが,小さければ20-30分,大きければ数時間といったところです.
 

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計測範囲を決めたら,スキャン開始。

後は結果が出るのを待つのみ。
 

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こんな風にして片っ端からクモヒトデのスキャンを行いました.
 

一緒にサンゴをスキャンしていた千徳博士は,

得られた画像から立体構造の復元をしていました.
 

続く.


奈良女子大学実習⑤

奈良女子大学レポートシリーズ最終話です。
 

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本実習ではプランクトン観察も行います.
 

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 みなさん生物顕微鏡の使い方にもだいぶ慣れた様子.
 

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その間に,畠島で得られた珍しい生き物を撮影.

なんと,小さなウミシダが採れたのです.

専門家伺ってみたところ,成体ではなく何かの赤ちゃんとのことです.
 

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器の中で所在なさげにしていたので,

ウニの死に殻を入れてみたところ,必死に張り付いていました.

可愛いですね~.
 

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さてさて,そうこうしている間に次の課題が始まりました.

この実習では毎年,自由課題実習も行われています.
 

それぞれの班に分かれ,まずは課題を黒板に書きだします.

毎年,独創的な課題が出てくるのでとても楽しみです.
 

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私は棘皮班の付き添いに名乗りを上げ,

ニセクロナマコの採集のお手伝いをしました.
 

例によって激写する先生を激写.
 

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室内に生物を持ち帰って実験です。
 

この班は,イソクズガニが体の付着物の趣向性について調べるため,

捕まえてきたカニの付着物を歯ブラシで落としています.
 

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こちらの班は,ナマコがどれくらいのストレスを受ければ,

体内から忌避物質を出すのかを調べるため,

あらゆるストレス実験を行っています.
 

ナマコを解剖し,その体液で他のナマコに影響が出るかを調べています.

解剖されたナマコについては,しっかりと内臓の構造を解説いたしました.
 

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実験が終わったら,結果を取りまとめてまた発表です。

例によって,紙に手書きで資料をまとめます.
 

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そしていよいよ発表です。
 

短い時間で得た結果をもとに発表を行うのは,

実はとても難しいのですが,

みなさん,ここでもうまく結果をまとめられていました.
 

中には本当に科学的に新発見なのではないかという発表もあり,

個人的に非常に楽しませてもらいました.
 

ここで興味を持ったことを,そのまま卒研のテーマにして

瀬戸臨海で実験を続けてくれる学生もいます.
 

今年,ナマコに興味をもった学生が,棘皮の研究をしてくれないかなあと

期待してみるのでした.
 

実はナマコはまだ分類が進んでいないおすすめ研究対象なのです。

と,密かに宣伝をしておきます。
 

というわけで,奈良女子大学の実習レポート終了。

 


奈良女子大学実習④

奈良女子大学実習レポートです。

タイドプール相の比較調査の結果を,班ごとに発表していきます.

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画用紙に手書きのタイドプールのスケッチを描き,

それを元に説明してきます.

生物のスケッチの意義について,よく

「スケッチするために観察するのでなく,観察するためにスケッチする」

と説かれます.タイドプールでも同じことが言えるのかもしれません.

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みなさん,大変よく説明できており,

質問も活発に投げかけられ,大変アカデミックな雰囲気でした。

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さて,お次は畠島でのマクロベントス観察です.

遊佐先生の合図でGO。

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みんなでお弁当を持ち込んで乗船.

渡し橋から落ちないようにね!

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出港してすぐ,水クラゲの大群が出迎えてくれました.

この時期はクラゲ相の変化によって,季節の移り変わりが感じられます.

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畠島には様々な底質環境がみられます.

岩礁でのZonationの説明や,生物の乾燥耐性についてのお話.

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アマモ場の重要性と,そこに生息する生物群の解説,

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砂場をよーーーく見ると,タツナミガイDolabella auriculariaが。

見事にゴカイの巣穴に擬態しているように見えます.

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うわー!だれか間違えてタツナミガイをふんじゃったようです.

紫色の汁を出してしまい,スプラッタ状態に。

※タツナミガイはこれくらいでは死にません.

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「みんなまってー!!」

畠島はそこらのアドベンチャー施設には負けないくらい広く,

細かく見ようと思ったら一日では回り切れません。

引率の先生,お疲れ様でした.

続く.


奈良女子大学実習③

 分類学会のレポートで遅くなってしまいましたが,

奈良女子大学の実習レポートの続きです。

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前回の磯観察で採集された海藻を標本にしました.

これで海藻の知識はばっちりですね。

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ということで再び磯に出ます.

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さてさて,磯で頃合いのタイドプールを探しますよー.

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「これなんかどうかな?」

彼女たちが何をしているのか,

賢明な皆様はもうお気づきでしょう.

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そう,3月の海藻実習でも行われた,タイドプールの海藻相比較です。

大きさや深さ,海抜や海からの距離のうち,一つないし二つが異なるタイドプールを二つ選び,

その生物相を比較します.

まずはプールの計測.

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そんな様子を激写する先生を例により激写.

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測定の後はプールの水抜き。

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えっさほいさ!

大変な作業ですが,みなめげずに頑張りました。

※タイドプールの水は,その後スタッフによって元の水位に戻されました.

続く


若手分類学者の集い②

命名規約の輪読会は,主にこちらの部屋で行われていました.

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北は北海道,南は白浜(私ですね)から集った輪読戦士達です.

研究対象も,海産無脊椎動物から陸産の昆虫,アンモナイトと,現生化石問わず多様でした.

また,なんとこの間入学したばかりの学部の一年生も勉強に来ていました.

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そんな中で,異彩を放つ学生が一人.

広島大学が生んだ奇才,自見直人くんです.

ご覧ください,“No polychaeta No life”Tシャツです。

「多毛類なくして人生なし」

※多毛類…ゴカイなどを含む環形動物の仲間.体の各体節に疣足と剛毛をもつ.

この覚悟は見習わなくてはいけません。

ちなみに彼は,今月末瀬戸に来所の予定です.

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そんなこんなで内容の濃い二日間が終わりました.

終わったあとはみんなで打ち上げ。

命名規約の話や,各人の研究の話で盛り上がって,みんな仲良くなっていきます.

このあと,それぞれの場所へ帰って行きました.

さらに科博で調査予定だった私は,そのまま筑波に残りましたとさ.


若手分類学者の集い

動物分類学会が終わった直後,

若手分類学者の集い主催の,

動物命名規約の輪読会に参加してきました。

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科博からほど近い,筑波研修センターにて行われました。

実は毎年,輪読会の開催場所探しには苦労するのですが,

さすが科学の街つくばですね.研究場所には事欠かないようです.

こんな風に団体名が表記されると,なかなか風格が出てくる気がしますね。

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分類学会からそのまま参加するもの,

この勉強会のために集まったもの,

学生から研究員までさまざまな(気持ちが)若手14名が集いました。

こちらはサンプルのやりとり中.

分類学者が集うと必ずこういうことが起こります.

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JAMSTECの伊勢戸さん,東大の瀬尾さん,早稲田大の生野さん.

ここには写っておりませんが,科博の神保さんが今回の世話人を引き受けてくださいました.

感謝です。

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輪読を行うにはまず体力から。

ということで,挨拶もそこそにお食事タイムです.

研修センターは三食付きです.

安心して勉強に励めます。

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こちらが輪読会のスケジュール.

ご覧のとおり,なかなかのハードスケジュールです.

本輪読会では,全員が完全に規約が納得できるまで,

時間を忘れてあーだこーだと議論を続けるのです.

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各規約の担当者が作ったレジュメ.

それぞれが規約と格闘した汗と涙の結晶です.

これが手に入るだけでも集った価値があるというものです.

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食事と入浴後も輪読は続きます.

時には議論が白熱することもあり,

非常にアカデミックな雰囲気です.

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みんなで和気あいあいと語り合いながら,

輪読の夜は更けていきましたとさ.

続く.


日本動物分類学会⑥

さてさて,もちろん懇親会だけではありません.

分類学会では,さまざまな人が,

いろんな興味深い発表をされていました。

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功労賞を受賞された,京大の中野さんの発表.

「本州産クガビル属の一未記載種について」

彼はクガビルという研究の進んでいないグループの分類を精力的に行っていて,

いつもシンパシーを感じてしまいます.

今回は,小型のクガビルについての話を聞かせてくれました.

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琉球大学の吉田さんの発表

「沖縄県産フクロムシ属の未記載種とPeltogasterella aculcataとの比較」

うみさわ会でも話を伺いましたが,

フクロムシは形態が非常に退化的な節足動物で,

よくこんなに寄生に特化したものだと,

いつも興味をそそられる生物です.

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東京大学の広瀬雅人先生の受賞記念講演

「触手冠動物の分類学-コケムシ動物の多様な形質と生活史の記載を例として-」

コケムシ研究の歴史と,網羅的なサンプリングに基づくご自身の最新の研究についてのお話でした.

広瀬先生の妥協を許さないサンプリング活動には,いつも刺激を受けています。

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クモヒトデの発表もありました。

ロシアから藤田研究室に長期研究滞在をされていたAlexander Martynovさんの発表.

「A common undescribed species reveals developmental and batheymetric differentiation among a species complex of the genus Ophiacantha in the deep sea of Japan」

Ophiacantha属という,よく見られるクモヒトデについて,

膨大な科博のサンプルの検討に基づいて未記載種を発見したという発表です.

彼は私がクモヒトデ研究を志す前から研究を行われていますが,

毎回凄まじい数のサンプルの検討に基づいて結果を出されており,

クモヒトデへの情熱が溢れんばかりに伝わってきます.

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私も発表しました.

「Asterostegus属の分類学的再検討」

ツルクモヒトデ目の中でもレアな属の分類学的再検討です.

後半では,先日行ったクラウドファンディングの話もさせてもらいました。

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そしてなんと,先月開催されたうみさわ会のレポートもありました.

琉球大学の山崎博士の,

「うみさわ会(若手海洋生物学研究者フィールドワークショップ)の報告」

うみさわ会がなぜ始まったのか,

そしてこれからどのように活動していくのか,

笑いと感動(?)を交えて大変魅力的に発表してくださいました.

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これまで動物分類学会大会では,

前の発表者が次の発表者の座長を行っていましたが,

今年は演題が多かったため,座長を立てることとなりました.

なんと,節足動物のセッションでは,瀬戸の宮崎先生が座長をされていました!

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休憩室も用意されていました!

お昼ご飯をみんなでいただいて交流を深めます!

おや,後ろの方で...

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ピース!

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ポスター発表も大変盛況でした。

もっちーと宮崎先生も,中野先生と共同で発表をしていました。

「汎温帯性フタツメイソウミグモの謎:白浜個体群(紀伊半島)と下田個体群(伊豆半島)は同種なのか」

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研究の少ないウミグモに関する貴重な話に,

たくさんの方が興味をもたれたようです.

質問に答える宮崎先生と,弟子のもっちー.

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解説中もカメラ目線を忘れないもっちー。

九州でも,是非ウミグモの研究を続けてね。

ということで,今年も大変盛況のうちに分類学会がお開きとなりました。

来年は広島大学で開催されます.

いろんな生き物の話が聞きたい人,

珍しい生き物の話を語りたい人は,

是非ともお越しください。

最後になりますが,記念講演会を一緒に企画してくださった

国立科学博物館の神保博士,

JAMSTECの伊勢戸博士,

農業・食品産業技術総合研究機構の三田博士,

並びに講演を快くお引き受けくださった

京都大学の江頭博士,

九州大学の荒谷博士,細谷博士,

北海道大学の柁原博士

の皆さんには格別の感謝を申し上げます.



また,

今回の発表を聞いていただいた方,

ご意見をくださった方,

本当にありがとうございました。

大変勉強になりました!


日本動物分類学会⑤

学会の醍醐味は懇親会の後の二次会にアリ。

ということで,二次会のレポートです。

学会発表で知的に興奮した科学者達は,

その熱が冷めやらぬところに酒の勢いが足されるため,

二次会ともなると大いにバカ話科学談義に花を咲かせるのです。

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ほぼ店を貸切状態です。

こちらは若者席.

今後の分類学会を担う人々が,大変陽気に盛り上がっております。

いずれも愉快な奴らばかりで,

一緒に話していて笑いが絶えません.

これからもこの人たちと一緒に酒が飲めると思うと,

自分は本当に幸せ者だなあと思えるくらいです.

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そして重鎮の方々.

今の分類学会の盛況があるのは,この方々が礎を築いてくださったからこそです.

いまでも第一線で活躍されており,

お話を伺っていて本当に勉強になります.

それにしても,最近の分類学会は若手が増えてきており,

勢いを感じます.

生物学を志す学生の方々は,

是非とも一度は分類学に触れてみることをおすすめしますよ!




ところで,もっちーが瀬戸臨海を離れて二ヶ月経ちますが,

私は実は密かに気にかけていました.

この二ヶ月の間に,彼が,彼でなくなっているのではないかと...

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心配は無用でした。 


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ご覧下さいこの表情。

彼はアイドルとしての才能を,

失うどころか,磨いていました。

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 「さ,受け取り給え」

衰えるところを知らない,恐るべき才能です.

私は見くびっていました.

彼は九州でシャッターの前での立ち居振る舞いの向上に

磨きをかけていたに違いありません.

今後ももっちーの動向から目が離せません。

続く.


日本動物分類学会④

日本動物分類学会レポートの続きです。

毎年,日本動物分類学会では若手の分類学研究者に対し,

奨励賞の受賞選考を行っています.

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今回の受賞者は,東大海洋研の特任助教の広瀬雅人先生でした。

広瀬さんはコケムシを含む触手冠動物の専門家で,

日本産淡水コケムシ類の分類,

歴史的な標本群に基づく相模湾産コケムシ類の分類学的再検討,

および日本産のホウキムシ類や腕足類の分類学的研究を,

精力的に行ってきたことから,今回の受賞となりました.

おめでとうございます!

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それから,今回は特別功労賞の受賞もありました.

なんと,受賞者は同じ京大の中野隆文博士でした。

日本におけるZoobankへの命名法行為や学名などの精力的な登録を行ったことや,

それによって日本人で唯一Zoobank Editorを勤めていることから今回の受賞に繋がりました.

中野さんのHPはコチラ

おめでとうございます!

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はにかむ二人を激写.

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そして,懇親会に突入です。

ホテルの一角を借り切ってのオサレなパーティでした。

50周年記念のロゴが映えますね~.

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豪華な食事に舌鼓です。

美味しい食事と美酒で舌を滑らかにし,懇親するのです.

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社会人になったもっちーが,

お仕事で学会に来ていました。

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なんとスーツです。

会っていない二ヶ月間ですっかり大人になっていました。

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奨励賞受賞者の広瀬さんと名刺交換中.

働く男は輝いて見えますね。

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50周年記念講演会ということで,

49年前(!)の第1回大会参加者の入村先生に当時の様子を振り返っていただきました.

入村先生は,日本におけるクモヒトデ研究の大家で,

実は私が大変お世話になったLiving legend(生きる伝説)です.

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一緒に来ていた千徳博士と,瀬戸の三人でパシャリ.

こうして,久しぶりに研究仲間に会えるのも,

学会の醍醐味ですね!

続く.


日本動物分類学会③

 

さていよいよ記念講演会も終わり,

日本動物分類学会本番です。

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開催場所は,古巣の国立科学博物館つくば分館です.

なつかしい建物。

私がD3の時にこの建物に越したので半年ほどしかいなかったのですが,

いろいろと思い出がよみがえります.

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会場にはたくさんの研究者や学生が集まっていて,とても盛況でした。

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おや,なにやらみた顔が.

うみさわなメンバーもやはり集っていました。

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生き物の写真を見せ合うのも,

もはや恒例の風景でしょう.

さまざまな動物を扱う研究者が集まっているので,

珍しい生き物の写真には事欠きません。

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今年度より,分類学会会長に就任された

藤田先生(私の元指導教官)のご挨拶です.

スーツでバシっと決められています。

こんなふうにして分類学会ははじまりました。

続く


日本動物分類学会①

動物分類学会が始まりました。

まずはその記念講演会が

上野の国立科学博物館で開催されました。

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講演会開始前の様子.

研究者だけでなく,高校生を含める,たくさんの学生がご来場くださいました。

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まずは学会長の藤田先生のご挨拶.

お師匠に見られているとなると,緊張しますね。

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まずは私の発表「分類学ってどんな学問?」

私がこのような話をしてよいのか恐縮でしたが,

私がこれまで専攻してきた学問分野についての話をさせていただきました.

高校生を対象にということでしたが,

楽しくお話をさせていただきました。

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京都大学の江頭さんの発表.

 両生類の最近の分類学(+系統地理学)的な研究について,

最新の研究成果も交えてのびのびと発表していただきました。

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九州大学の荒谷先生の,クワガタムシカブトムシの分類学の生物多様性研究への応用の発表.

様々なデータから,多角的に,分類学の生物多様性保全への貢献をお話していただきました.

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そしてトリは,北大の柁原先生の,分類学の愉悦と若手の分類学者へのエールです.

昨今の分類学を取り巻く現状と,

これから,若手分類学者がどのような活動をしていけるのか,

ということに関して,ご自身の経験も踏まえた熱い講義をしていただきました.

質疑応答も,研究者だけでなく,

学生も交えて,終始非常の良い雰囲気で講演は進められました。

明日からは分類学会本番です。

アカデミックに楽しんできます。

 


東京

 明日はいよいよ日本動物分類学会記念講演会です.

最終的に,定員の120人がほぼ埋まる人数が集まりました.

学生の割合も多く,当初計画したとおりの人数構成での講演会ができそうです!

ということで...

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久々に東京に来ました。

オサレなカフェでお食事.

せっかくなので,ステーキと洒落込みました。

あとは明日を待つのみです。

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日本動物分類学会大会 50回記念講演会
「世界の動物に名前をつけよう~動物分類学への招待~」

日時 2014年6月13日(金) 18:00-20:00
場所 国立科学博物館 上野本館 日本館2階講堂
主催 日本動物分類学会
共催 国立科学博物館

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いろいろと講演の準備してきましたが,

泣いても笑っても,明日が本番です。

私は,18:00頃より,「分類学ってどんな学問?」

というタイトルでお話いたします.

ちなみに,そのあとは動物分類学会大会がつくばで開催されます.

2014年6月14日(土)〜15日(日)に,国立科学博物館筑波地区にて。

おそらく,日本でも屈指の「いろんな生き物」の話が聞ける学会かと思います.

気になった方はつくばに来ちゃえばいいじゃない。

ちなみに,私じゃこちらでも発表の予定です.

どちらも頑張ります。


奈良女子大学実習②

奈良女子大学実習第二弾です.

番所崎での観察はまだまだ続きます.

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波打ち際から...

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タイドプールから...

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波が激しく当たる岩場まで!



それぞれの環境には,それぞれに適応した海藻が分布しています.

段々と環境を変えながら観察していくことで,その変遷がよく理解できます.

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岩場の最前線に果敢に攻めいる人物が一人。

と思ったら遊佐先生でした。

学生に見せるためのウミウシを探していたそうです.

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お,遠くに見たことある人が.

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調査中の凌君でした!

遠くなので声はかけられませんでしたが,

彼は毎月大潮の際に,どんなに寒かろうと暑かろうと,

定点で貝類の調査をしています. 

※安全には十分注意した上で調査にあたっています.

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みなさん,とても真面目に先生の海藻の解説に耳を傾けています.

普段何気なく見ている岩場にも,実は驚く程多様な海藻が生息していることがよくわかります.

分類を学ぶことの一つの意義は,

こうした自然をより深く楽しめるようになるための知識を得られるところにあるのかもしれません.

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南浜からグルッと回って,北浜の洞門に帰ってきました.

お疲れ様でした。


教育利用募集

瀬戸臨海実験所は平成23年度より教育関係共同利用拠点に認定されていて,

臨海実験所を有しない全国の大学に施設を開放し,

海洋生物の自然史科学に関わる人材を育成することで,

高等教育の充実に貢献することを目的としています。実習施設と臨海実習プログラムを提供し,

共同利用に必要な基本的施設の整備,公募の実施,共同利用者の利用支援を行っています.

瀬戸臨海実験所HPより転載





ということで,




パンフレット表(提出版)

拠点利用案内のポスターが作られました。

デザインは,拠点ポスドクの河村博士によるものです.

全国の卒論生,および大学院生の皆さん,

是非とも瀬戸臨海を研究に利用してくださいね。

以上,宣伝でした.


奈良女子大学実習①

5月26-31日にかけて,奈良女子大学の実習が行われました。

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この実習でも,毎日野外に出ます.

まずは海藻実習のための事前講義です。

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そして早速フィールドにいきます。

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おや,どこに行くかと思いきや?

まずは避難経路の説明ですね.

南方熊楠記念館までいけば,想定津波到達高は免れます。

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そして改めて野外へ.

この実習では,麦わら帽子着用者が多いようですね.

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まずは海岸で説明.

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この時期は脱落した海藻が浜に打ち上がるんですね。

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引率の遊佐先生も,そんな学生の様子を撮影するため,

胴長装備です。

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海岸での実習は続きます.

春先にはヒトエグサなどの緑藻が繁茂していましたが,

ほとんど見られなくなっているなど,

海藻相の変遷が見られました.

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タイドプールに魚の群れが。

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 ぐるぐる...

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ぐるぐる...

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 ぐるぐる...

ずっと輪を作って泳いでいました.

カタクチイワシの群れだそうです.

潮の関係で取り残されてしまったようですね.

こんな珍しい現象に恵まれながら,実習が始まりました。

続く.


分類学について②

前回の記事から書く書く詐欺状態になってしまったので,

分類について,少し話を進めてみたいと思います.

今日は「学名」についてです.

話は中世ヨーロッパに遡ります.

このころ,航海技術の発達によって,

ヨーロッパに各国から多種多様な動植物が持ち込まれ,

次々に名前がつけられていきました.

当時は命名にルールがなく,動植物の名前に,

類似種と区別できる特徴を示す単語をどんどん追加していきました.

例えばオオカミは当時”Lupus“と呼ばれていましたが,

ジャッカルは”Lupus aureus“という感じです.

しかし次々に持ち込まれる生き物に同じ方法で名前を付けていくと,

名前は長くなる一方です.

例えばミツバチには,

Apis pubescens, thorace subgriseo, abdominale fusco, pedibus posticis glabris utrinque martine ciliatis

という非常に長い名前が付けられていたそうです.

こうなってくると,動物の数の増加に伴い,

生物の名前を覚えるにも一苦労で,

必然的に全体像の把握も難しくなってきます.

さらに,多くの名前にはラテン語が用いられていましたが,

他の言語による生物の名前も混在していました.

こうなってくると,生物の研究はもとより,

生物資源の利用も難しい状況に陥るのは明らかです.

そこで,全人類が簡便に共有できる

生物の名前の呼び方を考案する必要がありました.

これが「学名」です.

このような状況を受け,はたして,1758年に,

「学名」の付け方のルールや,分類法の基礎が築かれることとなりました.

では,この基礎を気付いたのは一体誰なのか? 

続く.

 


八放サンゴのセミナーが開かれました!

和歌山大学の畠島実習に同行されていた並河先生と今原先生ですが,

実は「相模湾産八放サンゴ類」の発刊のお祝いにいらっしゃっていたのでした。

本書は,相模湾で約60年にわたってヒドロ虫類を採集された昭和天皇陛下が

集められた標本と,新規に採集した標本や,欧米博物館に保管されていた相模湾産の標本に基づき,

今原先生と並河先生,そして黒潮生物研究所の岩瀬先生によって執筆されました.

単なる分類学の専門書ではなく,研究方法,必要文献などの情報も網羅されており,

また図鑑としての体裁も整った優れた一冊です.

八放サンゴ類は鮮やかな色彩の種が多く,

随所にふんだんなカラー写真として紹介されています.

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さて,せっかく刺胞動物の専門家にお越しいただいたということで,

瀬戸の海洋生物学セミナーでお話していただきました.

まずは並河先生の

「ヒドロ虫類における生殖体制の多様化」

ヒドロ虫類は刺胞動物の中でも派生的なグループと考えられているのですが,

特筆すべき特徴はその生殖様式です.

他の刺胞動物では多くが生殖細胞が内胚葉由来なのに対し,

ヒドロ中の生殖細胞は外肺葉由来で,

体の外側に生殖体を出芽させます。

この生殖体の位置は,群体や単体など,

ヒドロ虫によて異なるのだとか.

うーむ勉強になりました.

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今原先生の

「相模湾産八放サンゴ類に分類」

相模湾における八放サンゴの分類学的研究の歴史を

お話いただきました.

意外と日本人研究者が少なかったことに驚きました.

また,これまでに記載されている日本の八放サンゴ類の

1/3は相模湾から記載されているということです。

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発表後,瀬戸の先生方からも質問が止みませんでした.

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大変興味深いお話を,ありがとうございました。

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さて,セミナーの後はいよいよお祝い会です。

このために先生方は集ったのです。

瀬戸の刺胞研究者の千徳博士や久保田先生,河村博士(写真がありません...)

も一緒に参加しました。

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私は棘皮研究者ですが,古巣の博物館の並河先生(私の向い)と久しぶりにお話できる機会と思い,

参加させいていただきました。

私の隣が,本の著者の,黒詩生物研究所の岩瀬文人先生です。

出版にまつわる苦労話や笑い話に花が咲きます。

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おや,久保田先生が寝てしまいました.

お酒が入ると眠くなってしまうそうです.

久保田先生,セミナーのオーガナイズ,お疲れ様でした.

そして,この度の書籍の発刊,おめでとうございます。


2014年和歌山大学実習⑧

和歌山大学実習レポートも

ついにラストです。

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和歌山大学ではコドラートを使った実習も行います.

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コドラート調査では,このように特定の方形枠を設定し(50 cm×50 cmなど),

その枠の中にいる生物の組成を調べる方法です.

今回の実習では,潮上帯(潮が満ちても水が来ず,水しぶきだけがあたる場所),

潮間帯(普段は水の底で,干潮時に陸になる場所)

潮下帯(干潮時にだけ陸になる場所)

に分けてコドラート調査が行われました.

これにより,水深ごとの生物分布を比較します.

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デジカメで方形内を撮影.

後の情報整理に役立ちます.

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あまりに計測個体数が多い場合は,一部分の計測値をもとに,

全体の計測数を割り出す方法をとります.

なんだかクイックスを思い出しますね.

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この日は潮がよく引いていたので,

普段は渡れない塔島までわたることができました。

先端まで行くと,外洋性の生物が少しだけ見られたりします.

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現場で同定できなかったものは,

実習室へ持ち帰ってじっくり鑑定します。

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そして最後の実習,プランクトン観察。

本当はウニの発生実験も行う予定だったのですが,

なぜかムラサキウニがうまく放精放卵しなかったため,中止となってしまったのです.

時期はそんなに悪くなかったのですが,不思議ですね.

予想外のハプニングもある意味,生物を扱った実習の醍醐味です.

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プランクトン実習では,先生でもわからないような生き物が出てくることがあります.

先生と学生で頭を悩ませながら種を同定することもしばしば.

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先生お手製の篩で,実験所のすぐ裏の海水を濾してみました。

結構たくさんのプランクトンが採れたようですよ.

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そんなこんなで,野外尽くしの和歌山大学実習でした.

そろそろ実習シーズンに突入します.

この夏は学会,実習,提出期限のある論文に大忙しになりそうです.

まずは目の前の日本動物分類学会第50回大会で頑張って発表してきます!


2014年和歌山大学実習⑦

四双島でウミシダが採れたので!

ウミシダの標本作製についてお話しましょう!

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まず,クモヒトデと同様,まずは容器に入れて写真撮影です.

しかし,麻酔はご法度です.

実はウミシダでは塩化マグネシウム溶液による麻酔ができません.

無理に麻酔液に漬けると,苦しんで腕がバラバラになってしまいます.

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撮影が終わったら,クモヒトデの時と同じように,別の容器にエタノールを入れます.

写真の様子は灯油の配注ではありません.

一斗缶にエタノールが入っていて,灯油ポンプで取り出しているのです.

私の知る限り,大体の科学者が灯油ポンプでエタノールを扱っています.

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そしておもむろにウミシダを隣におきまして...

プレゼンテーション1

えい.

とひっくり返してエタノールに漬けます.

この時,しばらく上から軽く抑えてやるのがポイントです.

腕が平面上に固定され,あとで観察のしやすい良い標本になります.

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そっ…と手をのけてやると

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ウミシダ標本の完成です!

あとはクモヒトデと同様,ビニールパックに入れるなりして研究室に持ち帰り,

瓶などに入れ替えます.

ちなみに,オレンジ色のモヤモヤはエタノールに体色の構成要素が溶け出したものです.

固定後は色が変わってしまうので,その前に写真を撮っておく必要があります.

続く


2014年和歌山大学実習⑥

 四双島で見られた生物シリーズ。

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まずはこちらの岩の隙間をよーくご覧ください.

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岩の隙間にウメボシイソギンチャク Actinia equinaの集団です。

実験所周辺ではブロックなどの隙間の奥にしか分布していないため,

こんな風に簡単には観察できません.

しかし色といい形といい,梅干の名を関するにふさわしいですね.

ただ,種小名は「馬のたてがみの」とかいう意味のようです.

絶対梅干のほうがいいと思うなあ.

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四双島の醍醐味はタイドプールにありました.

何気ない態度プールのように見えますが...

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こんな風にイボヤギTubastraea coccineaやトゲトサカDendronephtyaがいたり.

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これもイボヤギでしょうか?

無藻性のサンゴと思いますが,なんだか緑色です.

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ハナヤサイサンゴ?がいたり。

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さらにはなんと,ムチヤギがいたり。

普通は波あたりが強い場所や日光が当たらない場所,

やや深い場所にいるはずの生き物がごろごろみられました.

熱い!

これはまた徒党を組んで調査に来なくてはなりません。

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こんな風に,クシクラゲもプカプカ浮いていました!

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そして島の外洋性を示すこちらのウニたち.

(ヒメ)クロナガウニEchinometra oblonga(左二個体)と,

ホンナガウニEchinometra mathaei(右一個体)です!

どちらかというと亜熱帯に生息しているウニで,

瀬戸臨海周辺でも見られるのですが,こんなに大きくありません.

黒潮が当たる温暖な四双島では十分に成長できるのかもしれません.

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ちなみに,岩の間のクロナガウニを採ってみると,こんなになっていました.

これは別に採集時のダメージでこうなったわけではありません.

おそらく岩に密着していたた部分の外殻が発達しなかったのだと思います.

体の内部の骨格が見えちゃってますが,いいんでしょうか...

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さらにコブヒトデまでいました。

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 この大きな管足!立派ですねー.

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そしてウミシダまでタイドプールに。 

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え!!ウツボまで!!?

・・・と思ったら,釣り人の釣果でした。

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軟体動物も多様でした.こちらはメクラガイDiloma suavis

海藻にたくさんが付いてました.

ずいぶん派手な色をしていて,岩陰などにはかくれないそうです

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THE アメフラシAplysia kurodai 

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クロシタナシウミウシDendrodoris arborescens

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コチラはメリベウミウシMelibe papillosaです.

この方の採餌法は変わっておりまして.

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体の前方(左側)の口をカッと広げて・・・

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ガバッと投網を投げるかの如く,目の前の海底を覆います。

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そしてゆっくりと口をすぼめて,小さな甲殻類などを食べちゃうそうです.

もしゃもしゃ.

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みんなでそんなメリベウミウシのお食事を観察.

大変有意義な四双島調査でした!

続く.


2014年和歌山大学実習⑤

 四双島に上陸しました。

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畠島のように視界を遮る山などの起伏はなく,

広めのタイドプールが点在しています.

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緑藻,褐藻,紅藻など,藻類が豊富です.

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場所によっては,このように一種類の海藻が優先していました.

これはフクロフノリです.

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決して気温は高くなかったのですが,水着になった猛者が。

何をしているのかと近づいてみると...?

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ぶくぶくぶく...

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「はい!とってきました!」

上の人に命令されていたようですね。

続く.


2014年和歌山大学実習④

和歌山大学実習レポートです。

この実習の特徴の一つは,「四双島」での磯観察です.

瀬戸臨海実験所の西方に位置するこの島は,

畠島とは違い,京大所有の島ではありませんが,

外海に面しているため,畠島や番所崎とはまた違った生物がみられます.

一年を通して,実習でこの島に渡るのは和大の実習だけなのです。

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いつもの寒さ浦の船着場でなく,

実験所の裏の北浜からの乗船.

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ワイルドに砂浜に着けた船に乗り込みます。

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出港は人力です。

技官の興田さんのパワーです。

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第一便(定員いっぱい)に乗り遅れた先生とポスドクたち.

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学生が集めたハコフグを眺めて待つとしますか...

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そうこうしているうちにすぐに船が帰ってきました。

孤島の釣り人を横目に出発。

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うっすらみえてきました。

灯台がある島が四双島です。

はたして何が待ち受けるのか?

続く.