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理学部の窓から

水戸にも,やっと春が訪れつつあります.

とはいえ,まだまだ朝晩は冷えますが.



しかし,生命活動は確実に春を迎える準備をしています.

毎度おなじみの圃場でも,実験を行うための準備がなされています.

新たな一年の始まりですね!


論説が出版されました

うみうし通信に論説が出版されました.
 

岡西政典* (2017)

クモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類の現状(2)

うみうし通信. 94: 10—12.
 

本論説は、最近激変期を迎えつつあるクモヒトデ類の系統分類についてのレビューを行ったものです.実は二部作になっており,前作(クモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類の現状(1))は,うみうし通信の前号(93号)に掲載されています.

これでシリーズ終了,のはずでしたが,ひょっとするともう少し続くかもしれません.


論文が出版されました

2016年度ギリギリに論文が発表されました.テヅルモヅルの仲間であるキヌガサモヅルをマイクロX線で観察して,分類学・形態学的に非常に有用なツールであることを提唱した,という内容です.ご興味がお有りの方は,以下よりアクセスできます(オープンアクセス)
 

Zookeys
http://zookeys.pensoft.net/articles.php?id=11413



書誌情報
Okanishi, M, Fujita, T, Maekawa, Y, Sasaki, T. (2017) Non-destructive morphological observations of the fleshy brittle star, Asteronyx loveni using micro-computed tomography (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida). Zookeys. 663: 1-19.



また,本研究は,国内初の学術系クラウドファンディングサイトであるacademistからのご支援の一部を元に得られた初の論文成果ということで,茨城大学をはじめとする各所でプレスリリースされることとなりました.



academistを通じてご支援いただいた皆様,本当にありがとうございました.academist資金を快く受け入れてくださった京都大学の皆様,プレスリリースしてくださった茨城大学の皆様,そしてacademistの皆様,特に一番最初の挑戦を薦めてくださった柴藤さん,ありがとうございました.



academistの支援成果としてはまだまだ一部です.今後の更なる成果にご期待いただければと思います.

以下,プレスリリースです.



茨城大学
http://www.ibaraki.ac.jp/news/2017/03/280911.html

Euekalert!
https://www.eurekalert.org/pub_rel…/2017-03/pp-tfc032717.php


理学部の窓から⑨

寒いですね.

今日は朝から降っていた雨が,昼前にみぞれ交じりとなっていました.

恐ろしや.

 

全然みぞれ感が伝わりませんね(笑)

しかしこれが過ぎて春が来れば,この圃場にも芽生えが訪れる事でしょう.


MEGAによる最尤法系統樹推定

MEGAは視覚的にわかりやすいGUI形式ですので,

特に解説は必要ないと思いますが,備忘録的に.



アライメントした配列を用意します.COI配列です.

Data→Phylogenetic Analysisを選択.



アミノ酸のコーディング領域かどうかを聞かれます.

今回はCOIなのでYesです.



うまくいけばこのようなウィンドウが表示されます.

MEGAの基本ウィンドウ(ここではMEGA 6.06(6140226))でPhylogeny→Construct/Test Maximum Likelihood Tree…を選択.



ここで解析のパラメーターを設定します.



Phylogeny Test :どのように系統を検定するかです.各枝の信頼性が得たい場合はここでBootstrap Methodを選択しましょう.

No. of Bootstrap Replications:Bootstrap検定を何回行うかです.100回でも構いませんが,1000回くらいはしたほうが無難です.2-3000回やってる論文もたまに見かけます.

Substitution Type:塩基(Nucleotide)かアミノ酸(Amino Acid)が選べます.選べないと困ります.

Model/Method:塩基(アミノ酸)置換モデルが選べます.

Rates among Sites:座位ごとの置換の頻度の違いを,ガンマ分布に基づいて分類するか否かを設定できます.

No of Discrete Gamma Categories:ガンマカテゴリ数を設定できます.

Gaps/Missing Data Treatment:ギャップの扱いの設定です.Complete deletionとすると,一つでもギャップがあるサイト(列)を解析からのぞけます.

ML Heuristic Method:最尤法系統樹の探索方法を選べます.系統樹探索方法についてはまたどこかで書くかもしれませんが,局所解がたくさんあるようなデータセットだと,ここでの方法選びは結構重要だと思います.いくつか試してみても良いかもしれません.

Initial Tree for ML:系統樹探索を行う際の,最初の出発点の系統樹の作成法を選びます.上記した通り,これも結構重要だと思います.デフォルトのNJでも問題はないと思いますが,もし既にそれらしい系統樹があるのであれば,それを設定する事もできます.

Blanch Swap Filter:系統樹探索の際の枝の入れ替えの大胆さを決めます.Strongにすると枝長の入れ替えがより消極的になり,解析時間は短くなりますが,考慮する系統樹は少なくなります.よりWeakにすると,枝長の入れ替えが大胆になり,解析時間は長くなりますが,考慮する系統樹が多くなるようです.



パラメーター設定が終わったら,Computeをクリックして解析開始です.

Progressが100%になるまで,気長に待ちましょう.



解析が終わると,このようにTree Explorerに系統樹が表示されます.

各枝の上にブートストラップ確率(2桁の整数)と枝の下に枝長(有理数)が示されています.



このExplorerで色々系統樹をいじれます.例えば特定の枝を選択して,左上のコマンドの中からPlace root on Branchを選ぶと



外群を指定できます.



他にもCompress/Expand Subtreeで,枝を一つにまとめたり,



Fit Tree to Screenで,ウィンドウ内に系統を収めたり,



Flip Subtreeで枝の上下を入れ替えたりできます.

良い時代になりました.



この他にもたくさんのコマンドがありますが,感覚的に理解できると思いますので,いろいろ試してみてください.



今日はここまで.


卒業式

の季節ですね.

茨城大学でも本日,勉学を修めた若人が巣立っていきました.

茨大では半分以上が院に進みますが,岡西研では全員が卒業です.



式後に研究室に来た大江君とパシャリ.

一年間,クモヒトデを研究してくれて,ありがとうございました.

東京へ行っても元気でね!



がらんとした研究室を見ているとなんだか感傷的になってしまいますが,

また新入生が参入してくる四月は目の前です.



新たな日々に向けて,頑張りましょう!


iqtreeによる最尤法系統樹推定

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

iq treeは,パーティション分けが可能な最尤法系統樹推定ソフトです.

コマンドプロンプト対応で非常に使い勝手が良く,しかも解析速度がべらぼうに速いのが特徴です.

RAxMLがコマンドプロンプトに対応した今,やり方自体はRAxMLとほぼ同じです.
 

塩基配列データ作成(MEGA, SeaVeiwなど)
  • 事前準備として解析用フォルダをつくりましょう(iqとします).

アライメントソフトでの作業

  • アライメントを行ったセッションを.phy形式で出力する(iq.phyとしましょう).
  • パーティション分けとそれぞれのモデル指定のファイルを作る(iq.nexとしましょう).以下は例と解説(赤字)です.

#nexus

begin sets;

このコマンドで読み込みを開始します.

 

charset part1 = 1-430 431-1940\3 432-1940\3;

charset part2 = 433-1940\3;

charset part3 = 1941-2889;

ここで,モデルごとのパーティション分けを指定します.

ハイフンでつないだ配列が一つの領域で,それぞれをスペースで分けます.

アミノ酸指定領域の場合は,”日本円マーク”か”\”で各コドンをします.

ここでは,431番目から始まるアミノ酸指定の第一コドンと第二コドンは同じパーティションですが,

第三コドンは違うパーティションとしています.

 

charpartition mine = GTR+I+G:part1, TN93+I+G:part2, K2P+G: part3;

ここで,各パーティションごとのモデルを指定します.

よくモデルテストで見る形式をそのまま入力すればよいので楽です.

主な塩基置換モデルのリストはコチラ

 

end;

おしまい.


iqtreeを走らせる(コマンドプロンプト,iqtree)
  • 事前準備として,iqフォルダにiqtreeからDLしたiqtree.exeとiqtree-click.exeを入れておきます.

コマンドプロンプトでの作業

  • コマンドプロンプトを立ち上げ,iqフォルダまでのパスを通します.
  • iqtreeを走らせるためのコマンドを入力します.以下,例とコマンドの解説(赤字)です.

iqtree -s iq.phy -spp iq.nex -m TEST -bb 1000

“-s”で配列ファイルの読み込みを行います.

“-spp”でパーティション分けファイルの読み込み,

“-m” で検定方法を指定,

“-bb”でブートストラップ検定とその回数の指定を行います.


 

  • 解析が終わったら,iqフォルダ内に解析のログファイルや,系統樹ファイルiq.phy.treefileが生成されるはずです.
  • 参考までに,iqtreeでは他にも様々なコマンドがあります.コチラをご参照ください.

 

今日はここまで.


Expanded Bayesian Skyline Protによる集団の遷移年代推定

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

細かいコマンドは勉強中です.こちらもいろいろ教えてください.

 

塩基配列データ作成(MEGA, BEAUti)

MEGAでの作業

  • 解析用フォルダを作る(Skyとしましょう).
  • 解析したい内群について,MEGAでアライメントを行ったセッションをfasファイルで出力する(Sky.fasとしましょう).
各種パラメータ設定(BEAUti)

BEAUtiでの作業

  • File→Import AlinmentでSky.fasを読み込む.Partitionタブでアライメントセッションファイルの名前が確認できればOK.

  • Site ModelタブのSubst Modelでモデルを設定する.

  • Clock Timeタブで,特にこだわりが無ければ”Strict Clock”を選び,Clock rateに塩基置換レートを入力する.例えば,1.25%/100万年であれば,0.0125と入力.

  • PriorsタブでTree.t: EBSP(アライメントのセッション名)から”Coalescent Extended Bayesian Skyline”を選ぶ.

  • Tree.t: EBSPの左の▶をクリックし,Population modelの横の鉛筆をクリックし,Factorを入力する.母系遺伝のミトコンドリアは.0.5と入力するのが良いようです.

  • MCMCタブのChain lengthで,MCMC連鎖の数を設定する.デフォルトは10,000,000ですが,多分30,000,000位はやったほうがよさそうです.この後のTracerで結果を見ながら,この値を調整するとよいでしょう.

  • Fileの並びのメニューのVeiwタブから,Show Operators panelを選ぶ.

  • もし複数の遺伝子データを使う場合は,Operatorsタブで,Bit Flip…, Sample off…, Scale…の値をそれぞれの数×30, 15, 15にするとよいようです.今回はデフォルトですが,もし二つの遺伝子を使う場合は60, 30, 30にするとよいでしょう.
  • これで準備OKです.File→Saveでxmlファイルを保存しましょう(Sky.xmlとしましょう).
MCMCによる解析(BEAST)

BEASTでの作業

  • BEASTを立ち上げ,Choose FileでSky.xmlを選ぶ.後はデフォルトでOKです.Runをクリックして解析を始めましょう.

  • 上手くいけば,カリカリ解析が始まるはずです.苦労したファイルが走るのを見るとなんか感動しますよね.
  • 解析が終了して,SkyフォルダにSky.logとEBSP.logが生成されればOKです.
集団推移の可視化(Tracer, R)

Tracerでの作業

  • Tracerを立ち上げ,Import Trace FileでSky.logを選ぶと,ファイルが読み込まれて,Traces:のところにlogの解析データが出力されます.

  • このうち,ESSの値が重要なようで,これが200以下の項目がある場合はMCMCの連鎖回数を増やすとよいでしょう.

  • 一番下のsum(indicators.alltrees)をクリックし,右側のEstimatesのタブをクリックすると,ヒストグラムが表示されます.

  • Rを立ち上げ,Skyフォルダ内に移動し,以下のように入力すれば,少し計算時間があった後,集団の遷移図がプロットされます.

> source (“plotEBSP.R”)

> plotEBSP(“EBSP.log”, useHPD=FALSE, log=”y”)

 

  • でました.横軸が年代(百万年)で,縦軸が集団サイズです.左が現在ですので,この集団はごく最近に少しだけ集団サイズの減少を経験しているようです.
  • x軸の表示範囲を調整するには,Rに以下のように(0~0.03の範囲で表示する場合)入力します.

> plotEBSP(“EBSP.log”, useHPD=FALSE, xlim=c(0, 0.03))

今日はここまで.