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講演をします(9/22[土])

9/22に講演をします.以下詳細です.

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公益財団法人水産無脊椎研究所
財団設立30執念記念シンポジウム
「サンゴとサンゴ礁の生き物たち」

【日 時】2018年9月22日(土)13時30分~16時30分
【参加費】無料

【定 員】300名(定員に達した時点で締め切ります)
【会 場】東京大学農学部弥生講堂 一条ホール
東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/yayoi/map.html

【講演者】
基調講演
「サンゴの常識・非常識」
山城 秀之(琉球大学 瀬底研究施設)

講演
「サンゴ礁性魚類とウミクワガタ類の相互関係」
太田 悠造(鳥取県立山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館)

「サンゴ礁とその周辺に生息するクモヒトデ類」
岡西 政典(東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所)

「サンゴ礁域の隠れ上手な魚類たち」
片山 英里(公益財団法人水産無脊椎動物研究所)

「奄美のサンゴ群集とその周辺で見られる多様な生き物たち」
藤井 琢磨(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室)
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事前申し込み制(高校生以上)です.参加方法は以下のHPをご参照ください.
http://www.rimi.or.jp/event/symposium30th/

身に余る大役を仰せつかってしまいましたが,

クモヒトデを宣伝するチャンスと思って頑張ります.


論文が出版されました⑥

論文が出版されました.

沖縄県の海底洞窟から見つかったクモヒトデの新種を記載したという論文です.

残念ながら(?)海底洞窟だけではなく,付近の海底環境からも見つかっているので,

海底洞窟環境の固有種というわけではありませんが,

沖縄からもまだまだ新種が見つかる事に驚きました.



棍棒状の触手鱗を持つ事にちなみ,Ophioconis claviculataと名付けました.

Okanishi, M*,  Fujita, Y. (2018b) “A new species of Ophioconis (Echinodermata: Ophiuroidea) from Ryukyu Islands, southwestern Japan”. Proceedings of the Biological Society of Washington. 131(1): 163—174.

Linkはコチラ

ちなみに,今回論文を掲載してもらったPBSWは,

伝統のある分類系の雑誌で, 憧れがあったので,素直にうれしいです.


第16回国際棘皮動物学会議

2018年5月27日~6月1日まで名古屋で開催された

第16回国際棘皮動物学会議の後,三崎でエクスカーションが開催されました.

世界の棘皮研究者が,三崎に集いました!

美しい夕日がお出迎え.ん,誰かが泳いでいる?

実験所下の荒井浜での採集.

調査船に乗って深海生物採集.

採れた生物が,エキスパートによって解析されていきます.

手際よくウニを観察するドイツの研究者.

巨大なウニに驚くウニ研究者

最後は技術職員のKさんと一緒にパシャリ.

三崎の技術職員は採集人と呼ばれていますが,

皆,その採集スキルの高さと生物の知識に舌を巻いていたようです.

三崎のお好み焼き屋で打ち上げ.

皆さん,お好み焼きともんじゃ焼きを堪能されたようでした.

最後に,参加者の一人のロシア人から,チョコをもらいました.

かなりがっつり塩が入っている変わった味でしたが,

まさに塩スイーツで,なかなか美味でした!



今回は参加者だけでなく,

我々にとっても実りあるエクスカーションでした.

我々が普通だと思っていた種が,実は別種の可能性があったり,

新種だよこれ,と言われたり...



それから,限られた時間で最大限にデータを持って帰ろうとする,

海外研究者の姿勢にも感銘を受けました.



次の国際会議はカナリア諸島です.

その時までには,いろいろ形になっているといいな.


Ophiodaphne formata (Koehler, 1905)(ダキクモヒトデ)

ダキクモヒトデ

Ophiodaphne formata (Koehler, 1905)

写真:@相模湾

撮影:幸塚久典

顕著な性的二型を示し,

雌の盤の口側に小さな押忍がしがみつくことが多い.

スカシカシパンなどの不正形ウニ類の体の上で生活する例が多い.


Ophiura calyptolepis H. L. Clark, 1911(ギョリンクシノハクモヒトデ)

Ophiura calyptoplepis H. L. Clark, 1911

ギョリンクシノハクモヒトデ*

(新称:「覆う」という意味の接頭語”calypto”と「鱗」という意味の”lepis“にちなんだ)

写真:@相模湾

撮影:幸塚久典


論文が出版されました➄

論文が出版されました.

腕の先っちょだけが分岐する,サキワレテヅルモヅル属(Astroclon)という珍しい属の分子系統解析を行ったところ,同科の他のいかなるグループとも遠縁であることが分かりました.また,主要な近縁種の形態観察から,これまでに注目されてこなかった形態によっても他の属と区別できるため,本属は独立した亜科とする事が妥当,と結論し,新亜科Astrocloninaeを記載しました.
 

Okanishi, M*,  Fujita, T. (2018)

“Description of a New Subfamily, Astrocloninae (Ophiuroidea: Euryalida: Gorgonocephalidae), Based on Molecular Phylogeny and Morphological Observations”.

Zoological Science. 35(2): 179—187.
 

Linkはコチラ

 

本研究で扱ったサキワレテヅルモヅルは,以前マイナビニュースで取り上げてもらった「分類学者が選ぶ! 好きなテヅルモヅ ルベスト3」の2位にランクインさせてもらったグループです.変わった腕の分岐パターンだけでなく,体が非常に頑健な骨片に囲まれている事もポイントです.
 

https://news.mynavi.jp/article/scientist_best3-3/



さらに,サキワレテヅルモヅル属の中の奇種中の奇種(といっても2種しかいない),イボサキワレテヅルモヅル(Astroclon suensoni)が,Zoological Scienceの表紙に選ばれました!好きなモヅルを論文にできて,しかも表紙に載せてあげることができてうれしいです.博士からの研究の続きではありますが,これでツルクモヒトデ目の系統に関する研究は一旦区切りになるかもしれません.今後は,テヅルモヅルのもっとディープな部分を掘り下げていきたいと思っています.

今後も,益々研究に励んで参ります.



イボサキワレテヅルモヅル(2014/1撮影

@串本海中公園)


論文が出版されました④

論文が出版されました.
 

日本の深海に生息するキヌガサモヅル(Asteronyx loveni)のDNA解析を行い,その中に新種を発見したという内容です.本種は世界的な分布域を持つ種と言われていますが,今回の結果から,実際に複数種が含まれている可能性が示唆されました.今後は,世界中のキヌガサモヅルの標本を解析することで,本種の正確な分布域を把握したいと思っています.以下,書誌情報です.
 

Okanishi, M*, Sentoku, A, Martynov, A, Fujita, T. (2018)

“A new cryptic species of Asteronyx Müller and Troschel, 1842 (Echinodermata: Ophiuroidea), based on molecular phylogeny and morphology, from off Pacific Coast of Japan”.

Zoologischer Anzeiger. 274: 14—33. 
 

本研究は,クラウドファンディングサイト”academist”を通じて得た資金で行われました.academistにチャレンジしてから丸四年が経ちましたが,やっと皆様に報いることができました.一部の方は論文の謝辞に加えましたが,暖かい支援の言葉を頂いた皆様に,心より感謝申し上げます.ちなみに,掲載された雑誌Zoologischer Anzeigerは,昔から憧れのある雑誌だったので,論文を載せることができて,とてもうれしいです.
 

今後も,益々研究に励んで参りたいと思います.


論文が出版されました③

論文が出版されました.



テヅルモヅル類の1属のAstrodendrumに着目し,

そのうちの3種のタイプ標本を含む14個体のAstrodendrumを観察しました.

その結果,既知5種が従来通りに分類できることを確かめ,

観察した標本のうち11個体は新種であることを認め,

これをAstrodendrum spinulosumとして記載しました.



 

書誌情報

Okanishi, M*, Fujita, T. (2018)

A taxonomic review of the genus Astrodendrum (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida, Gorgonocephalidae) with description of a new species from Japan.

Zootaxa. 4392(2): 289—310.

LINK



 

また,新種の11個体のうち,7個体は昭和天皇御採集のものです.



今回の成果は東大からプレスリリースされており,

いくつかのメディアでも取り上げられております.



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180309-00000017-jij-soci



ただ,ニュースのコメント欄を見ると,

やや誤解されている部分あるようですので,

以下のように説明を追加いたします.



・陛下が御採集されたのは,1930-1935, 1950-1958年の間で,

決して戦時中にご採集はなされておりません.



・陛下は今回新種として扱われた標本の一部をご採集されましたが,

発見(記載)した,というわけではありません.



私の説明不足で混乱を招いてしまいましたことを

この場でお詫びいたします.


論文が出版されました②

共著論文が出版されました.

1960年代にインド洋から採集されたツルクモヒトデ目のリストです.

3新種を含む,14種を記載しました. 

書誌情報

Baker AN, Okanishi, M, Pawson, DL*. (2018) Euryalid brittle stars from the International Indian Ocean Expedition 1963–64
(Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalida).  Zootaxa. 4392(1): 1—27.

LINK (オープンアクセスです)



第一著者のAlan N Baker 博士は,

去年の10月にルー・ゲーリック病を患って逝去されました.

 

本論文は,まさしく博士の遺稿となります.

そんな論文に関われて光栄に思うと同時に,博士のご冥福を改めてお祈りいたします.

 


棘皮動物の体軸について

東京大学では先日,修士論文の発表会が終わりました.

その後教職員の懇親会に参加させていただき,東大に帰って来たんだなあと密かに実感していました.

今回は三崎からのも発表者がいましたが,そのいずれも棘皮動物を扱っており,何度も発表練習を聞きました.



その中で何度か話題に上がったのが,棘皮動物の体の方向性を表す言葉です.



棘皮動物は,体が五放射(星形)なので,「前後軸」がちょっとわかりにくいです.

例えば,普段見るウニやヒトデには,「前後」はあるのでしょうか?そして「背腹」は?

一つ明確なのは,ヒトデやウニ,クモヒトデでは,いつも地面に向けている方と,その反対側は体の作りが大きく異なり,

ほとんどの種では地面に口を向け,その反対側に肛門があります.

この体制の事を,「背腹」と呼ぶか,「口・反口」と呼ぶか,というところで問題が生じます.



この原因の一つがナマコの存在です.

ナマコは,体の進む方向に口,反対側に肛門があります(ほぼ固着生活を送るものもいますが).

さらに,その前後軸に対して,多くの種が明確な背腹を持ちます.



従って,例えばウニ,ヒトデ,クモヒトデで「背腹」(肛門と口)を使うと,

これはナマコの「背腹」とは違ったものを指してしまうことになります.

従って,私は,これらの生き物の体制を指す時には「口・反口」を使うようにしています.



ウミユリ綱(ウミシダを含む)は,地面と反対側に,口と肛門を両方もちます.

ですので,実はウミユリ類では,ウニやヒトデとは地面と口の向きの関係が逆になっています.

ただこの場合も「口・反口」が使えるでしょう.



しかし何事にも例外は存在し,

ウニにもナマコのように,前後軸や背腹が存在する不正形ウニ類(ブンブク・カシパンなど)も存在します.

これらも含め,棘皮動物の体制の呼称をどうするかについては,未だに研究者間でも統一がみられません.


論文が出版されました

2018年早々に論文が出版されました.琉球諸島の4つの海底洞窟から,クモヒトデの2新種を発見した,という論文です.
 

海底洞窟内部には,低塩分,低光量の特殊なアンキアラインと呼ばれる環境を形成することがあり,

今回発見した新種のうち,Ophiozonella cavernalisは,そのような環境固有の種と思われます.
 

また,このような環境に生息する種の発見は世界で二例目で,日本を含むインド―太平洋海域から初報告となります.



書誌情報

Okanishi, M*, Fujita, Y. (2018) First finding of anchialine and submarine cave dwelling brittle stars from the Pacific Ocean, with descriptions of new species of Ophiolepis and Ophiozonella (Echinodermata: Ophiuroidea: Amphilepidida).  Zootaxa. 4377: 1—20.

LINK (オープンアクセスではありません)



ちなみに私にとっては,初のテヅルモヅル以外のクモヒトデの記載論文となります.これを機に,色んなクモヒトデに目を向けていければいいなと思っております.

 


化石拾い

先日採集した,化石を含む砂部層の処理です.

よーく乾燥させた土を水に付けて,泥に戻します.
そして,篩で微小な砂を除きます.

この作業は,船上でお手のものですね.

こちらが篩の残渣です.

乾燥させると,貝などが良く分かります.

これ,全部化石です!

容器にまとめるとこれくらい.

これを少しずつスプーンですくっては...

顕微鏡で見ていきます.

主な目的は,棘皮動物の骨片です!

コケムシやサンゴ,腕足動物なども混じっているので,

気づいたら拾って,種類ごとに分けていきます.

一日10掬いでも,2-3カ月かかりそう...

でも,いいものも入っていそうです!


化石調査に行ってきました.


先日,化石を掘りに行ってまいりました.

前々から教えていただいていた,ツルクモヒトデの化石が出る場所です.

初めての化石堀です.

現場は,苔の生えた土肌でした.

よく見ると,貝などが埋まっています.

この苔は,後々篩別の際に邪魔になるので,まずはハンマーでがりがり削ってこそぎ落とします.

綺麗な土肌が出てきました!

後はたがねとハンマーを使って,土の塊を採ります!

こんな感じで,ボコッと塊が採れるのです.

後はこれをひたすらビニールに入れていきます.

スケールはこんな感じ.結構簡単に採れるので,なかなか楽しめました.

後は乾燥させて,水に入れ,サラサラの砂に戻した後に篩うそうです.

ただいま乾燥中.さて,目的のものは採れるでしょうか.

恐らく,これが年内最後の調査になりそうです.


Dr. Alan Noel Baker

2017年10月13日に,ニュージーランド在住のAlan Noel Baker 博士が,闘病生活の末亡くなりました.77歳でした.博士はニュージーランド自然史博物館に勤められながら40年(1965-2003)の研究キャリアの中で,ウミシダ類を除く現生棘皮動物に関する,約25報の論文を著しました.これらの著作のうち初期のものでは,多くの新属や新種,新記録の報告を行っており,そのほとんどがニュージーランドとオーストラリアを中心とするものです.

彼はキャリアの半ばに差し掛かると,クモヒトデ類にその興味を傾倒させるようになります.特に1970年代後半から1980年にかけて,博士は南西太平洋産のクモヒトデ類に関する研究を精力的に進め,24以上の新分類群の設立を含む,94種のクモヒトデを報告しています.これらの多くには,博士の”pen-and-ink”による美麗なスケッチが与えられ,各種の分類学的な特徴が非常によく表されています.

中でも1980年に博士が出版された「ニュージーランド・オーストラリア・南西太平洋のツルクモヒトデ目について」と銘打たれた論文は,2007年に私がツルクモヒトデ目の研究を始めるにあたって,何度も参考にsました.情報の少ない本目の研究の良例が30年前に示されていたことは,私にとって非常にありがたい事でした.

そして1986年に,博士は,Frank Rowe 博士(オーストラリア博物館),Helen Clark 博士(ニュージーランド自然史博物館)と共に,「シャリンヒトデ綱」を新しく記載されました.これは深海の沈木の上に生息する小さなヒトデに似た動物ですが,その形態的な特徴が他のいかなる棘皮動物の綱とも異なります.高次分類についてはある程度の決着がつけられている棘皮動物の中での新綱の記載は非常にセンセーショナルで,この論文は有名な科学誌natureに出版されました.

その後,このシャリンヒトデ綱の所属については,様々な研究者による検討がなされてきましたが,記載から30年後,現在のDNA解析などによって,ヒトデ綱の独立した一科という結論に落ち着いています.

博士は,棘皮動物の研究の後には鯨類の研究にも打ち込まれていたようで,海洋生物に対する造形の深さが伺えます.

残念ながら私は博士にお会いしたことはありません.しかし,彼の旅立ちの三ヶ月ほど前に,メールのやり取りをしました.既に闘病生活に入られていましたが,彼の文面から伝わる優しさや誠実さは,私がその著作から感じ取ったそのものでした.生前の博士とやり取りができた事を光栄に思います.

ご冥福をお祈りいたします.