Skip to content

講演します

平成29年度自然史学会連合の公開講座で講演をいたします.

詳細は以下の通りです.
 

平成29年度 自然史学会連合 公開講座
海の今昔を深~~く探る。
 
開催期日: 2017 年 11 月 4 日(土)
会 場: アクアマリン福島

(福島県いわき市小名浜字辰巳町50)

 

アクセス: http://www.aquamarine.or.jp/info/access.html
※事前申し込みなどは不要です。ただし、アクアマリンふくしまの入館料が必要です。
 
講演会内容
 

自然史学会連合では、ひろく自然史学の普及を目的とした講演会を毎年開催しております。初めて水族館で開催する今回の講演会では、海をテーマに、いわき市で見つかったフタバスズキリュウ、生きた化石のシーラカンス、不思議な生き物テヅルモヅル、そして水の中のDNAに関する最新の研究成果を分かりやすく紹介します。
 
会場:マリンシアター
 

13:00-13:10 開会のあいさつ
安部義孝館長(ふくしま海洋科学館)
 
13:10-13:40 ザ・シーラカンス –アクアマリンふくしまの調査−
岩田雅光(ふくしま海洋科学館)
13:40-13:50 休憩
 
13:50-14:20 恐竜時代の海の中~フタバスズキリュウの世界
佐藤たまき(東京学芸大学)
14:20-14:30 休憩
 
14:30-14:50 謎の深海生物テヅルモヅルを分類する-現在になってわかること-
岡西政典(東京大学三崎臨海実験所)
14:50-15:00 休憩
 
15:00-15:30 バケツ一杯の水で棲んでいる魚がわかる技術
:環境DNAメタバーコーディング
宮 正樹(千葉県立中央博物館)
 
15:30-15:50 質問コーナー
15:50-16:00 自然史学会連合からお礼のご挨拶
 

もしアクアマリンふくしまにお出かけをお考えの方は,

是非お立ち寄りください.


ありがとうございました

ちょっと投稿の順番が変わりますが…

9月をもって,茨城大学を去りました.
 

茨城大学での2年間は本当に濃厚で,

振り返ってみると,楽しい思い出しかありません.
 

研究に教育に打ち込める環境を与えてくださった茨城大学には,

感謝の気持ちしかありません.
 

この2年間の事を,私は一生忘れる事はないでしょう.

本当にありがとうございました.



引っ越しの荷物.

廊下を埋め尽くすばかりのものがあったのですね.
 

引っ越す直前の研究室.

2年間,ありがとう.


 

越してきたばかりの頃を思い出します.



お世話になった学生,先生と.



謎のアーチを作ってもらいました(笑)

本当にありがとう!

皆も元気で!

 


異動しました

最近全く更新しておりませんでしたが,生きています.

ちゃんと調査や研究に,忙しくしておりました.

沖縄で潜ったり,船で沖ノ鳥島までいったりと,いろいろありましたが,

最近で一番大きな出来事は,所属が変わった事です.
 

実は10月1日を持って,東京大学の三崎臨海実験所に異動することとなりました.

もうこちらに来て10日経ち,やっと落ち着いてきたところです.
 

こちらでは特任助教として,三崎の実習教育や研究に携わっていく予定です.

皆さん,神奈川にお立ち寄りの際には,是非三崎にも足をお伸ばし下さい.

自宅近くの漁港の風景です.

また海の近くに帰ってきたのだと実感します.

また,近況などを定期的に更新していきます!


理学部の窓から

水戸にも,やっと春が訪れつつあります.

とはいえ,まだまだ朝晩は冷えますが.



しかし,生命活動は確実に春を迎える準備をしています.

毎度おなじみの圃場でも,実験を行うための準備がなされています.

新たな一年の始まりですね!


論説が出版されました

うみうし通信に論説が出版されました.
 

岡西政典* (2017)

クモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類の現状(2)

うみうし通信. 94: 10—12.
 

本論説は、最近激変期を迎えつつあるクモヒトデ類の系統分類についてのレビューを行ったものです.実は二部作になっており,前作(クモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類の現状(1))は,うみうし通信の前号(93号)に掲載されています.

これでシリーズ終了,のはずでしたが,ひょっとするともう少し続くかもしれません.


論文が出版されました

2016年度ギリギリに論文が発表されました.テヅルモヅルの仲間であるキヌガサモヅルをマイクロX線で観察して,分類学・形態学的に非常に有用なツールであることを提唱した,という内容です.ご興味がお有りの方は,以下よりアクセスできます(オープンアクセス)
 

Zookeys
http://zookeys.pensoft.net/articles.php?id=11413



書誌情報
Okanishi, M, Fujita, T, Maekawa, Y, Sasaki, T. (2017) Non-destructive morphological observations of the fleshy brittle star, Asteronyx loveni using micro-computed tomography (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida). Zookeys. 663: 1-19.



また,本研究は,国内初の学術系クラウドファンディングサイトであるacademistからのご支援の一部を元に得られた初の論文成果ということで,茨城大学をはじめとする各所でプレスリリースされることとなりました.



academistを通じてご支援いただいた皆様,本当にありがとうございました.academist資金を快く受け入れてくださった京都大学の皆様,プレスリリースしてくださった茨城大学の皆様,そしてacademistの皆様,特に一番最初の挑戦を薦めてくださった柴藤さん,ありがとうございました.



academistの支援成果としてはまだまだ一部です.今後の更なる成果にご期待いただければと思います.

以下,プレスリリースです.



茨城大学
http://www.ibaraki.ac.jp/news/2017/03/280911.html

Euekalert!
https://www.eurekalert.org/pub_rel…/2017-03/pp-tfc032717.php


理学部の窓から⑨

寒いですね.

今日は朝から降っていた雨が,昼前にみぞれ交じりとなっていました.

恐ろしや.

 

全然みぞれ感が伝わりませんね(笑)

しかしこれが過ぎて春が来れば,この圃場にも芽生えが訪れる事でしょう.


MEGAによる最尤法系統樹推定

MEGAは視覚的にわかりやすいGUI形式ですので,

特に解説は必要ないと思いますが,備忘録的に.



アライメントした配列を用意します.COI配列です.

Data→Phylogenetic Analysisを選択.



アミノ酸のコーディング領域かどうかを聞かれます.

今回はCOIなのでYesです.



うまくいけばこのようなウィンドウが表示されます.

MEGAの基本ウィンドウ(ここではMEGA 6.06(6140226))でPhylogeny→Construct/Test Maximum Likelihood Tree…を選択.



ここで解析のパラメーターを設定します.



Phylogeny Test :どのように系統を検定するかです.各枝の信頼性が得たい場合はここでBootstrap Methodを選択しましょう.

No. of Bootstrap Replications:Bootstrap検定を何回行うかです.100回でも構いませんが,1000回くらいはしたほうが無難です.2-3000回やってる論文もたまに見かけます.

Substitution Type:塩基(Nucleotide)かアミノ酸(Amino Acid)が選べます.選べないと困ります.

Model/Method:塩基(アミノ酸)置換モデルが選べます.

Rates among Sites:座位ごとの置換の頻度の違いを,ガンマ分布に基づいて分類するか否かを設定できます.

No of Discrete Gamma Categories:ガンマカテゴリ数を設定できます.

Gaps/Missing Data Treatment:ギャップの扱いの設定です.Complete deletionとすると,一つでもギャップがあるサイト(列)を解析からのぞけます.

ML Heuristic Method:最尤法系統樹の探索方法を選べます.系統樹探索方法についてはまたどこかで書くかもしれませんが,局所解がたくさんあるようなデータセットだと,ここでの方法選びは結構重要だと思います.いくつか試してみても良いかもしれません.

Initial Tree for ML:系統樹探索を行う際の,最初の出発点の系統樹の作成法を選びます.上記した通り,これも結構重要だと思います.デフォルトのNJでも問題はないと思いますが,もし既にそれらしい系統樹があるのであれば,それを設定する事もできます.

Blanch Swap Filter:系統樹探索の際の枝の入れ替えの大胆さを決めます.Strongにすると枝長の入れ替えがより消極的になり,解析時間は短くなりますが,考慮する系統樹は少なくなります.よりWeakにすると,枝長の入れ替えが大胆になり,解析時間は長くなりますが,考慮する系統樹が多くなるようです.



パラメーター設定が終わったら,Computeをクリックして解析開始です.

Progressが100%になるまで,気長に待ちましょう.



解析が終わると,このようにTree Explorerに系統樹が表示されます.

各枝の上にブートストラップ確率(2桁の整数)と枝の下に枝長(有理数)が示されています.



このExplorerで色々系統樹をいじれます.例えば特定の枝を選択して,左上のコマンドの中からPlace root on Branchを選ぶと



外群を指定できます.



他にもCompress/Expand Subtreeで,枝を一つにまとめたり,



Fit Tree to Screenで,ウィンドウ内に系統を収めたり,



Flip Subtreeで枝の上下を入れ替えたりできます.

良い時代になりました.



この他にもたくさんのコマンドがありますが,感覚的に理解できると思いますので,いろいろ試してみてください.



今日はここまで.


卒業式

の季節ですね.

茨城大学でも本日,勉学を修めた若人が巣立っていきました.

茨大では半分以上が院に進みますが,岡西研では全員が卒業です.



式後に研究室に来た大江君とパシャリ.

一年間,クモヒトデを研究してくれて,ありがとうございました.

東京へ行っても元気でね!



がらんとした研究室を見ているとなんだか感傷的になってしまいますが,

また新入生が参入してくる四月は目の前です.



新たな日々に向けて,頑張りましょう!


iqtreeによる最尤法系統樹推定

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

iq treeは,パーティション分けが可能な最尤法系統樹推定ソフトです.

コマンドプロンプト対応で非常に使い勝手が良く,しかも解析速度がべらぼうに速いのが特徴です.

RAxMLがコマンドプロンプトに対応した今,やり方自体はRAxMLとほぼ同じです.
 

塩基配列データ作成(MEGA, SeaVeiwなど)
  • 事前準備として解析用フォルダをつくりましょう(iqとします).

アライメントソフトでの作業

  • アライメントを行ったセッションを.phy形式で出力する(iq.phyとしましょう).
  • パーティション分けとそれぞれのモデル指定のファイルを作る(iq.nexとしましょう).以下は例と解説(赤字)です.

#nexus

begin sets;

このコマンドで読み込みを開始します.

 

charset part1 = 1-430 431-1940\3 432-1940\3;

charset part2 = 433-1940\3;

charset part3 = 1941-2889;

ここで,モデルごとのパーティション分けを指定します.

ハイフンでつないだ配列が一つの領域で,それぞれをスペースで分けます.

アミノ酸指定領域の場合は,”日本円マーク”か”\”で各コドンをします.

ここでは,431番目から始まるアミノ酸指定の第一コドンと第二コドンは同じパーティションですが,

第三コドンは違うパーティションとしています.

 

charpartition mine = GTR+I+G:part1, TN93+I+G:part2, K2P+G: part3;

ここで,各パーティションごとのモデルを指定します.

よくモデルテストで見る形式をそのまま入力すればよいので楽です.

主な塩基置換モデルのリストはコチラ

 

end;

おしまい.


iqtreeを走らせる(コマンドプロンプト,iqtree)
  • 事前準備として,iqフォルダにiqtreeからDLしたiqtree.exeとiqtree-click.exeを入れておきます.

コマンドプロンプトでの作業

  • コマンドプロンプトを立ち上げ,iqフォルダまでのパスを通します.
  • iqtreeを走らせるためのコマンドを入力します.以下,例とコマンドの解説(赤字)です.

iqtree -s iq.phy -spp iq.nex -m TEST -bb 1000

“-s”で配列ファイルの読み込みを行います.

“-spp”でパーティション分けファイルの読み込み,

“-m” で検定方法を指定,

“-bb”でブートストラップ検定とその回数の指定を行います.


 

  • 解析が終わったら,iqフォルダ内に解析のログファイルや,系統樹ファイルiq.phy.treefileが生成されるはずです.
  • 参考までに,iqtreeでは他にも様々なコマンドがあります.コチラをご参照ください.

 

今日はここまで.


Expanded Bayesian Skyline Protによる集団の遷移年代推定

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

細かいコマンドは勉強中です.こちらもいろいろ教えてください.

 

塩基配列データ作成(MEGA, BEAUti)

MEGAでの作業

  • 解析用フォルダを作る(Skyとしましょう).
  • 解析したい内群について,MEGAでアライメントを行ったセッションをfasファイルで出力する(Sky.fasとしましょう).
各種パラメータ設定(BEAUti)

BEAUtiでの作業

  • File→Import AlinmentでSky.fasを読み込む.Partitionタブでアライメントセッションファイルの名前が確認できればOK.

  • Site ModelタブのSubst Modelでモデルを設定する.

  • Clock Timeタブで,特にこだわりが無ければ”Strict Clock”を選び,Clock rateに塩基置換レートを入力する.例えば,1.25%/100万年であれば,0.0125と入力.

  • PriorsタブでTree.t: EBSP(アライメントのセッション名)から”Coalescent Extended Bayesian Skyline”を選ぶ.

  • Tree.t: EBSPの左の▶をクリックし,Population modelの横の鉛筆をクリックし,Factorを入力する.母系遺伝のミトコンドリアは.0.5と入力するのが良いようです.

  • MCMCタブのChain lengthで,MCMC連鎖の数を設定する.デフォルトは10,000,000ですが,多分30,000,000位はやったほうがよさそうです.この後のTracerで結果を見ながら,この値を調整するとよいでしょう.

  • Fileの並びのメニューのVeiwタブから,Show Operators panelを選ぶ.

  • もし複数の遺伝子データを使う場合は,Operatorsタブで,Bit Flip…, Sample off…, Scale…の値をそれぞれの数×30, 15, 15にするとよいようです.今回はデフォルトですが,もし二つの遺伝子を使う場合は60, 30, 30にするとよいでしょう.
  • これで準備OKです.File→Saveでxmlファイルを保存しましょう(Sky.xmlとしましょう).
MCMCによる解析(BEAST)

BEASTでの作業

  • BEASTを立ち上げ,Choose FileでSky.xmlを選ぶ.後はデフォルトでOKです.Runをクリックして解析を始めましょう.

  • 上手くいけば,カリカリ解析が始まるはずです.苦労したファイルが走るのを見るとなんか感動しますよね.
  • 解析が終了して,SkyフォルダにSky.logとEBSP.logが生成されればOKです.
集団推移の可視化(Tracer, R)

Tracerでの作業

  • Tracerを立ち上げ,Import Trace FileでSky.logを選ぶと,ファイルが読み込まれて,Traces:のところにlogの解析データが出力されます.

  • このうち,ESSの値が重要なようで,これが200以下の項目がある場合はMCMCの連鎖回数を増やすとよいでしょう.

  • 一番下のsum(indicators.alltrees)をクリックし,右側のEstimatesのタブをクリックすると,ヒストグラムが表示されます.

  • Rを立ち上げ,Skyフォルダ内に移動し,以下のように入力すれば,少し計算時間があった後,集団の遷移図がプロットされます.

> source (“plotEBSP.R”)

> plotEBSP(“EBSP.log”, useHPD=FALSE, log=”y”)

 

  • でました.横軸が年代(百万年)で,縦軸が集団サイズです.左が現在ですので,この集団はごく最近に少しだけ集団サイズの減少を経験しているようです.
  • x軸の表示範囲を調整するには,Rに以下のように(0~0.03の範囲で表示する場合)入力します.

> plotEBSP(“EBSP.log”, useHPD=FALSE, xlim=c(0, 0.03))

今日はここまで.


コマンドプロンプトの使い方

非常に基本的なソフトなので,使い方というほどでもないのですが,

最近はこれで動かせる系統解析ソフトも多いのでご紹介までに.



起動方法①

  • 画面左下のウィンドウズマークをクリック.
  • 画面左下の下矢印をクリック
  • アプリの一覧から「コマンドプロンプト」を探し,クリック

起動方法②

  • 検索画面(画面右下に矢印を持っていって,虫眼鏡マークをクリック)を開き,「cmd.exe」と入力.
  • Enterキーを押す.


  • このような画面が現れたらOK.ちなみに私はタスクバーにピン止めしています.


基本的なコマンド

  • コマンドプロンプトでは,まず解析したいフォルダに移動します.いわゆるパスを通す,というやつですが,そのコマンドが”cd”です.”>”の後に”cd”と入力し,その後に移動したいフォルダのパスを入力すれば,そのフォルダに移動できます.
  • 簡単なやり方は,フォルダの検索窓の横のところにカーソルを持っていき,クリックして下の画面のように青くします.


  • この状態でコピーし,コマンドプロンプトの画面で右クリックをすると,
  • このように比較的簡単にパスがペーストできます.後はこのパスの先頭部分に”cd “を入れればOKです.指定したフォルダに移動できます.


他にも以下のコマンドを知っておいて損はないでしょう.

“dir”:ディレクトリ内の全てのフォルダやファイルを表示.

“tree”:ディレクトリ構造をツリー状に表示.

“ren”:ファイル名を変更.フォルダ内の拡張子を一気に変更する際に便利です.



今日はここまで.


ArelquinによるAMOVA解析

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

参考

http://hanzawalab.blog.fc2.com/blog-entry-43.html

http://nonomasu.blog.fc2.com/blog-entry-7.html

塩基配列データ作成(MEGA, DNAsP)

MEGAでの作業

  • MEGAでアライメントを行ったセッションをnexusファイルで出力する(Amo.nexusとしましょう).この段階で,AMOVA解析で扱う集団ごとにまとまるように配列の順番を入れ替えておくと後が楽.

DnaSPでの作業

  • 解析用のフォルダ(Amoとしましょう)を作り,その中にAmo.nexusを入れておく.

  • DnaSPを立ち上げ,File→Open Data FileでAmo.nexusを読み込む.
     

 

  • Data Informationが表示されれば,読み込み成功.Data InformationをCloseで閉じる.
     

 

  • Data→Formatでデータの形式を指定する.例えばミトコンドリアの16Sの場合は,DNA, Haploid, Mitochondorialにチェックを入れてOKをクリック.


 

  • Data→Define Sequence SetsでOTUのグループ分けを指定する.List of All Sequenesから,”>>”でIncluded  ListにOTUを移動し,Add new Sequence Setで名前を付ける.
  • 全てのグループに名前を付けたら,Update All Entries(赤文字になっているはず)をクリック.
  • Save/Export Data as…→Arlequin File Formatを選ぶ.
     

  • Not considered, Included,  Arlequin Haplotype Listにチェックが入っている事を確認し,OK.
  • .hapと.arpの二つを保存する.Amo.hap, Amo.arpとしましょう..hapは.arpのバッチファイル的なものらしく,必ずペアでAmoに保存しておく.
  • Amova解析の際には各集団を更に上位の集団にまとめる必要があるので,以下のテキストをAmo.arpの末尾に貼り付ける.赤字は任意に変えられる部分.

[[Structure]]

StructureName=”任意の名前
NbGroups=4

Group={
DnaSPで定義したグループ名1
}

Group={
DnaSPで定義したグループ名2
DnaSPで定義したグループ名3
}

Group={
DnaSPで定義したグループ名4

Group={
DnaSPで定義したグループ名5
DnaSPで定義したグループ名6
}


  • これでArlequin用の準備完了 .

※Arelquin上でもっと簡単にグループ設定する方法がありました↓

AMOVA解析(Arlequin)
  • Arelquinを起動し,”Open project”でAmo.arpを選択.左側の枠にSamplesやGroupsが表示されたらOK.

  • グループを設定する場合は,Structure Editorをクリックし,Population samplesの横のGroup(デフォルトでは0が表示されている)をダブルクリックし,任意のグループ名を入れると.右側の枠に階層構造として出力される.最後はUpdate ProjectをクリックすればOK.Projectタブでグループ分けが出来たかどうか確認できる.
  • “Settings”でAMOVAを選び,Standard AMOVA…をチェックし,プルダウンメニューの下の方で塩基置換モデルを選べる.普通はKimura 2Pが無難.
  • “Start”をクリックして解析.うまくいけば,Amo内にログなどが入ったAmo.resというフォルダが作成される.この中のAmo.xmlにAMOVA解析結果がHTML形式で保存されている.

更新:2017/3/11


MEGAによるモデルテスト

MEGAでは塩基(アミノ酸)置換の進化モデルテストを行うことができます.

進化モデルとは,解析するデータセットの中における,



①塩基(アミノ酸)の存在頻度

②塩基(アミノ酸)同士の置換確率



の組み合わせです.

最尤法では,節間の置換を計算するので,この進化モデルの選択は非常に重要です.



まずはアライメントした配列を用意します.今回はCOI領域の配列です.

Data→Phylogenetic Analysisを選択します.



タンパク質のコーディング領域かどうかを聞かれます.

今回はCOIなのでYesです.



このようなウィンドウが現れたらOKです.アライメントの中から,塩基置換が起きている部分だけを取り出したものです.

このPhylogenetic analysisモードは,MEGAで系統解析を行うための基本モードです.



Models→Find Best DNa/Protain Models (ML)を選びます.



この画面でモデルテストのセッティングができます.
 

Tree of use :テストの際に使う系統樹を指定できます.通常,デフォルトのNJ法でOKです.

Substitution type:Nucleotide(塩基)やAmino acid(アミノ酸)が選べます.

Gaps/Missing Data Treatment:ギャップやミッシングデータの取り扱いが選べます.Complete deletionで,ギャップが一つでもある列は解析殻除きます.Partial Deletionで,比較する配列ごとにギャップの扱いを決めます.Use all siteでギャップもミッシングデータも全て扱います.

Select Codon Positions:チェックを外したコドンを解析から除きます.コーディング領域の場合,特に3rdコドンが他とモデルが異なる場合があったりするので,きちんと全てのコドンについてのモデルテストを行っておくことをお薦めします.

Branch Swap Filter:系統樹の枝長に対する厳密性を決めるオプションのようです.複雑なモデルを使うと,色んな塩基置換パターンを考慮に入れられる反面,その分の解析上の煩雑さも増えてしまいます.この煩雑さを枝長と考え,各モデルごとに枝長と尤度を比較し,尤度の上昇と枝長の少なさのバランスが最も良いものをベストのモデルとして選ぶようです.この枝長は系統樹の探索によって決められていくのですが,その際に系統樹の一部の枝を入れ替えます.この時の入れ替えの「大胆さ」を決めるのがこのオプションのようです.従って,Strongにすると枝長の入れ替えがより消極的になり,解析時間は短くなりますが,考慮する系統樹は少なくなります.よりWeakにすると,枝長の入れ替えが大胆になり,解析時間は長くなりますが,考慮する系統樹が多くなるようです.ですので,時間に余裕があるときはよりWeakにするとよいでしょう.

※個人的な見解ですので,間違っていたら教えてください.
 

さて,長くなりましたが,セッティングを終えてComputeを選択するとモデルテストが始まります.



モデルを一つ一つ試しています.終わるまで気長に待ちましょう.



結果が出ました.注目すべきは,BIC, AICcです.これらの値が最も少ない(=尤度と煩雑さのバランスが最も良い)ものが,ベストなモデルとなります.

今回の解析では,GTR+G+Iがベストなモデルとして選択されました.他にも,f(A),f(T)…などはそのモデルの下での塩基の存在頻度で,r(AT)…などが置換確率となります.



このウィンドウの下の方に,それぞれのモデルに対する説明があります.

ここを参考にして,今後の最尤法解析などの際にパラメーターを設定します.



今日はここまで.


MEGAによるアライメント②

アミノ酸配列をコードしている領域の場合は,

DNA配列をアミノ酸配列に変換することで,

正しく配列が得られているか確認できます.
 

こちらは,アミノ酸をコードしているミトコンドリアのCOI領域

のDNA配列をアライメントしたものです.



ちなみに,このOTUの名前の付け方は長すぎる上に,

()とか系統解析状優しくない記号が使われている悪い例です.



各配列の一番上の行にアスタリスク(*)が示してある列は,

全てのOTUで塩基置換が同じ事を示しています.

従って,*が無い列はどこかのOTUで塩基置換が起きています.

この*を見ると,二列おきに無くなっている傾向が見られると思います.

これは,この配列がアミノ酸をコードするコドンは塩基3つで一組となっており,

その三番目が置換しやすい事を表しています.



左上の方のDNA Sequencesの横のTranslated Protein Sequencesのタブをクリックすると,



このようなウィンドウがポップアップするので,

Yesを選択するとDNA配列がアミノ酸配列に変換されます.

Noを選択すると,
 

このように,コドンがコードするアミノ酸の遺伝コードを選択する事ができます.

分類群に合わせて変更しましょう.



遺伝子コード表は,Data→Select Genetic Code Tableからも選択できます.
 

これが置換後のアミノ酸配列です.色付きの文字は全てアミノ酸です.

灰色の*は,ストップコドンでこれが見られる場合は,

アミノ酸変換が上手くいっていない事がほとんどです

(勿論,複数の遺伝子が発現するためのストップコドンの場合もあります).



というわけで,一番左の列を削除してもう一度アミノ酸変換してみました.

うーん,まだストップコドンがみられます.
 

更にもう一列削除してアミノ酸変換しました.

ストップコドンもみられず,配列も結構「揃って」います.

恐らく,これで正しくアミノ酸配列に変換できたものと思われます.
 

今日はここまで.


MEGAによるアライメント

MEGA (Molecular Evolutionary Genetics Analysis software)は,

アライメント,モデルテスト,系統解析までを一手にこなせる優れた系統解析ソフトウェアです.

昔はアライメントや簡単な系統解析が出来るくらいでしたが,現在はver. 7までアップデートを重ね,

モデルテスト,最尤法,祖先解析,分子分岐年代測定などが行えるようになっています.

また,開発者が日本人という事で,日本語でも扱えるため,大変有用なツールとなっています.

DLはこちら
 

備忘録的に,このMEGAの使い方を記録していきます.

MEGAをインストールしたら,MEGAのアイコンをダブルクリックすると,以下のウィンドウが起動します.
 

これがMEGAの基本画面です.
 

まずアライメントです.”Align”→”Edit/Built Alignment”を選択.
 

Creat a new alignmentをチェックし,OKをクリックすると,以下のようなExplorerが起動します.
 

“Edit”→”Insert Sequence From File”を選択します.
 

DNA(もしくはアミノ酸)配列のファイルをPCから読み込みます.読み込める形式は色々ありますが,

このように,メモ帳に直接塩基配列をペーストしただけのものでもOKです.
 

配列が読み込めました.色が付いている部分が塩基配列です.A, T, G, Cでそれぞれ色分けされています.
 

“Alignment”から,”Clustal W”と”Muscle”の二つのアライメント方式が選べます.

今回はClustal Wを選択してみます.
 

ここでは,アライメントのパラメータの設定ができます.

Gap Opening PenaltyやGap Extension Penaltyの値を高く設定すれば,なるべくギャップが少なく,連続しないアライメントになります.

DNA Weight Matrixでは,塩基とアミノ酸の置換に対するスコアを選択できます.

Transition Weightで,転位と転換の差を設定できます.

他にも,Keep Predefined Gapsでギャップを完全に無視したアライメントや,

Specify Guide Treeで,アライメントの指標となる系統樹を指定できるようです.
 

もしデフォルトのセッティングでアライメントが上手くいかない場合は,この値などをいじってみましょう.
 

とりあえずデフォルトの設定でOKを押すと,アライメントが始まります.
 

アライメントができました.うまく揃っている部分と,ごちゃごちゃになっている部分があります.

これはリボソームRNAの配列なので,立体構造をとったときの活性部位と不活性部位です.

ごちゃごちゃの部分はギャップが多いエリアを除いてしまうか,

立体構造を考慮して系統解析を行います.
 

今日はここまで.


RAxMLによる最尤法系統樹推定

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

塩基配列データ作成(MEGA, SeaView)

MEGAでの作業

  • MEGAでアライメントを行ったセッションを出力する.配列の結合を行う場合は,その後SeaViewで読み込むので,”.nexus” or “.nex”でも”.fasta” or “.fas”とかでもOK.行わない場合は”.phylip or “.phy”で出力.
  • ↑のファイルのOTU名は,それぞれのファイルで同じにしておく(”Ophi281_COI”とか”Ophi281_16S”じゃダメ).また,配列内のギャップ(”-“で指定する事が多い)と混同する事が多いため,OTU名には”-“は使わないほうがいい.

SeaViewでの作業(配列を結合する場合)

  • FileタブのOpen ***(***はファイルのフォーマット)を選び,結合させたい配列その1を選ぶ.
  • 同じようにその2,その3を選ぶ.それぞれ別ウィンドウで表示されればOKだが,不安な場合はFileタブのNew windowを選び,新しいウィンドウで配列を読み込めばOK.
  • FileタブのConcatenateを選ぶと,結合先の配列選ぶウィンドウが表示されるので,結合したい配列を選ぶ.by nameを選び,”OK”をクリック.
  • 上手くいけば,各OTUの後に配列が付加される.
  • これで準備完了.最終的な結合配列をFileタブのSave asからphylip形式で保存する(RA.phyとしましょう).
最尤法系統樹作成(RAxML)
  • 解析用の適当なフォルダ(RAとしましょう)を作り,その中にRA.phyを入れておく.
  • RA内にパーティション分け用のファイルを作っておく.例えば1-300 bpまでが16S, 301-1200までがCOIの場合は,以下のようなテキストデータファイルを作ります(partition.txtとしましょう).

DNA, 16S=1-300
DNA, COI=301-1200


  • RA内に”raxmlHPC.exe”を入れておく.これがRAxMLの起動ファイルです.これで準備完了.
  • コマンドプロンプトを起動(ウィンドウズメニューから探すか,ファイル検索で”cmd.exe”を検索)し,”cd 「RAのアドレス」”を入力してRA内に移動します.「RAのアドレス」はフォルダのアドレスバーの部分を左クリックすると”C:\Users\****\Desktop\研究\分子系統解析\RA”みたいなのが選択できるので,コピーしてコマンドプロンプト内で右クリックするとペーストできます.
  • “>”の後ろにRAxMLの起動コマンドを入力します.このコマンドは色々あるのですが,例えば

raxmlHPC -f a -m GTRGAMMA -p 12345 -x 12345 -# 1000 -s RA.phy -q partition.txt -n out

  • と入力すれば解析が始まり,GTRGAMMAモデルでブートストラップ1000回行った最尤法系統樹が得られます.
  • このコマンドなどについては井上潤さんのページにすごく詳しいです.
  • 出力されたファイルのうち,”RAxML_bipartitions.out”が系統樹のファイルです.TreeViewやFigtreeなどで閲覧して見てみましょう.

更新:2017年3月5日


ハプロタイプネットワーク構築

※もっと良いやり方をご存知の方はそっと教えてください.

塩基配列データ作成(MEGA, DnaSP)

MEGAでの作業

  • MEGAでアライメントを行ったセッションを,”.nexus”で出力する.

DnaSPでの作業

  • 出力したファイルをDnaSPで読み込む(File→Open Data File).
  • Data Informationウィンドウが表示されたら読み込み完了.Closeでウィンドウを閉じる.この時,Nは読み込むが,その他の記号(YとかWとか)は読み込まないようなので,おとなしくNに変換するか,その配列もしくはOTUは削除する.
  • Generate→Haplotype Data Fileで,Haplotype/DNA… ウィンドウを表示させる.GenerateのRoehl Data File (Network software)をチェックし,.rdfファイルを出力する.
  • この時Output of:… というウィンドウが表示されるが,これはハプロタイプとOTU名の対応が書かれた重要なデータなので,メモ帳にコピペなどをしておく(Haplotype/DNA… ウィンドウでNEXUS Haplotype Data Fileにチェックを入れば,.nexとして出力できる).
ハプロタイプネットワーク作成(Network)

Network での作業

  • Data Entry→Import rdf fileで,.rdfファイルを読み込む.
  • File selection ウィンドウでDNA Nucleotide dataがチェックされている事を確認し,Continueをクリック→.rdfファイルを開く.
  • RDF-Editorウィンドウで各種設定を確認・変更可能.設定が終わったらSaveをクリックし,元の.rdfファイルを上書き,あるいは別名で保存.
  • RDF-EditorウィンドウをExitで閉じ,Calculate Network→Network Calculations→Median JoiningでMedian Joiningウィンドウが開く.
  • Median JoiningウィンドウでFile→Openで.rdfファイルを再び開く.
  • Median JoiningウィンドウでCalculate networkをクリックすると計算が開始され,.outファイルが出力される.
  • メインウィンドウのDraw networkでDraw Networkウィンドウを表示させ,File→Openで/outファイルを開く.
  • OK→Yes→Continue→Finaliseでハプロタイプネットワークが完成.各ハプロタイプを右クリックすると,円グラフの組成がいじれる.

 

更新:2017年3月4日


論文が出版されました

論文が出版されました.

ツルクモヒトデ目の属の再検討です.

アムステルダムとコペンハーゲンの博物館の標本観察の結果,1980年に記載されていたAsteroporpa (Astromoana)という亜属が,実は1930年に記載されたAstrohelixという属である事が分かりました.

80年に渡り,博物館に標本が保管されていたからこそ成せた研究だと思います.博物館のスタッフのたゆまぬ努力に感謝です.そしてこれからも,標本が安全に管理されていく事を願っています.

以下,オープンアクセスではありませんが,リンクです.

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/217458

Okanishi, M* (2017) “A taxonomic review of the genus Astrohelix Döderlein, 1930 including the synonymy of the subgenus Asteroporpa (Astromoana) Baker, 1980 to Astrohelix”.  Zootaxa. 4227 (4): 543—553.


水戸が雪に埋もれました.

朝玄関を出たら真っ白で驚きました.

水戸キャンパスも真っ白!

初冬の北大を思い出します.
 

この枝ぶり...実にモヅルチックであります.

改めてじっくり見てみると,やはり通ずるものがありますよね.

生物の普遍性を垣間見た思いでした.


謹賀新年

2017

既に年明けから10日以上が経ってしまいましたが,

あけましておめでとうございます.



20世紀の感覚が抜けない自分にとっては,

2017という数字が信じられませんが,

こうしてどんどん時間感覚が加速していくのでしょうね(遠い目).



2016年は曲がりなりにも教員として1年を経験し,

本の出版や,論文成果の公表など,

それなりに色々と残せた年だったかなと思っています.



2017年は更なる飛躍を目指して邁進していきたいと思います.

今年もよろしくお願いいたします.


論文が出版されました

%e3%83%80%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%89

2016年11月に沖縄で開催された国際動物学会と日本動物学会の合同大会を記念して,

Book title: Species Diversity of Animals in Japanという本が出版されました.

私はその中の一章を担当させていただきました.
 

クモヒトデ類の一般的な体制,近年の系統分類学的な研究の成果の紹介と,

日本でこれまでに報告されたクモヒトデの情報をまとめて掲載しました.

以下,リンクです.オープンアクセスではありません.

http://www.springer.com/us/book/9784431564300

Okanishi, M.(2016)
“Ophiuroidea (Echinodermata): Systematics and Japanese Fauna “.
In: Masaharu Motokawa and Hiroshi Kajihara (eds.) Species Diversity of Animals in Japan.
Springer Japan, Tokyo, Japan, pp. 657—678.

—————————————

要旨:クモヒトデ綱の基本的な体制と,近年の分類体系の解説,ならびに日本における生物相の報告を行った.日本からは現在までに,北太平洋海域の種数の3/4に匹敵する18科120属342種が知られている事がわかった.また,日本の5つの海洋区の種数はそれぞれ,218種(暖温帯区),203種(亜熱帯区),111種(中間温帯区),16種(冷温帯区),27種(亜寒帯区)であった.

—————————————

本論文を査読してくださった研究者の方々,並びに編集者の本川先生(京都大学)と柁原先生(北海道大学)には大変お世話になりました.本当にありがとうございました.

一応,日本でクモヒトデの系統分類学的な研究を行うための最低限の情報は含んだつもりです.今後のクモヒトデ研究の参考になればうれしいです.

 


論文が出版されました

京都大学瀬戸臨海実験所の研究船ヤンチナによる3年半に渡る底生生物調査を行い,

白浜周辺の海洋生物相の一部を報告しました.

以下,リンク(オープンアクセス)と書誌情報です.

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/217458

Okanishi, M*, Sentoku, A, Fujimoto, S, Jimi, N, Nakayama, R, Yamana, Y, Yamauchi, H, Tanaka, H, Kato, T, Kashio, S, Uyeno, D, Yamamoto, K, Miyazaki, K and Asakura, A. (2016)
“Marine benthic community in Shirahama, southwestern Kii Peninsula, central Japan”.
Publications of the Seto Marine Biological Laboratory. 44:7—52.

—————————————

要旨:2012年~2016年にかけて,白浜周辺の潮下帯~陸棚域までの底生生物の調査を行った.7門から75科,132種を認め,その中には24種の白浜初記録種,2種の日本初記録種,6種の未記載種,5種の未記載種候補が含まれていた.これらのうち88種の写真を掲載した.

—————————————

13名の著者の方々のデータを取りまとめさせていただくという大役を仰せつかりました.筆頭著者にしてもらってはいますが,共著者皆さんの多大なるご努力あってのものですので,大変恐縮しております.特に,図を取りまとめてくださった千徳明日香博士(クイーンズランド大学),英文を細かく見てくださった藤本心太博士(東北大学),並びに自見直人氏(北海道大学)には,感謝してもしきれません.ありがとうございました.

この論文の一つの目的は,白浜のような比較的海洋生物相の研究が進んでいるところからもまだまだ面白い生物が発見される(=海の生き物は謎だらけ)という事を示し,瀬戸臨海実験所の生物相カタログのベースを作る事です.本研究が,今後の白浜の豊かな自然の保全活動の一助になればと願って止みません.


理学部の窓から⑧

季節はすっかり移ろいましたね.

ろくに更新もしていないこのHPですが,なんだか未だにアクセスはあるようです.

見てくださっている皆様,ありがとうございます.

すっかり秋をすっ飛ばしてしまいましたが,理学部から見える圃場は,すっかり丸坊主に.



img_5196

収穫の時期を終えた植物研の学生たちは,データ解析に追われています.

気づけば一年ももう終わりで,それが終わるといよいよ卒業シーズンですね.

果たして今年はどうなりますやら.


【書評】深海生物テヅルモヅルの謎を追え!

2016年5月30日に東海大学出版より発売された,

フィールドの生物学シリーズ第20巻

「深海生物テヅルモヅルの謎を追え! 系統分類から進化を探る」の書評を頂きました!

 

HONZ

shorebird 進化心理学中心の書評など

かめふじハカセの本草学研究室

産経ニュース「書評倶楽部」

読書メーター

Z会ブログ

土と生き物

ブクレコ

 

この他,拙著の書評を歓迎いたします.その際には是非ご連絡いただけると嬉しいです.

更新:2016年11月6日


2016年蒼鷹丸調査➉

rimg2762

今回の調査では鹿児島に入港したのですが,

その際に,鹿児島大学の上野先生と一緒にダイビングに行く事になりました.



rimg2766

事前連絡もしていなかったのですが,

上野先生がわざわざ近くのダイビングショップと話をつけてくださり,

ダイビングの装備をお借りできました.ありがとうございます!



rimg2772

車で道なき道を行きます.



img_8104

ウェットスーツに着替え,準備万端の上野さん.



rimg2776

残念ながら調査地の写真を撮り忘れてしまったのですが(痛恨の極み),

ダイビングショップからの夕焼けはとても綺麗でした.

実はクモヒトデもかなり採れました.

また鹿児島で調査をしたいものです.


2016年蒼鷹丸調査⑨

rimg2961

今回の調査ではちょっと珍しい事が起きました.

ベントスネットの揚収.なんだか,ちょっと様子が変です.



rimg2970

あ,真ん中のビーム(木の棒)が折れてます.

漁具が海底の岩などに引っかかるとっても危険なので,

非常な圧力がかかると,どこかが壊れて,漁具にダメージがいかないようにしています.



rimg2988

それでも,揚がった網にはいろんな生物が絡んでいます.



rimg2990

どっさり!一つ一つが宝です.



rimg3004

クモヒトデもたくさん採れました.



rimg3006

頑張ってソーティングした結果です.

右の塊と左の塊,多分違う種だと思います.



rimg3008

アルコールに浸しているので,体が硬直しています.

うーーん,まるでカッ○ラーメンのよう...



丁重に標本にして持ち帰りました.


2016年蒼鷹丸調査⑧

rimg2516

海洋調査の代表的な調査器具の一つといえば,採泥器でしょう.

こちらはマルチコアラーと呼ばれる採泥器です.

一度に四本の筒の中に,海底の泥を採ってこられる優れものです.
 

rimg2492

泥の中に筒を沈められるようにとっても重い錘を付けているので,

採泥器は基本的に重いです.このようにクレーンなどを使わないと,

運ぶことすら困難です.



rimg2528

こちらは秘密兵器,水中動画撮影用のカメラです.



rimg2537

これを,採泥の様子が撮れる位置に取り付けます.

後から見せてもらいましたが,とても良く撮れていました!



rimg2542

油圧機を使って慎重に運び...
 

rimg2545

投入!
 

rimg2555

そして,あっという間に帰ってきました.

曳網時間等がない分,比較的採泥は早く終わります.
 

rimg2564

しかし上がってからが大変です.

このようにコアを固定して...
 

rimg2594

泥を層別に採取していきます.

このような現場での努力が,様々な研究成果につながるのですね.


2016年蒼鷹丸調査⑦

rimg2453

蒼鷹丸のカゴ調査についてご紹介します.

画面左側にある人の背丈ほどもある大きなカゴを沈めて,

その中に入ってくる生物を捕まえます.



rimg2457

このようなロープの結び目に,籠を一つ一つひっかけます.



rimg2460

そして,順番に投入.全部で五つのカゴが投入されます・



rimg2483

最後に,カゴが浮かないように錘を投入.これで一日待ちます.



 
 
 
 
 
 

翌日



 
 
 
 
 
 

rimg2639

カゴが上がってきました.さて,成果は...?



rimg2641

おお,採れています!グソクムシに,ヌタウナギ等々...

カゴの中にはイワシの切り身が餌として入っています.

これにおびき寄せられた生物が,カゴの側面の穴から入ってきて出られ無くなるという仕組みです.
 

rimg2642

グソクムシがどっさり!

これだけ大量に採れれば,体内の放射線の量を測るのに使えるそうです.

我々はこの中から,個体数の少ない生物を分けてもらえました!


茨城大学 土曜アカデミー

拙著の刊行を記念し,茨城大学図書館で講演会を行います.

詳細は以下の通りです.

茨城大学 土曜アカデミー 「新著を語る」

[日時] 2016年10月29日(土) 15時30分~17時

[講師] 岡西 政典(茨城大学理学部助教)

[内容] 「新種」という単語にどのような印象を持たれますか?「滅多に見つからない」と思われる方は多いでしょう。
しかし、現在我々が名前を付けて認識している約180万という種数は、全生物種数の数%~数10%に過
ぎないと言われています。すなわち我々はまだ、この地球上の生物の全貌すら、把握できていないのです。
生物に名前を付ける学問を「分類学」といいます。「新著を語る」では、謎に満ちた深海生物「テヅルモヅ
ル」を研究対象としてきた著者の経験を踏まえながら、分類学についてご紹介します。

[会場] 茨城大学図書館本館3階ライブラリーホール

[後援] 理学部岡西研究室

お近くにお立ち寄りの際には,ふらっと遊びにいらしてください.


2016年蒼鷹丸調査⑥

rimg2373

蒼鷹丸調査日記,お次の武器はドレッジです.

ベントスネットよりも一回り小さい(それでも瀬戸臨海のものより大きい)のですが,網目が細かく,

より小さな生物まで余すところなく採集する事ができます.
 

rimg2379

投入前に,船員さんが一言

「これ,穴空いてない?」

言われて見てみると,確かにその通り.

しかしさすがは百戦錬磨の船員さん.

あっという間に網を補修してしまいました.



rimg2405

さていよいよ投入です.

クレーンとワイヤーを使って,慎重に海中へ投入します.

私はなぜこんな高みの見物視点かというと...
 

rimg2408

野帳に採集地点データを記録しておりました.

さぼっているわけではありません.これも立派なお仕事なのです.
 

rimg2418

海中から帰ってきたドレッジ.

果たして何が入っているのか.

採れた獲物は,また後日ご紹介いたしましょう.
 

rimg2444

サンプルは,なるべく船上で細かいレベルまでソーティングしてしまいます.

こちらは同乗した科博の小川君(左:ナマコ専門)と斎藤先生(右:ヒザラガイ,無板類専門)です.



rimg2439

こんな感じで蒼鷹丸の調査は進んでいきました.


2016年蒼鷹丸調査➄

RIMG2324

次はいよいよ,ベントス採集です.

まずはベントスネット.間口1 mを越える大きな網です.



RIMG2349

こちらも,船員さんによって,慎重に,



RIMG2368

海中に下されます.いいものが採れますように!



ロープの操出速度は,速ければ1.5 m/s位ですが,

大抵1 m/sで繰り出していました.

水深の約2倍のロープを繰り出すので,例えば水深1000 mに網を下す場合は,

ロープを2000 m繰り出すとして,最低2000秒(=30分強)かかります.

ロープを繰り出してから,ベントスネットの場合は約30分を曳網時間とします.

そして,操出よりも少し遅いスピードで巻き上げを行うため,



30 + 30 + 40=約100分


 

をかけて,網を揚げる計算になります.



さらに,水深が深くなると網の浮力による漁具の着底時間の遅延が無視できなくなります.

船によっては,1000 mごとに1時間の待機時間を作ります.

ですので,もし水深5000 mに網を下す場合,
 

網下し:10000秒=約3時間

待機+曳網:5時間半

網巻上:10000秒=約3時間
 

計11時間半!半日丸々かける事になります.
 

蒼鷹丸ではこの待機時間をうんと短く(1時間半)にしているようですが,

それでも7時間オーバーです.

深海調査の大変さがお分かりいただけるでしょうか?



RIMG2603

水深数百 mから揚がってきたサンプル達.

クモヒトデがたくさん採れています.
 

RIMG2609

このそうめんみたいなもの,全てクモヒトデの腕です.
 

RIMG2612

余すところなく収集しました.手伝ってくださった瀬戸臨海の井上峻輔さんに感謝です!


2016年蒼鷹丸調査④

蒼鷹丸調査の一発目は,CTDによる採水でした.



CTD(Conductivity【電気伝導度】,Temperature【水温】,Depth【水深】)
*海水の塩分、水温、圧力(深度)を計測するセンサーで構成された観測装置です。ケーブルにつないで海水中に投下し、水温と塩分の深さ方向の分布を観測します(http://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/observe/seawater.htmlより)。



IMG_8012

このロケットみたいな棒がたくさん連なったものがCTD装置です.



船員さんの慎重な操作の元,海中に投入されます.



IMG_8033

船上組は,揚がってきた海水の採水作業の準備です.

ホースで採水を行います.



IMG_8045

海水が揚がってきました.

この筒一本一本が,船上からのリモート操作で任意に閉じる仕組みになっています.

これによって,好きな深度の採水が行えるという仕組みです.

 
 

この筒の下側にホースを接続し,丈夫な袋に採水していきます.

水深数千mとなると,手がかじかむほど水温が低くなります.



IMG_8062

無事採水が終わった後は,海水を抜いて,慎重に中身を洗います.

少しでも海水が残っていると,その後の採水に影響が出てしまうためです.


2016年蒼鷹丸調査③

蒼鷹丸で扱う漁具をご紹介.

 IMG_7992

エントリーナンバー1「ベントスネット」

いわゆる底曳網です.数十分間海底を引きずり,比較的大きな生物を多量に採集します.



IMG_7993

これくらいの網目です.ほとんどの底質は抜けて,

石ころや,粘度の高い泥くらいしか残りません.



IMG_7999

こちらは白浜でも活躍したドレッジの大型(間口1 m)ver. です.

内側に目の細かい網があるので,砂などと一緒に,小さな生物も採集できます.



IMG_8004

こちらがカゴ.中にイワシの切り身などの餌を入れて海底に沈め,

一晩放置しておくと,中に魚やカニなどが入ってきます.



IMG_8005

そしてこれらを牽引するロープ.

蒼鷹丸は10000 mものロープを巻いています.

10000 m分のロープ...どれくらいのロープ幅になっているのか,

検討もつきませんね.


2016年蒼鷹丸調査②

RIMG2228

出港日の朝.



RIMG2225

いよいよ最後のLeg(*)の始まりです.

研究室で緊張の面持ちで出港を待つ面々.

*Leg・・・一回の航海調査の区分けのこと.



RIMG2243

最終Legの調査地点も貼り出されて,準備万端です.

蒼鷹丸は今回,横浜→東北→小樽→博多→横浜と,

日本をほぼ一周する形で回ります.



RIMG2232

陸と船を繋いでいたタラップが,



RIMG2249

船員さんによって収納されました.



RIMG2255

いよいよ出港です.サラバ陸!

  こんにちは大海原!



RIMG2268

天気は上々でほとんど揺れはありません.

この日は移動のみで,翌日からいよいよ調査です!


2016年蒼鷹丸調査①

2016年7月29日~8月10日にかけて,

中央水産研究所の調査船「蒼鷹丸」の調査航海に参加してきました.



 IMG_7975

前期最後の講義を追え,一路成田へ.

LCCは貧乏研究者の味方です.
 

IMG_7981

夜も大分更けた頃,博多港に着きました.

真っ暗な港で光を放つ蒼鷹丸は,どこか安心感を与えてくれました.



IMG_7980

船内はこんな感じ.これは研究者が主な作業を行うドライルームです.

各研究者が持ち込んだ研究器材で溢れています.



IMG_7983

第4代目蒼鷹丸.

全長67.5 m, 892トン.

ウィンチロープ長約10,000 m.
 

我々の分野の研究者が乗船できる調査船の中では,

最大級の船です.
 

2週間の調査の日々が幕を開けますよ!


分類学実験が開講されました②

IMG_4437

海岸で採集した生物を,実験室に持ち帰ってじっくり観察します.



IMG_4456

分類群ごとにバットにわけ...



IMG_4446

種を同定します.「白浜の海岸生物観察ガイド」が大活躍です!



RIMG3085

最終的に,藻類を併せて107種がリストアップされました.

100種越えです!すごい!ちょっと同定が不安なものもありますが,

コンディションが悪い中,短期間でよく頑張りました!



IMG_4458

学生がいなくなった実習室.なんとなくセンチメンタルです.

来週は,山で野外実習です.海に山に,自然制覇を目指します.


分類学実験が開講されました①

2016年8月18日~19日にかけて,分類学実験を開講しました.

水戸市から東へ車で40分ほどの「平磯海岸」に出向き,

そこの生物を観察するというものです.いわゆる磯観察ですね.



RIMG3082

10時頃の干潮を狙って,朝一で大学を出発.

いい感じの時間に海岸につきました.



RIMG3080

平磯海岸は,このような転石帯がいい感じに広がっていて,磯観察向きです.

実はこの日は台風の余波で波が高かったのですが,

うまく波が入ってこない地形になっていて安全でした.



  RIMG3073

めいめい,磯観察に励みます.



RIMG3077

転石をひっくり返すとこんな感じ.

ゴカイの棲管,海綿,石灰藻,ヒザラガイなどなど.

なかなか多様性が高そう!



RIMG3075

さて何が採れたのでしょうか?


記事が公開されました

アメリカのMcGraw-Hill Educationが提供するAccessScienceに,

ツルクモヒトデ目(Euryalida)の総説記事を書きました.
 

アメリカのスミソニアン博物館のDavid L. Pawson博士経由でこの記事の執筆依頼を頂きました.

お恥ずかしながらその時に初めて,この会社の存在を知ったのですが大手の出版社です.

↓リンクです.全文を読むには登録が必要なようですが,さわりだけは読めます. 
 

https://www.accessscience.com/content/euryalida/246500
 
 

記事の執筆依頼を下さったDavid L. Pawson博士,

写真をご提供くださった下田臨海センターの鈴木様,ありがとうございました!