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水族館・博物館

講演します

平成29年度自然史学会連合の公開講座で講演をいたします.

詳細は以下の通りです.
 

平成29年度 自然史学会連合 公開講座
海の今昔を深~~く探る。
 
開催期日: 2017 年 11 月 4 日(土)
会 場: アクアマリン福島

(福島県いわき市小名浜字辰巳町50)

 

アクセス: http://www.aquamarine.or.jp/info/access.html
※事前申し込みなどは不要です。ただし、アクアマリンふくしまの入館料が必要です。
 
講演会内容
 

自然史学会連合では、ひろく自然史学の普及を目的とした講演会を毎年開催しております。初めて水族館で開催する今回の講演会では、海をテーマに、いわき市で見つかったフタバスズキリュウ、生きた化石のシーラカンス、不思議な生き物テヅルモヅル、そして水の中のDNAに関する最新の研究成果を分かりやすく紹介します。
 
会場:マリンシアター
 

13:00-13:10 開会のあいさつ
安部義孝館長(ふくしま海洋科学館)
 
13:10-13:40 ザ・シーラカンス –アクアマリンふくしまの調査−
岩田雅光(ふくしま海洋科学館)
13:40-13:50 休憩
 
13:50-14:20 恐竜時代の海の中~フタバスズキリュウの世界
佐藤たまき(東京学芸大学)
14:20-14:30 休憩
 
14:30-14:50 謎の深海生物テヅルモヅルを分類する-現在になってわかること-
岡西政典(東京大学三崎臨海実験所)
14:50-15:00 休憩
 
15:00-15:30 バケツ一杯の水で棲んでいる魚がわかる技術
:環境DNAメタバーコーディング
宮 正樹(千葉県立中央博物館)
 
15:30-15:50 質問コーナー
15:50-16:00 自然史学会連合からお礼のご挨拶
 

もしアクアマリンふくしまにお出かけをお考えの方は,

是非お立ち寄りください.


深海生物テヅルモヅルの謎を追え!―正誤表―

2016年5月30日に東海大学出版より発売された,

フィールドの生物学シリーズ第20巻

「深海生物テヅルモヅルの謎を追え! 系統分類から進化を探る」の正誤表です.

 

P47 5行目: Von voyage !→Bon voyage !

P51 11行目: …たことがある→…たことがある

P231 10 行目: …科を一一種ずつ含んでいたので…→…科を種ずつ含んでいたので…(二という漢字が一一に誤変換されてしまったのかもしれません)

P243 15行目: …幾多の大学院生が排出されて…→…幾多の大学院生が輩出されて…

P266 11行目: …筆を置く…→…筆をく…

 

他にも間違いがありましたら,是非ご連絡ください.

更新:2016年5月30日.

深海生物テヅルモヅルの謎を追え!

本を出版することになりました.

「深海生物テヅルモヅルの謎を追え!―系統分類から進化を探る―」

というタイトルです.主に私の博士課程の時の研究をまとめつつ,

系統分類学やの紹介などた話です.5/30に発売です.Amazonなどでも既にポチれるようです↓

http://ur0.pw/tO4Q

興味のある方は是非手に取ってみてください.

以下,オフィシャルな情報です.
———————————————-
【書 名】

 深海生物テヅルモヅルの謎を追え!―系統分類から進化を探る―

【著者】

 岡西政典(茨城大学理学部助教)

【体 裁】

 B6判 299頁 並製

【定 価】

 2160円(税込)

【著者割引】

 1728円(税込)・尚、送料は400円 5冊以上の場合,送料小会負担でお送りします

【発 行】

 東海大学出版部

【発売日】

 2016年5月30日・発送は5月25日以降になります

【ISBN】

 ISBN978-4-486-02096-7
お支払方法 振込、MASTER・VISA CARDを但しカードの場合は、カード名義、カード番号、
有効期限をご連絡ください。 ご購入の場合はメ ールにて稲までご連絡ください

【内 容・目次】
珍しい生きもの好きすべての人へ : テヅルモヅルって何? クモヒトデって何? どんな
生きものか?  分類学を通して学ぶ。日本初のテヅルモヅルの本

目次
はじめに
第1章 系統分類学に出会う
1 北の地で
2 研究室に所属する
コラム・ジャンケン
3 分類学とは
コラム・「斜体」と「立体」
4 クモヒトデがしたいです
コラム・北大での研究対象選び
5 コピー機の前に立つ日々
コラム・何語であろうがいつであろうが
6 初めてのサンプリング
コラム・磯に採らえば……!
7 クモヒトデってどんな動物?
コラム・棘皮動物①
8 同定を試みる
コラム・様々な標本の作り方
9 Von voyage !
コラム・アネロン ニスキャップの思い出
10 師匠との出会い
コラム・ウミユリはいつ「生きた」化石になった?
11 クモヒトデを採りまくれ!
コラム・魚屋さん
12 院試と卒研を突破せよ
コラム・棘皮動物②

 第2章 テヅルモヅルを収集せよ
1 博物館に所属する
コラム・D‌Cを目指す?
2 孤独との戦い
コラム・「テヅルモヅル」ってどんな分類群?
3 一筋の光明
4 無限の荒野を行くのなら
コラム・新種はどこで誰のために発見される?
5 記載の果てで
コラム・査読
6 Describing man blues
コラム・新種と未記載種
7 「鑑定眼」が養われた?
コラム・チョッサー、ボウスン、ストーキー
8 少しずつサンプルが集まってきた
コラム・漁港巡り

 第3章 海外博物館調査
1 海外進出!
2 初めての海外調査
コラム・飛行機の中の紳士
3 国際学会+α
コラム・海外ではパスポートを!
4 再びオセアニアへ
コラム・ニュージーランドでの思い出
5 アメリカ再訪
コラム・時岡先生のお写真
6 ヨーロッパ周遊
コラム・守衛のおじさんとのやり取り
コラム・アムステルダムでの思い出

 第4章 ミクロとマクロから系統を再構築する
1 形態形質を精査せよ
コラム・新種?
2 分子系統解析に取り組む
3 初の実験成果
4 科レベルの記載
5 初めてのポスター賞
コラム・若手分類学者の集い

 第5章 系統・分類学から進化を探る
1 なんかないの?
2 学位を取得する
3 学位取得、その後
4 ポスドクを経て
5 系統分類学は楽しい?
6 クモヒトデの系統進化
7 X線でお見通し
8 キヌガサモヅルの分類
9 それでも、系統分類学!

 おわりに
謝辞
用語
引用文献
索引

———————————————-

二年ほど前から少しずつ執筆を始めていたのですが,

まさか本当に出版にこぎつけられるとは思っていませんでした.

それなりに,一般の人にもわかりやすい解説を入れたつもりですので,

系統分類学に興味がおありの方は,是非ともご覧になってみてください.


白浜の海岸生物観察ガイド

「白浜の海岸生物観察ガイド」が出版されました!
 

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その名の通り,白浜周辺の海岸で観察できる約240種の海岸生物を掲載し,

それぞれの種を見分けるポイントや,危険属性の有無などをまとめています.

その他,瀬戸臨海実験所周辺の環境や磯観察の心構え,7編のコラムも収録されています.
 

私が瀬戸在籍当時から計画されていた本ガイドの作成ですが,

昨年に日本財団の「海の学びミュージアムサポート」の援助を受け,

夏ごろから所員の総力を結集し,ついに発刊に至りました.
 

陣頭指揮を取られた河村博士,本当にお疲れ様でした.

私も編集に入れていただいていますが,それがおこがましいくらい,

河村博士に頼りっきりになってしまいました.

手前味噌になりますが,

掛け値なしに,本当に素晴らしいガイドブックに仕上がっていると思います.
 

デザインは千徳博士が担当されました.

全体的にポップで親しみやすいイラストがちりばめられています.

中身は見てのお楽しみです.
 

黒潮流域で共通してみられる種も多く掲載されているので,

本州南側であれば,ある程度は使えるはずです

この夏の磯観察のお共に是非どうぞ


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」②

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ホールスライドグラス(真ん中に半球状の穴が開いたスライドグラス)では,

深さの差によって卵の観察がしにくくなる場合があるため,

このようにテープで一様な深さの隙間を作り,そこで卵の観察を行います. 
 

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コシダカウニの受精卵.卵黄が透明な上に,

受精膜がよくわかるので臨海実習で重宝するウニです.
 

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ウニの受精卵の観察の後は水族館見学です.

まずは生物の系統樹を頭にいれつつ,
 

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バックヤードを見学します.

無脊椎動物をうまく飼育するための工夫がそこここに張り巡らされています.
 

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例えばこの水槽ではサンゴを飼育するための仕掛けがあります.

気になった方は,白浜水族館の解説ツアーに是非お越しください.
 

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大型魚類の大水槽では,丁度タイミングよく餌やり体験ができました

便宜を図ってくださった飼育員の加藤さん,ありがとうございました!
 

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こちらは最近リニューアルしたピカピカの標本室です

白浜周辺の動物の標本が連綿と保存されています.
 

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最後に,テラスから実験所前の海をながめました.
 

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...残念ながら,天気はあまり芳しくないようですが,

回復を期待しつつ,その後のカリキュラムをこなしましょう


化石研究会で発表してきました⑧

楽しかった化石研究会での思い出,

最後にダイジェストで振り返ります.
 

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宿舎のすぐ近くにあった清水エスパルスの練習場.

正式な綴りは”S-pulse”だったのですね

初めて知りました.
 

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水族館の裏方も見せてもらいました.

懇親会の会場になった大水槽の裏側.

管から出た水は,壁際の水路を経て水槽に注がれています.

これによって海水に空気を含ませているそう.
 

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大型生物を搬入する際には,クレーンが欠かせませんよね.



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水族館前の広場に展示されていた,「東海大学丸二世」.

調査をする機会があれば,乗せてほしいものでした.
 

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行きは清水駅からバスで水族館に向かいましたが,

帰りはボートで清水駅に向かいました.



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経済的かつスピーディ!往路もこれにすべきでした.



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帰り道,新大阪駅の待ち合わせ時間に一杯.

良い週末となりました


化石研究会で発表してきました⑥

混入なのか,混獲なのか,それは定かではありません.

しかし,確かに彼らはそこにいます.
 

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ケース①:クマノミ水槽.
 

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岩の隙間,
 

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そしてサンゴの隙間.

ポリプの触手とお間違えなきよう.
 

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ケース②:ヤギ水槽の底. 
 

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ケース③:ヤギ水槽の奥.

ヤギに隠れてはっきりとは見えませんでしたが,

それは,確と根づいています.
 

報告は以上です.

それぞれのケースには,
 

Ophiactis savignyi

Astroglymma sculpta,

Ophiocreas caudatus
 
 

というコードが与えられます.

彼らの正体,ご自身の目でお確かめください.


化石研究会で発表してきました➄

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海洋科学館はまだまだ見どころたくさん.

さすが深海生物のメッカ駿河湾の近くだけあって,

深海生物の標本も美しく展示されていました.
 

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センジュエビなどのエビ類.
 

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ギンエビス.
 

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鯨骨を住みかとする生物達.
 

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アンコウ.もはや怪獣ですよね.
 

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シャコ.生前のパンチ力はいかがなものだったのか.

最近知ったのですが,シャコにはパンチを放つ「スマッシャー」と,

針状になった腕で刺す「スピアラー」がいるのだとか.

いずれにしてもかっこよくて嫉妬します.
 

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トックリウミグモの一種.

磯では小さい種類しか見かけませんが,

深海にはこんな巨大なものいるのです.

飼育してみたいものです.
 

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そして最後はツルボソテヅルモヅルで〆.

実に素晴らしくモヅル感が保存されています.

 

 


化石研究会で発表してきました④

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東海大学の海洋科学博物館ではいろんな展示の工夫がなされていました.
 

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こんな風に,狭いところに入りたがるウツボの習性を逆手にとったり,
 

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シャコを上から見下ろせたり,
 

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円柱水槽に入ったチンアナゴを近くで見られたり.
 

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ウミテングなどのレアな魚や,
 

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リュウグウノツカイの標本まで
 

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それから,クラゲの展示にも力が入っていました.

よく見るミズクラゲ.
 

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タコクラゲ.
 

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サカサクラゲ.
 

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そしてカラージェリーフィッシュ

色とりどりのクラゲの舞踊りが楽しめました.

それにしても...
 

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クラゲは美しいですねえ.

クラゲ屋さんが夢中で写真を撮る理由がわかります.

もっと撮影技術の向上を目指さねばと思ったある初夏の日でした.


X線撮影再び

以前串本で採れたこのモヅル
 

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その後解析を進めてみたところ,やはり面白い種である事がわかりつつあります.
 

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そこで科博に行ってCTスキャン映像を撮ってきました

この筒の中に入れる必要があるので,泣く泣く腕をカット.

科学に犠牲はつきものです.
 

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そしてスキャン

おお!いろいろ見えてるじゃありませんか!
 

最近,スキャンの使い方も色々とわかってきて,

軌道に乗り始めた感触です.ホクホクです.
 


化石研究会で発表してきます

化石研究会の第33回 総会・学術大会で招待講演を行うことになりました.

詳細はこちら



ミニシンポジウム(一般公開)
テ ー マ:「深海環境と生物」



1 趣旨

駿河湾と言えば、海底谷の存在により湾の奧深くまで深海環境が存在しており、

そこには様々な深海生物が暮らしていて、最近ではたいへん話題となっています。

そこで今回は、駿河湾、そして深海生物やそれらの化石に関連した四題について、講演していただきます。



2 パネリスト・タイトル(仮題)

講 演: 講演1「駿河湾はどうやってできたか?」
講師 柴 正博(東海大学自然史博物館)



講演2「謎のサメ、メガマウスをさぐる」
講師 田中 彰(東海大学海洋学部)



講演3「師崎層群の硬骨魚類化石相-深海魚を中心に-」
講師 大江文雄(東海化石研究会)



講演4「分子系統で探るテヅルモヅル類の進化」
講師 岡西政典(京都大学瀬戸臨海実験所)



3 コーディネーター: 柴 正博 (東海大学自然史博物館)



4 主催: 化石研究会



5 日時: 2015年6月6日(土)・7日(日)



6 場所: 東海大学海洋科学博物館(静岡県静岡市清水区三保 2389)



7 対象: 一般



8 料金:化石研究会会員は無料
※ 非会員の方は博物館入館料が必要です(一般:1500 円、学生:750 円)



詳細はコチラ↓

http://www.geocities.jp/tepkun/

 
 

知り合いの化石研究者からお話を頂いたのですが,

他の講演者の方々は,いずれもえらい先生方です.

こんな現生屋の若手で務まるのか不安ですが,頑張ってきたいと思います.



それにしても...



「駿河湾」

「メガマウス」

「魚類化石」



いずれも深海生物好きにはたまらないキーワードばかり

一聴衆としても,楽しんできたいと思います


和歌山大学 臨海実習 ⑥

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フィールドだけではありません.水族館の解説も行いました.

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白浜水族館の目玉といえばこれ

ずらり並んだ無脊椎動物の展示です.

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ホシムシ,ヒモムシ,ヒメイカなど,普段はなかなか見られない生き物を,

なるべく細部まで観察できるよう工夫が施されています.

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バックヤードの説明も行いました.

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水族館の心臓部である循環系の説明のあと...

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なんと飼育員さんの計らいで,えさやりをさせてもらえることになりました

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大水槽に,いっせーので餌を投げ入れます

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おーー,ロウニンアジなど大型魚類が餌を奪い合う様は圧巻です

とても良い体験になったようですよ


目録が出版されました

沖縄の棘皮動物の目録が出版されました
 

藤田喜久,入村精一,木暮陽一,岡西政典,François Michonneau, 成瀬貫.(2015)

琉球大学資料館(風樹館)棘皮動物標本目録.

琉球大学資料館(風樹館)収蔵資料目録 第10号.pp. 106.
 

私はツルクモヒトデ目とクモヒトデの一部の同定・写真撮影・および序文の執筆をお手伝いしております.

PDFへのリンクはこちら↓(画像をクリック!)
 

 琉球大学資料館 棘皮動物標本目録

ページ下部のリンクからDL出来ます(35.9MB)
 

225種の写真288枚が掲載されておりますが,他の著者の皆様の写真はいずれも非常に美しく,

私が撮影した写真のクオリティの低さをただただ恥じるばかりです.
 

タイトルページの各綱の写真は特に美しく.

私もこのように対象分類群に「愛」を持たねばとハッとさせられました.
 

沖縄には多数の棘皮動物が生息しているにも関わらず,

包括的な報告はありませんでした.

本書が今後の沖縄の棘皮動物研究の進展に役立ちますよう 
 


刺網サンプル

毎週木曜日は南部の日.
 

ということで,水族館から南部産の変なテヅルモヅルが入ったとの一方を受けて,すぐさま駆けつけました.

 
 

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形態的にはアカテヅルモヅルAstroglymma sculptaで間違いないのですが,

うーん,なんか黄色いですね...こんな色の個体は初めてみました.

何かの変異でしょうか.興味深いです.
 

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この日はいろいろ盛りだくさんで,

派手なミカドウミウシも採れていました.
 

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実習で採れたりするものより,はるかにデカい

傍らのツマジロナガウニが大体手のひらサイズなので,

30 cmはあろうかという巨躯!
 

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しかもこの体躯でダイナミックに体を動かし,泳ぎまくります.
 

水族館フィーバーな一日でした.


ニシキクモヒトデの謎を追え①

 

 

最近,調査に行くたびに何かと採集しているニシキクモヒトデですが,

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いつの間にか白浜水族館のヤギに も湧いていたようで,

たくさんついていましたのでもらってきました.
 

タイや沖縄で採ってきたものは赤や紫などいろんなカラーバリエーションがあったのですが,

今回発見したものは全てオレンジと白のストライプです.
 

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よーく観察すると,腕の背面になにやら棒状のものが伸びでいます.

最初は腕針かと思ったのですが,どうやらこれは触手が背中まで伸びているようです.

そこまで伸縮できるのかと驚きました.
 

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ヨコエビが,クモヒトデの腕に捕えられているのか,

さっぱり動きません.

その割にはクモヒトデの口に運ばれる様子もありませんでした.
 

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ヤギをよーく見てみると,クモヒトデだけでなくヘラムシ?のような等脚類もたくさんついていました.

うーむ,ヤギ,クモヒトデ,ヘラムシ,三者の関係とかどうなっているのでしょうか.
 

生物を観察していると,疑問に尽きません.


ブンブク

 

 

水族館の飼育員さんが,砂の中に潜んでいた生物を発見しました.

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ジャーンこちらです.このフサフサの生物.
 

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ウニです.

先ほどの写真は口側.こっちは反口(背)側.
 

ブンブクという類のウニで,体が前後にやや細長くなっているので,

厳密な星形ではなく,左右対称です.

一番上の写真では,左側が進行方向になります.
 

このようなウニを不正形ウニといい,

他にもカシパンウニやタコノマクラといった類がこの仲間になります.
 

これに対してムラサキウニなどの,

背側から見るとほぼ完全な円形になるのは,正形ウニといいます.
 

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不正形類の一つの特徴は,この花紋と呼ばれる管足孔の列です.

4つの管足孔が列を成していますが,実はここから4つの管足が伸びるわけでなく,

2つの孔から1つの管足が出ます.

実はこれは呼吸用に発達した管足です.
 

これらのウニは砂に潜って暮らすため,

呼吸用管足で効率よくガス交換する必要があります.

そのために管足内で効率的に水を循環させなければなりません.
 

管足

呼吸用管足の断面図.矢印は水流を表す. 
 

1つの管足の中に2つの仕切りとなる孔があると,双方で別の方向の流れを作ることで,

管足内の水の対流をよくするという仕組みということです.

詳しくは上の手書きの芸術的なイラストをご覧ください.
 

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因みに,フサフサの毛は光沢鮮やか.
 

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口の周りには房毛管足と呼ばれる,一見イソギンチャクのような管足があります.
 

このようにブンブクの体は,砂中で暮らすための様々なうまい仕組みに満ちているだけでなく,

機能的に洗練された形態には美しさすら感じられます..

気になった方は,是非ともウニ本を読んでみましょう
 
 

海洋大でウニを研究しているの田中颯さんに聞いたところ,

どうやらオオブンブク(Brissus agassizii)か

ミナミオオブンブク(B. latecarinatus)の可能性が高いとのことです.
 

田中さん,ありがとうございました


刺し網②

 南部で採れた生き物シリーズ
 

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まずはナマモノから.新鮮なウミエラ.
 

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コブヒトデモドキ
 

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わざわざ漁師さんが車で届けてくれた,

(多分)オオカイカムリ.
 

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赤いカイメンと黄色いスナギンチャクに浸食されたヤギ.
 

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よーく拡大すると,ニシキクモヒトデがついていました.

わかりますか?
 

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水揚げからしばらく経ってカピカピになったサンプルですが...
 

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おお!テヅルモヅル(腕だけ)が採れました 
 

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と,思ったらなんと本体も

アカテヅルモヅルAstroglymma sculptaですね.

なかなか活きがよさそうでホクホクです
 

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ということで,色々と実りの多い刺網採集でした

最後は自販機でコーヒーを買って,白浜へ帰ります.
 

お疲れ様でした


東大総合博物館

深海のサンプルは採れているのですが,

作業中の写真を撮り忘れていました.

そのうち,取り出したクモヒトデなどの写真をお見せしましょう.
 

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ということで,三崎の次に東大総合博物館にお邪魔しました.

佐々木先生(貝類研究をされています)のもとにお邪魔して,

色々と観察をさせてもらいました
 

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標本庫も見せていただきました

所狭しと標本が並べられています.

原則公開不可なので...雰囲気だけでもどうぞ
 

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こちらは,重井先生のウニコレクション

壁一面ウニ標本!圧巻です
 

中には明治―大正時代の標本もみられました.

再び日の目を見る時を待っているのでしょうね.


VHX

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科博での作業を進めています

こちらはデジタルマイクロスコープ,VHX2000.
 

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このように試料台にサンプルを入れ,

高精細な画像を様々な角度から撮影できたり,

リアルタイム深度合成ができます
 

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のみならず,ボタン操作で簡単にSEM式撮影にも切り替えられる

私は決してKEYENCEの回し者ではないのですが,本当に便利です.

精錬された操作性を誇っており,ストレスなく撮影ができます.
 

ガンガン作業が進みます


つくば

 

出張で国立科学博物館(筑波)に来ております.
 

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日本には一体何種のキヌガサモヅルがいるのか?

その謎を解き明かすべく,片っ端から標本を観察するのです.

(もちろん拠点の仕事も兼ねています)
 

キヌガサモヅルの標本の乾かし中.

先日の記事の写真もそうですが,

乾燥させた方がクモヒトデの骨片の形ははっきり見えるのです.

 
 

とりあえず乾燥の仕込み(?)をして,

明日からは本格的な観察の開始です.

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一仕事終えた後の一杯.

これからしばらく,標本漬けの日々です


棘皮グッズ

  先日の記事で,クモヒトデイヤリングをご紹介いたしました.



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こちらが所有者の@木登りヤギ(Twitterアカウント)さんです.

なんとこの方,この日は全身棘皮グッズで参加されていました.



ウニ・ヒトデネックレス,ウニTシャツまで

木登り2

おそらく会場における棘皮力は群を抜いていたと思います.
 

実はこのようなありとあらゆる生き物愛好家で集まって,

グッズ販売,パネルディスカッション,講演等によて交流する

参加型創作イベントがあるそうです.



その名も「いきもにあ



一年後の2015年12月12-13日に,

京都市勧業館「みやこめっせ」で開催予定とのこと. 
 

もし余裕があれば,次回は参加して棘皮グッズをゲットしたいです



ちなみに,木登りヤギさんは,かの有名な

なにわホネホネ団」にも所属されています.


標本整理③

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最近調査が多いので,サンプルがたまってきました.

少しずつ整理をしていかなくてはなりません.
 

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 現場でパッキングした標本はこのように,

ビニールパックに耐水紙とともに入れ,
 

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ポリ瓶にぎっしり詰めてあります.
 

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中身を取り出しまして,
 

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瓶に移します.
 

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なるべく中の保存液(基本はエタノール)が揮発しないよう,

我々はこの二重蓋の瓶を使っています.
 

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そしてエタノールを注ぐ
 

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きっちり肩まで入れましょう.標本が小さいからと言ってけちると,

後で揮発量が分からなくなります.
 

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蓋を閉めて完成

この状態で置いておけば,少なくとも何十年という単位で保つはずです.
 

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ラベルだけでなく,蓋にも識別番号などをつけておくとより効果的です.

例えば万が一中のラベルが無くなっていても,蓋の識別番号から情報を追うことができます.
 

また,最近はレーザープリンタで耐水紙に打ち出したラベルを使うことあありますが,

場合によっては文字がはがれてしまう事があります.
 

そのため,ラベルには必ず手書きで標本番号を書いておくとよいでしょう.

オーストラリアの博物館では,一度レーザープリンタから打ち出したラベルを,

オーブンで少し焼いて,文字を定着させるという技を使っていました.
 

標本の恒久的な保管のために,世界中で様々な工夫が凝らされています.
 

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また,あまりに小さいものは,さらに小さなバイアルなどに入れないと,

瓶の中で探すのに苦労します.
 

しかしそのようなバイアルは小さすぎて紛失しやすいため,

このように瓶に入れておくことで紛失を防ぐ共に,

同じ大きさで瓶の規格が統一され,整理がしやすくなります.
 


ウチノミナンカイヒトデ

 

「珍しいヒトデが入った」

という話を聞きつけ,水族館へ向かいました
 

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こちら!ウチノミナンカイヒトデAsterodiscides helonotusです

このナンカイヒトデ類(科)は,腕の先っちょの1対の上縁板が特に大きくなるのが特徴で,

和歌山県立自然史博物館で飼育されていたヤマトナンカイヒトデもこの特徴を持つのですが,
 

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この種の上縁板はずいぶん巨大です.

まるで蹄のよう...
 

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体表面を覆う顆粒も,色々な形があってかっこいいですね
 

因みにこの種は,偉大なヒトデ研究者であるFisherによって1913年に新種として発表されたという事なのですが,

原記載と思われる以下の文献にあたってみましたが,どうにも記録が見つかりません.
 

Fisher, W.K. (1913)

“Four new genera and fifty-eight new species of starfishes from the Philippine Islands,

Celebes, and the Moluccas”

Proceedings of the US National Museum, 43: 599-648.
 

うーん,なぜでしょうか.情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら,ご連絡くださいませ.
 

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因みに,白浜水族館には,今年になって飼育を始めた可愛いオカヤドカリや,
 

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我々がドレッジ調査で採集したスナダコ等が飼育されていました.

冬休みは解説ツアーもやります
 

是非ともお越しください

 


チビモヅル入荷

とある金曜の昼下がり.

水族館から一本の電話が.
 
 

「ちびっこいモヅルが入荷したよー.」
 
 

急いで駆け付けました
 

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それがこちら.
 

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盤径が指先ほどしかない可愛いモヅルちゃんですね.

おそらくアカテヅルモヅルAstroglymma sculptaの幼体かと思います.
 

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大人は腕を広げると数十センチに達する大型種で,

親御さんかと思われる個体も採れたそうです.
 

奥にいる赤めのやつがアカテヅルモヅル.

手前のはサメハダテヅルモヅルかと思われます.
 

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研究用にくださるということでしたので,さっそく水槽にいれてみました.
 

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ちょっと腕がボロボロになっているので気がかりです.
 

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さっき見てみたら,腕を広げていました.
 

何とか復活してほしいものです.


タイの水族館

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プーケットで滞在したホテルから歩いてほんの1分のところに,その水族館はありました.
 

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巨大な駐車場!あいにくの天気で車は見当たりませんが,

早くも館内のキャパシティの高さが予想されます.
 

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子供と飼育員さんのふれあいに心が躍りますね!

右上の方に,人魚的な人物がいますが,

この方については後々触れられますのでお楽しみに.
 

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看板の片隅にあった謎のロゴ.

これ,何?

何かの幼生のようですが...
 

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なんとチケット売り場を通る前のタッチプールが

いきなり棘皮天国です
 

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コブヒトデから,ゴツゴツのナマコから,

入口でいきなり心をつかまれました
 

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館内はこんな感じ.照明の感じといい,

筒型の水槽といい,なかなか雰囲気はオシャレです



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まずは淡水魚コーナー.ナイフフィッシュと呼ばれる類だそうで,

正面から見ると,その理由に納得せざるを得ない薄さでした.



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電気うなぎ.とある書籍で電気ウナギの恐ろしさを叩き込まれた私には,
 

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この説明図のリアリティにただただ恐怖するのでした.
 

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さらに奥に進むと海水コーナーが

色とりどりの魚たちにまぎれて...



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これはなかなかの作り物ですね.

造礁サンゴの作り物はよく見かけますが,

ヤギの作り物は初めて見たかもしれません.
 

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キレイなミノカサゴ
 

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やたら黄色いウミスズメ.
 

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お,これは有名なVeronのサンゴの解説図では?

きちんと作られたものはワールドワイドに通用するのですね.
 

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サンゴフィギュアが展示されていました.
 

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手元のボタンを押すと...
 

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該当するサンゴが光ります 
 

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クモヒトデもいました

一応属までは調べられていましたが,実際には検鏡しないとわかりません.
 

やはり自分の研究対象には

ついつい魅入ってしまうのが研究者の悲しき性ですね.


タイの水族館②

 

ずいぶん前のことになりますが,

タイの水族館のレポートが途中になっておりました.
 

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途中から無脊椎も本気を出してきました

赤と白のストライプが美しいサラサエビ.
 

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カメラに向かってポージングをしてくれました.

すかさず激写
 

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ホネナシサンゴ.
 

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そして最後はまたお魚ゾーンへ.

なんだか考え込んでいるタツノオトシゴ.
 

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巨大なタマカイ.こんなのと一緒に泳げたら,楽しいでしょうねえ.

※ただし,稀にダイバーに強力な一撃を加えることもあるそうです.注意
 

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海中トンネルまでありました

定番のエイが真上を通過してくれて満足

しかし,エイの口側って何とも言えない顔に見えますよね.
 

そうこうしているうちに,イベントの時間が始まりました

薄暗いシアタールームのような場所に行くと...
 

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何と人魚のロボットが

何年か前に韓国で開催された環境保全のイベントで作られたそうです.

かなり滑らかに動いており,音声に合わせて口を動かしていました.

タイの技術力の粋をみました
 

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お客さんは我々のみという贅沢さ

広々空間で,保全について学びました.

因みに,後で判明したのですが,この人魚のロボットは日本製だそうです.
 

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出口(入口)付近に,なぜかヒトデの詳しい体の仕組みのパネルや,
 

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ナマコの食事法についてのパネルが展示してあることに気づきました.

何故かわかりませんが,この水族館ではずいぶん棘皮動物を贔屓にしてもらっているようです.
 

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これはナマコのデミグラスソース煮込み?

これは棘皮動物研究者としては一度は食べておかねばならない代物ですね.
 

こんな感じで,タイの最終日は過ぎていったのでした.
 

 


鳥取県立博物館に行ってまいりました④

鳥取県立博物館でのシンポジウムが終わり...
 

新たな実習も始まり,SMBLは秋の気配.
 

しかし夏はまだ終わらない
 

鳥取オフショット集です
 

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サンゴ展に掲載さていた勉強になるパネル.

最深の刺胞動物門ない大系統と,その中での骨格を作る分類群(サンゴ)の位置.

こうしてみると,サンゴが刺胞動物内で多系統であることがよくわかります.
 

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つづいてこちらも勉強になったパネル.

グレートバリアリーフは日本語で「大堡礁」というんですね.

欲とよく考えると,海外にあるものに和名がつけられているのもすごいことです.
 

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待合室で見かけた,おそらくキノコ展の産物かと思われるキノコぬいぐるみ.

この後千徳博士の手によってどうなったかは,彼女のブログをご覧ください.
 

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シンポジウム後に連れて行ってもらった居酒屋「かたつむり」.

実に隠れ家な雰囲気漂う良い店でしたよ
 

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シンポジウムお疲れ様でした!乾杯

むむ,しかしこれでは雰囲気が伝わりませんな.
 

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改めていざ

そう、この躍動感があってこその乾杯です
 

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夜遅くまでサンゴについての楽しいお話を聞かせてもらいました.
 

この日は一か月以上に渡った特別展の最終日でもありました.

準備から本番までのほとんどの作業行程を手掛けられた徳田さん,本当にお疲れ様でした.
 

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鳥取の美味いもんをいただきましたよ
 

手前の茶色い練り物が鳥取名物あごちくわ,

その隣の小鉢の中身は,言わずと知れた鳥取の定番らっきょうです.
 

その他にも豆腐ちくわなど,たくさんの珍しくておいしい名産品を頂きました
 

いつも名店を紹介してくださる徳田さん,ありがとうございます
 

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最後に,シンポジウム後にお話をされる千徳博士と江崎先生の師弟ツーショット.
 

江崎先生には,今回もいろいろとご馳走になってしまいました.

いつか恩返しができるように,頑張ります!
 

さてさて,もうすぐ実習が終わりますが,

その後はすぐに動物学会に参加してくるために仙台に行ってまいります.
 

11日L会場 16:45

岡西政典(京大・瀬戸臨海),藤田敏彦(国立科博・動物)

「日本産キヌガサモヅル(クモヒトデ綱:ツルクモヒトデ目)の分子系統解析」

 
 

国立科学博物館の藤田先生と共著です.
 

13日には座長も務めさせていただきます.
 

頑張ります


鳥取県立博物館に行ってまいりました③

シンポジウム報告です


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美ら海水族館の高岡博子さんの発表
 

「ツノサンゴ 鳥取の海松~ツノサンゴについて~」
 

ツノサンゴは枝状の六放サンゴですが,

実はこれに絡んでいるクモヒトデ(てづるもづる)は,須らく珍しいのです.
 

ツノサンゴを見るたびに,毎回つぶさに観察をしいますが

フィールドで出会ったことはほとんどありません.
 

他のクモヒトデが付かない理由は不明ですが,

ひょっとしたら刺胞の強さが関係しているのかもしれません.
 

そんなツノサンゴに関する話題ですが,

まだまだ分類が進んでいないグループということが驚きでした.

特にぱっと見の外見ではほとんど区別がつかず,

詳しい種分類のために顕微鏡観察を要する苦労は

クモヒトデにも共通します(勿論他の分類群もそうでしょう).
 

そもそもツノサンゴの研究者は少ないとのことなので,

今後共ご指導をお願いいたします
 

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鳥取県立博物館の大嶋さんのお話.

鳥取のサンゴ細工に関わるお話でした.
 

このような古い文献記録には,

実は我々の研究している自然史に直結してくるところがあり詳細な検討が必要とされるのですが,

なかなかおろそかになりがちです.
 

例えばテヅルモヅルも江戸時代の文献では,

生きた個体を持っていると手が痺れるのでであり,

乾燥したものを粉末にすると喘息のになる,と書かれており,

その真偽は明らかにされておりません.

いつかは取り組んでみたいですね!
 

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そしてトリの千徳博士
 

サンゴの群体の形づくりが,個虫の隔壁殻の出芽の方向性の組み合わせによって説明できることを,

わかりやすく話してくださいました.
 

特に,これまでに専門にされてきた非造礁性サンゴに見られる個体出芽の規則性が,

実は造礁性サンゴにも応用できる話は,

これからの研究の大いなる発展を感じさせてやまないものでした.
 

会場からの質問にもありましたが,群体性の生物はその個々の個体にの形質だけ注目しがちなのですが,

それだけでは分類が立ち行かなくなっている分類群もみられるそうです.

群体の形成過程や,その規則性を形質とすることで,

系統分類学にも十分応用可能だなと,

興味深く聞かせてもらいました. 
 

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合間に,しっかり白浜水族館の宣伝.

SMBLメンバーの猛プッシュです
 

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ということで,クモヒトデ研究の

ためにもなる大変有意義なサンゴシンポジウムとなりました
 

最後にメンバーでパシャリ.
 

徳田さんから後日メールをいただきましたが,

またこのメンバーで何か企画をしたいくらい楽しい時間が過ごせました.
 

いずれ,また他のInvetebrateな面子を絡めつつ,

楽しい企画をしていきたいですね.
 

今回のシンポジウムをオーガナイズしてくださった徳田さん,

並びに会場設営などでお世話になった鳥取県博の皆様,

本当にありがとうございました


鳥取県立博物館に行ってまいりました③

シンポジウム開始時間が迫り,ちらほら人が集まり始めました.
 

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愛弟子の千徳博士を旧交を深める江崎先生.

講演会のトップバッターを務めるにも関わらずこの落ち着きぶりは流石です,

比べて私は直前までわたわた...

見習いたいです
 

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江崎先生のお話

化石サンゴと現生サンゴが物語るサンゴの来歴
 

我々が目にする,珊瑚礁を作るサンゴは,多くが六放サンゴと呼ばれるもので,ポリプの骨格の作りの基本である隔壁(かくへき)の作りが,6の倍数で増えていくのですが,これにに対して4の倍数で増えていく四放サンゴというものがいます.
 

このサンゴは古生代にしか栄えておらず,現生のサンゴの形を考える上で非常に重要な分類群だそうです.
 

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江崎先生の発表にはいろいろと感銘を受けました.
 

私を含めた系統分類屋の多くは,現在の生物にみられる現象の検討から過去を調べようとしています.しかし,過去には過去特有の現象があり,その検討なくしては過去の環境を知ることは不可能なわけです.
 

そして,過去の現象を調べる唯一にして絶対的な証拠は化石です.
 

今後,研究の方向性に化石の検討を加えたいと思っている私にとって大変勉強になりました.
 

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美ら海水族館の野中さんのお話

八放サンゴについて
 

実はもづるの多くは八放サンゴに絡んで生活しています.そんな八放サンゴの魅力的な形を,立体メガネを駆使して見せていただいたスライドは圧巻でした,
 

さらに,産後のポリプのうち,生殖用のポリプが機能分化しているお話は非常に興味深かったです.
 

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そして勿論私もお話させてもらいましたよ

「サンゴ×クモヒトデ」
 

いつもクモヒトデがお世話になっているサンゴに対しての熱い思いの丈をぶつけさせてもらいました.
 

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ご覧下さいこの八放サンゴに付着した夥しい数のクモヒトデを

決して八放サンゴをいじめているわけでない...と信じたいのですが,

真偽のほどは不明です.
 

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何気なく,新装開店した白浜水族館の宣伝もしてきました

質疑応答もあり,それなりに意味のある発表ができたのではないでしょうか.
 

サンゴのシンポジウムでしたが,多くの方に興味を持っていただけて,非常に有意義でしたよ


水族館改修中

 現在白浜水族館が改修作業中です。

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水族館屋上にあった水槽を交換するらしく、

技術職員さんたちがせっせと作業をしていました。

看板や内装が整ってきて、いよいよ改修も終盤にさしかっています。

リニューアルした白浜水族館は、7月からオープンの予定です。 

白浜にお越しの際には是非ともお立ち寄りください。


アマゾネス?

水族館で変なヒトデが採れました!!

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ヒトデガイドブックに載っている「アマゾネスホウキボシ」に似ているという話でしたが、

なんだか色や形が違う気がします。



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腕の側面にこのようなイボイボが並んでいます。



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口側はこんな感じ。



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よくよく見ると、腕に並ぶ管足が生えている溝(歩帯溝)の横にブツブツが見えます。



科博のヒトデを研究している大学院生にコンタクトしてみたところ、



これはアマゾネスホウキボシ Ophidiaster graniferではなく、

同じ属のミツトゲホウキボシ O. multispinusに近いとのことでした。



腕の側面のイボイボの特徴からそう判断されるそうです。

ただし、アマゾネスホウキボシでもそうなる場合があるそうなので、

詳しい同定のためには更に体の細かい特徴を検討する必要があるのだとか。



頻繁に見かけるヒトデも、実は分類するのが難しかったりします。


すさみエビ・カニ水族館③

すさみエビ・カニ水族館最終レポートです。

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 これは世界最大のエビ、「アメリカンロブスター」です。

人の指なんか簡単に切断しそうな鋏を持っていますが、顔は優しそうです。

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対してこちらは鋏も顔も凶悪。

「オーストラリアンキングクラブ」です。

絶対許してくれなさそうです。

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おや?この水槽には?

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暖房(電熱線)にくっついるこいつは「リョウマエビ」です。

高知県出身としては見逃せないところ。

エビだって寒いとぬくぬくしたくなるんですね。

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その横にはひっくり返ったヒトデ。

管足が丸見えですが良いのでしょうか。

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すっかり楽しんで長居してしまいました!

名前に偽りなしのエビカニ水族館でした。


すさみエビ・カニ水族館②

すさみエビ・カニ水族館レポート第二弾です。

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 ポージング中のオオコシオリエビ

エビという名がついていますが、ヤドカリを含む異尾類の仲間です。

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こいつは強そう。体の表面の黒っぽいのは藻類でしょうか?

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奥の方にヤドカリ釣りコーナー発見。

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結構簡単に釣れたりします笑

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タッチングプールもありました。

アオヒトデやニセクロナマコなどがちらほら。

棘皮にもスポットが当たっていてうれしい限りです。

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フサフサした感じが憎いこいつの名は「ケガニ」です。

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 これは、白浜の近くの南部の漁港でもよく揚がる、「ヒシガニ」です。

こんなに腕が大きい必要があるのでしょうか。


串本へ行ってきました③

水族館レポート第三弾です!

途中、ドクターシュリンプというコーナーが。

イソスジエビが人の角質を食べてくれるそうです。

治療効果が高そうです。

串本海中公園では、たくさんのウミガメが飼われています。

ウミガメも種類によってずいぶん大きさが違うのですね。

餌を持ってるだけでカメたちが寄ってきます!

 みんなよく教育されてます(笑)

 本館から離れた海中展望塔へ!

 

 潜水艦気分ですなあ。

 

展望塔の魚①

ヘラヤガラの仲間?

じっとこちらを見ていました。

展望塔の魚②

ハコフグの仲間

こっちへ突撃してきました。

 

 

 

ということで、サンプルまでいただいた上に、館内も楽ませてただきました。今回いただいたサンプルは、傷まないうちに丁寧に標本として保存しました。

 

研究のアンテナを張っていると思いがけない僥倖に巡りあう事があります。珍しい動物に出会えた時の喜びは、本当に筆舌に尽くしがたいものです。

 

ちなみに、串本ではもうひとつ、研究的に嬉しいことがあり、また伺うことになりそうです。

 

 

最後に、今回の連絡を下さった宇井晋介館長、ならびに丁寧に解説をしてくださった串本海中公園のスタッフの皆様に心より御礼を申し上げます。

 

ありがとうございました!


串本へ行ってきました②

テヅルモヅルの観察が終わった後、

串本海中公園館内を見させていただきました!

 ここではサンゴが非常に良い状態で飼育されており、

そこに棲む熱帯性の色鮮やかな魚達で彩られた水槽が多いです。

 でっかいハナギンチャク類!

触手が見事に伸びています。

飼育が難しいヤギもこんなに元気。

たまにクモヒトデが絡んでいます。

 ウツボのカメラ目線。

 甲殻類もたくさん。

渋い…。

ガザミの仲間でしょうか。

渋い…。

 タガヤサンミナシ(巻貝)です。

こいつは毒で相手を仕留めます。

 

 棘皮も負けていません!

タコノマクラです。

キサンゴ科も飼育されていました。

個々の個体が、規則性に則って群体を形成しているそうです。

 

展示パネルの代わりに、こんなものが!

フォトフレームです。

複数の画像が順番に展示できるよう工夫されています。


すさみエビ・カニ水族館①

和歌山に住んでいてここに行ったことがなければモグリだぜ!

ということで…。

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行ってきましたすさみ海立エビ・カニ水族館!

展示はエビとカニだけ!

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入り口で早速タカアシガニがお出迎え。

世界最大の現世節足動物を惜しみなく入り口に配置するあたり、

さすがエビ・カニ水族館です。

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平たい立派な角が特徴的な「ハコエビ」。

イセエビに比べて味はどうなのでしょうか。

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串本海中公園にもいます。「ソデカラッパ」。

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こいつはカイカムリ?

何も被っておらず、堂々としてますね。

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これ、ニュースで見たことある!

飼育員さんが開発したガラス製の巻貝の模型です。

ヤドカリが貝殻の中でどのように動いているのか一目瞭然。

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エビ・カニ以外も居ました!

しかも彼らの天敵の最大級のタコ、「ミズダコ」です。

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キンセンモドキ。

両側につきだした甲羅の角は何に使うのでしょうか。

あるいは魚の喉に引っかかりやすくするため?

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でました。格闘王シャコ。

実はこいつはエビではありません。

分類で言うと、エビ・カニの属する真軟甲亜綱とは異なる、

トゲエビ亜綱という独自の分類群をつくっているそうです。

海老や蟹では顎になっている部分が、ハサミ状の脚になっています。

このハサミのパンチ力はガラスを割るほどと言われていますが、

実は眼がとても発達していて、高度な視覚を持っているそうです。


串本へ行ってきました①

        串本海中公園でモヅルが採れたとの一報を受けて、すぐさま飛びました。

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良い天気です。

サンゴを見に、千徳博士も同行しました。

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お目当てのモヅルを激写!

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こいつです。Astroclon suensoni

 

この種は、1911年に九州沖からMortensen博士に発見・記載されました。

その後日本からは、1930年にDöderlein博士によって

南日本(詳細地不明)から採集されて以来、記録がありません。

 

世界的に見ても、1980年にオーストラリアから記録されているだけですので、

今のところ世界で3例しか発見記録が無いことになります。

 

このような珍しい動物の再報告は、その土地の自然を理解することにもつながりますし、

当時の環境と比較する上でも非常に重要です。

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この慎ましい腕の分岐…。

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純白の口側…。

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良いもづるは、腕のモヅり方が違いますね。

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 報告をくださった館長の宇井さんです。

 

ありがとうございました。

 

この後館内も見させていただきました!