Skip to content

2015年1月12日~17日 クモヒトデ標本調査@筑波科博

チーム棘皮動物

 

三崎調査を終えた翌日,

やり残しの仕事を片付けに,急遽科博で調査を行いました.
 

IMG_4799

なんと偶然,その日はアメリカのスミソニアン博物館から,

Christopher Mah博士(ヒトデ系統分類学者)が科博に調査に到着した日でした.
 

せっかくなので,つくばセンター駅で一緒に食事をして,

藤田研の院生と一緒にパシャリ.
 

左から,M2の新井君(ヒトデ),研究生のAbe Woo君 (ナマコ),私(クモヒトデ),Chirs (ヒトデ)です.

撮影してくれたD3の倉島君,ありがとうございました!
 

実はChirsとは,ちょうど四年前のスミソニアン博物館訪問以来の再開でした.
 

最近の棘皮動物学の動向から,生き物好きにはたまらない,彼のブログの話まで,

楽しいひと時を過ごしました.
 

さあ,あとは東大での調査を残すのみです


クモヒトデの骨片観察法

クモヒトデを分類する際には,体の中の微小骨片の観察が必要になる時があります.

今日はその観察法をレクチャーいたしましょう.
 

IMG_4708

①まず時計皿に,観察したい部位を入れます.
 

IMG_4714

②ハイターを,
 

IMG_4715

③注入.
 

IMG_4717

③軟組織が泡を立てて溶け始めます.
 

IMG_4724

しばらく待つと,骨片が出てきました
 

IMG_4727

④ピペットでハイターを取り除きます.

骨片を吸い込んでしまわないように注意.

ハイターは乾燥すると結晶化するため,観察の邪魔になります.
 

IMG_4728

そこで,⑤水ですすいでやります.

極力ハイターを取り除き,洗瓶で純粋を注入.
 

IMG_4730

⑥ピペットで水を吸い出す操作を2-3回繰り返します.
 

IMG_4731

⑦水分をなるべく取り除いた後は,乾燥するまで待ちます.

最後に,水の代わりにエタノールですすぐと乾燥が早くなります.
 

IMG_4735

ピンセットで,骨片を両面テープに張り付けて完成

あとはSEMで観察するのみです

 


VHX

IMG_4750

科博での作業を進めています

こちらはデジタルマイクロスコープ,VHX2000.
 

IMG_4752

このように試料台にサンプルを入れ,

高精細な画像を様々な角度から撮影できたり,

リアルタイム深度合成ができます
 

IMG_4753

のみならず,ボタン操作で簡単にSEM式撮影にも切り替えられる

私は決してKEYENCEの回し者ではないのですが,本当に便利です.

精錬された操作性を誇っており,ストレスなく撮影ができます.
 

ガンガン作業が進みます


つくば

 

出張で国立科学博物館(筑波)に来ております.
 

IMG_4686

日本には一体何種のキヌガサモヅルがいるのか?

その謎を解き明かすべく,片っ端から標本を観察するのです.

(もちろん拠点の仕事も兼ねています)
 

キヌガサモヅルの標本の乾かし中.

先日の記事の写真もそうですが,

乾燥させた方がクモヒトデの骨片の形ははっきり見えるのです.

 
 

とりあえず乾燥の仕込み(?)をして,

明日からは本格的な観察の開始です.

IMG_4683

一仕事終えた後の一杯.

これからしばらく,標本漬けの日々です