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Monthly Archives: 11月 2014

伊良部島調査⑩

 

 

沖縄の海の生き物シリーズ,まだまだ続きますよ

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複雑な網目構造を作るエダサンゴ...ではなくて,

その奥にツマジロナガウニが潜んでいます
 

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アマモ類にくっついているホヤ.

よーく目を凝らすとかなりの数が見られました.

かなり巧妙に擬態しています.
 

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この手のひらほどの大きさのイモガイは?
 

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おそるおそるひっくり返してみると,どうやらマダライモのようでした.

いずにしろ怖いので,記録だけ残し,そっとしておきました.
 

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サンゴ塊の奥に,ウツボ発見

幅4-5 cmほどの小さな打ウツボでしたが,近づくと口を開けてしっかり威嚇してきます.

そっとその場を離れました.
 

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大きなサンゴには,大型の魚類の住処になっています.

オーバーハングしたサンゴの裏側には,ギョロ目のハリセンボンが.

じーっとこちらを観察しているようでした.
 

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おっと,ミノカサゴまでいました

楽しい海とはいえ,やはり危険がいっぱいですね.

十分気を付けましょう.
 

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こちらは,おそらくタマシキゴカイか何かの卵塊でしょう.

奥の方に,親の巣穴が見えます.
 

普段は潮間帯で干上がった状態の磯観察が多いため,

水中で見る生き物は,いずれもとても興味深い生態を見せてくれます.
 

 


伊良部島調査⑨

それでは,伊良部島の生物たちをご紹介します
 

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海草に紛れていたヒトデ.
 

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死サンゴにはたくさんの生物が固着しています.

ウミシダや...
 

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おそらくもう生殖時期が終わりかけですが,

必死に固着しているウミウチワの仲間.
 

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海草が途切れると,砂地にちらほらとサンゴ塊が現れます.
 

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かぼちゃみたいなヒダ状のサンゴ.
 

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サンゴの形はやはり見ていて多様です.

枝状,ヒダ状,塊状...
 

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おや,遠くの方に何かが見えます.
 

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キノコが花粉をまき散らしているわけではありません.
 

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何らかの調査で打ち込まれた杭の先端にサンゴが定着し,

魚の住処になっているようです.
 

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私が近づいていくと,サンゴの中に隠れてしまいました.

外からサンゴをつんつんしてみても逃げません.

どうやら相当頼りにしている隠れ家のようです.
 

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しばらくじーっとみていると,こちらの様子をうかがうようにそーっと出てきていました
 

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今回の調査で,サンゴと生物多様性の関係の一端が見えたような気がします.

様々な生物を育んでいるサンゴは,まさに海のゆりかごなのかもしれませんね.

何より,見た目に美しいサンゴは,それだけでも守る価値のあるものだと実感できました.
 

続く.

 


伊良部島調査⑧

せっかく水中シリーズなので,

私のダイビング装備を紹介いたしましょう
 

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その① ピンセット
 

基本アイテムです.危険生物や固い固着性の生物は,

まずこいつを使ってアタックを試みます.

脆い石なら破壊も可能です.
 

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その② ハサミ
 

ヒドロ虫などの樹状の生き物にクモヒトデが絡んでいる場合,

ピンセットではあーだこーだといじくってるうちにボロボロになることもしばしば.
 

そんな時には,これでホストごと切った方が,双方へのダメージが少なくて済みます.

百円ショップものですが,ここ数年は問題なく使えています.
 

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その③,記録用紙台と鉛筆.
 

そのまんま,水中での情報記録用ですが,紙は使いません.

この記録台に直接書き込みます.
 

紙の質によりますが,水中では紙に書き込むよりも,

プラスチックに書き込む方が断然効率が良かったりします.

試行錯誤の末にたどり着きました.
 

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その④ 洗濯網.
 

単なる日用品と侮るなかれ,

今回の調査で少し破けてしまいましたが,

私の装備の中では,

傑出した耐久力とコストパフォーマンスを兼ね備えた代物です.
 

ビニールパック袋やポリ瓶にサンプルを入れ,この袋の中に入れて地上に持ち帰ります.
 


伊良部島調査⑦

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見渡す限りの海草原でした.
 

よくこういった場所が「藻場」と呼ばれますが

海藻と海草は全く別物です.
 

海藻は,コンブやワカメに代表され,花は咲かせず,胞子体を作って生殖します.

一方海草はいわゆる「種子植物」の類で,花を咲かせて,種子によって生殖します.

海草の祖先は陸上由来と考えられているため,海には二次的に進化したことになります.

前置きが長くなりましたが,これらはおそらくアマモなどの類の立派な海草です.
 

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波に揺られる海草原は本当に幻想的でした.

水深も2-3 mと非常に浅かったため,

心置きなく生き物観察を楽しむことができました.
 

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他のメンバーも次々に降りてきます.
 

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水中でもライン調査が行われていたので,

興味深く拝見していました.

用意するものは,杭とハンマーと巻尺.
 

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まず,このように杭を地面に刺し...
 

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ハンマーで打ち込む 
 

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打ち込む 
 

杭の頭だけしか見えなくなるくらいにまで打ち込みまくります.
 

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杭の頭にはこのように,ライン用をの巻尺の一端を固定し,
 

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もう一方をもって泳ぎ,ラインを作ります.

終着地点では,もう一つ杭を使って端点を固定します.
 

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あとはラインにコドラートを沿わせ,

順番に写真を撮影していきます.

陸上で撮影した写真を見ながら各生物の被度を計算します.
 

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こちらは端点に浮かべられていた何か.

おそらくGPSかと思います.
 

今回は波も非常に穏やかでほとんど苦労はありませんでしたが,

場合によっては物が流されないように注意する必要があります.

今回の調査では,ダイビングの猛者の方々の「技」を目の当たりにして,

一つスキルアップした気がします
 

続く.

 


伊良部島調査⑥

伊良部島調査も佳境に差し掛かってまいりました

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最終日のダイビングポイントは,伊良部島と下地島の間にある佐和田の浜です.

遠くの方に,大きめの岩がゴロゴロ転がっています.
 

1771年に起こった「明和の大津波」で海底から運ばれたものだそうです.

このようなものを「津波石」というのですが,

実際に津波石をそれと認識して目の当たりにするのは初めてで,

島を壊滅させたという津波のすさまじさを見せつけられた思いでした.
 

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この「明和の大津波」で,標高の低い宮古島は壊滅的な打撃を受け,

12000人もの犠牲者が出たということです.
 

もし現在津波が起こった場合の陸上の安全対策に関しては不勉強ですが,

今回の我々の活動は,その被害評価のために役立つものと信じています. 
 

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ということで,今日も調査に励みます.

最終日は海人の方々ではなく,

ダイビングショップに船を出してもらいました.
 

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実はこれまで大人数でボートダイビングをしたことがなかったので,

今回の調査は,とても快適なのでした

どの船も,広くて作業がしやすいのです
 

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装備を整えて,出発!海岸には,人類文化学の調査メンバーの,

高橋さんと渡久地先生が見送りに来てくださっていました!

行ってきます
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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我々は再び海岸にいました

車の中にウェイトを忘れてしまっていたのです. 
 

改めて,出発
 

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何度でも言いたい

本当にきれいな海と空でした.

実はこの後,水中でもっと美しい光景を目の当たりにできたのです. 
 

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碇をおろし,いよいよ水中へ

次回はたくさん水中写真を紹介します
 

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こうご期待

 

 


伊良部島調査⑤

ダイビング調査二日目

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海藻やサンゴの研究者など,調査人数が増え,にぎやかになってきました
 

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出向直後に,お神酒を海に奉納し,調査の安全を祈ります. 
 

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調査の合間に,とても優しい海人が,いろんな差し入れをしてくださいます.

クッキーやコーヒーに始まり,
 

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船長お手製のスープや,
 

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なんとお昼にラーメンを振舞ってくださいました

南国とはいえ,濡れた体で風にあたっているとどんどん体温が奪われます.

暖かいスープがとても体に沁みました...
 

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ちなみに,この日も漁は絶好調のようで,

南国らしい色とりどりのお魚が釣れていました.

モンガラカワハギやスズメダイの仲間など,

素手では絶対に採れない魚をポンポン釣り上げる様子を見ていると,

人類の生活を支えてきた漁法には,やはり人の英知が詰まっているのだなあと,

いまさらながら感銘を受けていました.
 

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日が傾きかけたころ,やっとこさ調査終了.

調査地から港へは約1時間弱です.
 

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その間,船尾に糸を泳がせ,大物を狙った釣りを行っていました.

残念ながら今回は釣れませんでしたが,シイラやカツオなどが釣れるそうです
 

続く

 


伊良部島調査④

一日に複数回潜るので,途中でダイビングショップからボンベを補給してもらいました.
 

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いい感じの時間帯になると,ダイビングショップの船が接近
 

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ロープを使ってしばらく船を横付けし,

使用済みと未使用のボンベを交換です.
 

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なんとウミヘビを捕まえる猛者が
 

安全な種類だと,行動を見極めてコツをつかめば,比較的簡単に捕まえられるそうです.
 

ちなみに,沖縄の言葉でウミヘビは「イラブー」.

今回の調査で,誰かが伊良部島の語源はウミヘビなのかも,と言っていました.
 

真偽のほどはさておき,実際に泳いでいると結構ウミヘビに遭遇する確率が高く,

舌をチロチロさせた蛇が水中を器用に泳いでいるのを見ていると,

なんだか不思議な気分になりました.
 

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持ち帰った生物は,担当班ごとに分かれて,撮影し,標本にします.
 

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みなさんそれぞれの技を使って次々に標本化していきます.
 

沖縄のみなさんはとても写真を撮るのが上手な人が多く,

いろいろと撮影技術を勉強させてもらいました.
 

たとえばフラッシュ一つとっても,フラッシュ自体にカメラのシャッターが内臓されているものや,

無線で本体の信号をキャッチするものなど,

今後の撮影意欲を駆り立てられる面白アイテムがたくさん見られました
 

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その場できっちりと記録をつけていくと,

あとの作業が楽になります.

諸先輩方の技術をたくさん学ばせてもらいました


伊良部島調査③

 

今日はいよいよダイビング調査です
 

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漁師さんの船をお借りして,

ボートダイビングをさせてもらいました
 

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調査日の三日間は天候に恵まれました

ご覧くださいこの快晴
 

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早く紺碧の海に潜りたくてうずうずしている伊勢先生(左)と,

フクロムシの専門家の琉大の吉田博士(右).

お二人とも,スキューバ経験豊富な頼れる研究者です
 

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ふと近くの丘を見上げると,調査リーダーの藤田博士(海の自然史研究所)が.
 

沖縄の離島調査では,海人(うみんちゅ:漁師さん)の協力が必要不可欠ですが,

藤田博士は長年にわたって沖縄で調査をされており,

沖縄の海人からの信頼の厚い,優れた自然史研究者です.
 

今回の調査は,藤田博士以外にはなしえない調査だったでしょう.

お誘いいただいて,本当に良い経験をさせてもらいました

ありがとうございました
 

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漁師さんがサビキ釣り中.
 

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鮮やかな赤い色のグルクンと思われます.

基本的には,漁の合間の船の停泊中にダイビングをさせてもらっています.

惜しみない協力をいただいた海人の皆様,ありがとうございました
 

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休憩中の様子.

透明度が高くて,まるで浮かんでいるようです.

本当に美しい海ですね.
 

沖縄の美ら海がますます好きになってしまいました.
 

続く


伊良部島調査②

 

沖縄調査のレポートを書きましょう
 

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沿岸性の生物調査部隊は,潮間帯も攻めました

干潮時間は真っ暗けの午前12時.
 

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しかしその方が面白生物との遭遇確率がアップしようというもの.

それぞれライトを手に,浅海の生き物にアタックです.

フィールドワーカーは,状況がつらいほど燃えるという側面を備えています.

こちらが調査用具.様々な生物を採集するための強力な武器たちです.
 

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巻尺の一端を固定し...
 

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もう一端を伸ばしてライン(今回は50 m)をつくり,

そのライン上の幅約1m間の生物を,定量的に調査します.

「ライン調査」と呼ばれる,非常にありふれた生態学的調査手法の一つです.
 

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夜中に出現した生き物シリーズ.

砂に潜って隠れているハゼ.
 

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威嚇のポーズをとるクマドリオウギガニ(多分).

他にもミナミコメツキガニなどのカニ類が多数見られました.
 

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しっかり触手を広げたハナギンチャク類.

光を当てていると,少しずつ触手が縮んでいきました.

夜中ならではの光景です
 

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なぜかマングローブの葉の裏に特異的についている巻貝類.

おそらくイロタマキビだとか.

いずれも沖縄では普通に見られる生物かもしれませんが,

普段本州で見ている生物相との違いに興奮しっぱなしの一夜でした
 

この後,採集した生物を仕分けして,翌日のダイビングに備えました


伊良部島調査①

沖縄西方の伊良部島に調査に行ってきましたよ
 

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白浜を出発してから,関空経由で沖縄本島で飛行機を乗換え...

8時間かけて,ようやく伊良部島のお隣の宮古島にたどり着きました.
 

海岸線からやや離れた場所に白波が立っています.

そこに珊瑚礁の際(リーフエッジ)がある証拠です。南国ですね~.
 

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宮古島空港では,先に到着していた名古屋大学の伊勢先生がお出迎え.

海綿動物の専門家で,私の出身研究室の先輩なんですよ
 

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宮古島から伊良部島へ移動開始.
 

珊瑚礁が隆起してできた島ということで高い山がほとんどありません.

見渡す限りのサトウキビ畑
 

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宮古島から伊良部島へは,この「スーパーライナーはやて」で

約20分です
 

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日が傾いてきてとてもムーディーです.
 

ちなみに,この写真にうっすら見えているのは,

来年に開通予定の,宮古島と伊良部島を新しく繋ぐ橋です.
 

開通すると,伊良部島への人の流入が格段に増すと予期出できます.

そこで生態系に影響が出る前に,

その生物相を網羅的に調査・記録しようというのが今回の調査目的です.
 

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一日かけて,伊良部島の調査拠点にたどり着きました.
 

今年最後の調査が始まりますよ


棘皮動物研究集会

「棘皮動物研究集会」が開催されます
 

今年で発足11年目という,比較的若い会です.
 

師走の始まりのとある日,国内の棘皮動物研究者が人知れず集い,

棘皮動物話に華を咲かせるというマニアックさ
 

詳細はこちら
 

「第11回棘皮動物研究集会」

場所:東京大学三崎臨海実験所

日程:2014年12月6日(土),昼くらいから.
 

基本的には忘年会も兼ねたフレキシブルな会です.

堅苦しい雰囲気もなく楽しめます
 

勿論私も発表いたします
 

「キヌガサモヅル(棘皮動物門,クモヒトデ綱)の分子系統地理」

というタイトルで,academistで募った資金で行った研究の成果発表です
 

翌日のもづるカフェも参加して,今年の締めは棘皮動物で決まりです

 

 


タイの水族館

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プーケットで滞在したホテルから歩いてほんの1分のところに,その水族館はありました.
 

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巨大な駐車場!あいにくの天気で車は見当たりませんが,

早くも館内のキャパシティの高さが予想されます.
 

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子供と飼育員さんのふれあいに心が躍りますね!

右上の方に,人魚的な人物がいますが,

この方については後々触れられますのでお楽しみに.
 

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看板の片隅にあった謎のロゴ.

これ,何?

何かの幼生のようですが...
 

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なんとチケット売り場を通る前のタッチプールが

いきなり棘皮天国です
 

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コブヒトデから,ゴツゴツのナマコから,

入口でいきなり心をつかまれました
 

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館内はこんな感じ.照明の感じといい,

筒型の水槽といい,なかなか雰囲気はオシャレです



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まずは淡水魚コーナー.ナイフフィッシュと呼ばれる類だそうで,

正面から見ると,その理由に納得せざるを得ない薄さでした.



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電気うなぎ.とある書籍で電気ウナギの恐ろしさを叩き込まれた私には,
 

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この説明図のリアリティにただただ恐怖するのでした.
 

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さらに奥に進むと海水コーナーが

色とりどりの魚たちにまぎれて...



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これはなかなかの作り物ですね.

造礁サンゴの作り物はよく見かけますが,

ヤギの作り物は初めて見たかもしれません.
 

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キレイなミノカサゴ
 

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やたら黄色いウミスズメ.
 

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お,これは有名なVeronのサンゴの解説図では?

きちんと作られたものはワールドワイドに通用するのですね.
 

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サンゴフィギュアが展示されていました.
 

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手元のボタンを押すと...
 

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該当するサンゴが光ります 
 

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クモヒトデもいました

一応属までは調べられていましたが,実際には検鏡しないとわかりません.
 

やはり自分の研究対象には

ついつい魅入ってしまうのが研究者の悲しき性ですね.


もづるカフェ開催!

東京にて,もづるカフェ開催いたします

—————————————————————-
【もづるカフェ】

■日 時:2014年12月7日(日)13:00~15:00
■場 所:喫茶ルノアール(JR高田馬場駅早稲田口より徒歩3分)
( http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.60 )
■定員:15名
■参加無料
■講演内容:
1. てづるもづるとは?
2. 分類学って?
3. これまでの研究紹介
4. キヌガサモヅルの分類学的研究の進捗状況
—————————————————————-

講演の後は参加者を交えてのサイエンスカフェ形式での鼎談も予定しています.
 
終了後は早稲田近郊で懇親会(有料)を開催いたしますので,

こちらも是非ご参加ください.
お申し込みは( mokanishiあっとtezuru-mozuru.com )にお願いいたします.
 

タイトルを「もづるカフェ申し込み」としていただき,以下のフォームをお埋めください.
氏名(アカデミストユーザー名):
講演会参加:有・無
懇親会参加:有・無
 


タイへ行ってきました⑫

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船の出航時間が迫ってきたので,コテージに戻っていると
 

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なんと道端にウシが二頭。この島はウシさんパラダイスです
 

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こちらのウシさんは向いてくれませんでしたが,
 

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こちらの実にウシらしい柄のウシさんは,

正面から撮れました
 

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そんなこんなで,プーケットに帰る時間になりました.

同じく帰り便を待ち受ける観光客で,ビーチは溢れています
 

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対して明らかに観光でない我々
 

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やや天候が不安でしたが,無事に帰ることができましたとさ.


タイへ行ってきました⑪

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調査が終わった翌日,本島行の便の出港まで時間があったので,

ちょっくら島を散歩してきました.
 

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なかなか風流な眺めです.
 

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時々,小さな池がありました.

こんなつり橋もあったのですが,普通にすぐ横に回り道できる道があったので,

実用的なものではないのかもしれません.
 

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おお,なんかめっちゃリゾートチックなコテージ海岸が見えます
 

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「ホテル居住者のみ」
 
 
 

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落胆してとぼとぼ歩いていると,牛さん

しかもこいつは水牛っぽい
 

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水牛さんも交えた写真を撮れて満足です


デスクトップ

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研究室PCのデスクトップ画像を,久々に更新しました.

先日の調査で撮った海と船の写真です.
 

楽しかった余韻に浸る間もなく,次の調査が迫っております.  

12月にサイエンスカフェを開催予定です.

—————————————————————-
【もづるカフェ】
■日 時:2014年12月7日(日)14:00~16:00
■場 所:10°cafe(JR高田馬場駅早稲田口より徒歩3分)
http://judecafe.com/access-%E4%BA%A4%E9%80%9A%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
■対 象:支援者(もづT,もづポロ,もづパー所有者優先)
■人 数:限定20名
■参加無料
■講演内容:
1. てづるもづるとは?
2. 分類学って?
3. これまでの研究紹介
4. キヌガサモヅルの分類学的研究の進捗状況

 

講演の後は参加者を交えてのサイエンスカフェ形式での鼎談を行いたいと思います.

カフェ終了後は,早稲田近郊で懇親会(こちらは有料)も開催予定です.

参加者の皆様の親睦を深めていただくため,

首から下げる名刺ケースをご用意いたしますので,

名刺等ご所属のわかるものをご持参ください.



申し込みは私mokanishiあっとtezuru-mozuru.comまでお願いいたします.

タイトルを「もづるカフェ申し込み」としていただき,以下のフォームをお埋めください.
 

氏名(アカデミストユーザー名):
講演会参加:有・無
懇親会参加:有・無

申し込み締め切りは,11月14日とさせていただきます.

懇親会のみの参加も歓迎です.

—————————————————————-
 

ということです.
 

12月お会いしましょう

 

 


タイの水族館②

 

ずいぶん前のことになりますが,

タイの水族館のレポートが途中になっておりました.
 

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途中から無脊椎も本気を出してきました

赤と白のストライプが美しいサラサエビ.
 

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カメラに向かってポージングをしてくれました.

すかさず激写
 

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ホネナシサンゴ.
 

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そして最後はまたお魚ゾーンへ.

なんだか考え込んでいるタツノオトシゴ.
 

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巨大なタマカイ.こんなのと一緒に泳げたら,楽しいでしょうねえ.

※ただし,稀にダイバーに強力な一撃を加えることもあるそうです.注意
 

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海中トンネルまでありました

定番のエイが真上を通過してくれて満足

しかし,エイの口側って何とも言えない顔に見えますよね.
 

そうこうしているうちに,イベントの時間が始まりました

薄暗いシアタールームのような場所に行くと...
 

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何と人魚のロボットが

何年か前に韓国で開催された環境保全のイベントで作られたそうです.

かなり滑らかに動いており,音声に合わせて口を動かしていました.

タイの技術力の粋をみました
 

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お客さんは我々のみという贅沢さ

広々空間で,保全について学びました.

因みに,後で判明したのですが,この人魚のロボットは日本製だそうです.
 

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出口(入口)付近に,なぜかヒトデの詳しい体の仕組みのパネルや,
 

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ナマコの食事法についてのパネルが展示してあることに気づきました.

何故かわかりませんが,この水族館ではずいぶん棘皮動物を贔屓にしてもらっているようです.
 

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これはナマコのデミグラスソース煮込み?

これは棘皮動物研究者としては一度は食べておかねばならない代物ですね.
 

こんな感じで,タイの最終日は過ぎていったのでした.
 

 


タイに行ってきました⑩

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天候不順もありましたが,

最終的には,全日程でダイブを行うことができました.

目的としていたニシキクモヒトデも得られ,

実りある採集になりましたが,

水中でいくつかの調査用具を失くしてしまい,

ダイビング調査に真剣に向き合う良い機会になりました.



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最後の夜ですから豪勢です
 

牛肉の野菜いため,空芯菜,そしてタイカレー...

タイフードは本当にどれも美味しいです.

住んだらきっとぶくぶくになってしまいます
 

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なかでもこいつは別格でした.

生姜の切り端がまるまる入ったスープですが,
 

まあ辛いこと.
 

タイの本気を見ました.
 

これを食べたら,しばらく味覚が失われます

しかしながら,辛さの奥にしっかりとした旨さが秘められており,

喉もと過ぎて辛さを忘れた頃に,

ついついまた手を伸ばしてしまう魔性のスープです.
 

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カニだって食べちゃいます

おそらくタイワンガザミかと思います.

店内の生け簀から採れたてほやほやを蒸してくれました!
 

注文の際に,「Death or live?(カニが)」と聞かれて,勿論liveを選びましたが,

Deathはいったいどういう選択だったのでしょうか. 
 

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カニの身ディップ用の甘辛ソース.

タイでは,ほとんどの食事で唐辛子,砂糖,魚醤などの

追加調味料が伴います.

自分ごのみにカスタマイズできる良き国です.

(上記スープのように初めから選択肢がないこともあります) 
 

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最後はビールに合うTENPURAで〆!
 

食事が終わったころに合流したPiyaさんが,

酒のつまみにと注文してくださいました.
 

日本のものよりちょっと衣が硬い感じでしたが,

しっかり下味がついていておいしかったです
 

こうしてRacha島最後の夜は過ぎていきましたとさ.
 

続く.


タイに行ってきました⑨

 

タイでの調査について,いろいろ書いてきましたが,

肝心の収穫をお見せ致しましょう
 

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収穫その①「チビクモヒトデ」

まずは小手調べ.世界中の海岸域に生息していると言われているクモヒトデです.

分裂によって増え,時々水族館の水槽などにうじゃうじゃ沸くことがあります.

でも悪さはしません...多分.
 

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その②「トゲクモヒトデ科の一種」

おそらくトゲクモヒトデ属Ophiothrixかと思いますが,検鏡しないとわかりません.

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なかなかカラフルな種です.

この類は,ダイビングではほぼ必ず採集することができます.
 

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その③「オニクモヒトデ」?

これはなかなか味わい深い色彩ですね...
 

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こちらは盤の拡大画像.

配色や,このような盤上にみっしり生えた棘から同定していますが,

やはり実際には顕微鏡で口側などを見て見なくてはなりません.
 

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その④「ウデナガトゲクモヒトデ属の一種」

その名のとおり,腕がながーーーいクモヒトデです.
 

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うーん,よく見ると盤上を覆う微小な突起がかっこいいです

うっとり...
 

ちなみに,腕の付け根に見える三角系の部分は輻楯(ふくじゅん)と呼ばれており,

その形,大きさ,刺などの被度などが分類形質となっています.


 

こんなふうに,ひとくちにクモヒトデといっても,

よーく見るといろんな形があってかっこいいのですよ
 

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ちなみにこちらが口側.
 

ふわふわ触手みたいに伸びているのは,そのまんま「触手」と呼ばれるもので,

ヒトデやウ二が移動に使う吸盤(管足と呼ばれます)と相同です.
 

クモヒトデでは腕自体をくねくね動かして移動するので,

この触手に移動するほどの吸着力はありませんが,

その他様々な事に使われており,

例えばこの種では触手を使って腕の先で捉えた餌を,

口まで運んでいるのを見かけます.
 

腕を伸ばしたままで自動的に餌を得る...

夢の寝そべり生活です


 

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そして,これが今回の目玉です

このヤギをよーーく見てみると...?
 

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クモヒトデが絡んでいます
 

その⑤「ニシキクモヒトデ」です
 

今回はじめて,タイの西側のアンダマン海で採れました
 

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タイの東側のタイ湾では,一つのヤギに様々な色彩変異が見られましたが,

こちらのものはどうも全て同じ色彩のようです.
 

そもそもこれらは同じ種なのか?

それとも色が違えば別種なのか?
 

このようにある種の色彩一つをとっても,

まだまだわからないことだらけです.
 

タイにおいては大雑把な種数も分かっていない状況ですが,

私が三回調査しただけでもこれだけの種が採れ,

その多くが分類学的な問題を抱えています.
 

このような状況ですから,例えば,

「タイにはどれくらいのクモヒトデがいるの?」

という質問の答えをだすためには,10年以上はかかるでしょう.
 

と言って,やる人がいなければ,また数十年,

タイのクモヒトデの種数はわからないままです. 
 

クモヒトデに限らず,多くの無脊椎動物の分類学的研究は,

まだまだこんな状況です.
 

しかし,実際にはいろんな分類学者が,

日々自分の研究対象の謎を解明すべく,

細々と頑張っています. 
 
 
 

続く.


タイに行ってきました⑧

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ダイビング調査が終わったある日,

コテージの前のジャングルを眺めていると...
 

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おや...?
 

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なんと
 
 
 

ヤシの木のてっぺんに人がいます

どうやらこれ,ヤシの実の採集現場のようです.
 

登った人がヤシの実を採集し,

ロープにくくりつけて吊り下ろします.
 

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下の人はそれを受け取り...
 

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運ぶ
 

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そして上の人はどうやって下りてくるかと思ったら...
 

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両足首をロープで結んであります
 

このロープの摩擦でしっかりと足とヤシの幹を固定することで,

尺取虫のようにするすると降りてきていました.
 

登るときも同じ原理です.
 

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チラッ
 

カメラ目線をいただきました

タイの人々はサービス精神旺盛です.
 

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私もやってみましたが...
 

1 mも登れませんでした(笑)

立派なヤシ職人になるにはまだまだ鍛錬が足りないようです.
 

とある南国の昼下がりの出来事でした.

 


タイに行ってきました⑦

そろそろRacha島のご説明をば.

この島は,タイ南西部プーケット島

(島といっても,タイ本土と短い橋で繋がれているだけです)より,

南へ20kmほどのところに浮かんでいます.
 

インド洋の青い海と白い砂浜に囲まれて,

「この世の楽園」とか言われるような観光地のようです.
 

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こちらがその楽園の地図.

ダイビングショップのものなのでダイブポイントの表示に特化しています. 
 

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少し散策すると地図が見つかりました.

人の活動域は,島の北側に限られているようです.

ちなみに南には小高い山が並んでいました.
 

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我々が滞在したスキューバショップ周辺の様子.
 

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他の集落への通り道に位置しているため,

時々観光客を乗せたトラクターが走っていくのを目にします.
 

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小さな集落ですがコンビニもあり,

ビールも売られていて品揃えは豊富です.


 

 
 

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ヤシの木が南国感を醸し出しています.

ある程度の間隔を保って植えられているところを見ると,

おそらく園芸的に植えられたものもあるようです.
 

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街灯代わりに,豆電球が柵に巻きつけられていました.

風流ですねえ.
 

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家畜として連れてきたところ,

いつの間にか牛が増えていたのだとか.

普段は草原に寝そべっていますが,

お昼時には,こうしてご飯をおねだりしに集落に現れるようです.
 

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カメラを構えていると...おやおや...?
 

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おやおやおや??
 

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牛を連れてきてくれました
 

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牛さんのアップ
 

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ドアップ
 

とても人懐こい牛さんでした
 

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この牛はその後,藤田先生の乾燥中の荷物に,

ちょっかいをだしに行って怒られてました
 

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夕方になるとセパタクローが行われていました.

たまにはこんな南国時間に身を任せることも大切かもしれませんね.
 

続く.

 


タイに行ってきました⑥

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調査地点に着いたら,早速準備です.
 

船上でBCジャケットを装着します.

その他,調査に欠かせない記録用耐水媒体(紙とかプラスチックボードとか),

ピンセット,水中カメラ,サンプル保管用プラスチック容器,

などを,水中でバラバラにならないように体にくくりつけ,

いざダイブ  
 
 
 
 

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船の下は,砂,石,サンゴのがれきなど,

生物が潜んでいそうな基質がたくさん

喜び勇んで潜水調査中の様子です.

これまでに比べて透明度がよく,大変快適に調査できました!
 

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水中棘皮動物シリーズ①

「ナガウニ」
 

色合いといい,リュウキュウナガウニのようですが,

果たしてどうでしょうか.
 

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その②,「アオヒトデ」
 

このヒトデは日本近海にもたくさんいますが,

このようにインド―西太平洋区に広く分布しています.
 

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その③「オウサマウニ」
 

スキューバとかでないとなかなか見られないウニです.

刺が太くてかっこよく,

系統的にもウニの中で祖先的なグループということで,

なんだか研究者魂をくすぐってくれます.
 

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このトゲトゲは
 

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その④「オニヒトデ」です

意外に個体数は少なかったのですが,

今回の調査でも何度か見かけました.
 

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オニヒトデの周りに,小魚がちらほら.

隠れ家となっているのでしょうか?
 

サンゴの天敵としてあまり印象の良くないオニヒトデですが,

このようにしっかり生態系の一角を担っていることを考えると,

むやみに敵視するのも考えものかもしれませんね.
 

保全学に関しては不勉強ですが,

要はバランスをどう保つかということだと思います.
 

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その⑤「マンジュウヒトデ」

勿論日本でもみられる(白浜水族館にもいる)のですが,

日本産のものには表面の赤いポチポチがないのだとか.
 

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その⑥「カワテブクロ」
 

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ひっくり返すと,口の部分に石が.

お食事中だったようですね.

(石を食べるわけでなく,付着生物を食べていると思われます)
 

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その他,こんな大きなナマコ(直径5-10cmほど)がいたり,
 

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ウミシダも比較的多く見られました.
 

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多くの棘皮動物は,検鏡なしでは同定が難しいわりに

体サイズが大きい種が多いため,

野外のサンプリングで持ち帰るかどうかに悩む場面に直面します.
 

また,丁寧に採集しないとボロボロになってしまう分類群が多いのもまた事実です.

このような問題を処理しながら,効率よく調査を行うには,

やはり専門的な知識や経験をもつプロフェッショナルが,

現地で採集をする必要があるのです.

続く.
 

※今回の記事の水中写真は全て国立科学博物館の藤田先生に提供していただきました

ありがとうございました


タイに行ってきました⑤

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Racha島の説明などはまた後にするとして,

早速調査の様子をお伝えいたします
 

早朝八時,まずは器材のセッティングとチェックです.

主に命に関わる酸素を得るためのBCやレギュレーターは念入りに.
 

自分でセッティングする場合もありますが,

今回はショップのスタッフの方々がセットアップしてくださるので楽でした
 

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Racha Scubaは小さな集落ですが,

カフェもあります.
 

Racha Yai Cafeというこのお店で,

毎朝アメリカ式の朝食を賄ってもらいました
 

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準備が整ったところで今日の作戦会議です.
 

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このようなボードを使ってその日の調査ポイントの地形などを説明してもらいます.

水中地形は潜ってみないとわからないため,

地元のダイバーの方との連携が必須です.

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器材を車に積んで,上陸した船着場へ出発です.

トラクター(Racha島のタクシーはほとんどこれ)とすれ違い...
 

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観光客の間をすり抜け...
 

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人であふれるビーチに到着

実はこの時期はRacha島のハイシーズンらしく,

お忙しい中時間を割いてくださったショップのみなさんに感謝です.
 

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水着の人々の中,ウェットスーツでバケツを道歩く謎の集団.(笑)
 

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ビーチから船に荷物を積み込み出発
 

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船上での様子.藤田先生と,後輩の新井君.

彼はヒトデの分類を行っています.
 

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Piyaさんと,手前の帽子を目深に被っている方は,

チュラロンコーン大学のSeさん.

Seさんは,以前の調査でも手伝いをしてくれました
 

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右側が黒潮生物研究所和歌山支部の今原先生.
 

スキューバでみられる生物の代表格とも言えるヤギ類ですが,

実は研究者が少なく,分類があまり進んでいません.
 

今原先生はそんな数少ないヤギ類(八法サンゴ類)の専門家で,

最近大変有用な八放サンゴの本を書かれました.
 


タイに行ってきました④

 

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Racha島に到着して,タイのチームと合流します.
 

今回は先方に,調査用の器材などの一部を用意してもらいました.

このように特に海外調査においては,当地とのコネクションが重要です.
 

長年に渡って東南アジアとのコネクションを築かれてきた先生方に感謝です.
 

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こちらがRacha島での宿泊コテージ.

今回の調査の本拠地です
 

なかなか快適でしたが,ここではのちのちに,

ある生物との戦いを強いられる事になるのです...
 

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この日は移動日で,調査は翌日から.

こちらは地元でScuba Shopを経営しているPiyaさん.
 

今回は本当にお世話になりました.

右手にいらっしゃる,タイのチュラロンコーン大学のApple先生の下で修士号を修得された後に,

このショップを経営されているそうです.
 

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ということで,PiyaさんによるRacha島の説明を受けて,

早速お昼ご飯となりました.

東南アジアの食は最高です!
 

続く.


タイに行ってきました③

 

更新が滞ってしまいましたが,タイ調査記第二弾です
 

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タイに到着後一夜明け,ツアー客に交じって調査本拠地のRacha島へ渡ります.

レジャーにおける注意説明を受けていると...
 

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「刺が長いウニ(ガンガゼ)は危険です」

日本の臨海実習と同じ説明をしていますね
 

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Racha島へはスピードボートで渡ります

浜にズラッと並んだボート群

さすが観光大国タイランド
 

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船着場がないため,水にじゃばじゃば浸かりながら乗船する羽目に.

事前連絡がなかったため,ジーンズがびしょびしょになりました
 

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スピードボート内の様子.

奥の三人が,一緒に調査同行したメンバーです.


 

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そして一時間ほどの船旅のあと,Racha島に上陸

ここからはこのトラックで移動です.
 

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ヤシの木が乱立する道を抜けると...
 

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おお!Racha Scubaの本拠地にたどりつきました
 

常夏の国での調査の始まりです


タイに行ってきました②

プーケットの入国審査で並ぶ列の選択に失敗して一時間以上かかり,

ヘロヘロになりながらもなんとかタイにつきました 
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

到着は夜中になってしまったため,この日はプーケット本島泊です.

翌日に調査地に向かいます.

こんなホテルに泊まりました!
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

なんともリゾートチック.

家族用らしく,広めの作りになっています.
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

天気はあいにくですが,シーサイドで抜群の眺めです
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

なんとプール付き

(泳ぐ時間はありませんでしたが...)


英気を蓄えて翌日からの調査に備えました



続く.


タイへ行ってきました

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突然ですが,プーケットに行きますよ
 

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関空にたどり着いたところ,カウンターまで長蛇の列.
 

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乗り換えの香港空港につきました.

目的地が霞んで見えません

恐ろしく広い空港です.
 

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カートをゲットしました.これがなくては始まりません.

ちなみに,預け荷物の可載重量を勘違い(多く見積もっていた)していたため,

前日に手荷物にいくつか入れ替えたため,ギュウギュウです
 

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 ということで,果たして無事に行ってこれるのでしょうか?
 

続く.


漁具屋さん

 

 

とある昼下がり,

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田辺の漁具屋さんへ行ってきました
 

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店内に所せましと漁具が並んでおります
 

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今回のお目当てはこれ

漁網を買って,技官さんがタモ網を自作してくださるというのです

吟味に吟味を重ねた結果,なかなかいいものが買えたそうです
 

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他にも店内は魅力的なものでいっぱい.
 

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シャックルです!これで漁具とロープを繋いだりします.
 

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滑車やらなにやら.
 

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SMBLではチェーンドレッジとロープを繋ぐ役割を果たしたりますが,

時には優秀な重りにもなります.
 

といった感じで,思わず他のものにも目移りしてしまったのでした.
 

その後,技官さんによって立派な網が拵えられましたよ!