調査地点に着いたら,早速準備です.
船上でBCジャケットを装着します.
その他,調査に欠かせない記録用耐水媒体(紙とかプラスチックボードとか),
ピンセット,水中カメラ,サンプル保管用プラスチック容器,
などを,水中でバラバラにならないように体にくくりつけ,
いざダイブ
船の下は,砂,石,サンゴのがれきなど,
生物が潜んでいそうな基質がたくさん
喜び勇んで潜水調査中の様子です.
これまでに比べて透明度がよく,大変快適に調査できました!
水中棘皮動物シリーズ①
「ナガウニ」
色合いといい,リュウキュウナガウニのようですが,
果たしてどうでしょうか.
その②,「アオヒトデ」
このヒトデは日本近海にもたくさんいますが,
このようにインド―西太平洋区に広く分布しています.
その③「オウサマウニ」
スキューバとかでないとなかなか見られないウニです.
刺が太くてかっこよく,
系統的にもウニの中で祖先的なグループということで,
なんだか研究者魂をくすぐってくれます.
このトゲトゲは
その④「オニヒトデ」です
意外に個体数は少なかったのですが,
今回の調査でも何度か見かけました.
オニヒトデの周りに,小魚がちらほら.
隠れ家となっているのでしょうか?
サンゴの天敵としてあまり印象の良くないオニヒトデですが,
このようにしっかり生態系の一角を担っていることを考えると,
むやみに敵視するのも考えものかもしれませんね.
保全学に関しては不勉強ですが,
要はバランスをどう保つかということだと思います.
その⑤「マンジュウヒトデ」
勿論日本でもみられる(白浜水族館にもいる)のですが,
日本産のものには表面の赤いポチポチがないのだとか.
その⑥「カワテブクロ」
ひっくり返すと,口の部分に石が.
お食事中だったようですね.
(石を食べるわけでなく,付着生物を食べていると思われます)
その他,こんな大きなナマコ(直径5-10cmほど)がいたり,
ウミシダも比較的多く見られました.
多くの棘皮動物は,検鏡なしでは同定が難しいわりに
体サイズが大きい種が多いため,
野外のサンプリングで持ち帰るかどうかに悩む場面に直面します.
また,丁寧に採集しないとボロボロになってしまう分類群が多いのもまた事実です.
このような問題を処理しながら,効率よく調査を行うには,
やはり専門的な知識や経験をもつプロフェッショナルが,
現地で採集をする必要があるのです.
続く.
※今回の記事の水中写真は全て国立科学博物館の藤田先生に提供していただきました
ありがとうございました