研究テーマ:クモヒトデ綱の系統分類学的研究 |
クモヒトデ綱は現生で約2100種が知られる,棘皮動物門の中では最も種の多様性が高い動物群です.細長い腕を器用に折り曲げることで岩に隠れたり,サンゴなどの他の動物に絡みつくことができるため,海洋の様々な環境に適応しています.
学位論文では,中でもツルクモヒトデ目に注目して研究を進めました.本目は岩やヤギなどの他の動物などに絡み付いて生活しているために極めて移動性が低いと言われています.しかし実際には海山などの水流の早い地形に,世界的に分布しており,どのようにして分布を広げてきたのかは明らかにはされておりません.従ってその系統進化を探ることで、深海における底生生物の種分化や,地史的なイベントを探る上での手がかりが得られるのではと期待できます.これまで形態観察と分子系統解析的手法を用いることでその系統分類や進化の一端を明らかにしてきました.
最近では研究対象をクモヒトデ綱全体に広げ,クモヒトデの集団構造解析(生態学),クモヒトデの生息姿勢観察(行動学),クモヒトデの新規形態観察法の探求や,骨格微細構造の観察(形態学),並びにそれらの研究結果の化石への適応(古生物学)にも取り組んでいます.
最終的にはこれらの研究を統合して,全球的に生息するクモヒトデの多様化の進化の解明と,クモヒトデを用いた生物の極限環境への適応進化の解明に寄与したいと考えています.
学位取得後(2012年)は、京都大学瀬戸臨海実験所での大学の臨海実習の指導や,茨城大学理学部・東京大学附属臨海実験所での教育にあたってきました。
詳しくはRESEARCHやEDUCATIONを御覧ください。
略歴 |
2003.4 – 2007.3 | 北海道大学 理学部 生物科学科 | 指導教官: 馬渡峻輔 |
2007.4 – 2009.3 | 東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 修士課程 | 指導教官: 藤田敏彦 |
国立科学博物館(連携大学院) | ||
2009.4 – 2012.3 | 東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 博士課程 | 指導教官: 藤田敏彦 |
国立科学博物館(連携大学院) | ||
学振特別研究員DC2 (2010.4-2012.3) | ||
2012.4 – 2015.9 | 京都大学フィールド科学教育研究センター 瀬戸臨海実験所 |
受入教員: 朝倉彰 |
教育拠点研究員(特別教育研究) | ||
2015.10 – 2017.9 | 茨城大学 理学部 生物科学コース | |
助教(産休・育休代替教員:期限付き) | ||
2017.10 – 2022.3 | 東京大学大学院 理学系研究科 附属臨海実験所 | 三浦徹 研究室 |
特任助教 | ||
2022.4 – 2024.3 | 広島修道大学 人間環境学部 | 研究室主催 |
助教 | ||
2024.4 – | 准教授 |
学会関連 |
2016.1 – 2019.12 | 日本動物分類学会 | 渉外 |
2018.1 – 2021.12 | 日本動物分類学会 | 評議員 |
2020.1 – 2021.12 | Species Diversity | Managing editor (副編集長) |
2022.1 – 2023.12 | Species Diversity | Editor (編集委員) |
2024.1 – | 日本動物分類学会 | 総務(庶務) |
所属・連絡先 |
mail: mokanishi(あっと)tezuru-mozuru.com
The Faculty of Human Environmental Studies
Hiroshima Shudo University
1-1-1, Ozuka-higashi, Asaminami-ku, Hiroshima 731-3195 Japan
mail: mokanishi(at)tezuru-mozuru.com