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Monthly Archives: 5月 2014

2014年和歌山大学実習③

和歌山大学実習レポの続きではありますが!




畠島でクモヒトデが採れたので!




突然ですがクモヒトデの標本の作り方を紹介します!




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まず,これが今回採れたクモヒトデ.

岩の下にいました.

バットの上にあけましたが,これだと逃げようとして腕をからませあったりして,

何個体いるかもよくわからず,とても標本にするどころではありません.

そこで,麻酔液(塩化マグネシウム水溶液(MgCl2))を使います!

作り方は簡単で,塩化マグネシウム六水和物を73.5g/1Lの分量で真水に溶かすだけ!

注意点としては,潮解性のある試薬なので,

素早く計量しないとどんどん水を吸って秤がべちゃべちゃになっちゃいます.

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麻酔液に浸した状態がコチラ!

種類によりますが,2,3分で効きます.

完全に脱力し,形もこちらの意のままです.

この状態だと腕の自切もありません.

スペースを稼ぐため,このように「彗星型」にするのが私の出身の藤田研究室のスタイルです.

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そしてこのスキに写真を撮ります!

最も重要なのは,体の真ん中の「盤」です.激写しまくるのです!

コチラは反口側. 

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コチラは口側.真ん中にあるのが口です.

写真は,もちろん標本にした後でも撮影できるのですが,

エタノールなどにつけると色が抜けてしまう場合が多いので,

麻酔している間にとるのがベストです.

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そして,別のトレイに固定液(最近は主にエタノールです)を満たしておき,

麻酔したクモヒトデをそっと移します.

後はこれをビニールパックにラベルとともに入れておき,後日瓶に移して標本完成です!

たまには真面目な研究話でした.

続く.

 


2014年和歌山大学実習②

和歌山大の実習で見られた畠島の生き物シリーズ!

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その① チゴケムシ Watersipora subovoidea

岩の下の方に,薄らオレンジに見えるコケのようなものが張り付いているのがおわかりいただけますでしょうか?

これはれっきとしたコケムシと呼ばれる動物で,外肛動物門とも呼ばれています.

個虫と呼ばれる,頭の部分に触手の環を持つ小さな生き物が,

サンゴなどと同じように群体を形成しています.

詳しい形態の話などは,知り合いのコケムシ研究者さんのウェブサイトで勉強できますよ!コチラ↓

https://sites.google.com/site/kokemushiweb/

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その② アオウミウシ Hypselodoris festiva

春はウミウシの季節ですね.このように目につく鮮やかなものから,

擬態しているのか,じっと海藻を見ていてやっと見つかるようなものまで,

様々な種がみられました.

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その③ ウミヒルモ Halophia ovalis

海藻ではありません.海に適応した種子植物です.

畠島では汚染が進んだ1970-80年代に消滅してしまったという記録がありますが,

海の浄化がすすんできた近年になってまたみられるようになりました.

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その④ モミジガイの仲間たち.

「カイ」といっても貝ではありません.写真からお分かりいただける通り,れっきとしたヒトデです.

いつもは砂の中に潜っていますが,潮が引くと,苦しいのか砂から出てくるので,簡単に捕まえられます.

この中にはおそらくトゲモミジガイとモミジガイが混ざっていますが,見分けがつきますか?

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その⑤ ウミガメとその⑥ ハリセンボンの死骸!

外湾に面したこの島には,いろんなものが流れ着くのですね.

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今原先生が何かを見つけられました!

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その⑦ コマイハナゴケ Cervera komaii

です!ヤギやウミトサカに代表される八放サンゴはあまり浅いところには見られませんが,

こんな潮間帯にみられる八放サンゴもいるのですね!

この赤いポツポツの一つ一つがポリプで,観察していると,

八放サンゴに特徴的な羽状の触手が観察できました!

ちなみに種小名の「komaii」

は,瀬戸臨海実験所の初代所長の駒井卓先生に献名されたものです.

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その⑧ これは,,,なんでしょう?

海中から突っ立ている棒状の物体.

ツバサゴカイの棲管でしょうか?それにしては長いような,,,

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浜辺で赤潮が観察されました.

その⑨ 夜光虫Noctiluca scintillans(渦鞭毛藻)

が大量発生していたようです.

この水の中にはすさまじい数の夜光虫が顕微鏡で観察できます.

こんな日に夜の海岸に出ると,波の動きに刺激された夜光虫が光ってとてもきれいですよ.

続く.


2014年和歌山大学実習①

2014年4月14日~19日にかけて,和歌山大学教育学部の実習が行われました!

この実習では,とにかく野外に出ます.

毎日野外尽くしです!

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まずは畠島へ出発!

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古賀先生による,畠島の説明.

普段瀬戸の先生の解説ばかり聞いているので,ちょっと新鮮でした.

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今回の実習にはスペシャルゲストが!

黒潮生物研究所和歌山支部の今原幸光先生です.

八放サンゴ(骨格を持たないやわらかいサンゴを含むグループ)の専門家です.

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国立科学博物館の並河洋先生です.

ヒドロ虫という,刺胞動物の中では比較的派生したグループの研究をされています.

変わった生殖様式を持つグループで,先生は各地からヒドロ虫を採集・飼育し,

生活史を見ておられます.

お二人の来浜の目的については,また今度お話しますよ!

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この日は雲一つない磯観察日和でした!

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海の生き物に興奮して,磯の際まで攻める学生あり.

遠くから「うひゃー!!」「すげー!!」などの嬌声があがっていました.

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ハッと気づいたら,海藻の専門家の高須先生(+ついていった学生二名)がはるか遠くへ!

フィールド科学者の足腰は強靭です.

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そんなこんなのポカポカ畠島観察でした.

この後も怒涛の野外実習が続きます.


誕生日

先日の記事でこれみよがしにさりげなく報告しましたが,

本日は私の31歳の誕生日でした.

ということで


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なんと誕生日ケーキをいただきました!

千徳博士の手作りです.

真ん中には,クモヒトデをあしらったフルーツデコレーションが!

体全体をキウイで型どり,真ん中の盤の部分にチェリーが乗っています!

スッゲー!!!

なんという女子力!

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ということで,クモヒトデ解剖ケーキ入刀!

みなさんの不安そうな視線が痛かったですが,きちんと等分できたはずですよ!

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お味は,チーズケーキベースで非常に美味しかったです!

誕生日をみなさんに祝ってもらえて,景気の良い31歳のスタートでした!

ケーキを作ってくれた千徳博士,ありがとうございました!

また他の人の誕生日があったら,イベントですね!

 


2014年龍谷大学実習④

龍谷大学実習レポ,ついにラストです!

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畠島で採集した生物を,黒板にリストアップしていきます.

はるか昔から行われている,

教育効果の高い優れた手法です.

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リストアップした生物の中で,

自分が気になった生物を説明してもらいました.

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生物の形と,採集された場所とを関連付けてもらい,

なぜそのような環境に生息するに至ったかについて考察してもらいました. 
 

生物と環境を考える上では,その生物の形や生態に注目する必要があります.

今後,彼らがどのような分野に進むかはわかりませんが,

多角的な視点を育むことは,環境学を修めていく上で決して無駄にはならないでしょう.

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聞く方も真剣勝負!

先生方や研究員からも質問が飛びました.

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そして,無事に発表終了!

明日もまだありますが,とりあえず主な実習項目は終了です.

千徳博士から〆の挨拶.

三日という短い時間でしたが,

教える側と教わる側とで刺激しあうことのできたよい実習でした.

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一夜明けて最終日.

この日は朝から最後の講義です.

千徳博士の「サンゴの生物学」

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単なる学問的な話だけでなく,

博士課程での実情などを交えた,とても楽しい発表でした.

多くの学部生にとっては,普段はあまり聞かない話に触れられる,

よい機会だったのではないでしょうか.

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河村博士の「クラゲの多様な生活史」

クラゲの研究を行う上では,どのポリプがどのクラゲになるのか?

また逆にどのクラゲがどのポリプになるのか?

という生活史の解明が必要なため.飼育が必須です.

そのようなクラゲの多様な生活史について,

非常に美麗なクラゲ写真が満載のスライドで発表してくださいました.

クラゲへの愛がうかがえます.

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私もお話をさせてもらいました.

学会での雰囲気を味わってもらうため,ポスター発表風にしてみました.

先日の古生物学会で発表したポスターが活用されましたw

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ちなみに,この日はアウターを「テヅルモヅルパーカー」でキメてみました.

このウェブサイトでも注文できますよ!

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講義のあとは,野外授業!

浜辺でのビーチコーミング(漂着物観察)です!

白浜は黒潮の影響を受けて,南洋性の様々なものが流れ着きます.

珍しいものも時々混じっているんですよ!

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そして,最後にみんなで写真をパシャリ.

あっという間の四日間でしたが,教える側としても得られるものの多い実習でした.

個人的には,自分に足りないものの一つ(熊のプ○さんの物真似の精度)

がはっきりとわかった貴重な実習でした.

来年までに腕を磨いておきます!










ちなみに,私は本日(5/27)をもちまして,31歳となりました.

時が経つのは早いものです.

高校生ぐらいの時に想像していた31歳とは全然違うのですが,

今はクモヒトデの研究がつづけられてとても幸せです.

今後も教育に,研究に邁進していきます!


てづるもづるを捕まえよう!②

誰がなんと言おうと!

このシリーズは続けていきますよ!

「てづるもづるを捕まえよう!」のコーナーです!

「どうすればてづるもづるを捕まえられるのか?」という永遠の命題を,

不定期に紹介していきます!

今回は!

「スキューバダイビング」です!!!

深海性の種が多いてづるもづるですが,

実はスキューバダイビングでも見かける事ができます。
*捕まえました!(2013/1/20)

ただし、スキューバで潜れる水深(40 mくらいまで?)の

テヅルモヅルはほとんどが夜行性ですので、

確実に見たい場合、ナイトダイビングをする必要があるでしょう。

普通、ナイトダイビングができるようになるまでにはかなりのスキルが必要とされるらしいので、

もともといろんな海の生き物をみるのが好き!という方にお勧めです。

それから、もじゃもじゃのテヅルモヅルを陸上に持ち帰るためには、

専用の袋とかバケツが必要かと思われます。

それでは採点です!

scuba

 

採れる度!!  ☆(なかなか毎回は難しいでしょう)
辛さ!!     ☆(スキルがあればそう難しくはないでしょう)
お手軽さ!!  ☆☆(一度スキルを得てしまえば)
楽しさ!!    ☆☆☆(ダイビングは楽しいですよね)
標本状態!!  ☆☆☆(生きた状態で得ることも可能)

それではまた!!


出張

所用で大阪市立大学に来ています.

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ここは千徳博士が学位を取得した出身校です.

元指導教官の江崎先生とのディスカッション中.

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そして,後輩に写真の撮り方を指導中.

こうして知の継承が行われているわけですね.

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そして大阪といえば食ですね!

学食でこんなお洒落なカレーにありつけました!

江崎先生にご馳走になってしましました.

ありがとうございました!

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遊びに来たわけではありません.

今回はこの顕微鏡を使って,クモヒトデの小さな骨片を撮影しに来たのです.

この写真データは,来月の日本古生物学会で発表する予定です.

とても貴重な骨片なのですよ.

ふふふ,気になった方は古生物学会(福岡)に話を聞きにきてくださいね!


相模湾産八放サンゴ類

 

突然ですが宣伝です!

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「相模湾産八放サンゴ類」が発刊されました!

この相模湾産シリーズは,

海産無脊椎動物を研究された昭和天皇の研究成果を各動物ごとにまとめたもので,

現在でも継続して発刊されています.

この度,八放サンゴ(硬い骨格をもたないサンゴ,ソフトコーラルとも呼ばれます)

についての成果がまとめられたそうです!

実はテヅルモヅルは八放サンゴに絡んでいることが多いため,

同定に役立てられます!

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主著者の今原先生です.

価格は4860円(税込)です.


この一冊を逃す手はないですよ!