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深海生物「テヅルモヅル」──“役に立たない”研究でもクラウドファンディングで応援 新しい研究費獲得の形

先日,目標金額を達成したacademist(リンクはこちら)ですが,

この取り組みがまたネットニュースで紹介されました。

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リンクはこちらです.

今回は企画者の柴藤社長(株式会社エデュケーショナル・デザイン)のインタビュー記事となっており,

クラウドファンディングの開始にあたっての裏話などが語られています.

動画の編集やリターンの選定にあたり,いろいろと考えていただいたのですね.

感謝です。

この記事のタイトルは,

深海生物「テヅルモヅル」──“役に立たない”研究でもクラウドファンディングで応援 新しい研究費獲得の形「academist」

となっています.

別に卑下するわけでなく,”役に立たない”と紹介していただいたことがとても嬉しく思いました.

なぜなら,これは,一見”役に立たない”ような研究が,人の”役に立った”ということを示していると思うからです.

私の専門の系統分類学では,あまり人に知られていないような生き物を扱う事が多いです.

なぜならそのような生き物は注目されないがゆえに分類などの基礎的なこともわかっておらず,

「やることがたくさんある」からです.

しかしながら,しばしば「その研究がなにか人の役にたつの?」と言われることがあります.

ごもっともです.だって,人に注目されないものを研究しても,人の目にはほとんど届かないから.

正直に言うと,私がテヅルモヅルを研究するモチベーションの大半は

「このカッコイイ生き物が好きだから」です.

しかしそれではこの質問の応えにならないので,

いろいろと生物学的な特性を考慮した研究も行っているわけです(もちろん,その研究も楽しいのですが).

ところが,今回academistに寄せられた応援メッセージ(リンクはこちら)に綴られた支援の理由の多くは,

「テヅルモヅルが好きだから」というものでした.

本当に嬉しいメッセージでした.

この世にはこんなにもたくさんのテヅルモヅル好きがいるのです.

そして,私が,皆様の支援によって,一見”役に立たない”テヅルモヅルの研究を進めることで,

皆様の”役にたつ”ことができるのですから.

これまで,自分の研究の価値を考えて悩んだ時期もありました.

しかし今回の件で自分の研究にまた一つ自信を持つことができました.

academistに挑戦して,研究費を獲得したということ以上に,

皆様にこのようなメッセージがいただけたことが,

非常に大きな成果だったと私は感じております.

なんだか話が脱線してしまいましたが,

要するに私と同じテヅルモヅル好きや,

インパクト勝負な研究に支援してくださる方がたくさんいるということが分かって,

とても嬉しいということです。

みなさん,本当にありがとうございました。

必ず研究を完遂致します。