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Monthly Archives: 12月 2016

論文が出版されました

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2016年11月に沖縄で開催された国際動物学会と日本動物学会の合同大会を記念して,

Book title: Species Diversity of Animals in Japanという本が出版されました.

私はその中の一章を担当させていただきました.
 

クモヒトデ類の一般的な体制,近年の系統分類学的な研究の成果の紹介と,

日本でこれまでに報告されたクモヒトデの情報をまとめて掲載しました.

以下,リンクです.オープンアクセスではありません.

http://www.springer.com/us/book/9784431564300

Okanishi, M.(2016)
“Ophiuroidea (Echinodermata): Systematics and Japanese Fauna “.
In: Masaharu Motokawa and Hiroshi Kajihara (eds.) Species Diversity of Animals in Japan.
Springer Japan, Tokyo, Japan, pp. 657—678.

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要旨:クモヒトデ綱の基本的な体制と,近年の分類体系の解説,ならびに日本における生物相の報告を行った.日本からは現在までに,北太平洋海域の種数の3/4に匹敵する18科120属342種が知られている事がわかった.また,日本の5つの海洋区の種数はそれぞれ,218種(暖温帯区),203種(亜熱帯区),111種(中間温帯区),16種(冷温帯区),27種(亜寒帯区)であった.

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本論文を査読してくださった研究者の方々,並びに編集者の本川先生(京都大学)と柁原先生(北海道大学)には大変お世話になりました.本当にありがとうございました.

一応,日本でクモヒトデの系統分類学的な研究を行うための最低限の情報は含んだつもりです.今後のクモヒトデ研究の参考になればうれしいです.

 


論文が出版されました

京都大学瀬戸臨海実験所の研究船ヤンチナによる3年半に渡る底生生物調査を行い,

白浜周辺の海洋生物相の一部を報告しました.

以下,リンク(オープンアクセス)と書誌情報です.

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/217458

Okanishi, M*, Sentoku, A, Fujimoto, S, Jimi, N, Nakayama, R, Yamana, Y, Yamauchi, H, Tanaka, H, Kato, T, Kashio, S, Uyeno, D, Yamamoto, K, Miyazaki, K and Asakura, A. (2016)
“Marine benthic community in Shirahama, southwestern Kii Peninsula, central Japan”.
Publications of the Seto Marine Biological Laboratory. 44:7—52.

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要旨:2012年~2016年にかけて,白浜周辺の潮下帯~陸棚域までの底生生物の調査を行った.7門から75科,132種を認め,その中には24種の白浜初記録種,2種の日本初記録種,6種の未記載種,5種の未記載種候補が含まれていた.これらのうち88種の写真を掲載した.

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13名の著者の方々のデータを取りまとめさせていただくという大役を仰せつかりました.筆頭著者にしてもらってはいますが,共著者皆さんの多大なるご努力あってのものですので,大変恐縮しております.特に,図を取りまとめてくださった千徳明日香博士(クイーンズランド大学),英文を細かく見てくださった藤本心太博士(東北大学),並びに自見直人氏(北海道大学)には,感謝してもしきれません.ありがとうございました.

この論文の一つの目的は,白浜のような比較的海洋生物相の研究が進んでいるところからもまだまだ面白い生物が発見される(=海の生き物は謎だらけ)という事を示し,瀬戸臨海実験所の生物相カタログのベースを作る事です.本研究が,今後の白浜の豊かな自然の保全活動の一助になればと願って止みません.