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2015年1月18日~20日 JAMBIO合同沿岸調査@三崎臨海実験所

JAMBIO 合同沿岸調査⑥

 

 

 

三崎で採れたクモヒトデ第二弾. 
 

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Amphipholis sp. 
 

イソコモチクモヒトデAmphipholis squamata

スナクモヒトデAmphiphilis kochiiかなと思っているのですが,

小型であることと,六腕であることから確信が持てずにいます.
 

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Amphiura bellis
 
 

腕一本になってしまっても,基本的には5放射なので,

1放射でも残っていれば同定が可能です.

本種は比較的大きな輻楯を持っています.
 

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Ophiomyxa anisacantha

キヌハダクモヒトデですね.
 

このグループ(キヌハダクモヒトデ科)は,

体の内部構造を観察した松本(1915, 1917)によって

テヅルモヅル類と同じグループであると考えられていましたが,

最近のDNA解析の結果はこの説を支持していません.
 

クモヒトデの系統分類には,

まだまだやり残されていることがあります.


JAMBIO 合同沿岸調査⑤

 

 

 

相模湾で採れたクモヒトデを紹介しましょう. 
 

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Amphiura euopla ヤブクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
 

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Amphiura trachydisca イボスナクモヒトデ

相模湾,水深500 m,2015年1月20日.
 

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盤のアップ.盤上の鱗があまり細かくなく,

盤自体がポコっと半球状に盛り上がっているのが特徴です.
 

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Ophiura kinbergi クシノハクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
 

良く採れるクモヒトデです. 
 

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Ophiothela danae ニシキクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.

カラフルな色彩が特徴.ふつうはヤギなどに絡んでいます.


 

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Stegophiura vivipara コモチクモヒトデ

相模湾,水深200 m,2015年1月20日.
 

盤が非常にしっかりした鱗に覆われています.

輻楯がオーバーラップしているのも本種の特徴.

その名の通り,体の中である程度の大きさになるまで子供を保育します.
 

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反口側は真っ赤ですが,口側はこのように白っぽくてかわいいやつです.
 

が,採れる時はわんさか採れるので油断なりません.


至福の時

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年末年始にかけて採集してきたクモヒトデの同定(種名を調べること)を行っています.

顕微鏡でのぞきながら,文献と比較.

一見同じように見えるクモヒトデですが,

顕微鏡で観察すると,その形の多様性に驚きます.
 

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同定した標本に耐水紙のラベルを入れて,

瓶に整理.
 

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仮番号を付けて,整理をしていきます.

最終的には,博物館相当施設に収めて,研究に活かします.
 

分子実験も嫌いではないですが,

私の場合,いろいろな疑問が湧いくるのは検鏡している時です.
 

なかなか時間がとれないこともありますが,

こうしてクモヒトデ研究に携わる時間は幸せで落ち着きます.

そんな小さな幸せを噛みしめる冬の夜更けでした.


JAMBIO合同沿岸調査④

 

実験所の船着場を出港してしばらくすると,

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水鳥がついてきました.
 

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一定間隔を保ってついてきます.

君のエサになるようなものは残念ながら採れないんだよ~.
 

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とかなんとか言ってる間に,ポイントに到着.

水深700 mの地点ですが,1時間とかかりませんでした.

さすが相模湾ですねえ.
 

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手際よく技術職員さんがドレッジを投入.
 
 
 
 

一時間後.
 
 
 
 

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そろそろ上がってきます

サンプル受けの箱をひいて待機します.
 

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おお!ちゃんと曳けてました
 

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技術職員さんがサンプルを箱の中へ.

泥や岩などは入っていますが,果たして生物は採れているのか?


JAMBIO合同沿岸調査③

JAMBIO合同調査レポートの続きです.
 

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調査二日目は晴天で臨海丸による出港が可能

スクランブルです
 

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船に向かう一向.人数が多いだけに壮観です.

プロジェクト感が漂って参りました
 

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臨海丸の設備紹介.

ウインチには,2000 mのワイヤーが巻かれています

これで700 mの曳網が可能
 

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勿論Aフレームも搭載.

ヤンチナのものよりもやや背が高いので,

漁具が釣り下がっても甲板に付く心配ナシですね.
 

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こちらがドレッジちゃん.

いわゆる生物用ドレッジですね.

網を使っているので,生物が(比較的)傷まずに採れます.
 

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テンションメーター.

皆で見やすい位置にあるので,これを見ながらワイワイ楽しめます
 

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 いざ出港!果たして深海へのアクセスは可能なのか


JAMBIO合同沿岸調査②

合同沿岸調査一日目.
 

三崎の臨海実験所の研究船「臨海丸」で深場を曳く予定でしたが,

あいにく荒天のため湾内十数メートルのドレッジにとどまりました.
 

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近場でのドレッジで曳網時間が極めて短いため,

どんどんサンプルが上がります.

処理に追われる調査班.
 

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まずは上澄みをふるいにかけ,

表層の小さい生き物を濾しとります.
 

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残った砂や泥を篩にかけ,今度は目に見えるサイズの大物をセレクションします.
 

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すべての網を抜けた水にも,超微小な生物(メイオベントス)が残っています.

これらも余さず,メイオベントス班によって処理されます.
 

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一日目からなかなかハードな展開となりました.

果たして翌日は深場にたどり着けるのか?
 

続く.


ガマの油売り

 

 

三崎に着いた初日は,歓迎パーティでした.

全国津々浦々より,総勢18名の研究関係者が集う大規模な調査です.

宴もたけなわの頃...
 

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東大の鬼才,泉君による落語が始まりました

今回の題目は「蝦蟇の油」.

現所属(筑波)に因んだ憎いチョイスです.
 

素面の流れるような商人の口上と,酔いどれのへべれけ口調を,

見事に使い分けていました.
 

ちなみに,彼の台座になっているのは

重ねられたソファーの座部.
 

足元の台座は重ねられたソファーの座部.

不安定さを感じさせない見応えのあるアクションで,

聴衆を大いに沸かせていました.
 

こうして三崎の初夜は過ぎていきましたとさ.


JAMBIO合同沿岸調査

 

 

1/19日は残念ながら浅場での調査しかできませんでしたが,

1/20は天気が劇的に回復し,深場(200-700m)でドレッジができました
 

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三崎臨海実験所の船着き場.

非常に良いコンディションです
 

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採れた獲物をみんなでソーティング.

調査の様子はまた後日レポートいたします.
 

その後,いったん科博で日帰り調査をして,

今日は東大に行って,長かった関東調査もようやくお終いです.
 

あと少し,頑張ります


JAMBIO

先日から三崎に調査に来ております.
 

JAMBIOの合同沿岸調査で,船舶によるドレッジ調査に参加させてもらっています.
 

JAMBUIOとは,東大の三崎臨海実験所と筑波大学の下田臨海センターが共同で

海洋生物学の推進拠点を形成する事を目的とした機構で,

これまでにも様々な事業,共同調査,シンポジウムを開催しています.
 

ウェブサイトはコチラ↓(画像をクリック!)

JAMBIO

母体になっている「共同利用・共同研究拠点事業」は,

私が所属している共同教育拠点事業と同じ,文科省の認定を受けており,

我々としても大変興味深い事業です.
 

共同研究の応募も行われております.
 


三崎調査

 

 

科博での調査が終わり,三崎の臨海実験所に来ています.
 

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三崎といえばこちら!マグロでしょう

今日は少し贅沢にマグロステーキ丼を食べました.

船舶による深海生物調査を予定していたのですが,

今日は生憎の天気で湾内の浅場の調査にとどまりました.
 

明日の天気は回復気味ということなので,

ドレッジが曳けるように期待です


採集装備

今日は調査用の装備についてです
 

乗船調査中,レンチやニッパーなどが必要に

しかし,求める獲物は甲板の端っこ...

そんな時は
 

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このようなケースに収納して携行すればよいのです
 

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ということで,コーナンでケースを買ってきまして.
 

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別買いしたゴムひもを通します.
 

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さらに別買いしたプラスチックの差し込み具を,
 

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ゴムひもの先端に接続し,
 

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百均で買ったワイヤーで,
 

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折り返し部分を,
 

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固定
 

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ニッパーで余ったワイヤーをカット.
 

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じゃーん
 

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最後に,ワイヤーで固定した部分と,ゴムの折り返し部分を,

ビニールテープで固定して完成
 

今度の調査でさっそく使う予定です