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Monthly Archives: 9月 2014

京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑥

京大実習レポートっ!

アーウィンループを作成しても,観察対象がいなくては実習は始まりません.

ということで,
 

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フジツボから!
 

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砂の中から!
 

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メイオベントスを採ります!
 

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今回の目玉生物はコチラ.
 

チリハギガイという,体長数ミリの寄生性二枚貝です.

普通はイガイ類に寄生しているという話なのですが,

なんとヒザラガイの表面をガリガリ削ってみたところ,

この貝が得られました.
 

殻の中の黒くなっている部分では,

稚貝を育てているそうです.
 

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最後は朝倉先生による甲殻類の解剖.

磯に普通に見られるホンヤドカリを解剖し,

その機能形態や,体節性を学んでもらいました.

まずは殻を割って中身を取り出さなくてはなりません.

そのために使ったのが...
 

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この...
 

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万力っ!!

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実に優秀な対ヤドカリ兵器のおかげで,

このように硬い殻に引きこもったヤドカリも,無傷で白日の下にさらされました.

ちなみに,事前に採集したアルコール標本を用いています.
 

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このように,ピンセットで体節の付属肢を一本ずつ解体し,
 

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顕微鏡で観察します.

体節ごとの形態の違いを学んでもらいました!
 

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 最後に,朝倉先生のセミナーで,

実習課題はおしまい!

お疲れ様でした!

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑤~アーウィンループ作成!~

京大実習レポート第五弾!
 

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毎度おなじみメイオベントス実習ですが,

今回は一味違いましたよ!
 

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その秘密はこれ!アーウィンループの作成を行いました!
 

メイオベントスは非常に小さいため,普通のピンセットでつかむのが困難なばかりでなく,

掴んだとしてもプチッと潰してしまう場合があります.
 

そこで,このような金属製の小さな輪っかを作り,

その径中に表面張力でメイオベントスをトラップして無傷でスライドグラスに載せて観察します.
 

これを「アーウィンループ」と呼びます.
 

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コチラは作成風景.非常に繊細な作業です.
 

材料は以下の通り.
 

・タングステン線(0.2 mm径,0.4 mm径),

・0.1 mm径ニッケル線

・割り箸一本

・アロンアルファ
 

です.それでは作り方説明!
 

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まず適当な長さ(20cmもあれば十分)のニッケル線を,

両端がほどけないように捩じって,輪っかを作ります.
 

1の部分に捩じり用タングステン線(0.4 mm径)を,

2の部分にループ作成用タングステン線(0.2 mm径)をひっかけ,
 

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片一方を固定して,捩じります!
 

もうこれ以上捻じれない!というところまで行けば,

ループ用タングステン線と同じ径の輪っかを持つアーウィンループができるわけです.
 

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コチラが捩じりに捩じったループの部分.

お次はこのループの先をピンセットの手でつかむ部分に挟み...
 

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えい!

とおもむろにペンチでプレスします.
 

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そうしてできたのがコチラ!
 

アーウィンループのループ部分が,いい感じでひしゃげてさらに径が狭まりました!

そしてお次は,
 

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このような柄付き針を用意し,割り箸の先端に刺して,穴を開けます.
 

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その穴に接着剤をたらーり.
 

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そして乾かないうちにループの反対側をくっつければ...
 

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完成です!
 

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残り少ない(大学生にとっては)夏休みですが,

貴方もこのアーウィンループでメイオベントス観察を楽しんでみては?
 

続く.

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習④

 

京大実習レポート第四弾!

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今回は軟体動物の解剖です!
 

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まずは番所崎で貝(二枚貝はダメ!)を採る!
 

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水族館の取水口でも採る!
 

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今回の目的は,貝類の歯舌の観察です.

体内にある歯舌をとりだすため,
 

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肉抜きという技術を使います.
 

要するに茹でて軟体部だけを殻から取り出すのですが,

実はこれが,形態観察,DNA解析の両方を行う上で優れた方法なのです.
 

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以前も紹介したマツバガイ(カサガイ)の軟体部.
 

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これは何かといいますと...
 

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コチラ!タツナミガイは体内に歯舌がないなあと思っていたら,
 

こんな風に唇みたいになっていた構造が,実は歯舌だったようで,

これを取り出して観察してみると,ちゃんと歯舌状のザラザラ構造がみられました.
 

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取り出した歯舌を,電子顕微鏡で観察.
 

この日はかなり遅くまで観察を続けたようです.
 

お疲れ様でした!


日本の機窓から

先日,機内から翼を見ていたところ...

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おや,翼に何か書かれています.
 

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“Do not step out on this area”
 

ええー!一体誰に宛てられたメッセージでしょうか?


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習③

 

気付けば九月も終わりですよ!

白浜では今年最後の実習が始まりました!
 

早いものですね.
 

それらの報告も早くできるように,まずは京大の実習のレポートの続きです!
 

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畠島から持ち帰った生物の鑑定.
 

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採集・鑑定した生物を毎度のごとく,黒板に書き出していきます.
 

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それぞれの分類群ではそれぞれの専門の先生がご説明.

朝倉先生がヤドカリの鋏について熱く語っておられます.
 

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私も棘皮動物の説明を担当しました.

毎回,説明するたびに自分が知らないことが見つかります.

棘皮動物学も奥が深いです.
 

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これだけの生物が見つかりました!

毎度思うのですが,たった半日採集しただけでこれだけ見つかるわけですから,

専門家が集って本気の採集を行えば,どれだけの種数に上るのでしょうね.
 

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夕食は,今夏お世話になったまるかわさん.

お店の外のプレハブを貸切です!
 

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みんなで和気あいあいとお食事.
 

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カツですよ!

デミグラスソースにもひと手間かかっていて,とても美味でした!
 

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ごちそうさまでした!
 

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帰ってから,カメノテとフジツボ解剖です!
 

節足動物は,体制がはっきりとしているので,

各体節と他の節足動物との対比ができて,見ていて飽きません.
 

甲殻類くらいは一通りを解剖してみたいものですが,

鰓脚類が小さくて一番難しいかな?

(ムカデエビ,カシラエビは,まあ将来のお楽しみということで)
 

続く.


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習②

学会のお次は,京大実習のレポートです.
 

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久保田先生のプランクトン実習.

多くの海洋生物は間接発生を行うため,

親と子の形が全然違います.
 

こちらは,親と子のそれぞれの写真から,

親子関係をつなぎ合わせる作業中.
 

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おお,なかなか大きめのクラゲが採れたようです.

最近,久保田先生は田辺湾で採集されるクラゲを長年連載で紹介されていますが,

最近,そのまとめがご著書として発売されました.
 

「魅惑的な暖海おクラゲたち~田辺湾(和歌山県)は日本一のクラゲ天国~」

http://book.akahoshitakuya.com/b/4907841159
 

要チェックですよ!
 

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翌日は畠島へGO!
 

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天気にも恵まれました!
 

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たまには畠島の風景をご紹介しましょう.

こちらは畠島北西部に位置する小丸島.

潮がよければ,この小丸島へも歩いて渡れます!
 

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小丸島を超えて,その先の部分まで来ました.

画面右上に見えるポコッとした島は,

わが実験所の在る番所崎の先端の塔島です.
 

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途中の泥岩帯で,足元の岩を割ってみると...
 

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このような穴が開いています.なんじゃこら.
 

犯人はこいつ!コツブムシですね.
 

ダイオウグソクムシと同じ等脚類で,ダンゴムシの仲間です.

泥岩に穴を開けて巣にしているのですが,

瀬戸内海のある島では,彼らによる激しい穿孔圧のせいで,

島自体がなくなってしまったとか!
 

小さいながら,島ひとつを消してしまう破壊力を秘めた巨虫です.
 

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他にも,穿孔性のホシムシなどもみられました.

一見何気ない岩場にも,実はいろんな生き物が暮らしているのですね.
 

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往路では渡れた道が,復路では水没しているのはよくあること.

皆さん長靴に水をたっぷり湛えて帰りましたとさ(笑)

続く.


日本動物学会@仙台⑦

動物学会レポート最終話です!
 

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三日目,最終日.

帰り支度をしてこられている方もちらほら.

お祭りの後のようで,少し寂しいですね.
 

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午前中のセッション後,動物学ひろばに急行!
 

ナイスポスターの甲斐があってか,

ひっきりなしにお客さんが来られて大盛況でした!
 

去年の自然あふれる場所でのひろばも良いですが,

やはり学会場に近いと活気が違いますねー.

ちょっと時間を見つけて他のブースもみてきました.
 

去年に引き続き,「数ミリ以下の動物学」や,

館山(お茶の水大学),下田(筑波大学),三崎(東大)も展示をされており,

どちらも大盛況でしたが,
 

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私が心を惹かれたのはこちら!
 

東大理学研究科と土木研究所 自然環境センターによる

「ウニの体のミクロな世界」
 

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このようなタッチパネル式のモニターにウニが映し出されており,

体の各部位をタッチすると,

生体(録画映像)を見ながら詳しく解説されるという仕組みです.
 

管足や叉棘などが動いている状態が観察でき,

その仕組みがより深く理解できるというわけです.
 

ひょっとしたら,今度の実習でこのシステムを拝借するかもしれません.

その際にはよろしくお願いいたします!
 

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時々個性豊かなお客さんも来てくださいました.

こちらのお客さんはクイズに答える傍ら,

タカアシガニの甲羅のアバンギャルドな使い方を開発してくれました(笑)
 

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開始から五時間,ついに動物学ひろばもフィニッシュ!
 

おつかれさまでした!スタッフさんたちによる迅速な片付けを物語るメッセージが,

教室の黒板に残されていました.
 

最後まで見届けることはできませんでしたが,

きっと見つかったことでしょう!

お手伝いいただいたスタッフのみなさん,どうもありがとうございました!
 

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仙台最後の夜は,琉球大学の山崎さん夫妻と,宮崎先生と過ごしました.

お二人共お酒が大好きなようで,ついつい飲みすぎてしまうくらい楽しい夜でしたよ! 
 

この日はまたもや宮崎先生におごってもらいました.

ありがとうございます!いつか必ず恩返しすることを,仙台の夜空に固く誓うのでした.
 
 

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翌日,飛行機の時間まで少し時間があったので仙台を観光しました.

有名な伊達政宗の像です!
 

独眼竜として,その眼帯のイメージが根深い政宗ですが,

実際に眼帯をしていたかどうかはわからないそうで,

20年くらい前の大河ドラマで渡辺謙が眼帯姿を演じてから定着したイメージだそうです.

...ガイドの人の話の受け売りです(笑)
 

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そして,最後に奥州のそばをいただいて帰ってきましたとさ.
 

これにて,仙台動物学会のレポート終了です!
 

お世話になったスタッフの方々,

座長に推薦いただいた法政大学の島野先生,

ご馳走いただいた先生方,

楽しい動物学的なお話を聞かせていただいた参加者の方々にお礼を申し上げます.
 

ありがとうございました!


論文出版!

論文が出版されました!
 

ダイオウグソクムシで有名な鳥羽水族館の森滝丈也さん,
国立科学博物館の藤田先生との共著論文です!
 

Masanori Okanishi, Takeya Moritaki and Toshihiko Fujita. (2014)

“Redescription of an euryalid bittle star,

Astroceras coniunctum (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalidae).”

Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series A (Zoology). 40 (3): 133-139.
 

本論文では,2012年に三重県鳥羽水族館に持ち込まれた三重県沖のクモヒトデと,

2013年に高知のサンゴ漁で得られたクモヒトデの標本が,

ツノモヅル属(Astroceras)のAstroceras coniunctum Murakami, 1944

であると認めたため,再記載しました.
 

ツノモヅル属の種は,体の表面にツノのような突起をもつのですが,

それが同属の他の種と比べて非常に大きいことで区別されます.

また,この特徴をもって本種に「オニツノモヅル」という標準和名を付けました.

本種は村上子朗によって1944年に記載されて以降,実に70年ぶりの発見となります.
 

このような再記載は,当時と現在の海洋環境を比較する上で非常に重要です.
 

Astrocharis sp. (16)
三重から採集されたばかりのオニツノモヅル(撮影:森滝丈也)


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アルコール標本になったオニツノモヅル.


本研究では,大阪市立大学の江崎洋一教授と,

瀬戸臨海実験所の千徳明日香博士に便宜を図っていただき,

デジタルマイクロスコープ(VHX)での写真撮影を行わせていただきました.

ありがとうございました!
 

しかしいい写真が撮れますね.

今後も是非使わせてもらいたいなあ...と思ってみたり(笑)

現在も別の論文を準備中なのですが,

実習や学会でなかなか時間がとれないことと,

初めての系統分類以外の論文ということともあり苦戦していましたが,
 

やっと時間がとれるようになったので,

一気に進めているところです.
 

頑張りますよ!