論文が出版されました
ダイオウグソクムシで有名な鳥羽水族館の森滝丈也さん,
国立科学博物館の藤田先生との共著論文です
Masanori Okanishi, Takeya Moritaki and Toshihiko Fujita. (2014)
“Redescription of an euryalid bittle star,
Astroceras coniunctum (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalidae).”
Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series A (Zoology). 40 (3): 133-139.
本論文では,2012年に三重県鳥羽水族館に持ち込まれた三重県沖のクモヒトデと,
2013年に高知のサンゴ漁で得られたクモヒトデの標本が,
ツノモヅル属(Astroceras)のAstroceras coniunctum Murakami, 1944
であると認めたため,再記載しました.
ツノモヅル属の種は,体の表面にツノのような突起をもつのですが,
それが同属の他の種と比べて非常に大きいことで区別されます.
また,この特徴をもって本種に「オニツノモヅル」という標準和名を付けました.
本種は村上子朗によって1944年に記載されて以降,実に70年ぶりの発見となります.
このような再記載は,当時と現在の海洋環境を比較する上で非常に重要です.
本研究では,大阪市立大学の江崎洋一教授と,
瀬戸臨海実験所の千徳明日香博士に便宜を図っていただき,
デジタルマイクロスコープ(VHX)での写真撮影を行わせていただきました.
ありがとうございました
しかしいい写真が撮れますね.
今後も是非使わせてもらいたいなあ...と思ってみたり
現在も別の論文を準備中なのですが,
実習や学会でなかなか時間がとれないことと,
初めての系統分類以外の論文ということともあり苦戦していましたが,
やっと時間がとれるようになったので,
一気に進めているところです.