最近友人から,
「このHPを見てもてづるもづるについて何もわからないじゃないか」
というご指摘を頂きました.
全くその通りかと思います.
ということで,もう少し真面目にテヅルモヅルについてお話をします.
これまでにヒトデ綱とクモヒトデ綱の違いをお話ししました.
次はいよいよクモヒトデ綱の中の分類についてお話いたしましょう.
クモヒトデ綱は現在約2070種が知られており,
おそらく棘皮動物門の5つの綱中では最多種数です.
その最たる理由は,おそらく柔軟な腕にありましょう.
この腕を器用に動かすことで,体を小さく折りたたみ,
岩の隙間,砂の中,サンゴなどの他の動物の上など,
他の棘皮動物には到達しえない様々な環境に生息可能となった結果,
多様性を獲得できたと考えられています.
しかし悲しきかな.
これらは基本的には隠蔽的,すなわち人目に付かない環境ばかりです.
従って,彼らは莫大な種多様性を獲得しながらも,
知名度ではウニ,ナマコ,ヒトデには遠く及びません.
少し話が脱線しました.話を分類に戻しましょう.
クモヒトデは種数が多いため分類群が多く,
科の数は20を超えていています.
しかしながら,目の数はたった二つ,
クモヒトデ目とツルクモヒトデ目です.
しかしこの分類には大きな偏りがあり,クモヒトデ目が約1900種なのに対し,
ツルクモヒトデ目は180種ほどです.
実はテヅルモヅル類が属しているのはこのツルクモヒトデ目です
すなわち,テヅルモヅルは,
マイナーなクモヒトデ綱の中でもさらにマイナーなグループなのです.
続く.