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2014年和歌山大学実習③

畠島でクモヒトデが採れたので




突然ですがクモヒトデの標本の作り方を紹介します.






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まず,これが今回採れたクモヒトデ.

岩の下にいました.

バットの上にあけましたが,これだと逃げようとして腕をからませあったりして,

何個体いるかもよくわからず,とても標本にするどころではありません.

そこで,麻酔液(塩化マグネシウム水溶液(MgCl2))を使います。

作り方は簡単で,塩化マグネシウム六水和物を73.5g/1Lの分量で真水に溶かすだけ。

注意点としては,潮解性のある試薬なので,

素早く計量しないとどんどん水を吸って秤がべちゃべちゃになっちゃいます.

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麻酔液に浸した状態がコチラ。

種類によりますが,2,3分で効きます.

完全に脱力し,形もこちらの意のままです.

この状態だと腕の自切もありません.

スペースを稼ぐため,このように「彗星型」にするのが私の出身の藤田研究室のスタイルです.

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そしてこのスキに写真を撮ります。

最も重要なのは,体の真ん中の「盤」です.激写しまくるのです。

コチラは反口側. 

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コチラは口側.真ん中にあるのが口です.

写真は,もちろん標本にした後でも撮影できるのですが,

エタノールなどにつけると色が抜けてしまう場合が多いので,

麻酔している間にとるのがベストです.

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そして,別のトレイに固定液(最近は主にエタノールです)を満たしておき,

麻酔したクモヒトデをそっと移します.

後はこれをビニールパックにラベルとともに入れておき,後日瓶に移して標本完成です。

たまには真面目な研究話でした.

続く.