和歌山大の実習で見られた畠島の生き物シリーズ!
その① チゴケムシ Watersipora subovoidea
岩の下の方に,薄らオレンジに見えるコケのようなものが張り付いているのがおわかりいただけますでしょうか?
これはれっきとしたコケムシと呼ばれる動物で,外肛動物門とも呼ばれています.
個虫と呼ばれる,頭の部分に触手の環を持つ小さな生き物が,
サンゴなどと同じように群体を形成しています.
詳しい形態の話などは,知り合いのコケムシ研究者さんのウェブサイトで勉強できますよ!コチラ↓
https://sites.google.com/site/kokemushiweb/
その② アオウミウシ Hypselodoris festiva
春はウミウシの季節ですね.このように目につく鮮やかなものから,
擬態しているのか,じっと海藻を見ていてやっと見つかるようなものまで,
様々な種がみられました.
その③ ウミヒルモ Halophia ovalis
海藻ではありません.海に適応した種子植物です.
畠島では汚染が進んだ1970-80年代に消滅してしまったという記録がありますが,
海の浄化がすすんできた近年になってまたみられるようになりました.
その④ モミジガイの仲間たち.
「カイ」といっても貝ではありません.写真からお分かりいただける通り,れっきとしたヒトデです.
いつもは砂の中に潜っていますが,潮が引くと,苦しいのか砂から出てくるので,簡単に捕まえられます.
この中にはおそらくトゲモミジガイとモミジガイが混ざっていますが,見分けがつきますか?
その⑤ ウミガメとその⑥ ハリセンボンの死骸!
外湾に面したこの島には,いろんなものが流れ着くのですね.
今原先生が何かを見つけられました!
その⑦ コマイハナゴケ Cervera komaii
です!ヤギやウミトサカに代表される八放サンゴはあまり浅いところには見られませんが,
こんな潮間帯にみられる八放サンゴもいるのですね!
この赤いポツポツの一つ一つがポリプで,観察していると,
八放サンゴに特徴的な羽状の触手が観察できました!
ちなみに種小名の「komaii」
は,瀬戸臨海実験所の初代所長の駒井卓先生に献名されたものです.
その⑧ これは,,,なんでしょう?
海中から突っ立ている棒状の物体.
ツバサゴカイの棲管でしょうか?それにしては長いような,,,
浜辺で赤潮が観察されました.
その⑨ 夜光虫Noctiluca scintillans(渦鞭毛藻)
が大量発生していたようです.
この水の中にはすさまじい数の夜光虫が顕微鏡で観察できます.
こんな日に夜の海岸に出ると,波の動きに刺激された夜光虫が光ってとてもきれいですよ.
続く.