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講義

海産無脊椎動物分子系統学実習⑩

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いよいよシーケンスデータが返ってきました.

これからデータの解析に移ります.

 ということで,これから描いてもらう系統樹の基本的な読み方の講義のあと...
 

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まずは解析対象種の近縁種をデータバンクから集めてもらいます.

FASTAファイルの作り方など,解析データの基礎を説明.
 

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各自のPCでアライメントから系統樹の作成を行ってもらいます.
 

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帰ってきたシーケンスデータのアセンブルです.

なかなかの成功率だったようです
 

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自分たちのデータと,データバンクのデータを合わせ,いよいよ本格的に解析開始

得られた系統樹が何を意味するかは,

その系統樹に使われたデータの元の文献情報に当たらなければならないときもあります.

系統解析は,系統樹を書いてからが本番なのです.
 

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ケフサイソガニチームは,スペシャリストの朝倉所長にお話しを伺っていました.

記載されたご本人がいらっしゃるとは,大変に恵まれた環境と言えるでしょう.
 

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翌日の発表の備え,みんなでお掃除.

長きにわたり,お疲れ様でした


海産無脊椎動物分子系統学実習⑨

 

サンプル収集の次は座学です
 

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今回実習生として参加してもらった山室教授にお話してもらいました.

「ラグーンから考える生態系の保全」
 

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山室先生は地学出身で保全生態関連のお仕事に携わっておられます.

様々な手法を用いて多角的に水域環境動態を研究されています.
 

環境学に用いられる分子系統学的手法の解釈を学ぶため,

今回の実習に参加されたそうです.
 

いつまでも新しい手法を学んでいく姿勢がとても素敵ですね.

ご自身の発表にそれがよく表れており,

かくあるべきと身が引き締まる思いでした.

刺激になります.
 

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宮崎先生の「カイヤドリウミグモの分類をめぐるいくつかの謎」
 

今回の実習の対象の一つ,カイヤドリウミグモについてのお話です.

ウミグモ担当の実習生は絶対に逃せません.
 

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久保田先生による「不死のベニクラゲと早死のカイヤドリヒドラクラゲの分子系統形態の関連」
 

スライドは使わず,プリントを見ながらのお話です.

太平洋に広く分布するベニクラゲの仲間の分子系統解析の結果,

隠蔽種の存在が示唆されているそうです.
 

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大和先生の「ヨコエビ類とフジツボ類における種」
 

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大和先生は,ヨコエビやフジツボを研究対象として,

「種」の問題に関する考察を行っておられます.
 

今日までずっと議論が続いている非常に難解な問題について,

分類の問題を絡めつつ,綺麗にまとめてくださいました.
 

今回の実習では分子系統樹から種の分類を考察してもらいますが,

実はそれは分子系統樹一本だけから簡単に導けるものではありません.
 

「種とは何か?」という大命題に関するお話は,

私自身にとっても勉強になりました.


海産無脊椎動物分子系統学実習⑦

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DNAデータの解析には線用のソフトウェアが必要不可欠.

最近ではアライメント,モデルテスト,系統解析を一手に担ってくれる優れたソフトウェアが開発されています.

これらをインストールするため,

河村博士がネットアクセスの方法を丁寧に説明します.
 

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順番が逆になりますが,シーケンス解析の外注の待ち時間で,

今回の実習で扱った生物の採集のため,磯に赴きます.
 

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カサガイ類の説明.何気なく転がっているように見える岩にも多様な生物が張り付いています.
 

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近くの岩礁でフタツメイソウミグモの採集.

何故かこのあたりの岩の下にだけ,常に本種の集団が見られます .
 

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ナガウニの採集.本当はもっと番所崎の先の方へ行けば複数種のナガウニがみられるのですが,

天候の関係で近くのタイドプールにとどまりました.
 

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干潟河口に移動し,ケフサイソガニの採集.

皆で石をはぐってやると,それなりの数が採れました
 

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採集の後は講義「深海生物テヅルモヅルの謎を追う」
 

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テヅルモヅルやクモヒトデ,および自身の研究の紹介を行わせていただきました.

ステキな写真を撮ってくださった河村博士に感謝です


2014年龍谷大学実習④

龍谷大学実習レポ,ついにラストです!

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畠島で採集した生物を,黒板にリストアップしていきます.

はるか昔から行われている,

教育効果の高い優れた手法です.

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リストアップした生物の中で,

自分が気になった生物を説明してもらいました.

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生物の形と,採集された場所とを関連付けてもらい,

なぜそのような環境に生息するに至ったかについて考察してもらいました. 
 

生物と環境を考える上では,その生物の形や生態に注目する必要があります.

今後,彼らがどのような分野に進むかはわかりませんが,

多角的な視点を育むことは,環境学を修めていく上で決して無駄にはならないでしょう.

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聞く方も真剣勝負!

先生方や研究員からも質問が飛びました.

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そして,無事に発表終了!

明日もまだありますが,とりあえず主な実習項目は終了です.

千徳博士から〆の挨拶.

三日という短い時間でしたが,

教える側と教わる側とで刺激しあうことのできたよい実習でした.

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一夜明けて最終日.

この日は朝から最後の講義です.

千徳博士の「サンゴの生物学」

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単なる学問的な話だけでなく,

博士課程での実情などを交えた,とても楽しい発表でした.

多くの学部生にとっては,普段はあまり聞かない話に触れられる,

よい機会だったのではないでしょうか.

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河村博士の「クラゲの多様な生活史」

クラゲの研究を行う上では,どのポリプがどのクラゲになるのか?

また逆にどのクラゲがどのポリプになるのか?

という生活史の解明が必要なため.飼育が必須です.

そのようなクラゲの多様な生活史について,

非常に美麗なクラゲ写真が満載のスライドで発表してくださいました.

クラゲへの愛がうかがえます.

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私もお話をさせてもらいました.

学会での雰囲気を味わってもらうため,ポスター発表風にしてみました.

先日の古生物学会で発表したポスターが活用されましたw

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ちなみに,この日はアウターを「テヅルモヅルパーカー」でキメてみました.

このウェブサイトでも注文できますよ!

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講義のあとは,野外授業!

浜辺でのビーチコーミング(漂着物観察)です!

白浜は黒潮の影響を受けて,南洋性の様々なものが流れ着きます.

珍しいものも時々混じっているんですよ!

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そして,最後にみんなで写真をパシャリ.

あっという間の四日間でしたが,教える側としても得られるものの多い実習でした.

個人的には,自分に足りないものの一つ(熊のプ○さんの物真似の精度)

がはっきりとわかった貴重な実習でした.

来年までに腕を磨いておきます!










ちなみに,私は本日(5/27)をもちまして,31歳となりました.

時が経つのは早いものです.

高校生ぐらいの時に想像していた31歳とは全然違うのですが,

今はクモヒトデの研究がつづけられてとても幸せです.

今後も教育に,研究に邁進していきます!


2014年龍谷大学実習③

4月の龍谷大学の実習のレポートです。

前回までのお話はこちら

畠島で採集した生物の鑑定からスタートです。

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バケツに採集してきた生き物を,机の上で白いプラスチックの「バット」にあけていきます.

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タツナミガイ,ニセクロナマコ,イソナマコ...

ここは長虫状のものを集めていますねえ...



...おや?

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こ,これは!


ユムシじゃないですか

ゴカイやミミズなどの環形動物に似た生き物ですが,体節がなく,別の動物門と考えられている生き物です。

(最近はDNA解析の結果から,環形動物門の仲間と考えられつつあります)

特に特徴的なのが頭から伸びたスプーン状の吻で,

種類によってはこれが何メートルもの長さになります.

地面の下などに穴を掘って隠れ住むためなかなかお目にかかることのない動物ですが,

転石の下に何気なくいたそうです.

学生は「ミドリユムシ」と同定していましたが,

分類が進んでいないため,同定の真偽は専門家に聞いてみないとわかりません.

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図鑑を片手に悩む学生アリ.

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いつて海胆の同定を助けてやりました,

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瓶についた奇妙なコブあり.

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なんとカニが絡まっているやうだ。

瓶から出ようとしてもがいているうちに こうなってしまったのでしょうか。

この後,やさしくほどいて逃がしてやりました.

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そしておなじみナマコの解剖です.

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今回は(も)ニセクロナマコの解剖でした.

ナマコはかなり内臓がしっかり見えて,

結構グ○なのですが,意外に多くの学生が興味を持っていました.

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面白生物解析シリーズ,お次は千徳博士の「単体サンゴ」の解説。

群体性ばかりと思われがちなサンゴですが,実は単体で生き抜くたくましいサンゴもいるのです.

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珍しい生き物に,みなさん興味津々です。

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こうして楽しく鑑定は続いていくのでした。

続く.

 


海産無脊椎動物多様性実習①

2014年3月25日~30日にかけて、

公開臨海実習「海産無脊椎度異物多様性実習」が開講されました。

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今年は全国津々浦々から、計23名のInvertebrateソルジャーが集いました。

大変盛況です。

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中にはこれまでの公開臨海実習に何度か参加してくれている猛者まで。

リピーターがきてくれるのは、実験所的にはとても嬉しいことです。

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整備した実習室の標本が役に立つ時がきましたよ。

標本を使った動物の形態の多様性の解説を行いました。

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久保田先生による脊索動物の説明。

ご専門は刺胞動物ですが、大変博識で、様々な動物の解説を担当してくださいました。

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私も棘皮動物の解説を担当しました。

これは先日手に入れたサキワレテヅルモヅルの仲間を、

自慢気に見せびらかしている様子です。

こんな感じで始まった海産無脊椎動物多様性実習、

今回はどんなドラマが飛び出すのでしょうか。

続く