てづるもづるを捕まえるのは容易ではありません。
例えば、私は2007年からてづるもづるを専門に研究しているわけですが、
自分で研究材料を採集できた例はあまり多くありません。
てづるもづるを得るために3週間弱船にのって一匹も採れなかったということもありました。
しかし、もちろん全く採れないわけではありません。
そこで、私の独断と偏見で有効と思われるてづるもづる採集法を列挙いたします。
ついでに採集法の重要な点を5項目に分けて採点してみたいと思います。
ちなみにこれらは標本を得るための方法です。飼育が目的ではありません。
(1) 調査船に乗る
私の戦略の主軸です。いろんなてづるもづるを採ろうと思ったら
やはり水深100m以深位のところにアクセスする必要があり、
そうするとどうしても特殊な採集道具を備えた船に乗る必要があります。
調査船にも様々な種類があり、例えばJAMSTECの擁する白鳳丸(約4000トン)のように 豪華客船級の船もあれば、
瀬戸臨海実験所のゾエア(約1.3トン)のようにコンパクトな船もあります。
前者は船内に宿泊室を備えており、複数の研究者が何週間も乗り合ってで外洋を調査します。
サンプルの処理も船内で行います。漁具を曳くためのロープも比較的長いため、数千メートルの深海生物の採集も可能です。
後者は大体日帰りのことが多いです。朝一で出港し、
何回か漁具を曳いて帰ってきて、陸上でサンプル処理をします。 ロープはあまり長くなく、
数百メートルまでの採集にとどまることが多いです。
それでは採点です!
採れる度!! ☆☆☆(調査が予定通りにいけば何かは採れます)
辛さ!! ☆~☆☆(船内の設備や天候による)
お手軽さ!! ☆(調査機関とのコネや、調査船での採集スキルが必要です)
楽しさ!! ☆☆☆(深海生物好きには垂涎です)
標本状態!! ☆(漁具にもよりますが、曳網中に痛むことも)
今後も様々なもづる採集法を紹介していきますよ。