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ベントスネット

2016年蒼鷹丸調査⑨

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今回の調査ではちょっと珍しい事が起きました.

ベントスネットの揚収.なんだか,ちょっと様子が変です.



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あ,真ん中のビーム(木の棒)が折れてます.

漁具が海底の岩などに引っかかるとっても危険なので,

非常な圧力がかかると,どこかが壊れて,漁具にダメージがいかないようにしています.



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それでも,揚がった網にはいろんな生物が絡んでいます.



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どっさり!一つ一つが宝です.



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クモヒトデもたくさん採れました.



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頑張ってソーティングした結果です.

右の塊と左の塊,多分違う種だと思います.



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アルコールに浸しているので,体が硬直しています.

まるでカッ○ラーメンのよう...



丁重に標本にして持ち帰りました.


2016年蒼鷹丸調査➄

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次はいよいよ,ベントス採集です.

まずはベントスネット.間口1 mを越える大きな網です.



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こちらも,船員さんによって,慎重に,



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海中に下されます.いいものが採れますように



ロープの操出速度は,速ければ1.5 m/s位ですが,

大抵1 m/sで繰り出していました.

水深の約2倍のロープを繰り出すので,例えば水深1000 mに網を下す場合は,

ロープを2000 m繰り出すとして,最低2000秒(=30分強)かかります.

ロープを繰り出してから,ベントスネットの場合は約30分を曳網時間とします.

そして,操出よりも少し遅いスピードで巻き上げを行うため,



30 + 30 + 40=約100分


 

をかけて,網を揚げる計算になります.



さらに,水深が深くなると網の浮力による漁具の着底時間の遅延が無視できなくなります.

船によっては,1000 mごとに1時間の待機時間を作ります.

ですので,もし水深5000 mに網を下す場合,
 

網下し:10000秒=約3時間

待機+曳網:5時間半

網巻上:10000秒=約3時間
 

計11時間半!半日丸々かける事になります.
 

蒼鷹丸ではこの待機時間をうんと短く(1時間半)にしているようですが,

それでも7時間オーバーです.

深海調査の大変さがお分かりいただけるでしょうか?



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水深数百 mから揚がってきたサンプル達.

クモヒトデがたくさん採れています.
 

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このそうめんみたいなもの,全てクモヒトデの腕です.
 

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余すところなく収集しました.手伝ってくださった瀬戸臨海の井上峻輔さんに感謝です