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分類学について②

前回の記事から書く書く詐欺状態になってしまったので,

分類について,少し話を進めてみたいと思います.

今日は「学名」についてです.

話は中世ヨーロッパに遡ります.

このころ,航海技術の発達によって,

ヨーロッパに各国から多種多様な動植物が持ち込まれ,

次々に名前がつけられていきました.

当時は命名にルールがなく,動植物の名前に,

類似種と区別できる特徴を示す単語をどんどん追加していきました.

例えばオオカミは当時”Lupus“と呼ばれていましたが,

ジャッカルは”Lupus aureus“という感じです.

しかし次々に持ち込まれる生き物に同じ方法で名前を付けていくと,

名前は長くなる一方です.

例えばミツバチには,

Apis pubescens, thorace subgriseo, abdominale fusco, pedibus posticis glabris utrinque martine ciliatis

という非常に長い名前が付けられていたそうです.

こうなってくると,動物の数の増加に伴い,

生物の名前を覚えるにも一苦労で,

必然的に全体像の把握も難しくなってきます.

さらに,多くの名前にはラテン語が用いられていましたが,

他の言語による生物の名前も混在していました.

こうなってくると,生物の研究はもとより,

生物資源の利用も難しい状況に陥るのは明らかです.

そこで,全人類が簡便に共有できる

生物の名前の呼び方を考案する必要がありました.

これが「学名」です.

このような状況を受け,はたして,1758年に,

「学名」の付け方のルールや,分類法の基礎が築かれることとなりました.

では,この基礎を気付いたのは一体誰なのか? 

続く.