標本整理のお話です。
海産動物の標本は、①乾燥標本と②液浸標本に大別されます.
読んだまま、①は乾燥させた標本で、②は液に漬けた標本です。
生物の種類によって適当な標本状態は違いますが、海産標本の場合は、液浸にしておく事が多いです。
液浸に使われる主な液は、ズバリ、ホルマリンとエタノールです。
まずエタノール標本についてご説明を。
【エタノール】
・脱水によって加水分解酵素の働きを止めることで、
固定(生物を生体に近い状態に保つこと)する。
そのため、柔組織は縮んでしまうことがある。
・そんなに臭くないが、余り多く揮発気体を吸い込むと酔っ払う??
・普通は70%以上の濃度で調整する。
とまあ,いろいろな特徴があるのですが、
なんといってもエタノールの特徴は、DNAを保存できるところです。
最近はDNA解析のために、エタノールで標本を作る場合が多くなってきました。
しかし、クラゲなどのように水分が多く脱水によって形が変わるため、
エタノール標本には向いていない生き物もいます。
また、エタノールは脱色作用もあるようです。
