2014年6月24日~6/28日にかけて,
大阪教育大学の臨海実習が行われました。
例によってその様子をレポートします。
大阪教育大学教育学部の生田准教授です.
生田先生は宮崎先生の筑波大学時代の後輩にあたり,
甲殻類を主な研究材料として,形態・発生学的な研究をすすめておられます.
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珍しい生き物がお好きで,珍奇生物に興奮してしまう私としては,
親近感を覚えてしまいます.
この実習でも畠島へ渡ります.
畠島頻度が高くなってくすると,いよいよ実習シーズンが始まったなという感じです。
畠島から一望できる白浜の様子を開設する宮崎先生.
生田先生とのつながりで,本実習は宮崎先生が担当されています.
帯状分布の説明.磯観察の基本ですね。
いつも人気のタツナミガイさん Delabella auricularia
ガンガゼDiadema setosum発見
そして横にはアオスジガンガゼDiadema savignyiが
本種は肛門の周りに青い筋があることでガンガゼと区別できたのですが,
うまく写真が撮れていませんでした.なんたるイージーミス。
ウミガメの死骸.アオウミガメだそうですが,
実はこのウミガメ,二か月前からここにいました.
ケハダヒザラガイAcanthochiton defippi
多板綱という軟体動物門の一群ですが,必ず八枚の殻を持つグループです.
(化石種では七枚のやつがいるらしい)
以前はその八枚の板が繰り返し構造とみられ,
環形動物や節足動物との類縁性を疑われた時期もありましたが,
現在ではなんの関係もないということが分かっています.
小丸島付近の転石をひっくり返すと,必ずこいつがいます.
でろーーんと長く伸びたムラサキクルマナマコPolycheira fusca
無足類と呼ばれる,管足(体表面のぶつぶつ)がないタイプのナマコです.
こちらは,ニセクロナマコHolothuria leucospilotaを片手に,ナイスポージング。
さすが甲殻類研究者の生田先生.
怒らせると怖いベニツケガニを見つけたと思ったら...
なんとそのおなかにフクロムシがついているではありませんか。
しかも二個体同時。
※あまり詳しい説明はありませんが,フクロムシについてはコチラ.
フクロムシがどこにいるかわからない
という方のために
特別にイラストレーションします。
これでおわかりいただけるでしょう。
しかし同じ甲殻類でもこんなに形が変わるんですね.
実際に目の当たりにすると,生物の適応力の底知れなさを感じます.
続く.