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ナマコの発生

2015年8月28日~9月4日 京都大学臨海実習第一部+四部+公開臨海実習「自由課題実習」⑦

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ウニの掛け合わせ実験と並行して,

他の生き物の発生も行いました.
 

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まずはナマコです.決していじめているわけではありません.

刺激によって内臓を吐露させ,

生殖巣を取り出します.

内臓が無くなっても,また再生するのです.



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こちらが取り出した生殖巣.

色からすると卵のようですが,どうも薄い...

どうも生殖の時期ハズレだったようです.



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それでも一応,卵は入っていました.

真ん中の丸い部分が卵核胞です.ナマコの卵は生殖巣の中でこのような未成熟な状態で止まっています.

ここからある薬品処理をすると,卵核胞崩壊(GVBD)が起き,発生可能な状態になります.
 

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次はカキの発生実験です.



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実験所の周りにわんさかいるこのケガキを使います.



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殻をとってやると中身が出ました.この白い部分に配偶子がたくさん詰まっています
 

しかし,ナマコもケガキもあまりうまく発生が進みませんでした.

やはり生殖時期でない生物の発生はそう簡単には進められないようです.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑤

 ナマコの卵成熟方法
 

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このように,謎の液に卵を浸し
 

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十分ほどしたら,スポイトで丁寧に液を海水に置換するだけ.
 

では,その液とは!?
 

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こちらです.ジチオトレイトール(DTT)溶液です.
 

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コチラを適当な濃度に調整し,冷凍庫で保管しておきます.
 

最終的な使用濃度は1 mMなので,

スペース確保のため,今回はその十倍の10 mMに調整した液を保管しました.
 

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こちらが処理前の卵.小さく映って見にくいかもしれませんが,

卵の中に.未成熟であることを示す大きな卵核胞と呼ばれる丸い構造が見えています.
 

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DTT溶液に曝すことで卵核胞が崩壊して見えなくなり(減数分裂が進み),

受精可能な状態となります.ちなみに,周りに群がっている小さな粒粒は精子です.
 

この精子の形も,ウニのものとは少し違います.
 

後はウニと同様に環境を整えながら,発生観察を行います.
 

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本実習ではもう一つ,ウニの掛け合わせ実験も行いました.
 

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その名の通り,様々なウニの精子と卵を採りだし,

総当たりで掛け合わせるというものです.
 

コチラはタコノマクラの採卵中.
 

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こちらは,各ウニ(ツマジロ,ムラサキ,コシダカ,ガンガゼ,タコノマクラ,ラッパなどなど)

から採取した精子の懸濁液です.
 

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今回は,ほとんどすべてのウニが放精,放卵してくれました

それぞれ掛け合わせの担当を決めて,結果を考察してもらいました.
 

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実験のあとはみんなで後片付け.
 

洗って干場に置くまででなく,元の場所に戻すまでが片づけです
 
 

勿論,すべてをいちいち洗った後に拭いて戻す必要はありませんが,

自然乾燥しにくい形状のものや,乾きかけのものは拭いておくと,

後の片づけが楽になります.
 

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夜中にそっと実習室を除いてみると,たくさんの学生がレポートに取り組んでいました.
 

今回の掛け合わせでは,受精の可否,発生段階の違いなどなど,

様々な興味深い結果が出たようです.
 

それぞれのウニの生息環境や系統関係を考慮すると,

面白いことが分かりそうですね

いいレポートがかけることを期待しています.
 

続く.