さてさてそろそろ佳境に入ってきたイギリス放浪記も,
気付けばもう第七弾です
二日目はもう最終日です.
ポスターを肴に,皆ここぞとばかりに棘皮話に花を咲かせます.
一つ,面白いポスター発表がありました.
Lea Numberger-Thuy & Ben Thuy
“Spiny celebs: echinoderms named after echinodermologists”
タイトルの和約は,「トゲトゲのセレブ達:棘皮動物研究者の名を関した棘皮動物」
といったところでしょうか.
これまでに棘皮動物学者に献名された棘皮動物をまとめたリストです.
今大会に参加されていた入村精一(Seichi Irimura)先生や,
石田吉明(Yoshiaki Ishida)先生の名前がありました
献名は,多くの場合は尊敬の念を込めて行われます.
生物の学名に自分の名前が含まれる事は,基本的には名誉なことだと考えてよいでしょう.
今年私がSabineさんに献名したAsterostegus sabineaeも掲載されていました.
私もいつかは献名されるよう精進せねば!
ちなみに,このポスターの作成者は(本人不在でしたが),
ドイツのクモヒトデ貴公子Ben君の奥さんです.
気付けばついに学会もクロージングのお時間です.
最後に,学生発表賞が発表されました
今回は口頭から二人,ポスターから二人の計四人が選ばれました.おめでとうございます
授与者はロンドン自然史博物館のA. B. Smith博士です.
専門はウニの系統進化ですが,棘皮動物全般を扱われており,
もう20年も昔ですが,クモヒトデ全体の系統に関する論文も出版されています.
Natureなどに論文をバンバン出版されている,憧れの人です.
今回,私の発表に質問してくださったことは,何気に自慢です
後ろ髪をひかれながら会場を後にする棘皮動物学者たち.
次は来年の棘皮動物国際会議@メキシコでしょうか.
その時まで,さらば
と思いきや...
宿泊所前ににわかに集合し始める棘皮動物学者たち...
そして...
ラストパ―ティー開催です
どうせ明日は移動日かエクスカーションを残すのみ
大いに飲んでやりましょう
「なぜ,棘皮動物研究を始めたのか」
「各国の研究者の就職状況は」
「『棘皮動物』って言っても,だれもわかってくれないんだよねwww」
「Brittle star (クモヒトデの英名)って言っても,だれもわかってくれない...
みんな『Star fish (ヒトデ)の仲間ですか?』っていうんだwww」
「わかる」
などなど,棘皮動物+研究の話に大いに花が咲きました
どの国でも同じような悩みがあるのですね
Ben君は,ドイツ人チームと飲んでいます.
夜も更け,そろそろ帰るものもちらほら.
左の男性は,ロシアの学生のAlexander君です.
数少ないクモヒトデの古生物屋さんです.
一方,手前の大柄な男性はドイツのMikeさん.
ナマコの古生物屋さんです.
こんな風にして,各国入り乱れてワイワイやりながら,
ポーツマスの夜は過ぎていきましたとさ.
棘皮動物屋さんはいい人ばかりです.
続く