京大実習のレポートです
最初の実習は付着生物観察です.
多くの動物はその名のとおり「動」いて生活しています.
ところが,中にはフジツボやイソギンチャクのように,「動かない」という生活を選択したものがいます.
それらの付着生物にターゲットを絞り,その生態的な意義を考察してもらうのが目的です.
講師は大和先生.
調査地の説明中.
台風の接近に伴い,実験所近くは荒天につき磯観察ができなかったので,
普段は来ない,内湾の鳥の巣という場所に来ました.
堤防の向こうが観察地ですが,流石にこの高さは降りられません
ということで少し離れた階段から歩いて磯に向かいます.
台風の影響はありましたが,まだ雨は降っておらず,
青空も垣間見えました.
こんなコンクリートの棒の橋を渡ります.
田辺湾の景色を説明中.
普段は遠くに望んでいる神島が近くに見られました.
公開臨海実習の自由課題用のコドラート調査中.
このような方形枠を何地点かでとり,その中の生物相を
地点ごとに比較するという伝統的な方法です.
例のごとく,持ち帰った生物を図鑑で同定中.
図鑑の使用方法も,臨海実習の重要な教育事項です.
バットの中で,何やら小さな黒い粒が蠢いています.
こんなものは採っていなかったはずですが...
黒い粒をモニターに映してみました.
なんとこれらは,ゾエア幼生と呼ばれるカニの赤ちゃんでした
お母さんガニはお腹に卵を抱えて,孵化するまで育てます.
採集された際の刺激で,ゾエア幼生が孵化してしまったのかもしれません.
(もちろん自然に孵化した可能性もあります)
む,このコンビは.
TAの小泉君と,3月の実習に来ていた大塚くんの感動の再会です.
詳しくは3月の実習報告をご覧下さい.
Nahraさんも磯の生物に興味津津
タンタ大学では軟体動物の生物学を専攻していらっしゃるそうです.
イソギンチャクが,槍糸と呼ばれる防御用の刺胞を備えた糸を出していたので,
河村博士がモニターに映し出して解説中です.
指示棒で指しているのが刺胞細胞ですね.
さすが防御用ということで,長い刺胞が発射されている様子が観察できました.
最後に,採集された生き物を黒板に書き出しました.
なんとその数60種!
これは生物が豊富な畠島実習での採集数に迫ります.
学生のみなさんの採集努力の賜物ですね.
次は,漁港などの係留物に付着した生物を観察しに行きます
続く.