ヤンチナドレッジでは,またいろいろとクモヒトデが採れました.
Stegophiura sp. の反口側.
同種の口側.よく採れるやつです.
スナクモヒトデの類ですね.
岩の隙間に隠れているところを発見しました.
Ophiura kinbergi,クシノハクモヒトデです.
腕を器用に動かして砂の上を動き回ります.
こちらは口側.少し深くなってくると,クシノハクモヒトデの類ばかりが採れる地帯が広がっています.
ヤンチナドレッジでは,またいろいろとクモヒトデが採れました.
Stegophiura sp. の反口側.
同種の口側.よく採れるやつです.
スナクモヒトデの類ですね.
岩の隙間に隠れているところを発見しました.
Ophiura kinbergi,クシノハクモヒトデです.
腕を器用に動かして砂の上を動き回ります.
こちらは口側.少し深くなってくると,クシノハクモヒトデの類ばかりが採れる地帯が広がっています.
2015年4月15日にヤンチナでドレッジ調査を行いました!
あまり天候は優れませんでしたが,あとは荒れるばかりということで強行!
風は有りませんでしたが,ややうねりが入っており,
アネロンを服用したはずが,やや酔ってしまいました.
最近体の衰えを感じます.
手前の技術職員興田さんが,技術職員山内さんに,ウィンチ操作技術のレクチャー.
このようにいつでも安全確実に調査が行えるのは,技術職員さんが,
しっかりと技術を伝承してくださっているからですね.
その甲斐あって,60-70 m辺りの砂場でドレッジが曳けました!
持ち帰ったクモヒトデを飼育中なのですが,とても面白いことがわかりそうなのです!
いまからワクワクですよ!
Astrocharis monospinosa は新種であるということがわかりました.
しかし,Astrocharisi属の全3種の原記載を読んでみて,ふと気づいたことがありました.
これらは本当に区別できるんだろうか?
当時Astrocharisに知られていたのは,
A. virgo Koehler, 1904
A. ijimai Matsumoto, 1911
A. gracilis Mortensen, 1918
で,体表を覆う鱗が,それぞれ,小,中,大,ということで区別されていました.
しかしこれでは具体的な数字がなく,
本当にそれが明確に数値として分けられるのか不明瞭です.
こうなってくると原記載を読んデイてもラチがあきません.
そこでタイプ標本です.
原記載の基となった標本を担名タイプ標本といい,
基本的にはこれらの標本に基づいて種の命名は行われます.
上記の三種のタイプ標本の所在を調べていたところ,
A. virgoはアムステルダム動物学博物館に,
A. gracilisはコペンハーゲン大学動物学博物館に,
それぞれ所蔵されている事がわかり,
学芸員さんにコンタクトをとってみたところ,なんと貸出をしてくれるというのです
喜び勇んで申し込みをして数週間後,果たしてそれらの標本は,
はるばる海を越え,果たして私の手元に到着したのです.
続く
科博に所蔵されていた標本はAstrocharis gracilisと同定されていました.
この種はMortensenによって1918年に記載されたものでしたが,
原記載の掲載雑誌が少なくとも国内になかったため,
Döderlein (1927)による別の個体の再記載を頼りにこの種を同定していました.
しかしDöderleinの記載と科博の個体はどうも形が異なるのです.
果たしてこの違いは種内変異なのか,
それとも科博の個体は別種なのか?
見極めるためにはやはり原記載を見る必要がありました.
国外の図書館に複写を依頼して果たして手元に届いた原記載.
あれほど気持ちを昂ぶらせた文献拝読は未だかつてないかもしれません.
一ページずつページをめくるたびに,疑問が確信に変わっていきました.
Mortensen (1918)の原記載は,明らかにDöderlein (1927)と一致しており,
科博の標本とは異なることが分かりました.
すなわちこの時点で,手元の標本は新種であるという事が明らかになったのです.
しかし原記載を読んで気づいたことはこれだけではありませんでした.
続く.
Family: Astrocharidae ヒメクモヒトデ科
Genus: Astrocharis ヒメモヅル属
Specific name: monospinosa オオヒメモヅル(新称)
非常にレアなモヅルです.
まずヒメモヅル属からして珍しい.
体の表面がブヨブヨの皮か細かい顆粒に覆われていることの多いツルクモヒトデ目ですが,
この属は体が鱗に覆われており,かつ輻楯(ふくじゅん)と呼ばれる盤の背面の板状骨片が,
裸出する,という特徴があります.
特に,この輻楯の裸出という特徴は,他のツルクモヒトデ目にはほとんど見られません.
私の中のかっこいいモヅルランキングベスト3には間違いなく入る属です.
生息域も,海山の頂上,約300 m以深に限られており,
種数も本種を含めて3種しか知られていません.
Astrocharis monospinosaは,
①体を覆う皮下骨片が他の種に比べて大きい(0.5-1 mm程度)
②各触手孔に生えている腕針が1本
③体内の側腕板や腕骨が腕の基部で裸出する
といった特徴によって区別されます.
私が科博の学生になって,博物館の標本を片っ端から見ていた時に,
この標本を見つけました.ヒメモヅル属である事はすぐにわかったのですが,
新種だという確信は得られませんでした.
その後,調査を進めているうちに本種が新種である事が突き止められていきました.
続く.
先日お伝えしたニシキクモヒトデ.
ほとんどヤギに絡んでいることは以前からお伝えしている通りですが,
ヤギに絡まず岩場に張り付いているものもいるのです.
彼らは何故わざわざ岩場という荒野でその身を危険にさらしているのか?
ということで,岩場の個体をとってきて,
足掛かりになりそうなものを入れてみました.
まずはクリップです.
因みに,形態観察からはヤギに絡んでいるものと違いがみられませんでした.
こんな安直な実験でいいのだうか...
ニシキクモヒトデにもプライドがあるのでは...
10分後
めっちゃくっつきましたね...
別にヤギでなくても良いようです.
うーーむ,彼らはなぜ,どうやって,ヤギに絡んでいるのでしょうか.
これだけ簡単に採れて,飼育も比較的簡単なので,
実験で証明できそうです.
最近,調査に行くたびに何かと採集しているニシキクモヒトデですが,
いつの間にか白浜水族館のヤギに も湧いていたようで,
たくさんついていましたのでもらってきました.
タイや沖縄で採ってきたものは赤や紫などいろんなカラーバリエーションがあったのですが,
今回発見したものは全てオレンジと白のストライプです.
よーく観察すると,腕の背面になにやら棒状のものが伸びでいます.
最初は腕針かと思ったのですが,どうやらこれは触手が背中まで伸びているようです.
そこまで伸縮できるのかと驚きました.
ヨコエビが,クモヒトデの腕に捕えられているのか,
さっぱり動きません.
その割にはクモヒトデの口に運ばれる様子もありませんでした.
ヤギをよーく見てみると,クモヒトデだけでなくヘラムシ?のような等脚類もたくさんついていました.
うーむ,ヤギ,クモヒトデ,ヘラムシ,三者の関係とかどうなっているのでしょうか.
生物を観察していると,疑問に尽きません.
こちらはクモヒトデの腕の中にある腕骨です.
我々の持つ脊椎のようにこの腕骨が腕の中に連なっているため,
英語ではVertebraと呼ばれます.
これは腕の先端側から見た画像で,
腕の基部側から見ると,この突起形状がフィットするような形になっています.
つまり,お互いが関節構造を持っています.
この関節の構造は分類群によって違っており,
古くから,主に科以上の高次分類群の分類形質に使われてきました.
この表面を拡大したのが以下の画像です.
なんだか縞々が見えますよね.
実はこれ,クモヒトデの腕骨に刻まれる「年輪」と考えられています.
季節輪であるとの報告もありますが,
実際にこの輪がどのような生物学的特性によって刻まれているのかは,
いまだはっきりとはわかっていません.
しかも,実はこれは更新統から得られた化石なのです.
化石にも残るこの輪の特性がわかれば,
クモヒトデが生息していた古環境の復元も可能になるのではないかと考えています.
少し前からいろいろと手を広げて研究を進めているのですが,
最近それらの結果が徐々にまとまってきつつあります.
今年はいろいろと発表できることがありそうで,今からワクワクです.
それにしても,無限の可能性を秘めたこのクモヒトデ.
そろそろ一緒に研究をしてくれる仲間が現れないかなーと考えたりする今日この頃です.
三崎で採れたクモヒトデ第二弾.
Amphipholis sp.
イソコモチクモヒトデAmphipholis squamataか
スナクモヒトデAmphiphilis kochiiかなと思っているのですが,
小型であることと,六腕であることから確信が持てずにいます.
Amphiura bellis
腕一本になってしまっても,基本的には5放射なので,
1放射でも残っていれば同定が可能です.
本種は比較的大きな輻楯を持っています.
Ophiomyxa anisacantha
キヌハダクモヒトデですね.
このグループ(キヌハダクモヒトデ科)は,
体の内部構造を観察した松本(1915, 1917)によって
テヅルモヅル類と同じグループであると考えられていましたが,
最近のDNA解析の結果はこの説を支持していません.
クモヒトデの系統分類には,
まだまだやり残されていることがあります.
相模湾で採れたクモヒトデを紹介しましょう.
Amphiura euopla ヤブクモヒトデ
油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
Amphiura trachydisca イボスナクモヒトデ
相模湾,水深500 m,2015年1月20日.
盤のアップ.盤上の鱗があまり細かくなく,
盤自体がポコっと半球状に盛り上がっているのが特徴です.
Ophiura kinbergi クシノハクモヒトデ
油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
良く採れるクモヒトデです.
Ophiothela danae ニシキクモヒトデ
油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
カラフルな色彩が特徴.ふつうはヤギなどに絡んでいます.
Stegophiura vivipara コモチクモヒトデ
相模湾,水深200 m,2015年1月20日.
盤が非常にしっかりした鱗に覆われています.
輻楯がオーバーラップしているのも本種の特徴.
その名の通り,体の中である程度の大きさになるまで子供を保育します.
反口側は真っ赤ですが,口側はこのように白っぽくてかわいいやつです.
が,採れる時はわんさか採れるので油断なりません.
こちらはミツイタクモヒトデの腕の中部あたりの口側の画像.
画面の上側が腕の先端,下側は腕の基部(盤より)です.
前回記事にした,腕の反口側の構造同様,
口側でも,腕節を構成する以下の骨片のセットが観察できます.
①口側正中線上に並ぶ「腹腕板」
②その側面にある「側腕板」
③反口側でも見られる「腕針」
④通常は最も口側の根元にある触手孔の蓋の役割をする「触手鱗」
クモヒトデが骨片より成る動物である事が伺えるかと思います.
勿論内臓などの内部構造もあるのですが,それはまた別の機会に.
因みに,ツルクモヒトデ目では触手鱗がなく,
最も口側の腕針が触手鱗の役割を果たしています.
年末年始にかけて採集してきたクモヒトデの同定(種名を調べること)を行っています.
顕微鏡でのぞきながら,文献と比較.
一見同じように見えるクモヒトデですが,
顕微鏡で観察すると,その形の多様性に驚きます.
同定した標本に耐水紙のラベルを入れて,
瓶に整理.
仮番号を付けて,整理をしていきます.
最終的には,博物館相当施設に収めて,研究に活かします.
分子実験も嫌いではないですが,
私の場合,いろいろな疑問が湧いくるのは検鏡している時です.
なかなか時間がとれないこともありますが,
こうしてクモヒトデ研究に携わる時間は幸せで落ち着きます.
そんな小さな幸せを噛みしめる冬の夜更けでした.
出張の様子のレポートはひとまず置きまして,
クモヒトデの体の仕組みについて書きます.
これまで盤の仕組みついて解説をしましたが,
次は腕について.
こちらは,ミツイタクモヒトデの腕の反口(背)側です.
クモヒトデの腕は,竹のような節の繰り返し構造になっています.
この節を腕節といい,一つの腕節は,
いくつかの骨片の組み合わせより成ります.
背側から観察できるのは主に,
①背腕板という板状骨片,
②その側面にある側腕板という板状骨片,
③側腕板に関節している腕針という針状骨片,
の三種類です.
特に腕針は棒状,フック状,鋸状など形が多様で,
その数も一腕節において一本から十数本と変化大きいため,
極めて重要な分類形質となっています.
クモヒトデを分類する際には,体の中の微小骨片の観察が必要になる時があります.
今日はその観察法をレクチャーいたしましょう.
①まず時計皿に,観察したい部位を入れます.
②ハイターを,
③注入.
③軟組織が泡を立てて溶け始めます.
しばらく待つと,骨片が出てきました
④ピペットでハイターを取り除きます.
骨片を吸い込んでしまわないように注意.
ハイターは乾燥すると結晶化するため,観察の邪魔になります.
そこで,⑤水ですすいでやります.
極力ハイターを取り除き,洗瓶で純粋を注入.
⑥ピペットで水を吸い出す操作を2-3回繰り返します.
⑦水分をなるべく取り除いた後は,乾燥するまで待ちます.
最後に,水の代わりにエタノールですすぐと乾燥が早くなります.
ピンセットで,骨片を両面テープに張り付けて完成
あとはSEMで観察するのみです
クモヒトデの体の仕組みがどうしても知りたいあなたへ,
クモヒトデの形態解説第二弾です
前回と同じミツイタクモヒトデをみながらその体の仕組みを理解しましょう.
こちらは体の口側.盤の真ん中には口があります.
鱗しかなかった反口側と違い,口側はやや複雑.
五つの腕の延長線上の交差点に口があり,
様々な形の骨片が組み合わ去っているためです.
まず,口の入口部分は五つの顎に囲まれており,
その先端に生える歯で口を通る餌を咀嚼します.
この画像では全貌が見えませんが,歯は歯板という板状の骨片に間接しており,
歯版は口板という骨片に支えられています.
口板の外側には側口板が配置し.
対になった側口板の間には口楯という板状の骨片があります.
多くの種ではこの口楯の一つが巨大化し,多孔体の役割を果たします.
というように,口の周りを構成する骨が複雑に配置しています.
また,顎のスリット部分の最も口側には,
口棘と呼ばれる,歯に似た骨片が並んでいます.
また,間輻部と呼ばれる盤の口側の腕と腕の間には,生殖裂孔があります.
この生殖裂孔の縁に生じる突起は生殖棘です.
後にも述べたいと思いますが,
口の中から腕の先端までは触手の列が伸びており,
多くの種はこの触手伝いで,食物を口に運んでいると思われます.
このような歯,口棘,歯板,口板,側口板,口楯,
生殖裂孔,生殖棘などの形,数,大きさなどが分類形質になるのですが,
これらは,比較的高次(属や科)の分類に
使われていると思います.
(はっきりと検討したわけではありません).
一目には似たような形のクモヒトデですが,
顕微鏡レベルでは様々な形の違いが見て取れます.
突然ですがクモヒトデの体の仕組みを解説いたします.
以前,ちょろっとだけ触れましたが,多くのクモヒトデは,
体の真ん中の「盤」という部分と「腕」が,見た目で明瞭に分けられます.
(実質的なヒトデとの違いは,歩帯溝がないことです)
クモヒトデの体はいろんな形の骨片に覆われており,
その形状が分類に使われています.
今回は,盤の形状についてご紹介します.
じゃーん,こちらが,盤の反口(背)側です.
基本的に,クモヒトデの盤は,「盤鱗」と呼ばれる鱗に覆われています.
この鱗も様々な形があり,盤のど真ん中のものひときわ大きく「中背板」と呼ばれ,
その周りに配置している5つの比較的大きなものは「下址板」と呼ばれます.
これらは合わせて「第一次板」と呼ばれ,他の盤鱗と区別されます.
また,腕の付け根部分には,輻楯(ふくじゅん)と呼ばれる対の鱗があり,
この形や大きさは多くの種で重要な分類形質となっています.
勿論,鱗だけでなく棘や皮に覆われたり,第一次板のような鱗の区別がないもの,
輻楯が他の骨片などに覆われて見えないものがいたりと,種によって形質状態は様々ですが,
これらの特徴は昔も今も重要な形質として使われていることは間違いありません.
Family: Goegonocephalidae テヅルモヅル科
Subfamily: Gorgonocephalinae テヅルモヅル亜科
Genus: Asteroporpa シゲトウモヅル属
Subgenus: Asteroporpa (Astromoana) モアナモヅル亜属
Specific name: koyoae コウヨウモアナモヅル
トゲモアナモヅルと同時に記載したモヅルです.
当然のことながら,発表当時は日本初記録亜属のモヅルでした.
2009年に小笠原での科博の深海調査に参加させてもらった際に,
お世話になった水産実験センターの方が,
「例えば,深海籠調査ではこんなのが採れますよ~.」
と言いながら気軽に見せてくださったものの中に混じっていました.
①盤の反口側の縁部に,フックがついた板を持つ,
②盤の反口側は一様な大きさの円錐型皮下骨片に覆われる
③それらの皮下骨片の先端には,皮下骨片の高さよりも長い棘が生じる
といった特徴で他種と区別できます.
せっかくなので,水産実験所の研究船「興洋」に献名しました.
本種はこの個体以降採集されていないため大層珍しいのだと思われます.
採集における人脈の大切さを教えてくれた種です.
撮影:岡西政典
Family: Asteroschematidae タコクモヒトデ科
Genus: Asteroshema ヒトデモドキ属
Specific name: salix (和名なし)
日本では,南硫黄島からしか発見されていない珍しい種です.
他にはオーストラリア,フィリピン,ニュージーランドの329-2999 mに分布しています.
①体全体が小さな顆粒状の皮下骨片に覆われている
②それらの皮下骨片は,大きさ約0.07 mm-0.08 mmと小さい
③輻楯は縦長で,長さは太さの約2.5-3倍
④腕針の長さは各腕節長の約2倍
といった特徴で他種と区別できます.
こいつが所属するヒトデモドキ属は外部形態が非常に少ないため,
体表の微小な骨片の大きさなどで分類していますが,
詳しい種分類を行うためには,DNA解析なども行ったほうが良いと思われます.
Family: Goegonocephalidae テヅルモヅル科
Subfamily: Gorgonocephalinae テヅルモヅル亜科
Genus: Asteroporpa シゲトウモヅル属
Subgenus: Asteroporpa (Astromoana) モアナモヅル亜属
Specific name: muricatopatella トゲモアナモヅル
こちらはなかなかの珍モヅルです.
シゲトウモヅル属は日本の太平洋側から古くより記録が知られるのですが,
1980年にニュージーランド産の種に対して設立されたモアナモヅル亜属は,
日本からは知られていませんでした.
同属のシゲトウモヅルAsteroporpa (Asteroporpoa) hadracantha は古くより日本の太平洋側より記録があります.
科博にもたくさんのシゲトウモヅルの標本があり,
それらを調査していたところ,6個体ほど入った瓶の中に,
1個体だけ顕微鏡で見ると明らかに形態が異なる種を見つけました.
それがこのトゲモアナモヅルです.
①盤の反口側の縁部に,フックがついた板を持つ,
②盤の反口側は一様な大きさの円錐型皮下骨片に覆われる
③それらの皮下骨片の先端には,皮下骨片の長さよりも短い棘が生じる
クモヒトデでは,パッと見て,すべて同種だろうと思うような数が採れることがよくあるのですが,
実際に検鏡して見るとこのように別種が混じっていることがよくあります.
どのような分類群でもそうかもしれませんが,
必ず検鏡しないと「同定した」と言えない,ということを教えてくれた種です.
撮影:岡西政典
最近,日本のクモヒトデの情報をまとめています.
テヅルモヅル類についてはほぼ完全にまとめているのですが,
クモヒトデとなると,まだ完全ではありませんでした.
実は分類学には文献学の側面もあり,
たとえばとあるグループの分類の情報を整理する際には,
過去のいかなる情報も漏らさず目を通す必要があります.
先人が残したクモヒトデの記録情報を,
種名,場所,日付,水深,水温などの項目ごとに,一件一件まとめます.
結構単純作業なのでやってる途中は本当にしんどいのですが,
ある程度情報量が増えてくると,不思議なことに,
生物の特性の分布の関係が浮かび上がったりしてきます.
生物学はこのような毎日の地道な作業の積み重ねですね.
ちなみにこのデータは,エクセルに打ち込んでデータベースなどに運用するのですが,
そんなものがなかった昔(1800年代とか)の研究でも,
正確に記録がまとめられています.
偉大な先生方にはまだまだ及びません.
最近調査が多いので,サンプルがたまってきました.
少しずつ整理をしていかなくてはなりません.
現場でパッキングした標本はこのように,
ビニールパックに耐水紙とともに入れ,
ポリ瓶にぎっしり詰めてあります.
中身を取り出しまして,
瓶に移します.
なるべく中の保存液(基本はエタノール)が揮発しないよう,
我々はこの二重蓋の瓶を使っています.
そしてエタノールを注ぐ
きっちり肩まで入れましょう.標本が小さいからと言ってけちると,
後で揮発量が分からなくなります.
蓋を閉めて完成
この状態で置いておけば,少なくとも何十年という単位で保つはずです.
ラベルだけでなく,蓋にも識別番号などをつけておくとより効果的です.
例えば万が一中のラベルが無くなっていても,蓋の識別番号から情報を追うことができます.
また,最近はレーザープリンタで耐水紙に打ち出したラベルを使うことあありますが,
場合によっては文字がはがれてしまう事があります.
そのため,ラベルには必ず手書きで標本番号を書いておくとよいでしょう.
オーストラリアの博物館では,一度レーザープリンタから打ち出したラベルを,
オーブンで少し焼いて,文字を定着させるという技を使っていました.
標本の恒久的な保管のために,世界中で様々な工夫が凝らされています.
また,あまりに小さいものは,さらに小さなバイアルなどに入れないと,
瓶の中で探すのに苦労します.
しかしそのようなバイアルは小さすぎて紛失しやすいため,
このように瓶に入れておくことで紛失を防ぐ共に,
同じ大きさで瓶の規格が統一され,整理がしやすくなります.
2014年12月7日に,東京高田馬場にて,モヅルカフェを開催してきました
サイエンスカフェということで,雑誌の表紙などを参考に,
なるべくオシャレなフォントを使ってタイトルページを作りましたが,
持ち込んだノートPCへのフォントのインストールを忘れたため,
あえなく撃沈.慣れないことはするもんじゃないですね
たっぷり一時間半,モヅルや研究についてあれこれしゃべってきました.
そもそも,テヅルモヅルとは何者なのか?
海藻ではありません「クモヒトデ」です
では,そのクモヒトデとは何者なのか?
クモでもヒトデでもありません!でも,ヒトデはちょっと惜しい
クモヒトデもヒトデも,ウニやナマコと同じ「棘皮動物」というグループに含まれます.
じゃあ,よく言われるクモヒトデとヒトデの違いとは?
私が専門にしている分類学ってどんな学問?
その歴史と実際まで,楽しく解説してきました.
なぜ,私はテヅルモヅルを研究しているのか
テヅルモヅルを研究する意義とは?8年間蓄積した情熱をぶつけてきました.
そして,前日の棘皮動物研究集会でも発表した,
キヌガサモヅルの分子系統地理のお話もしてきました.
参加者(サポーター)の方から「思ったより進んでいてびっくりした」とおっしゃっていただきました
最後に,みなさんでもづるポーズ
「もづるトークをします」との呼びかけに,これだけの人が集まってくださいました.
なかなか注目されにくいマニアックな研究でも,
ちゃんと人の知的好奇心の一部を満足させられることが分かっただけでも,
開催して良かったと思います.
academistの支援者の皆様,
academist事務局の柴藤さん,森さん,
そしてもづるカフェにご参加いただいた皆様,
本当にありがとうございました
これからも頑張ります
まだまだ続く棘皮動物研究集会.
実験施設の中には,水槽がたくさんありました.
さすが海洋生物エボデボのメッカ。ちょっと暗いですが,
こちらはアカウニ水槽.
こちらはハネジナマコ水槽.
しかし,実はハネジナマコの学名には混乱があるらしく,
ナマコ研究者の方の「これ,ハネジナマコじゃないよ」発言に,
しばらく現場が騒然としていました.
実際には,まあ,研究している実態が違うわけではないから大丈夫か,という話に落ち着いていました.
ポスターセッションにはお菓子や飲み物がフリーで用意されていました
古生物の発表や,
今話題のオニヒトデに関する発表や,
なんと,三崎に生息するテヅルモヅルの発表まで
といいつつ,まあ私も共著者の一人です(笑)
三崎のイソバナ群落に付着するセノテヅルモヅルの幼体の発表です.
テヅルモヅルは発生等は未だに謎のままなのですが,
イソバナ群落におびただしい数が付いているということで,
その個体数や,成長と腕の分岐数の計測をした研究です.
時間をかけてモニタリングすれば,何かの発表になるかもしれません.
聴衆の中に,棘皮動物猛者が
何と,ワモンクモヒトデイヤリングです
私も様々な棘皮動物グッズに目を配ってきましたが,
クモヒトデをイヤリングにしているのは初めて見ました.天晴.
世界はまだまだ広いですね.
プーケットで滞在したホテルから歩いてほんの1分のところに,その水族館はありました.
巨大な駐車場!あいにくの天気で車は見当たりませんが,
早くも館内のキャパシティの高さが予想されます.
子供と飼育員さんのふれあいに心が躍りますね!
右上の方に,人魚的な人物がいますが,
この方については後々触れられますのでお楽しみに.
看板の片隅にあった謎のロゴ.
これ,何?
何かの幼生のようですが...
なんとチケット売り場を通る前のタッチプールが
いきなり棘皮天国です
コブヒトデから,ゴツゴツのナマコから,
入口でいきなり心をつかまれました
館内はこんな感じ.照明の感じといい,
筒型の水槽といい,なかなか雰囲気はオシャレです
まずは淡水魚コーナー.ナイフフィッシュと呼ばれる類だそうで,
正面から見ると,その理由に納得せざるを得ない薄さでした.
電気うなぎ.とある書籍で電気ウナギの恐ろしさを叩き込まれた私には,
この説明図のリアリティにただただ恐怖するのでした.
さらに奥に進むと海水コーナーが
色とりどりの魚たちにまぎれて...
これはなかなかの作り物ですね.
造礁サンゴの作り物はよく見かけますが,
ヤギの作り物は初めて見たかもしれません.
キレイなミノカサゴ
やたら黄色いウミスズメ.
お,これは有名なVeronのサンゴの解説図では?
きちんと作られたものはワールドワイドに通用するのですね.
サンゴフィギュアが展示されていました.
手元のボタンを押すと...
該当するサンゴが光ります
クモヒトデもいました
一応属までは調べられていましたが,実際には検鏡しないとわかりません.
やはり自分の研究対象には
ついつい魅入ってしまうのが研究者の悲しき性ですね.
タイでの調査について,いろいろ書いてきましたが,
肝心の収穫をお見せ致しましょう
収穫その①「チビクモヒトデ」
まずは小手調べ.世界中の海岸域に生息していると言われているクモヒトデです.
分裂によって増え,時々水族館の水槽などにうじゃうじゃ沸くことがあります.
でも悪さはしません...多分.
その②「トゲクモヒトデ科の一種」
おそらくトゲクモヒトデ属Ophiothrixかと思いますが,検鏡しないとわかりません.
なかなかカラフルな種です.
この類は,ダイビングではほぼ必ず採集することができます.
その③「オニクモヒトデ」?
これはなかなか味わい深い色彩ですね...
こちらは盤の拡大画像.
配色や,このような盤上にみっしり生えた棘から同定していますが,
やはり実際には顕微鏡で口側などを見て見なくてはなりません.
その④「ウデナガトゲクモヒトデ属の一種」
その名のとおり,腕がながーーーいクモヒトデです.
うーん,よく見ると盤上を覆う微小な突起がかっこいいです
うっとり...
ちなみに,腕の付け根に見える三角系の部分は輻楯(ふくじゅん)と呼ばれており,
その形,大きさ,刺などの被度などが分類形質となっています.
こんなふうに,ひとくちにクモヒトデといっても,
よーく見るといろんな形があってかっこいいのですよ
ちなみにこちらが口側.
ふわふわ触手みたいに伸びているのは,そのまんま「触手」と呼ばれるもので,
ヒトデやウ二が移動に使う吸盤(管足と呼ばれます)と相同です.
クモヒトデでは腕自体をくねくね動かして移動するので,
この触手に移動するほどの吸着力はありませんが,
その他様々な事に使われており,
例えばこの種では触手を使って腕の先で捉えた餌を,
口まで運んでいるのを見かけます.
腕を伸ばしたままで自動的に餌を得る...
夢の寝そべり生活です
そして,これが今回の目玉です
このヤギをよーーく見てみると...?
クモヒトデが絡んでいます
その⑤「ニシキクモヒトデ」です
今回はじめて,タイの西側のアンダマン海で採れました
タイの東側のタイ湾では,一つのヤギに様々な色彩変異が見られましたが,
こちらのものはどうも全て同じ色彩のようです.
そもそもこれらは同じ種なのか?
それとも色が違えば別種なのか?
このようにある種の色彩一つをとっても,
まだまだわからないことだらけです.
タイにおいては大雑把な種数も分かっていない状況ですが,
私が三回調査しただけでもこれだけの種が採れ,
その多くが分類学的な問題を抱えています.
このような状況ですから,例えば,
「タイにはどれくらいのクモヒトデがいるの?」
という質問の答えをだすためには,10年以上はかかるでしょう.
と言って,やる人がいなければ,また数十年,
タイのクモヒトデの種数はわからないままです.
クモヒトデに限らず,多くの無脊椎動物の分類学的研究は,
まだまだこんな状況です.
しかし,実際にはいろんな分類学者が,
日々自分の研究対象の謎を解明すべく,
細々と頑張っています.
続く.
クモヒトデがツルクモヒトデ目とクモヒトデ目に分けられるということですが,
ではこの二目は何が違うのか.
以前は腕の腕骨と呼ばれる骨の形で分けられていましたが,
研究が進むにつれ,両目で共通の形の腕骨がみられることが明らかになり,
現在では腕骨による分類はできません.
私が研究を進めていたところ,
どうやら二目は腕の別の骨片によって分けられることがわかってきました.
クモヒトデ類は腕の周りに腕針と呼ばれる針状の硬い器官を備えています.
実はツルクモヒトデ目とクモヒトデ目は,
この腕針の配置が決定的に異なるのです.
クモヒトデ目では,この腕針が須らく腕の側面についています.例外はありません.
これに対しツルクモヒトデ目では腕針がすべて口側についてます.
クモヒトデを反口側から見てみると一目瞭然で,
クモヒトデ目の腕はなんだかフサフサしているのに対して,
ツルクモヒトデ目はつるっとしています.
(左)ツルクモヒトデ目のキヌガサモヅル(Asteronyx loveni)と
(右)クモヒトデ目のスナクモヒトデ科の1種の反口側(背側).
キヌガサモヅルは腕がツルっとしてますが,
スナクモヒトデ科の一種は腕がフサフサしているのがお分かりいただけますでしょうか?
ただし,この腕針が退化的で非常に小さくなっている種もいますので,
確実に見分けるためには顕微鏡が必要です.
腕針の配置なんて簡単に変わりそうなものですが,この違いはかなり顕著ですので,
何か重要な機能的な理由があるのではと考えられます.
ツルクモヒトデ目の多くの種は,
現生の種をみる限り,ヤギなどのサンゴに絡んでいます.
一方クモヒトデ目は(例外はありますが),ヤギに絡むことはほとんどありません.
口側の腕針は,ひょっとするとヤギに絡むために発達した器官なのかもしれません.
この腕針の機能の探究も,てづるもづる研究の一つの興味深いテーマかもしれませんね.
最近友人から,
「このHPを見てもてづるもづるについて何もわからないじゃないか」
というご指摘を頂きました.
全くその通りかと思います.
ということで,もう少し真面目にテヅルモヅルについてお話をします.
これまでにヒトデ綱とクモヒトデ綱の違いをお話ししました.
次はいよいよクモヒトデ綱の中の分類についてお話いたしましょう.
クモヒトデ綱は現在約2070種が知られており,
おそらく棘皮動物門の5つの綱中では最多種数です.
その最たる理由は,おそらく柔軟な腕にありましょう.
この腕を器用に動かすことで,体を小さく折りたたみ,
岩の隙間,砂の中,サンゴなどの他の動物の上など,
他の棘皮動物には到達しえない様々な環境に生息可能となった結果,
多様性を獲得できたと考えられています.
しかし悲しきかな.
これらは基本的には隠蔽的,すなわち人目に付かない環境ばかりです.
従って,彼らは莫大な種多様性を獲得しながらも,
知名度ではウニ,ナマコ,ヒトデには遠く及びません.
少し話が脱線しました.話を分類に戻しましょう.
クモヒトデは種数が多いため分類群が多く,
科の数は20を超えていています.
しかしながら,目の数はたった二つ,
クモヒトデ目とツルクモヒトデ目です.
しかしこの分類には大きな偏りがあり,クモヒトデ目が約1900種なのに対し,
ツルクモヒトデ目は180種ほどです.
実はテヅルモヅル類が属しているのはこのツルクモヒトデ目です
すなわち,テヅルモヅルは,
マイナーなクモヒトデ綱の中でもさらにマイナーなグループなのです.
続く.
鳥取県立博物館でのシンポジウムが終わり...
新たな実習も始まり,SMBLは秋の気配.
しかし夏はまだ終わらない
鳥取オフショット集です
サンゴ展に掲載さていた勉強になるパネル.
最深の刺胞動物門ない大系統と,その中での骨格を作る分類群(サンゴ)の位置.
こうしてみると,サンゴが刺胞動物内で多系統であることがよくわかります.
つづいてこちらも勉強になったパネル.
グレートバリアリーフは日本語で「大堡礁」というんですね.
欲とよく考えると,海外にあるものに和名がつけられているのもすごいことです.
待合室で見かけた,おそらくキノコ展の産物かと思われるキノコぬいぐるみ.
この後千徳博士の手によってどうなったかは,彼女のブログをご覧ください.
シンポジウム後に連れて行ってもらった居酒屋「かたつむり」.
実に隠れ家な雰囲気漂う良い店でしたよ
シンポジウムお疲れ様でした!乾杯
むむ,しかしこれでは雰囲気が伝わりませんな.
改めていざ
そう、この躍動感があってこその乾杯です
夜遅くまでサンゴについての楽しいお話を聞かせてもらいました.
この日は一か月以上に渡った特別展の最終日でもありました.
準備から本番までのほとんどの作業行程を手掛けられた徳田さん,本当にお疲れ様でした.
鳥取の美味いもんをいただきましたよ
手前の茶色い練り物が鳥取名物あごちくわ,
その隣の小鉢の中身は,言わずと知れた鳥取の定番らっきょうです.
その他にも豆腐ちくわなど,たくさんの珍しくておいしい名産品を頂きました
いつも名店を紹介してくださる徳田さん,ありがとうございます
最後に,シンポジウム後にお話をされる千徳博士と江崎先生の師弟ツーショット.
江崎先生には,今回もいろいろとご馳走になってしまいました.
いつか恩返しができるように,頑張ります!
さてさて,もうすぐ実習が終わりますが,
その後はすぐに動物学会に参加してくるために仙台に行ってまいります.
11日L会場 16:45
岡西政典(京大・瀬戸臨海),藤田敏彦(国立科博・動物)
「日本産キヌガサモヅル(クモヒトデ綱:ツルクモヒトデ目)の分子系統解析」
国立科学博物館の藤田先生と共著です.
13日には座長も務めさせていただきます.
頑張ります
シンポジウム報告です
美ら海水族館の高岡博子さんの発表
「ツノサンゴ 鳥取の海松~ツノサンゴについて~」
ツノサンゴは枝状の六放サンゴですが,
実はこれに絡んでいるクモヒトデ(てづるもづる)は,須らく珍しいのです.
ツノサンゴを見るたびに,毎回つぶさに観察をしいますが
フィールドで出会ったことはほとんどありません.
他のクモヒトデが付かない理由は不明ですが,
ひょっとしたら刺胞の強さが関係しているのかもしれません.
そんなツノサンゴに関する話題ですが,
まだまだ分類が進んでいないグループということが驚きでした.
特にぱっと見の外見ではほとんど区別がつかず,
詳しい種分類のために顕微鏡観察を要する苦労は
クモヒトデにも共通します(勿論他の分類群もそうでしょう).
そもそもツノサンゴの研究者は少ないとのことなので,
今後共ご指導をお願いいたします
鳥取県立博物館の大嶋さんのお話.
鳥取のサンゴ細工に関わるお話でした.
このような古い文献記録には,
実は我々の研究している自然史に直結してくるところがあり詳細な検討が必要とされるのですが,
なかなかおろそかになりがちです.
例えばテヅルモヅルも江戸時代の文献では,
生きた個体を持っていると手が痺れるので毒であり,
乾燥したものを粉末にすると喘息の薬になる,と書かれており,
その真偽は明らかにされておりません.
いつかは取り組んでみたいですね!
そしてトリの千徳博士
サンゴの群体の形づくりが,個虫の隔壁殻の出芽の方向性の組み合わせによって説明できることを,
わかりやすく話してくださいました.
特に,これまでに専門にされてきた非造礁性サンゴに見られる個体出芽の規則性が,
実は造礁性サンゴにも応用できる話は,
これからの研究の大いなる発展を感じさせてやまないものでした.
会場からの質問にもありましたが,群体性の生物はその個々の個体にの形質だけ注目しがちなのですが,
それだけでは分類が立ち行かなくなっている分類群もみられるそうです.
群体の形成過程や,その規則性を形質とすることで,
系統分類学にも十分応用可能だなと,
興味深く聞かせてもらいました.
合間に,しっかり白浜水族館の宣伝.
SMBLメンバーの猛プッシュです
ということで,クモヒトデ研究の
ためにもなる大変有意義なサンゴシンポジウムとなりました
最後にメンバーでパシャリ.
徳田さんから後日メールをいただきましたが,
またこのメンバーで何か企画をしたいくらい楽しい時間が過ごせました.
いずれ,また他のInvetebrateな面子を絡めつつ,
楽しい企画をしていきたいですね.
今回のシンポジウムをオーガナイズしてくださった徳田さん,
並びに会場設営などでお世話になった鳥取県博の皆様,
本当にありがとうございました
シンポジウム開始時間が迫り,ちらほら人が集まり始めました.
愛弟子の千徳博士を旧交を深める江崎先生.
講演会のトップバッターを務めるにも関わらずこの落ち着きぶりは流石です,
比べて私は直前までわたわた...
見習いたいです
江崎先生のお話
「化石サンゴと現生サンゴが物語るサンゴの来歴」
我々が目にする,珊瑚礁を作るサンゴは,多くが六放サンゴと呼ばれるもので,ポリプの骨格の作りの基本である隔壁(かくへき)の作りが,6の倍数で増えていくのですが,これにに対して4の倍数で増えていく四放サンゴというものがいます.
このサンゴは古生代にしか栄えておらず,現生のサンゴの形を考える上で非常に重要な分類群だそうです.
江崎先生の発表にはいろいろと感銘を受けました.
私を含めた系統分類屋の多くは,現在の生物にみられる現象の検討から過去を調べようとしています.しかし,過去には過去特有の現象があり,その検討なくしては過去の環境を知ることは不可能なわけです.
そして,過去の現象を調べる唯一にして絶対的な証拠は化石です.
今後,研究の方向性に化石の検討を加えたいと思っている私にとって大変勉強になりました.
美ら海水族館の野中さんのお話
「八放サンゴについて」
実はもづるの多くは八放サンゴに絡んで生活しています.そんな八放サンゴの魅力的な形を,立体メガネを駆使して見せていただいたスライドは圧巻でした,
さらに,産後のポリプのうち,生殖用のポリプが機能分化しているお話は非常に興味深かったです.
そして勿論私もお話させてもらいましたよ
「サンゴ×クモヒトデ」
いつもクモヒトデがお世話になっているサンゴに対しての熱い思いの丈をぶつけさせてもらいました.
ご覧下さいこの八放サンゴに付着した夥しい数のクモヒトデを
決して八放サンゴをいじめているわけでない...と信じたいのですが,
真偽のほどは不明です.
何気なく,新装開店した白浜水族館の宣伝もしてきました
質疑応答もあり,それなりに意味のある発表ができたのではないでしょうか.
サンゴのシンポジウムでしたが,多くの方に興味を持っていただけて,非常に有意義でしたよ
出張で鳥取に来ています.
明日から鳥取県博で講演があるのですが,
宿泊先のホテルグリーンモーリスが
もうすごいんですよ
大浴場完備(サウナ・ジェットバス付き)
浴場にはタオル,シャカシャカ・ブラシ・綿棒・ドライヤー・マッサージ機完備
本,新聞,漫画完備
洗濯機・乾燥機あり
勿論自販機有り
枕,空気清浄機,ズボンプレッサー完備
Wifiサービスあり
朝食付き
これで一泊約5000円です
すげー
他にもサービスがありすぎて把握しきれません
今までいろんなホテルに泊まりましたが
ここのサービスはピカイチですね.
英気を養って
明日は頑張ります
先日,鳥取に日本海の生物の採集調査に行ってまいりました。
目的は,実習での比較観察用の生物の採集と,
海蝕洞で深海生物が採れないかと期待していってまいりました.
調査一日目。
高波のため,残念ながら海蝕洞へいくための船が出られないということで,
近くの浜でシュノーケリングということになりました。
凌君も去年卸したばかりのウェットスーツに身を包みます。
いざ着水。正直陸にいるときは暑くてたまりませんでしたが,
潜ってみるとなかなか快適でした.
ラッシュガード組は寒そうでしたので,引き分けでしょう。
日本海の生物その①!
ムラサキカイメン?太平洋と同種でしょうか.
ホンダワラの仲間.イギリスでも見ましたが,
本当にどこにでも分布しているんですね.
M2凌君のコガモガイも見つかりました。
分子系統地理学的な研究を行う上では,
なるべく多くの地点からのサンプリングが欠かせません.
岩の隙間にウミシダも発見。色彩からニッポンウミシダかと思われます.
「無人島に漂着した人」を実演中.
続く
マイクロX線観察は順調に進みました。
予定していたものは早い段階で終ったので,
科博の標本の中から気になるものをピックアップして解析にかけてみました.
固定液(エタノール)で濡れたものでも解析にかけることができます.
標本によっては乾燥させたくないので,これはとても便利。
画像処理パソコンを見ながら,千徳博士と,
私の元指導教官の藤田先生が議論中.
三次元構築処理ソフトの使い方を勉強中。
ヒザラガイの専門家の,斎藤先生に教わりました.
先生のキレイなヒザラガイの三次元画像みたいにはなかなかできませんでしたが,
それなりに見たいところの画像が得られました。
作業の合間に,学会でも発表していた藤田研のお客さんのAlexanderさんとランチに行きました.
なんと,ご家族も来日されていたのでご一緒に.
カメラ目線のAlezanderさんと,奥さんのターニアさん(真ん中),娘さんのオーラさん(左)です.
うどん屋にお連れしたのですが,箸の使い方がうまくてびっくり.
時々,ご家庭でも箸を使うのだとか.
そして,夜は懐かしのつくばの居酒屋で飲みました。
元同じ部屋の先輩たちに囲まれ,
あーだこーだと研究話や,
ワールドカップ談義に花がさきました(この時はまだ結果が分かっていませんでした...)
結構飲んだおかげで,翌日はややグロッキーでした.
ということで,大変実りのある科博滞在となりました.
お次は六月末の日本古生物学会@福岡です。
実習も併せて頑張ります。
科博でクモヒトデ標本の観察を行ってきました。
今回使うのはX線CTスキャンです。
脳外科などで使われているアレです.
標本にX線を当てて,非破壊的に内部構造を観察できる装置です。
上の画像の出っ張った部分を開け,
このような筒をセットします.
そしてその中に標本をセットし,ふたを閉じます.
そして,スキャン開始。
X線発生装置のある本体の中に吸い込まれていく標本。
気分はドナドナです.
操作は基本的に横に設置したPCで行います.
まずは軟X線で全体の構造がみられるので,
どこまで撮りたいかを決めます.
大きさにもよりますが,小さければ20-30分,大きければ数時間といったところです.
計測範囲を決めたら,スキャン開始。
後は結果が出るのを待つのみ。
こんな風にして片っ端からクモヒトデのスキャンを行いました.
一緒にサンゴをスキャンしていた千徳博士は,
得られた画像から立体構造の復元をしていました.
続く.
畠島でクモヒトデが採れたので
突然ですがクモヒトデの標本の作り方を紹介します.
まず,これが今回採れたクモヒトデ.
岩の下にいました.
バットの上にあけましたが,これだと逃げようとして腕をからませあったりして,
何個体いるかもよくわからず,とても標本にするどころではありません.
そこで,麻酔液(塩化マグネシウム水溶液(MgCl2))を使います。
作り方は簡単で,塩化マグネシウム六水和物を73.5g/1Lの分量で真水に溶かすだけ。
注意点としては,潮解性のある試薬なので,
素早く計量しないとどんどん水を吸って秤がべちゃべちゃになっちゃいます.
麻酔液に浸した状態がコチラ。
種類によりますが,2,3分で効きます.
完全に脱力し,形もこちらの意のままです.
この状態だと腕の自切もありません.
スペースを稼ぐため,このように「彗星型」にするのが私の出身の藤田研究室のスタイルです.
そしてこのスキに写真を撮ります。
最も重要なのは,体の真ん中の「盤」です.激写しまくるのです。
コチラは反口側.
コチラは口側.真ん中にあるのが口です.
写真は,もちろん標本にした後でも撮影できるのですが,
エタノールなどにつけると色が抜けてしまう場合が多いので,
麻酔している間にとるのがベストです.
そして,別のトレイに固定液(最近は主にエタノールです)を満たしておき,
麻酔したクモヒトデをそっと移します.
後はこれをビニールパックにラベルとともに入れておき,後日瓶に移して標本完成です。
たまには真面目な研究話でした.
続く.
先日の記事でこれみよがしにさりげなく報告しましたが,
本日は私の31歳の誕生日でした.
ということで
なんと誕生日ケーキをいただきました!
千徳博士の手作りです.
真ん中には,クモヒトデをあしらったフルーツデコレーションが!
体全体をキウイで型どり,真ん中の盤の部分にチェリーが乗っています!
スッゲー!!!
なんという女子力!
ということで,クモヒトデ解剖ケーキ入刀!
みなさんの不安そうな視線が痛かったですが,きちんと等分できたはずですよ!
お味は,チーズケーキベースで非常に美味しかったです!
誕生日をみなさんに祝ってもらえて,景気の良い31歳のスタートでした!
ケーキを作ってくれた千徳博士,ありがとうございました!
また他の人の誕生日があったら,イベントですね!
所用で大阪市立大学に来ています.
ここは千徳博士が学位を取得した出身校です.
元指導教官の江崎先生とのディスカッション中.
そして,後輩に写真の撮り方を指導中.
こうして知の継承が行われているわけですね.
そして大阪といえば食ですね!
学食でこんなお洒落なカレーにありつけました!
江崎先生にご馳走になってしましました.
ありがとうございました!
遊びに来たわけではありません.
今回はこの顕微鏡を使って,クモヒトデの小さな骨片を撮影しに来たのです.
この写真データは,来月の日本古生物学会で発表する予定です.
とても貴重な骨片なのですよ.
ふふふ,気になった方は古生物学会(福岡)に話を聞きにきてくださいね!
UMISAWA会が終わるのを待っていたかのように、
白浜は雨です。
この雨が止むころにはムシムシの季節がやってくるのでしょうねえ。
ベトナムの海洋研究所ツアーレポ第二弾です。
前回は巨大な脊椎動物を紹介しましたが、お次は巨大な無脊椎シリーズ。
まずはソフトコーラルです。でっかい。
おそらく宝石サンゴかと思いますが、これはいったいいくらくらいの値がつくのでしょうか…。
などという思いが頭をかすめましたが、実際にはサンゴに絡んだクモヒトデがいないか、つぶさにチェックしてしまいました。
巨大なシャコガイ。
水中で挟まれたら絶対に離してくれないでしょうねえ…。
と、思っていたらクモヒトデの展示もありました!
どれどれ…ん?
うお!なんだこいつ!!
一見、私の研究しているツルクモヒトデ目かと思いましたが、
腕に生えている腕針と呼ばれる骨片の配置が異なります。
うーーーーむ、普通のクモヒトデとの中間的なやつなのかな…?
口側を観察しないとわかりません。
世界にはまだまだ未知のクモヒトデがたくさんいるのですね。
いつか必ず手に入れたい逸品ですね。
と思ったら今度はまごうことなきツルクモヒトデ目です。
ツルタコクモヒトデ Trichaster palmiferusですね。
腕の先だけが分岐するタイプのやつです。
私の知る限りこういうのは世界でも4属くらいしか知られていないので、非常に珍しいです。
ということで、思いがけずたくさんの珍奇なる生物たちにめぐりあえて、
なかなかホクホクな研究所見学でした。
串本海中公園のクモヒトデ標本をいただけるということで、
再度お尋ねしました!
串本の海岸は今日も穏やかに迎えてくれました。
すごい!かなりの数のクモヒトデ標本です。
串本海中公園の野村副館長が、以前いらっしゃった八重山や、
串本周辺の海域から集めた標本ということです。
特にスキューバで潜れる水深や、底引き網で得られた深海のサンプルが多いということで、
いまから観るのが楽しみです!
野村さんとパシャリ。必ずやこの標本たちを世に出さなければなりません。
標本梱包作業が終わった後、標本室をのぞかせてもらいました。
キレイな宝石サンゴです。
一体どれほどの値が付くのでしょうか…。
他にも、サンゴの骨格標本がいっぱい。
さすが、本州有数のサンゴの産地です。
おや?サンゴにまぎれて…?
棘皮動物の標本もありました。
サンゴの天敵のオニヒトデは、やはり駆除の対象のようです。
ウニの殻標本も、かなり細かく分けられてありました。
粘土細工でできたサンゴのポリプの断面図です。
きくところによると紀南にクレイアートの専門家がおられるらしいです。
そういえば、と館内をもう一度見渡すと、
実はこの展示もクレイアートだったということです。
動物の細かい形態まで再現されています。
ということで大満足の標本調査でした。
これらの標本はこのような状態にして瀬戸臨海に持ち帰りました。
今後研究を進めていきます。
野村さん、本当にありがとうございました!
生物を分けると世界が分かる ー分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷ー
講談社ブルーバックス
新種の発見
ー見つけ、名づけ、系統づける動物分類学ー
中公新書 2589
深海生物テヅルモヅルの謎を追え!
系統分類から進化を探る
東海大学出版会
フィールドの生物学シリーズ 第20巻
これらのリンク先のページには系統解析に関する記事が,上から新しい順に並べられています.古い順にみる場合は,ページの一番下からご覧ください.
・2020/10/28 論文が出版されました!
Okanishi, M.*, Fujii, T. (2020)
“A new record of brittle star Ophiopsila cf. polyacantha (Echinodermata: Ophiuroidea) from Southwestern Japan, with notes on its bioluminescence”.
Species Diversity. 25(2): 283—294.
・論文が出版されました!
Okanishi, M.*, Kohtsuka, H., Fujita, T. (2020)
“A taxonomic review of the genus Astrocladus (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida, Gorgonocephalidae) from Japanese coastal waters”.
PeerJ. 8: e9636 (42 pp.)
・論文が出版されました!
Oikawa, S*. Matsui, Y., Oguro, M., Okanishi, M., Tanabe, R., Tanaka, T., Togashi, A. Itagaki, T. (2020)
“Species-specific nitrogen resorption proficiency in legumes and nonlegumes”.
Journal of Plant Research. 133(5): 639—648.
・論文が出版されました!
Okanishi, M.*, Mah, C., L. (2020)
“Overlooked biodiversity from museum collections: Four new species and one new genus of Ophiuroidea (Echinodermata) from Antarctica and adjacent regions with notes on multi-armed ophiuroids”.
Marine Biodiversity. 50: 64 (26 pp. )
・論文が出版されました!
Okanishi, M., Kato, M., Watanabe, H., Chong, C. and Fujita, T. (2020)
“Large populations of two new species of Ophiambix (Echinodermata, Ophiuroidea) discovered on Japanese hot vents and cold seeps”.
Raffles Bulletin of Zoology. 68: 196—213.
・論文が出版されました!
木村妙子他…(著者24人中9番目) (2019)
「紀伊水道南方海域および熊野灘の深海底生動物相」.
三重大学大学院生物資源研究科紀要. 45: 11—50.
・論文が出版されました!
木村妙子他…(著者25人中10番目) (2019)
「紀伊水道南方海域および熊野灘の深海底生動物相(第2報)」.
平成30年度三重大学フィールド研究・技術年報. 17: 1—29.
・論文が出版されました!
Hayashi, R. & Okanishi, M. (2019)
“The widely occurring brittlestar Ophiactis savignyi (Amphilepidida: Ophiactidae) as an epibiont on loggerhead sea turtle, Caretta caretta”.
Zootaxa. 4695: 497—500.
・論文が出版されました!
Okanishi, M., Ishida, Y. & Mistui, S. (2019)
“Fossil gorgonocephalid basket stars (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalida) from the Middle Pleistocene of Japan; the first record from the Indo Pacific region”.
Paleontological Research. 23: 179—185.
・論文が出版されました!
Okanishi, M., Oba, Y. & Fujita, Y. (2019)
“Brittle stars from a submarine cave of Christmas Island, northwestern Australia, with description of a new species <i>Ophiopsila xmasilluminans</i> (Echinodermata: Ophiuroidea) and notes on its behavior”.
Raffles Bulletin of Zoology. 67: 421—439.
・2019/3/27: 論文が出版されました!
Okanishi, M & Fujita, T (2018) “A comprehensive taxonomic list of brittle stars (Echinodermata: Ophiuroidea) from submarine caves of the Ryukyu Islands, southwestern Japan, with a description of a rare species, Dougaloplus echinatus (Amphiuridae)”. Zootaxa. 4571(1): 73—98.
・2018/6/21: 論文が出版されました!
Okanishi, M & Fujita, T (2018) “A new species of Ophioconis (Echinodermata: Ophiuroidea) from a submarine cave at Shimoji Island, Miyako Island Group, southwestern Japan”. Proceedings of the Biological Society of Washington. 131: 163—174.
・2018/4/6: 論文が出版されました!
Okanishi, M & Fujita, T (2018) “Description of a New Subfamily, Astrocloninae (Ophiuroidea: Euryalida: Gorgonocephalidae), Based on Molecular Phylogeny and Morphological Observations”. Zoological Science. 35(2): 179—187.
・2018/4/5: 論文が出版されました!
Okanishi, M, et al. (2018) “A new cryptic species of Asteronyx Müller and Troschel, 1842 (Echinodermata: Ophiuroidea), based on molecular phylogeny and morphology, from off Pacific Coast of Japan”. Zoologischer Anzeiger. 274: 14—33.
・2018/3/9: 論文が出版されました!
Okanishi M, Fujita, T. (2018) “A taxonomic review of the genus Astrodendrum (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida, Gorgonocephalidae) with description of a new species from Japan”. Zootaxa. 4392(2): 289-310.
・2018/3/8: 論文が出版されました!
Baker, AN, Okanishi M, Pawson, DL. (2018) “Euryalid brittle stars from the International Indian Ocean Expedition 1963–64
(Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalida)”. Zootaxa. 4392(1): 1-27.
・2018/1/31: 論文が出版されました!
Okanishi M, Fujita, Y. (2018) “First finding of anchialine and submarine cave dwelling brittle stars from the Pacific Ocean, with descriptions of new species of Ophiolepis and Ophiozonella (Echinodermata: Ophiuroidea: Amphilepidida)”. Zootaxa. 4377: 1-20.
・2017/12/23: リバネス 「サイエンスキャッスル関西大会」にて講演を行ってきました!
・2017/11/20-22: 第14回JAMBIO 沿岸生物合同調査@千葉県館山に参加してきました!
・2017/11/4: 平成29年度自然史学会連合公開講座「海の今昔を深~~く探る.」にて講演を行ってきました!
・2017/9/21: 日本動物学会 第88回富山大会@富山県民会館にて口頭発表を行ってきました!
・2017/6/4: 日本動物分類学会 第53回大会@海洋研究開発機構にて口頭発表を行ってきました!
・2017/3/28: 論文が出版されました!
Okanishi M, Fujita T, Maekawa Y, and Sasaki, T. (2017) “Non-destructive morphological observations of the fleshy brittle star, Asteronyx loveni using micro-computed tomography (Echinodermata, Ophiuroidea, Euryalida)”. Zookeys. 663: 1-19.
・2017/2/7: 論文が出版されました!
Okanishi M.(2017)
“A taxonomic review of the genus Astrohelix Döderlein, 1930 including the
synonymy of the subgenus Asteroporpa (Astromoana) Baker, 1980 to Astrohelix”
Zootaxa. 4227 (4): 543-553.
・2016/12/5: 論文が出版されました!
Okanishi M., Sentoku, A, Fujimoto, S, Jimi, N, Nakayama, R, Yamana, Y, Yamauchi, H, Tanaka, H, Kato, T, Kashio, S, Uyeno, D, Yamamoto, K, Miyazaki, K and Asakura, A. (2016)
“Marine benthic community in Shirahama, southwestern Kii Peninsula, central Japan”
Publications of the Seto Marine Biological Laboratory. 44: 7-52.
・2016/12/1: 論文(著書)が出版されました!
Okanishi M. (2016)
“Ophiuroidea (Echinodermata): Systematics and Japanese Fauna”
In: Masaharu Motokawa and Hiroshi Kajihara (eds.) Species Diversity of Animals in Japan.
Springer Japan, Tokyo, Japan, pp. 657—678.
・2016/11/18: 日本動物分類学会 第87回沖縄大会と,第22回国際動物学会議の合同大会にてシンポジウムを企画し,講演・ポスター発表を行ってきました!
・2016/6/12: 日本動物分類学会 第52回大会@札幌にて口頭発表を行ってきました!
・2016/5/18: 読売新聞に記事が掲載されました!
・2016/1/29: マイナビニュースに記事が掲載されました!
・2015/12/5: 第12回棘皮動物研究集会が開催されました!
・2015/12/1: マイナビニュースに記事が掲載されました!
・2015/10/30-11/6: タイ・プーケットで調査を行ってきました!
・2015/10/1茨城大学理学部生物科学コースに所属が移りました!
・2015/9/17-19:日本動物学会 第86回 新潟大会にて招待講演と口頭発表を行ってきました!
・2015/6/13-15: 日本動物分類学会 第51回大会@広島にて口頭発表を行ってきました!
・2015/6/6: 化石研究会 第33回総会・学術大会のミニシンポジウム「深海環境と生物」にて招待講演を行ってきました!
・2014/12/7: サイエンスカフェを開催してきました!
・2014/12/6: 第11回棘皮動物研究集会に参加してきました!
・2014/11/20-25: 沖縄で調査を行ってきました!
・2014/11/02-08: タイ・プーケットで調査を行ってきました!
・2014/10/11: Smips, 研究現場の知財分科会にて招待講演を行ってきました!
・2014/9/21: 論文が出版されました!
Okanishi M., Moritaki T. and Fujita T. (2014)
“Redescription of an euryalid bittle star, Astroceras coniunctum (Echinodermata: Ophiuroidea: Euryalidae).”
Bulletin of the National Museum of Nature and Science Series A (Zoology). 40 (3): 133-139.
・2014/9/11-13: 日本動物学会 第85回 仙台大会にて口頭発表を行ってきました!
・2014/8/31: 鳥取県立博物館特別展示「胸キュン☆サンゴ展~わたしを深海(うみ)につれてって~」の特別シンポジウムにて招待講演を行ってきました!
・2014/7/20-23: 2014 European Echinoderms Colloqium(欧州棘皮動物研究会議)にて口頭発表を行ってきました!
・2014/6/28: 日本古生物学会2014年年会・総会にて口頭発表を行ってきました!
・2014/6/13: 日本動物分類学会第50回記念講演会を企画いたしました.たくさんの方にお越しいただきました.ありがとうございました!
・2014/5/29: 研究費獲得のためのクラウドファンディング”academist”でのチャレンジが終了しました!最終獲得金額は,目標金額40万円を達大きく上回る63.45万円でした!
皆さん、本当に応援ありがとうございました。
・2014/4/22-25: WESTPAC 9th International Scientific Symposiumで口頭発表を行ってきました!
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岡西政典 OKANISHI Masanori
広島修道大学 人間環境学部
〒731-0112
広島県広島市安佐南区大塚東 1-1-1
Tel: 082-830-1245
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