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てづるもづるについて~クモヒトデの体の仕組み①~

突然ですがクモヒトデの体の仕組みを解説いたします.
 

IMG_4851
ミツイタクモヒトデOphionereis prorrectaの反口側.

以前,ちょろっとだけ触れましたが,多くのクモヒトデは,

体の真ん中の「盤」という部分と「腕」が,見た目で明瞭に分けられます.

(実質的なヒトデとの違いは,歩帯溝がないことです)
 

クモヒトデの体はいろんな形の骨片に覆われており,

その形状が分類に使われています.

今回は,盤の形状についてご紹介します.
 

Aboral disc
上記個体の反口側の盤の拡大画像.

じゃーん,こちらが,盤の反口(背)側です.

基本的に,クモヒトデの盤は,「盤鱗」と呼ばれる鱗に覆われています.

この鱗も様々な形があり,盤のど真ん中のものひときわ大きく「中背板」と呼ばれ,

その周りに配置している5つの比較的大きなものは「下址板」と呼ばれます.
 

これらは合わせて「第一次板」と呼ばれ,他の盤鱗と区別されます.
 

また,腕の付け根部分には,輻楯(ふくじゅん)と呼ばれる対の鱗があり,

この形や大きさは多くの種で重要な分類形質となっています.
 

勿論,鱗だけでなく棘や皮に覆われたり,第一次板のような鱗の区別がないもの,

輻楯が他の骨片などに覆われて見えないものがいたりと,種によって形質状態は様々ですが,

これらの特徴は昔も今も重要な形質として使われていることは間違いありません.