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Asteroporapa (Astromoana) muricatopatella Okanishi & Fujita, 2011(トゲモアナモヅル)

 

DSC_6487 (コピー)

Family: Goegonocephalidae テヅルモヅル科

Subfamily: Gorgonocephalinae テヅルモヅル亜科

Genus: Asteroporpa シゲトウモヅル属

Subgenus: Asteroporpa (Astromoana) モアナモヅル亜属

Specific name: muricatopatella トゲモアナモヅル
 

こちらはなかなかの珍モヅルです.

シゲトウモヅル属は日本の太平洋側から古くより記録が知られるのですが,

1980年にニュージーランド産の種に対して設立されたモアナモヅル亜属は,

日本からは知られていませんでした.
 

同属のシゲトウモヅルAsteroporpa (Asteroporpoahadracantha は古くより日本の太平洋側より記録があります.

科博にもたくさんのシゲトウモヅルの標本があり,

それらを調査していたところ,6個体ほど入った瓶の中に,

1個体だけ顕微鏡で見ると明らかに形態が異なる種を見つけました.
 

それがこのトゲモアナモヅルです.
 

①盤の反口側の縁部に,フックがついた板を持つ,

②盤の反口側は一様な大きさの円錐型皮下骨片に覆われる

③それらの皮下骨片の先端には,皮下骨片の長さよりも短い棘が生じる
 

クモヒトデでは,パッと見て,すべて同種だろうと思うような数が採れることがよくあるのですが,

実際に検鏡して見るとこのように別種が混じっていることがよくあります.
 

 

どのような分類群でもそうかもしれませんが,

必ず検鏡しないと「同定した」と言えない,ということを教えてくれた種です.

撮影:岡西政典