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調査 - 4. page

タイに行ってきました⑩

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天候不順もありましたが,

最終的には,全日程でダイブを行うことができました.

目的としていたニシキクモヒトデも得られ,

実りある採集になりましたが,

水中でいくつかの調査用具を失くしてしまい,

ダイビング調査に真剣に向き合う良い機会になりました.



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最後の夜ですから豪勢です
 

牛肉の野菜いため,空芯菜,そしてタイカレー...

タイフードは本当にどれも美味しいです.

住んだらきっとぶくぶくになってしまいます
 

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なかでもこいつは別格でした.

生姜の切り端がまるまる入ったスープですが,
 

まあ辛いこと.
 

タイの本気を見ました.
 

これを食べたら,しばらく味覚が失われます

しかしながら,辛さの奥にしっかりとした旨さが秘められており,

喉もと過ぎて辛さを忘れた頃に,

ついついまた手を伸ばしてしまう魔性のスープです.
 

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カニだって食べちゃいます

おそらくタイワンガザミかと思います.

店内の生け簀から採れたてほやほやを蒸してくれました!
 

注文の際に,「Death or live?(カニが)」と聞かれて,勿論liveを選びましたが,

Deathはいったいどういう選択だったのでしょうか. 
 

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カニの身ディップ用の甘辛ソース.

タイでは,ほとんどの食事で唐辛子,砂糖,魚醤などの

追加調味料が伴います.

自分ごのみにカスタマイズできる良き国です.

(上記スープのように初めから選択肢がないこともあります) 
 

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最後はビールに合うTENPURAで〆!
 

食事が終わったころに合流したPiyaさんが,

酒のつまみにと注文してくださいました.
 

日本のものよりちょっと衣が硬い感じでしたが,

しっかり下味がついていておいしかったです
 

こうしてRacha島最後の夜は過ぎていきましたとさ.
 

続く.


タイに行ってきました⑨

 

タイでの調査について,いろいろ書いてきましたが,

肝心の収穫をお見せ致しましょう
 

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収穫その①「チビクモヒトデ」

まずは小手調べ.世界中の海岸域に生息していると言われているクモヒトデです.

分裂によって増え,時々水族館の水槽などにうじゃうじゃ沸くことがあります.

でも悪さはしません...多分.
 

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その②「トゲクモヒトデ科の一種」

おそらくトゲクモヒトデ属Ophiothrixかと思いますが,検鏡しないとわかりません.

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なかなかカラフルな種です.

この類は,ダイビングではほぼ必ず採集することができます.
 

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その③「オニクモヒトデ」?

これはなかなか味わい深い色彩ですね...
 

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こちらは盤の拡大画像.

配色や,このような盤上にみっしり生えた棘から同定していますが,

やはり実際には顕微鏡で口側などを見て見なくてはなりません.
 

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その④「ウデナガトゲクモヒトデ属の一種」

その名のとおり,腕がながーーーいクモヒトデです.
 

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うーん,よく見ると盤上を覆う微小な突起がかっこいいです

うっとり...
 

ちなみに,腕の付け根に見える三角系の部分は輻楯(ふくじゅん)と呼ばれており,

その形,大きさ,刺などの被度などが分類形質となっています.


 

こんなふうに,ひとくちにクモヒトデといっても,

よーく見るといろんな形があってかっこいいのですよ
 

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ちなみにこちらが口側.
 

ふわふわ触手みたいに伸びているのは,そのまんま「触手」と呼ばれるもので,

ヒトデやウ二が移動に使う吸盤(管足と呼ばれます)と相同です.
 

クモヒトデでは腕自体をくねくね動かして移動するので,

この触手に移動するほどの吸着力はありませんが,

その他様々な事に使われており,

例えばこの種では触手を使って腕の先で捉えた餌を,

口まで運んでいるのを見かけます.
 

腕を伸ばしたままで自動的に餌を得る...

夢の寝そべり生活です


 

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そして,これが今回の目玉です

このヤギをよーーく見てみると...?
 

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クモヒトデが絡んでいます
 

その⑤「ニシキクモヒトデ」です
 

今回はじめて,タイの西側のアンダマン海で採れました
 

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タイの東側のタイ湾では,一つのヤギに様々な色彩変異が見られましたが,

こちらのものはどうも全て同じ色彩のようです.
 

そもそもこれらは同じ種なのか?

それとも色が違えば別種なのか?
 

このようにある種の色彩一つをとっても,

まだまだわからないことだらけです.
 

タイにおいては大雑把な種数も分かっていない状況ですが,

私が三回調査しただけでもこれだけの種が採れ,

その多くが分類学的な問題を抱えています.
 

このような状況ですから,例えば,

「タイにはどれくらいのクモヒトデがいるの?」

という質問の答えをだすためには,10年以上はかかるでしょう.
 

と言って,やる人がいなければ,また数十年,

タイのクモヒトデの種数はわからないままです. 
 

クモヒトデに限らず,多くの無脊椎動物の分類学的研究は,

まだまだこんな状況です.
 

しかし,実際にはいろんな分類学者が,

日々自分の研究対象の謎を解明すべく,

細々と頑張っています. 
 
 
 

続く.


タイに行ってきました⑧

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ダイビング調査が終わったある日,

コテージの前のジャングルを眺めていると...
 

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おや...?
 

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なんと
 
 
 

ヤシの木のてっぺんに人がいます

どうやらこれ,ヤシの実の採集現場のようです.
 

登った人がヤシの実を採集し,

ロープにくくりつけて吊り下ろします.
 

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下の人はそれを受け取り...
 

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運ぶ
 

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そして上の人はどうやって下りてくるかと思ったら...
 

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両足首をロープで結んであります
 

このロープの摩擦でしっかりと足とヤシの幹を固定することで,

尺取虫のようにするすると降りてきていました.
 

登るときも同じ原理です.
 

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チラッ
 

カメラ目線をいただきました

タイの人々はサービス精神旺盛です.
 

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私もやってみましたが...
 

1 mも登れませんでした(笑)

立派なヤシ職人になるにはまだまだ鍛錬が足りないようです.
 

とある南国の昼下がりの出来事でした.

 


タイに行ってきました⑦

そろそろRacha島のご説明をば.

この島は,タイ南西部プーケット島

(島といっても,タイ本土と短い橋で繋がれているだけです)より,

南へ20kmほどのところに浮かんでいます.
 

インド洋の青い海と白い砂浜に囲まれて,

「この世の楽園」とか言われるような観光地のようです.
 

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こちらがその楽園の地図.

ダイビングショップのものなのでダイブポイントの表示に特化しています. 
 

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少し散策すると地図が見つかりました.

人の活動域は,島の北側に限られているようです.

ちなみに南には小高い山が並んでいました.
 

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我々が滞在したスキューバショップ周辺の様子.
 

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他の集落への通り道に位置しているため,

時々観光客を乗せたトラクターが走っていくのを目にします.
 

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小さな集落ですがコンビニもあり,

ビールも売られていて品揃えは豊富です.


 

 
 

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ヤシの木が南国感を醸し出しています.

ある程度の間隔を保って植えられているところを見ると,

おそらく園芸的に植えられたものもあるようです.
 

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街灯代わりに,豆電球が柵に巻きつけられていました.

風流ですねえ.
 

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家畜として連れてきたところ,

いつの間にか牛が増えていたのだとか.

普段は草原に寝そべっていますが,

お昼時には,こうしてご飯をおねだりしに集落に現れるようです.
 

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カメラを構えていると...おやおや...?
 

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おやおやおや??
 

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牛を連れてきてくれました
 

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牛さんのアップ
 

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ドアップ
 

とても人懐こい牛さんでした
 

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この牛はその後,藤田先生の乾燥中の荷物に,

ちょっかいをだしに行って怒られてました
 

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夕方になるとセパタクローが行われていました.

たまにはこんな南国時間に身を任せることも大切かもしれませんね.
 

続く.

 


タイに行ってきました⑥

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調査地点に着いたら,早速準備です.
 

船上でBCジャケットを装着します.

その他,調査に欠かせない記録用耐水媒体(紙とかプラスチックボードとか),

ピンセット,水中カメラ,サンプル保管用プラスチック容器,

などを,水中でバラバラにならないように体にくくりつけ,

いざダイブ  
 
 
 
 

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船の下は,砂,石,サンゴのがれきなど,

生物が潜んでいそうな基質がたくさん

喜び勇んで潜水調査中の様子です.

これまでに比べて透明度がよく,大変快適に調査できました!
 

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水中棘皮動物シリーズ①

「ナガウニ」
 

色合いといい,リュウキュウナガウニのようですが,

果たしてどうでしょうか.
 

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その②,「アオヒトデ」
 

このヒトデは日本近海にもたくさんいますが,

このようにインド―西太平洋区に広く分布しています.
 

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その③「オウサマウニ」
 

スキューバとかでないとなかなか見られないウニです.

刺が太くてかっこよく,

系統的にもウニの中で祖先的なグループということで,

なんだか研究者魂をくすぐってくれます.
 

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このトゲトゲは
 

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その④「オニヒトデ」です

意外に個体数は少なかったのですが,

今回の調査でも何度か見かけました.
 

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オニヒトデの周りに,小魚がちらほら.

隠れ家となっているのでしょうか?
 

サンゴの天敵としてあまり印象の良くないオニヒトデですが,

このようにしっかり生態系の一角を担っていることを考えると,

むやみに敵視するのも考えものかもしれませんね.
 

保全学に関しては不勉強ですが,

要はバランスをどう保つかということだと思います.
 

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その⑤「マンジュウヒトデ」

勿論日本でもみられる(白浜水族館にもいる)のですが,

日本産のものには表面の赤いポチポチがないのだとか.
 

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その⑥「カワテブクロ」
 

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ひっくり返すと,口の部分に石が.

お食事中だったようですね.

(石を食べるわけでなく,付着生物を食べていると思われます)
 

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その他,こんな大きなナマコ(直径5-10cmほど)がいたり,
 

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ウミシダも比較的多く見られました.
 

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多くの棘皮動物は,検鏡なしでは同定が難しいわりに

体サイズが大きい種が多いため,

野外のサンプリングで持ち帰るかどうかに悩む場面に直面します.
 

また,丁寧に採集しないとボロボロになってしまう分類群が多いのもまた事実です.

このような問題を処理しながら,効率よく調査を行うには,

やはり専門的な知識や経験をもつプロフェッショナルが,

現地で採集をする必要があるのです.

続く.
 

※今回の記事の水中写真は全て国立科学博物館の藤田先生に提供していただきました

ありがとうございました


タイに行ってきました⑤

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Racha島の説明などはまた後にするとして,

早速調査の様子をお伝えいたします
 

早朝八時,まずは器材のセッティングとチェックです.

主に命に関わる酸素を得るためのBCやレギュレーターは念入りに.
 

自分でセッティングする場合もありますが,

今回はショップのスタッフの方々がセットアップしてくださるので楽でした
 

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Racha Scubaは小さな集落ですが,

カフェもあります.
 

Racha Yai Cafeというこのお店で,

毎朝アメリカ式の朝食を賄ってもらいました
 

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準備が整ったところで今日の作戦会議です.
 

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このようなボードを使ってその日の調査ポイントの地形などを説明してもらいます.

水中地形は潜ってみないとわからないため,

地元のダイバーの方との連携が必須です.

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器材を車に積んで,上陸した船着場へ出発です.

トラクター(Racha島のタクシーはほとんどこれ)とすれ違い...
 

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観光客の間をすり抜け...
 

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人であふれるビーチに到着

実はこの時期はRacha島のハイシーズンらしく,

お忙しい中時間を割いてくださったショップのみなさんに感謝です.
 

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水着の人々の中,ウェットスーツでバケツを道歩く謎の集団.(笑)
 

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ビーチから船に荷物を積み込み出発
 

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船上での様子.藤田先生と,後輩の新井君.

彼はヒトデの分類を行っています.
 

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Piyaさんと,手前の帽子を目深に被っている方は,

チュラロンコーン大学のSeさん.

Seさんは,以前の調査でも手伝いをしてくれました
 

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右側が黒潮生物研究所和歌山支部の今原先生.
 

スキューバでみられる生物の代表格とも言えるヤギ類ですが,

実は研究者が少なく,分類があまり進んでいません.
 

今原先生はそんな数少ないヤギ類(八法サンゴ類)の専門家で,

最近大変有用な八放サンゴの本を書かれました.
 


タイに行ってきました④

 

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Racha島に到着して,タイのチームと合流します.
 

今回は先方に,調査用の器材などの一部を用意してもらいました.

このように特に海外調査においては,当地とのコネクションが重要です.
 

長年に渡って東南アジアとのコネクションを築かれてきた先生方に感謝です.
 

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こちらがRacha島での宿泊コテージ.

今回の調査の本拠地です
 

なかなか快適でしたが,ここではのちのちに,

ある生物との戦いを強いられる事になるのです...
 

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この日は移動日で,調査は翌日から.

こちらは地元でScuba Shopを経営しているPiyaさん.
 

今回は本当にお世話になりました.

右手にいらっしゃる,タイのチュラロンコーン大学のApple先生の下で修士号を修得された後に,

このショップを経営されているそうです.
 

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ということで,PiyaさんによるRacha島の説明を受けて,

早速お昼ご飯となりました.

東南アジアの食は最高です!
 

続く.


タイに行ってきました③

 

更新が滞ってしまいましたが,タイ調査記第二弾です
 

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タイに到着後一夜明け,ツアー客に交じって調査本拠地のRacha島へ渡ります.

レジャーにおける注意説明を受けていると...
 

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「刺が長いウニ(ガンガゼ)は危険です」

日本の臨海実習と同じ説明をしていますね
 

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Racha島へはスピードボートで渡ります

浜にズラッと並んだボート群

さすが観光大国タイランド
 

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船着場がないため,水にじゃばじゃば浸かりながら乗船する羽目に.

事前連絡がなかったため,ジーンズがびしょびしょになりました
 

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スピードボート内の様子.

奥の三人が,一緒に調査同行したメンバーです.


 

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そして一時間ほどの船旅のあと,Racha島に上陸

ここからはこのトラックで移動です.
 

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ヤシの木が乱立する道を抜けると...
 

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おお!Racha Scubaの本拠地にたどりつきました
 

常夏の国での調査の始まりです


タイに行ってきました②

プーケットの入国審査で並ぶ列の選択に失敗して一時間以上かかり,

ヘロヘロになりながらもなんとかタイにつきました 
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

到着は夜中になってしまったため,この日はプーケット本島泊です.

翌日に調査地に向かいます.

こんなホテルに泊まりました!
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

なんともリゾートチック.

家族用らしく,広めの作りになっています.
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

天気はあいにくですが,シーサイドで抜群の眺めです
 

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[写真撮影:新井未来仁(東京大学)]
 
 

なんとプール付き

(泳ぐ時間はありませんでしたが...)


英気を蓄えて翌日からの調査に備えました



続く.


タイへ行ってきました

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突然ですが,プーケットに行きますよ
 

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関空にたどり着いたところ,カウンターまで長蛇の列.
 

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乗り換えの香港空港につきました.

目的地が霞んで見えません

恐ろしく広い空港です.
 

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カートをゲットしました.これがなくては始まりません.

ちなみに,預け荷物の可載重量を勘違い(多く見積もっていた)していたため,

前日に手荷物にいくつか入れ替えたため,ギュウギュウです
 

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 ということで,果たして無事に行ってこれるのでしょうか?
 

続く.


東北調査(番外編②)

 東北調査オフショット集第二弾



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調査中に月食に遭遇しました

白浜カメラ部は早速撮影

本当に綺麗な月食でしたよ.
 

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船上(戦場)で発見した工夫.

清水を常にドレッジの巻き上げロープに供給するシステム.

ホースとシャワーヘッドがあれば簡単にできます
 

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研究員の工夫シリーズ.

山名さんの撮影システムに驚かされました.

これなら影ができません
 

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Yamana Solutionに漬けられたナマコ達.

こうして適切に標本になったナマコが,学術的に貢献するのです.
 

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調査の途中でみんなで食べたわかめソフトクリーム.

いやあ,今思い出してもほんとに楽しかったです.

またこのメンツで東北調査に行きたいものです
 

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小川旅館のメシシリーズ.

焼き魚,

豚肉の生姜焼き,

ホタテのグラタン,

酢の物,

漬物...
 

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ホタテの焼き物,

刺身,

酢の物,

サケのホイル焼き,

たくあん,

などなど...
 

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春巻き,

秋刀魚焼き,

おでん,

鍋,ホタテ焼き,刺身,...



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極めつけはこれ.

ブリの照り焼き,イカの丸焼き,

刺身三点,吸い物,そしてカレー
 

いずれも素晴らしく美味しく,本当に満たされた一週間でした
 

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帰りの電車内.

最終的には,みんなでとても仲良くなりました

こんなに楽しい調査もなかなかなかったです.
 

みなさん,本当にありがとうございました

また絶対来ます
 



 


東北調査(番外編①)

長いこと記事にしてきた東北調査ですが,

最後にオフショット集で締めにしましょう
 

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小川旅館の入り口.
 

左手が玄関で目の前にカウンターがあります.

調査で体を冷やして戻ってくると,

いつもマスターが温かく迎えてくださいました.
 

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大槌沿岸センターの設備を見学させてもらいました.

リフォームが進んだ分析室.遠心機などが一通りそろっており,

材料がそろえば分子実験もできそうでした.
 

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謎の黄色い扉を発見.

結局最後まで開かずの扉でした.
 

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思わず配管の構造を調べだす.山名さん.

もはや業者さんのようでした
 

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震災の爪痕も,まだまだ残っていました.
 

私が2009年に訪問した際にお世話になった宿泊棟はまだ復旧していませんでした.

白ペンキで書かれた3/18の文字は,おそらく捜索隊の残したものでしょう.
 

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未復旧の階を見せてもらいました.

ほとんど何も残っていない部屋ばかりです.
 

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窓ガラスも割れており,屋外状態のままです.
 

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壊れた配電盤.
 

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ここはミーティングルームだったらしく,

スクリーンはまだ生きていました.
 

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玄関も今は見る影がありません.

確か以前は水槽等があったはずですが.
 

エレベーターの扉.

最初は津波で変形したのかと思ったのですが,

捜索隊がこじ開けたのかもしれませんね.
 

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天井に巡らされた配水管も今は使われていません.

それなりに価値があるものなのに,もったいないです.
 

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個人的に一番印象に残った景色.
 

この写真,左側が海になりますが,この鉄階段は,

その海側に向かって強い力がかかったように見えます.

実は津波の引き戻しの際に,津波とともに流されてきた物の圧力で,

このように海側に向かってまがっている鉄製の建造物が多いとのことでした.
 

まさに,百聞は一見にしかずです.

フィールド調査中も,このような津波の影響を目の当たりにすることができ,

まだまだ復興中であるという現実を身に刻むことができました.
 

続く


東北調査⑨

調査を終えた一向.

調査の最終日と言えば...
 

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そう
 

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打ち上げ 
 

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終始お世話をしてくださった広瀬さんと共に,

東北の焼肉に舌鼓を打ちました
 

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肉を喰らいまくれ

小川旅館の食事ももちろん美味しかったのですが,

焼肉には不思議な魅力がありますよね.



 
 

こうして,東北最後の夜は,意外にもで更けていきましたとさ.


 

 

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こうして一週間にわたる東北調査は幕を閉じました.
 

出発の朝,小川旅館のマスターと調査メンバーでパシャリ.
 

お忙しい中,写真撮影に応じてくださいました.

最後の最後までお土産を渡してくれたり,

帰りが遅くなった時はわざわざ外まで出迎えてくださったり,

本当に心温まる歓待を受けました.
 

調査の半ばくらいには絶対にマスターと一緒に記念撮影を撮ろう

と皆で誓いあっていたくらいでした.
 

次に大槌に来る時も絶対小川旅館です.

っていうかみなさんも,小川旅館で決まりです


 

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コチラは,朝ごはんの時に作ってくれたドーナツを,

何と復路のおやつ用にたくさん持たせてくれました

小川旅館の温かい心遣いに,

ほんとに最後の最後までお世話になってしまいました
 

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釜石から新花巻まではローカル線の旅.
 

往路ではもう暗くなっていたので気づきませんでしたが,

この釜石線は銀河ドリームラインとも呼ばれていて,

釜石線の前身が宮沢賢治の銀河鉄道の夜のモデルと言われている事に因み,

各駅に作品中でよく使われているエスペラント語の別名がつけられているそうです.
 

こちらの宮守駅には

「Galaksia Kajo(ガラクシア カーヨ)」という別名がつけられていました.
 

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途中,銀河ドリームラインの看板に書かれていた図の中に...

カシパン

...ここまで来ると職業病ですねbr] 

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新花巻から新幹線に乗り換え.

のどかな田園風景も見納めです.
 

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新花巻で購入した釜飯弁当と一緒に,

風景を楽しみます.
 

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東京まで,徳田博士,太田博士と一緒に,

新幹線でのんびり移動しました.

(電車の時間が合わなかった山名さんは釜石でお別れでした)

本当に楽しい調査でした.
 

お世話になった広瀬先生をはじめ,

東京大学国際沿岸海洋研究センターの皆様,

小川旅館のマスター並びにスタッフの皆様,

そして調査に同行してくださった徳田さん,山名さん,太田さん,そして千徳さんに,
 

心から感謝を申し上げます.
 

本当にありがとうございました


東北調査⑧

気付けばこのレポートも第8弾になりました.
 

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ドレッジで採れたサンプルを,各自でさばきます
 

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篩などを使って,泥などの底質を取り除きました
 

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とはいってもこの状態.この中からそれぞれの方法で研究対象を探し出します.
 

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千徳・徳田ペアは微小なサンゴを取り出すため,

白いバットに少しずつとり,肉眼で注意深く探し出します.
 

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太田さんはさらに小さなウミクワガタを採集するため,

顕微鏡下での作業になります.

彼は砂だけでなく,メイオベントス採集で行われる,

洗い出しのサンプルもみなくてはならないので,

かなりの作業量になります.
 

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コチラは山名さんのナマコの作業.

タッパーの中の麻酔液にしばらくナマコを浸します.

基本肉眼で見えるため,細かい作業は必要ありませんが,

研究に耐える標本にするためには注意深い麻酔が必要不可欠で,

こちらもかなりの集中力を要します.
 

ちなみに,この麻酔液は山名さんが考案されたらしく,

メントールとエタノールがいい感じに配合された水溶液です.

人呼んで「Yamana Solution
 

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廣瀬先生も作業中.
 

大槌湾のガイドブックづくりのための生物の写真を集めておられるそう.

勿論,ご専門のコケムシもたくさん採れていました
 

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一見いなさそうに見えても,時間が経つと生きているものが何らかの動きをおこして

自ら這い出てくる場合があります.
 

徳田博士,千徳博士の対象でも生きているものが見つかったのでしょうか?
 
 

そうこうしているうちに,全日程の調査を終えました

が,皆さんが持ち込んだ調査用の荷物が重く,

一回まで運ぶのは至難の業...
 

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そこで,広瀬さんがクレーンを駆使して荷物を降ろしてくださいました
 

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おおー!大きな籠に入った荷物が,ゆっくりとつりさげられます

 

 

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下から激写!とっても楽におろすことができました

クレーンを操作してくださった廣瀬先生,ありがとうございました
 

 

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 廣瀬先生のお車を借りて,ヤマトに荷物を運ぶことができました

何から何まで本当に感謝です
 

 
 

こうして,一週間にわたる東北調査は終わりを告げました.
 

そして残るは...
 

続く

 


東北調査⑦

 

磯採集とか化石調査とかいろいろしてきましたが

この東北調査の真の目的は

ドレッジ採集なんです
 

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台風の影響もありましたが,ついに最高のコンディションが訪れました



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徳田博士と千徳博士も準備万端

7:00から集合して,たくさんのポイントをめぐります
 

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船着場までトラックで移動.

4人の技官さんがとてもテキパキと準備を手伝ってくださいました
 

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救命胴衣を着て準備万端

廣瀬先生も同乗してくださいました
 

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こちらが沿岸センターの調査船「弥生」です.

実は震災で流されてしまった旧弥生は結局発見されず,

この新型弥生はごくごく最近建造されました.
 

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こちらが船尾...む,なんか見たことある

瀬戸臨海のヤンチナとそっくりです
 

それもその筈,実はヤンチナと弥生は同じ設計図を元に作られているそうです

兄弟船ですね
 

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CTDも搭載
 

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こちらが弥生で使われているドレッジです.
 

瀬戸臨海で使っているものはもっと金属部分が多いのですが,

こちらは網部分が多くなっています.
 

あまり岩場などは曳けないのですが,

砂地や泥地などで効果を発揮する作りです.
 

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準備も整い,早速出港

ひょうたん島をお沖から眺めると,よりひょうたんです
 

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ご覧下さいこの穏やかな水面

待った甲斐があるというものです
 

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海底地形をリアルタイムで3D構築しています.

なんというテクノロジーだ...
 

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ハイテク機器にキャッキャしているうちに,ステーションに着きました
 

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基本的にこちらが手を出さずとも,技官さんが全てをやってくださいます

乗船調査は,船によってルールが違うので面白いです.
 

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深海から帰ってきたドレッジ

泥を吹き出しているのは,たくさん採れた証拠です
 

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ドサーッ

ドレッジの実力発揮です
 

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いろいろ採れていそうですねー.

早速海綿が見えています
 

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とりあえず目に見えるものは船上で分けちゃいましょう
 

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この日は結局9地点も曳いてもらいました
 

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持ち帰ったサンプルを,陸上でより分け中.

果たしていいものは採れたかな?
 

続く


東北調査⑥

東北調査の続きです
 

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波が落ち着いてきたので,

センターから見えるひょうたん島で採集を行ってみる事にしました
 

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遠目にはポストのような灯台も,近くで見るとなかなか巨大です.
 

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ここでも凌君のカサガイがたくさん採れましたよ

しかしクモヒトデは採れず!残念!
 

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そして,一同はとある海岸に来てみました.
 

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この転石帯に何があるかというと... 
 

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一見何の変哲もない岩ですが,

よく見てみると... 
 

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石に埋もれて白い何かが見えます 
 

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 実はコレ,ウミユリの化石です
 

 ウミユリは有茎類と呼ばれるように長い茎部を持ちますが,

この写真に見えているのは,その茎の断片です.
 

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コチラは断片の断面ですね.

しっかり星形で,五放射であることが見て取れます.


 

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サンゴの化石もありました

ううむ,確かにこれはサンゴですね.

中生代の地層ということですが,実によく保存されています.
 

ということで,とてもためになる化石観察調査となりました
 

続く.


東北調査⑤

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お昼休みを利用して研究紹介を行いました

自立型のスクリーンとプロジェクターです
 

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オサレにランチョン形式です.

美味しいお弁当がワンコイン価格。大槌の食は最高ですよ
 

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徳田さんの研究紹介.

古生物学的な手法を基礎にして,分子系統,飼育等を組み合わせて,

単体サンゴの底質環境への適応を調べた興味深いお話でした.

最近古生物の分野に触れるようになって思うのは,

古生物学と(現生の)分類学の境界が薄くなってきているということです.

今後もこの動向に注視する必要があるかもしれません.
 

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山名さんのお話.

現在の博物館でのお仕事の紹介と,学位を取られたときの水産関係の研究紹介でした.

主にナマコの種苗などに関する話でしたが,

普段は聞けないような水産の裏話なども聞けて非常に新鮮でした
 

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現在琵琶湖博物館に籍を置いている太田さんは,

博物館のお仕事に興味を持たれたようです.

活発な議論が交わされるアカデミックなお昼でした.
 

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食後は遠方にもうひとサンプリング

こんな砂浜や...
 

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防波堤跡地,
 

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公園跡地の転石帯でサンプリングを行いました
 

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段々潮が高くなってきて,こんな場面も

油断すると長靴に水が入ってしまうのです.
 

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しかしそこは頼りになる徳田さん

胴長の威力は半端じゃありません.
 

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カモシカ?の骨とマヒトデのツーショット

マヒトデは日本沿岸に最も普通に見られるヒトデの一種ですが,

白浜周辺では見られません.ちょっと気になったので撮影してみました.

※マヒトデはこの後,海に帰してあげました.
 

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そして,この日の夕飯は広瀬先生も参戦

マスターの愛の飯に挑戦です
 

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この日のメニューはこちら.
 

勿論この他にスープや餃子が付いてきます.

マスターの愛はこの日も健在でした.

 
 

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食後は広瀬先生の研究紹介

先生はコケムシの専門家で,最近ではその近傍のグループを含んで,

触手冠動物という大きなグループを研究対象とされています.
 

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やはり同じような骨格を持つサンゴと共通する部分があるらしく,

徳田さんも興味津々でした
 

続く


東北調査④

東北調査開始二日目.
 

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ご覧くださいこの台風一過の秋晴れ
 

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今日は磯採集です
 

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センター前のがれき場.

石の隙間に生息環境ができ,

他の場所に比べて生物が多くなっています.
 

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それぞれが専門の生き物を追いかけます.

太田さんは等脚類探し.陸上のワラジムシなどを探しています.
 

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山名さんはひたすらナマコ探し

場所にもよりますが,転石の下などに隠れている種が多いため,

石をひっくり返したり,

砂を掘るとぽろっと出てきます.
 

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千徳博士の単体サンゴや ...
 

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私のクモヒトデは,なかなかこういう場所では採れません.

(一応探しましたが,いませんでした)
 

そこで...
 

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同じくターゲット(単体サンゴ)がいない徳田さんを巻き込んで,

M2の凌君に頼まれたカサガイ探しを行いました!
 

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台風のうねりが残るなか,胴長を装着した徳田さんは,

果敢に深場まで攻め入ってくれました
 

おかげで,たくさんのカサガイ(コガモガイ)が採れました

後日談ですが,なかなかいいものが採れたようですよ
 

皆さんにもそれなりに成果があったようです
 

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今回の注目生物.なぜか,海岸に陸生のコウガイビルがいました.

うーむ,近くの森から迷い込んできたのか,不思議です.
 

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「ついでにひょうたん島の方にも行っちゃおうぜ」
 

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さすがにまだ波が高くてダメでした
 

続く.


東北調査③

大槌調査二日目

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本調査の本拠地となる東京大学の大槌国際沿岸センターです.

震災からはや3年が経過しておりますが,実は未復旧な部分もあり,

現在は3階のみが使われています.

このあたりはまた別の機会にご紹介したいと思います.
 

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ですが,現役の階はとっても綺麗です

こちらは外来研究者の居室.

右奥にいらっしゃるのが,沿岸センターの広瀬先生です.

調査の受入先となってくださいました
 

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こちらはサンプル処理ができる実験室.
 

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流しにずらっと並んだポリ瓶

前日に,広瀬先生が片づけてくださったそうです.
 

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事前送付した調査道具を広げて早速準備を進めますが...
 

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台風の影響でこんな天気.

さすがに船は出せません.
 

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ということでみんなでデスクワーク

なんとWiFi完備で,プリンターまで使えます

大変快適でした
 

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嵐はさらに激しさを増します.

画像右上の島は,

なんとひょっこりひょうたん島のモデルです
 

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デスクワークに疲れてきたころ,

広瀬先生が,底質のサンプルをお見せくださいました

前回のドレッジ調査で得られた底砂だそう.
 

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一気に目の色を変えてソーティング(生物の選り分け)を始める生物屋たち.

砂の中にも様々な生物が潜んでいるのです.
 

テヅルモヅルの骨片がたくさん得られました
 
 
 
 

ということで,調査への期待に胸を膨らませながら,一日目は終わりました.
 
 
 
 

そして,いよいよ夕方...
 
 
 
 

帰路に待ち受ける,宿泊先の「小川旅館」.
 
 
 
 

この旅館随一の特徴...それは...
 
 
 
 

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この豪華絢爛な食事です

一品一品がメイン級のおかずが,
 

多い時には10皿近く食卓に並び,
 

ごはんはおひつ(勿論おかわり自由)
 

食事の途中で必ず餃子(肉ではちきれんばかり)

そして何より,すべてが超美味しい 
 
 
 

海だけでなく,食との戦いの一週間が幕を開けたのでした.

毎回が,満腹の限界への挑戦です
 

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完食後メンバーの様子.
 

小川旅館のマスター

(敬愛を込めてこう呼ばせていただいていました)

の愛でお腹いっぱいになり,

しばらく動けませんでした
 

続く.

 


東北調査②

東北調査のレポートです
 

台風が迫る中,ある勢力が各地から東北に集結しました.
 

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東京駅で白浜の勢力(岡西・千徳)と鳥取の勢力(徳田さん)が合流.

一路釜石へ
 

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まずは新幹線で三時間.

腹が減っては戦はできぬ

新幹線の出発時間まで時間がなかったので,

並び係,食事係などに分かれました.
 

食事係の徳田さんが調達してくださったタイ料理のおいしかったこと

ありがとうございました
 

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ちなみに,なんとこの日は徳田さんの誕生日



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千徳博士の手作りプレゼントが手渡されます.



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おお,これはおむすび丸

仙台で買っていたのはこのためだったのですね



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そしてなんと手作りクッキー

これはイチョウではありません.

徳田博士の研究対象のセンスガイ(単体サンゴ)です

ちなみに,徳田さんは千徳博士の同じ研究室の先輩です.
 

好みを知り尽くしていますね



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そして
 
 
 

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新花巻に到着
 
 
 
 

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ここから在来線に乗り換えです.

単線の線路...高知の高校生時代を思い出します.
 

そんなこんなで,さらに二時間電車に揺られ...
 

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無事に大槌の宿にたどり着きました
 

岡西政典(京大瀬戸臨海:クモヒトデ)

千徳明日香(京大瀬戸臨海:サンゴ)

徳田悠希(鳥取県博:サンゴ)

山名裕介(和歌山県博:ナマコ)

太田悠造(琵琶湖博物館:ウミクワガタ)
 

大槌の海洋生物を調べつくさんとする,新進気鋭のメンバーです.
 

 
 
 
 

続く.


日本海でサンプリング!④

 

サンプリングの合間に,鳥取県立博物館の特別展を見に行ってまいりました。

その名も・・・
 

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「胸キュン★サンゴ展~わたしを深海(うみ)につれてって~」

なんという乙女チックなネーミング。

胸キュンです。
 

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まずはサンゴの種類から説明です.

各説明パネルの前に,個性的なサンゴたちのぬいぐるみが並んでいます。
 

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中でも気に入ったのがこちら.
 

髑髏で表されたヒドロサンゴさん。

ヒドロ虫には毒の強いものが多いので納得のデザインです。
 

ちなみにこれらは全て県博の職員の方が作られたそうです。
 

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生体も展示されていました。

サンゴの蛍光がよくわかるとても綺麗な展示になっていて,

思わずしばらく見惚れてしまいました.
 

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概観の一角がこちら.

i phoneのパノラマ機能を使った一枚
 

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こちらは,サンゴを観察してみようのコーナーです.
 

小さな実態顕微鏡とサンゴの破片が用意されており,

サンゴの骨格が詳しく観察できます.
 

こんな事されたら思わず観察しちゃうじゃないですか。

※じっくり観察しながら.
 

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深海サンゴのコーナーもありましたが...

ついつい立派なタカアシガニに目が行ってしまいました.
 

さすが世界最大のカニですね.

白浜水族館の飼育個体がまだまだミニサイズということがわかりました.
 

サンゴ展は今月末まで開催されています.

この夏,避暑も兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか?

鳥取は爽やかで非常に過ごしやすかったです。
 

そしてサンゴ展閲覧の後に,学芸員の徳田さんのデスクに案内されて...
 

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なんとモヅポロをお持ちでした。
 

私のacademistのプロジェクトにご支援いただいたそうです。

ありがとうございます。
 

こうして支援者の方に直接お会いできると,

研究を頑張ろうという気持ちがふつふつと湧いてきますね.
 

うおー頑張ります。

 


日本海でサンプリング!③

本日,京都大学の実習が終わりました.

台風の影響で一時は開催も危ぶまれましたが,

後半は天気も回復し,無事に終えることができました.
 

学生たちの居なくなった実習室は少し寂しくもありますが,

また8/22から始まる関西学院大学の実習に向けて英気を蓄えます。
 

ということで,まずは日本海サンプリングの報告の続きです。

今回は日本海で採れた生物を紹介しますよ。

※サンプル撮影用のいいカメラを忘れてしまったので,フィールド用のカメラで少し画質がアレかもしれません.
 
 

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ホヤの一種.いかにもホヤな形をしていますが,なんでしょうこれは.

鮮やかなオレンジです.
 

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そしてこちらは群体ボヤのイタボヤ.
 

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クモヒトデもいました。

これはアミメクモヒトデ科の一種かと思います.
 

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これはスナクモヒトデ科.

おそらくスナクモヒトデAmphipholis kochiiかと思われますが,顕微鏡で見ないと同定はできません.
 

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そして日本海の棘皮動物の代表格,イトマキヒトデPatiria pectinifera
 

というかどこにでもいるヒトデなのですが,なぜか白浜周辺にはイトマキヒトデがおらず,

トゲイトマキヒトデAquilonastra coronataなどが多く生息しています.
 

海蝕洞には行けませんでしたが,いろいろな生き物が採れてご満悦です。


日本海でサンプリング!②

日本海サンプリング二日目。

ですが,残念ながらこの日も出港不可。
 

ということでこの日もシュノーケリング。
 

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鳥取県立博物館分館「山陰海岸学習館」近くの川からエントリー.
 

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こんな感じの半海蝕洞みたいなところに案内してもらいました。
 

まだ日が差し込む段階で陸になっていたのですが,

やや珍奇な雰囲気を醸し出す生き物ポツポツ見られました.

これはまた暗黒部を待つ更なる海蝕洞を再訪しなくてはなりません。
 

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やや波が高い中,りょうくんは頑張ってコガモガイをサンプリング中。
 

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海中を漂う赤い魚の群れ.
 

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ふじもんが,海藻にたくさんついていたアオウミウシを見せてくれました.
 

うーん,いたるところに分布しているのですね...
 

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日本海で一番度胆を抜かれたのはコチラ。

これはなんでしょう。
 

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でかいでしょう。
 

おまけにぬめぬめしています.

そしてさらに,柑橘系の匂いが漂います。
 

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ヤマトメリベというウミウシでした。
 

体長30 cmはゆうに超えます.
 

メリベウミウシは時々瀬戸臨海周辺でも見られますが,

こんなに大きくなるとは知りませんでした.
 

左側のびろーんがどうやら口で,ここをガバッと広げて海底をさらい,

微小な甲殻類などを食べるそうです.
 

発見時にはすでに死んでいたようで海綿を漂っていたところを

ネットに押し込んだのですが,その際に体についていた突起がバラバラになってしまいました...
 

できれば体全体を持って帰りたかったんですが,さすがにそれは断念して,

突起をひとつ持って帰りました.
 

続く.


日本海でサンプリング!

 

 

先日,鳥取に日本海の生物の採集調査に行ってまいりました。

目的は,実習での比較観察用の生物の採集と,

海蝕洞で深海生物が採れないかと期待していってまいりました.
 

調査一日目。
 

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高波のため,残念ながら海蝕洞へいくための船が出られないということで,

近くの浜でシュノーケリングということになりました。
 

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凌君も去年卸したばかりのウェットスーツに身を包みます。
 

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いざ着水。正直陸にいるときは暑くてたまりませんでしたが,

潜ってみるとなかなか快適でした.

ラッシュガード組は寒そうでしたので,引き分けでしょう。
 

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日本海の生物その①!
 

ムラサキカイメン?太平洋と同種でしょうか.
 

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ホンダワラの仲間.イギリスでも見ましたが,

本当にどこにでも分布しているんですね.
 

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M2凌君のコガモガイも見つかりました。
 

分子系統地理学的な研究を行う上では,

なるべく多くの地点からのサンプリングが欠かせません.
 

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岩の隙間にウミシダも発見。色彩からニッポンウミシダかと思われます.
 

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「無人島に漂着した人」を実演中.
 

続く


てづるもづるを捕まえよう!③

漁師さんの刺し網などの漁具にテヅルモヅルが絡まって挙がってくることがあります.
 

たいていの場合テヅルモヅルは邪魔者扱いで漁師さんには不要ですので,

運が良ければそのテヅルモヅルを貰う事が出来ます.
 

ただし、漁師さんによってはテヅルモヅルの価値をよくわかっていて,

水族館などに渡すために隠している事もあるそうです.
 

足しげく漁港に通って漁師さんに顔を覚えてもらえれば,

こういう「とっておき」を見せてもらったりできるかもしれません.
 

また、季節によって網を下している深さが変わります.

例えば、和歌山県の南部漁港であれば,

漁師さんが深場を狙う冬ごろが狙いめでしょう.
 

それでは採点です。
 

port

 

採れる度!!  ☆~☆☆(季節によります)
辛さ!!     ☆☆(漁師さんに顔を覚えられるまでが大変かも)
お手軽さ!!  ☆(車さえあればお手軽ですが…)
楽しさ!!    ☆☆(最大限に楽しむためには、漁師さんとの会話を楽しむトークスキルが必要)
標本状態!!  ☆(捨てられてカッピカピに乾いていることもあります)
 

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実際に見つけるとこんな感じです。
 


マイクロX線CTスキャン②

 マイクロX線観察は順調に進みました。
 

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予定していたものは早い段階で終ったので,

科博の標本の中から気になるものをピックアップして解析にかけてみました.

固定液(エタノール)で濡れたものでも解析にかけることができます.
 

標本によっては乾燥させたくないので,これはとても便利。
 

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画像処理パソコンを見ながら,千徳博士と,

私の元指導教官の藤田先生が議論中.
 

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三次元構築処理ソフトの使い方を勉強中。

ヒザラガイの専門家の,斎藤先生に教わりました.
 

先生のキレイなヒザラガイの三次元画像みたいにはなかなかできませんでしたが,

それなりに見たいところの画像が得られました。
 

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作業の合間に,学会でも発表していた藤田研のお客さんのAlexanderさんとランチに行きました.
 

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なんと,ご家族も来日されていたのでご一緒に.

カメラ目線のAlezanderさんと,奥さんのターニアさん(真ん中),娘さんのオーラさん(左)です.
 

うどん屋にお連れしたのですが,箸の使い方がうまくてびっくり.

時々,ご家庭でも箸を使うのだとか.
 

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そして,夜は懐かしのつくばの居酒屋で飲みました。

元同じ部屋の先輩たちに囲まれ,

あーだこーだと研究話や,

ワールドカップ談義に花がさきました(この時はまだ結果が分かっていませんでした...)


 

結構飲んだおかげで,翌日はややグロッキーでした.

ということで,大変実りのある科博滞在となりました.
 

お次は六月末の日本古生物学会@福岡です。
 

実習も併せて頑張ります。


マイクロX線CTスキャン

 科博でクモヒトデ標本の観察を行ってきました。
 

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今回使うのはX線CTスキャンです。

脳外科などで使われているアレです.

標本にX線を当てて,非破壊的に内部構造を観察できる装置です。
 

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上の画像の出っ張った部分を開け,

このような筒をセットします.
 

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そしてその中に標本をセットし,ふたを閉じます.
 

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そして,スキャン開始。

X線発生装置のある本体の中に吸い込まれていく標本。

気分はドナドナです.
 

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操作は基本的に横に設置したPCで行います.

まずは軟X線で全体の構造がみられるので,

どこまで撮りたいかを決めます.
 

大きさにもよりますが,小さければ20-30分,大きければ数時間といったところです.
 

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計測範囲を決めたら,スキャン開始。

後は結果が出るのを待つのみ。
 

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こんな風にして片っ端からクモヒトデのスキャンを行いました.
 

一緒にサンゴをスキャンしていた千徳博士は,

得られた画像から立体構造の復元をしていました.
 

続く.


2014年和歌山大学実習⑦

四双島でウミシダが採れたので!

ウミシダの標本作製についてお話しましょう!

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まず,クモヒトデと同様,まずは容器に入れて写真撮影です.

しかし,麻酔はご法度です.

実はウミシダでは塩化マグネシウム溶液による麻酔ができません.

無理に麻酔液に漬けると,苦しんで腕がバラバラになってしまいます.

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撮影が終わったら,クモヒトデの時と同じように,別の容器にエタノールを入れます.

写真の様子は灯油の配注ではありません.

一斗缶にエタノールが入っていて,灯油ポンプで取り出しているのです.

私の知る限り,大体の科学者が灯油ポンプでエタノールを扱っています.

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そしておもむろにウミシダを隣におきまして...

プレゼンテーション1

えい.

とひっくり返してエタノールに漬けます.

この時,しばらく上から軽く抑えてやるのがポイントです.

腕が平面上に固定され,あとで観察のしやすい良い標本になります.

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そっ…と手をのけてやると

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ウミシダ標本の完成です!

あとはクモヒトデと同様,ビニールパックに入れるなりして研究室に持ち帰り,

瓶などに入れ替えます.

ちなみに,オレンジ色のモヤモヤはエタノールに体色の構成要素が溶け出したものです.

固定後は色が変わってしまうので,その前に写真を撮っておく必要があります.

続く


2014年和歌山大学実習⑥

 四双島で見られた生物シリーズ。

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まずはこちらの岩の隙間をよーくご覧ください.

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岩の隙間にウメボシイソギンチャク Actinia equinaの集団です。

実験所周辺ではブロックなどの隙間の奥にしか分布していないため,

こんな風に簡単には観察できません.

しかし色といい形といい,梅干の名を関するにふさわしいですね.

ただ,種小名は「馬のたてがみの」とかいう意味のようです.

絶対梅干のほうがいいと思うなあ.

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四双島の醍醐味はタイドプールにありました.

何気ない態度プールのように見えますが...

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こんな風にイボヤギTubastraea coccineaやトゲトサカDendronephtyaがいたり.

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これもイボヤギでしょうか?

無藻性のサンゴと思いますが,なんだか緑色です.

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ハナヤサイサンゴ?がいたり。

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さらにはなんと,ムチヤギがいたり。

普通は波あたりが強い場所や日光が当たらない場所,

やや深い場所にいるはずの生き物がごろごろみられました.

熱い!

これはまた徒党を組んで調査に来なくてはなりません。

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こんな風に,クシクラゲもプカプカ浮いていました!

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そして島の外洋性を示すこちらのウニたち.

(ヒメ)クロナガウニEchinometra oblonga(左二個体)と,

ホンナガウニEchinometra mathaei(右一個体)です!

どちらかというと亜熱帯に生息しているウニで,

瀬戸臨海周辺でも見られるのですが,こんなに大きくありません.

黒潮が当たる温暖な四双島では十分に成長できるのかもしれません.

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ちなみに,岩の間のクロナガウニを採ってみると,こんなになっていました.

これは別に採集時のダメージでこうなったわけではありません.

おそらく岩に密着していたた部分の外殻が発達しなかったのだと思います.

体の内部の骨格が見えちゃってますが,いいんでしょうか...

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さらにコブヒトデまでいました。

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 この大きな管足!立派ですねー.

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そしてウミシダまでタイドプールに。 

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え!!ウツボまで!!?

・・・と思ったら,釣り人の釣果でした。

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軟体動物も多様でした.こちらはメクラガイDiloma suavis

海藻にたくさんが付いてました.

ずいぶん派手な色をしていて,岩陰などにはかくれないそうです

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THE アメフラシAplysia kurodai 

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クロシタナシウミウシDendrodoris arborescens

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コチラはメリベウミウシMelibe papillosaです.

この方の採餌法は変わっておりまして.

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体の前方(左側)の口をカッと広げて・・・

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ガバッと投網を投げるかの如く,目の前の海底を覆います。

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そしてゆっくりと口をすぼめて,小さな甲殻類などを食べちゃうそうです.

もしゃもしゃ.

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みんなでそんなメリベウミウシのお食事を観察.

大変有意義な四双島調査でした!

続く.


2014年和歌山大学実習⑤

 四双島に上陸しました。

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畠島のように視界を遮る山などの起伏はなく,

広めのタイドプールが点在しています.

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緑藻,褐藻,紅藻など,藻類が豊富です.

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場所によっては,このように一種類の海藻が優先していました.

これはフクロフノリです.

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決して気温は高くなかったのですが,水着になった猛者が。

何をしているのかと近づいてみると...?

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ぶくぶくぶく...

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「はい!とってきました!」

上の人に命令されていたようですね。

続く.


2014年和歌山大学実習④

和歌山大学実習レポートです。

この実習の特徴の一つは,「四双島」での磯観察です.

瀬戸臨海実験所の西方に位置するこの島は,

畠島とは違い,京大所有の島ではありませんが,

外海に面しているため,畠島や番所崎とはまた違った生物がみられます.

一年を通して,実習でこの島に渡るのは和大の実習だけなのです。

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いつもの寒さ浦の船着場でなく,

実験所の裏の北浜からの乗船.

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ワイルドに砂浜に着けた船に乗り込みます。

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出港は人力です。

技官の興田さんのパワーです。

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第一便(定員いっぱい)に乗り遅れた先生とポスドクたち.

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学生が集めたハコフグを眺めて待つとしますか...

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そうこうしているうちにすぐに船が帰ってきました。

孤島の釣り人を横目に出発。

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うっすらみえてきました。

灯台がある島が四双島です。

はたして何が待ち受けるのか?

続く.


てづるもづるを捕まえよう!②

誰がなんと言おうと!

このシリーズは続けていきますよ!

「てづるもづるを捕まえよう!」のコーナーです!

「どうすればてづるもづるを捕まえられるのか?」という永遠の命題を,

不定期に紹介していきます!

今回は!

「スキューバダイビング」です!!!

深海性の種が多いてづるもづるですが,

実はスキューバダイビングでも見かける事ができます。
*捕まえました!(2013/1/20)

ただし、スキューバで潜れる水深(40 mくらいまで?)の

テヅルモヅルはほとんどが夜行性ですので、

確実に見たい場合、ナイトダイビングをする必要があるでしょう。

普通、ナイトダイビングができるようになるまでにはかなりのスキルが必要とされるらしいので、

もともといろんな海の生き物をみるのが好き!という方にお勧めです。

それから、もじゃもじゃのテヅルモヅルを陸上に持ち帰るためには、

専用の袋とかバケツが必要かと思われます。

それでは採点です!

scuba

 

採れる度!!  ☆(なかなか毎回は難しいでしょう)
辛さ!!     ☆(スキルがあればそう難しくはないでしょう)
お手軽さ!!  ☆☆(一度スキルを得てしまえば)
楽しさ!!    ☆☆☆(ダイビングは楽しいですよね)
標本状態!!  ☆☆☆(生きた状態で得ることも可能)

それではまた!!


UMISAWA2その⑨

うみさわ会番外編

~魅惑のオフショット集~

うみさわの神髄は採集だけでなく,

日常の風景の中にあります.

誰が最も「さわやか」なのか?

この永遠のテーマへの挑戦も,

実はうみさわの裏の趣旨でもあるのです.



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夕暮れの千畳敷にて,地学出身の田中博士や,千徳博士による地層の解説中.

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断崖の向こう側の三人衆.

「Check it out!!」

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最近公園化した番所山の展望広場にて.

これはかなりうみさわ指数が高い写真です.

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メイオベントスを見つめる人たち.

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非常に男前に撮れてます。

うみさわですね.

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最後に記念撮影.

まだまだ面白写真はたくさんあるのですが,

今回はこれくらいにしておきます.

みなさん本当にうみさわでした.

今回の参加メンバーは以下の通りです.

広瀬雅人 東京大学大気海洋研究所 特任助教(コケムシ類)
田中隼人 広島大学生物圏科学研究科 学振PD(貝形虫類)
太田悠造 滋賀県立琵琶湖博物館 特別研究員(ウミクワガタ類)
角井敬知 北海道大学理学研究院 研究員(タナイス類)
山崎博史 琉球大学理学部 ポスドク研究員(トゲカワムシ類)
吉田隆太 琉球大学理工学研究科 博士研究員(フクロムシ類)
藤本心太 京都大学理学研究科 D2(クマムシ類・コウラムシ類)
安岡法子 奈良女子大学人間文化研究科 M2(カキ類・カクレガニ類)
泉貴人 東京大学理学系研究科 M1(イソギンチャク類)
杉本雄祐 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
竹本亨世 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
久一沙彩 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
千徳明日香 瀬戸臨海実験所 学振PD(サンゴ類)
岡西政典 瀬戸臨海実験所研究員(クモヒトデ類)
中山凌 瀬戸臨海実験所 M2(カサガイ類)
中町健 瀬戸臨海実験所 M1(コツブムシ類)
+受け入れ教員を中野先生(カサガイ類)と宮崎勝巳(ウミグモ類)

 

ご覧のとおり,多岐にわたる動物群を専門とする猛者たちが全国から集まってくれました.

少なくとも海産無脊椎動物の分類コミュニティにおいては,

一昔前までは,採集といえば研究室単位で行われることが多く,

他の機関や研究室研究者同士での合同の機会は少なかったように思います.

ですが,実は他の動物研究者との交流や,野外での知見の交換などが,

自らの対象生物の研究にとって有益であることも少なくありません.

また,同じ場所で採集を行っても,

それぞれの研究者の目線でみれば違う生き物が採れています.

すなわち,合同採集は,採集成果的にも,学術的にも有益な,優れた方法と言えるでしょう.

今回の,そしてこれからのうみさわ会でも,

このような生産性の高い採集が行われることを願っております.

そして願わくば,それらに果てしない「笑い」があらんことを...

最後になりましたが,今回のうみさわ参加メンバー,

調査船を出してくださった実験所の技術職員の皆さん,

そして研究代表者となってくださり,

サポートを行ってくださった実験所の教員の皆様に心よりお礼を申し上げます.

ありがとうございました!


UMISAWA2その⑧

深海を攻めた後は浅海を攻めるしかないでしょう。

ということで,干潟に来ました。

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ここでは泉君が,イソギンチャクを狙いました.

何のイソギンチャクかは後のお楽しみ。

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こういう干潟のドロドロの中に埋もれて暮らしているイソギンチャクだそうです.

まずは泥をとり,網でふるえば採れることがあるそうです.

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おや!採れましたか!?

・・・残念,ホヤだったようです.

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同行していた千徳博士が,カニに手袋を挟まれていました。

この後,泉君は二時間ほど作業を続けましたが,残念ながら獲物は現れなかったそうです.

しかしそれだけに,採集できた時の喜びがひとしおになるのでしょう.

戦い続けたソルジャーにだけ,うみさわの女神は微笑むのです.



そして,好例の発表会もいよいよ最後です。

毎晩ほぼ夜12時オーバーというスケジュールでしたが,

みなさん大変面白い発表ばかりだったので楽しい時間を過ごすことができました。

中でも最終日は一味違っていました.

東大が生んだ鬼才,泉氏の落語からはじまったのです. 

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「うみさわっす!」の軽快な一言からスタートです.

前口上中に,観客が食べていたそばを見て,とっさに思いついた題目は,

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「時そば」です。

以下,Wikipediaより転載

—————-

そばの勘定を巡るごまかしを目撃した男が、それにえらく感心して、

自分も真似して同じことをしようというスリリングかつ滑稽な話である。

本編に入る前の枕の部分で、江戸時代のそばについてあらかじめ解説しておく場合が多い。
そばを食べる場面において麺を勢い良くすする音を

実際と同じように表現することが本作の醍醐味であり、

一番の見せ場であるとよく言われる。

—————-


数ある古典落語の中でもポピュラーな題目らしく,

「そばを食べる音」の再現が注目らしいのですが,

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超リアルでした.

いや本当に.

話のテンポ,声の張りなど,どこをとっても,

大変素晴らしい出来の落語でした.

ありがとうございました。

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そして興奮冷めやらぬまま研究発表へ.

これが彼の研究対象の

「ムシモドキギンチャク」だそうです.

残念ながら今回は見つけられませんでしたが,

既に卒業絵研究での成果を,論文にできつつあるそうです.

素晴らしいですね.身が引き締まる思いです。

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私も続いて発表しました.

この間少しだけ世間を騒がせた,「クラウドファンディング」 に関する発表でした.

うみさわメンバーも何人か興味をもったようでした.

もうみんなやっちゃいましょう。

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その後も,琵琶湖博物館の太田さんによる

ウミクワガタ(昆虫ではありません.れっきとした「甲殻類」です)

の採集に関する発表や,

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東京大学海洋研究所の広瀬さんの

コケムシ(コケではありません,コケムシ動物門という,れっきとした動物です)

に関する系統分類や発生,生態に関する発表がありました.

いずれの研究も,研究対象に対する「愛」がひしひしと伝わってくる内容で,

「金」の話をしたわが身を少し恥じました。

やっぱり,研究に必要なものは,「愛」ですね。

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さて,この日はなんと参加者の一人,

大阪市立大学の竹本さんの誕生日でした!

憧れの千徳博士にプレゼントをもらい,

満面の笑みを浮かべています。

うみさわですね。

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さて最終盤,

売り子と化した凌君もところせましと食堂を駆け回ります。

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大トリは,琉球大学の吉田さん.

フクロムシという,一風変わった動物の発表をしてくださいました.

カニなどの腹に寄生する動物で,見た目はその名の通り,「フクロ」にしかみえないのですが,

実は体制が退化したフジツボなどの「節足動物」の仲間だそうです.

この不思議な生物の系統分類学的な研究について,

うみさわのトリを飾るにふさわしい,

美彩なスライドで発表してくださいました.

天晴。

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ということで!!





うみさわおひらき 





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ありがとうございました

続く?


UMISAWA2その⑦

ドレッジ二日目。

天気があまりよろしくないということで,田辺湾内(波が穏やか)でドレッジを行いました.

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波がないので余裕です。

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先日は細かい作業ができなくてカメラ係だったので,

今日は最前線で働きました。

(ドレッジをつまんでいるだけに見えていますが,ちゃんと仕事しています)

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湾内の底質は大体ドロドロです.

この中には,いったいどんな貴重生物が!

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さて,陸に帰ってからが本番です。

まずは細かいものを見る班が,泥と水を混ぜて撹拌し,

うちのメイオベントス実習でも行う方法などで生き物を回収です。

この手法で,ほとんど目に見えない,体調1/10 mmよりもさらに小さい生き物

(クマムシや動吻動物,微小甲殻類など)が採集できます。



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そして,残った基質を再び水で撹拌し,

上澄みを目の細かい網(数十マイクロ)でこします。

上記の手法よりも少し大きな

(と言っても体長はµm~mm単位)微小甲殻類などを採ります。

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 そして,網に残った基質を,

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今度はもっと目の粗い網(1 mm程度)で越すのです。

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そうして,体長1 mm以下の小さな生き物がこされ,

それよりも大きな生き物や砂がこのように残ります.

今度は,この砂の中から生き物をピックアップです.

白浜沖の生き物を,余すところなく採集です。

つづく


UMISAWA2その⑥

 UMISAWA2中盤編,

いよいよドレッジ投入です。

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手で保持しつつ投入.

最後に信用できるのは人の手です.

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さあいってこい。

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今回もロープ操作は技官の興田さんです.

船長の山本さんとともに,今回の乗船調査を引き受けてくださいました.

感謝です。

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ドレッジの待ち時間,船の横でプランクトンネットを曳く者あり。

東大M1の泉君です.彼は「東のクラゲさん」の異名を持つ刺胞動物野郎で,

今回は白浜のクラゲやイソギンチャクを思う存分採集していってくれました.

所属的には私の後輩にあたります(国立科学博物館,藤田研究室).

ちなみに,西のクラゲちゃんは定期的に瀬戸臨海実験所に来ています.

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このあたりから段々と船酔いによる脱落者が.

船上では,

「笑いがなくなる=酔っている」

という公式が成り立ちます.

私がどうだったかは,表情からお察しください.

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さてドレッジがかえってきました。

中身はいかに?

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あら,ほとんど採れませんでした....

網をひっくり返しても何もなし。

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ということで,気を取り直してもう一発。






40分後





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深海200 mより返ってまいりました。

はたして中身は?

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採れました。 

貝殻や砂が入っています。成功です!

目に見える大きな生き物はあまりいませんが,

この泥や砂の中に,小さな貴重な生物たちが埋もれています!

陸に戻るまで大事に保管です。

そしてこの後,予定では2回とのことでしたが,技官さんの計らいにより,

浅い場所(20 m)でもう一回やらせてもらいました。

はたしてどんなものが採れるのか。

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パンッパンです。

砂と侮るなかれ,がっしり網に噛んでしまって,

全然網から取り出せません。

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ということで,ギチギチの砂を取り出すべく,

みんなであーだこーだと苦戦中.

元気そうな千徳博士の表情.

現役船ソルジャーとの差を思い知りました.

なんとか砂をオレンジの箱のなかに取り出した...と思ったら, 
 


なんとドレッジのむこうで不動のエースふじもんが沈黙。

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と思ったら自分も沈黙。 

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さらにその後ろで後輩の泉君も完全に沈黙。 

壮絶な戦いでした....

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作業終了。

苦労して持ち帰ったサンプルを,

今度は陸上でさばきます!  

つづく


UMISAWA2その⑤

 今回のUMISAWA2の主な目的は,ドレッジ採集でした.

幸いなことに天候にも恵まれ,目的の海域で調査することができました.



しかし...



先に言っておきましょう.



酔いました。 



その戦いの記録をご覧ください.

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船に乗り込むUMISAWA戦士たち.

ドレッジにしては人数が多めです.

ヤンチナの人気がうかがえます.

が,作業中は危険なので,見学者は遠巻きに見てもらいました.

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出港!

隣の船舶に接近しないよう,手で押すのがヤンチナ流.

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出港後すぐの様子.

「UMISAWA–!!!」

「アハハ」

この時まではよかったのです.

この時までは....

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沖にでると波がでてきました。 

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甲板に波が寄せます。

はたしてドレッジは無事にできるのか?

つづく


UMISAWA2その④

今回のウミサワでは,毎夜,若手研究者による発表会が行われました。

質問あり,やじりあり,笑いあり,涙あり...悲喜こもごもの人間模様がスライドの上で展開されていきました.

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プロジェクターの準備中.この時点で早くも笑いが生まれています.

今回のうみさわの個人的な裏テーマは「笑い」でしたが,幸いにもメンバーに恵まれ,腹筋の休まる暇がありませんでした。

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今回のオーガナイザーの藤本会長の趣旨説明.

彼なしでは今回の調査は実現しませんでした.本当にありがとう。

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琉球大学の山崎博士の発表.

彼はスライドに映っている動吻動物門(Kinorhyncha)の系統分類学的研究を行っています.

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そして今回は,動吻動物門が含まれる,有棘動物の最近の系統分類の動向を語ってくれました.

実にマニアック。実にUMISAWA。

この動物群は,他に胴甲動物(Loricifera),鰓曳動物(Priapulida)を含み,

頭に出し入れ可能な棘の束を持ちます.

例外を除きほとんど小型で,これまであまり研究が進んでいなかったグループです.

現在活発にこのグループの研究が行われているのは,コペンハーゲンと日本くらいでしょう.

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そして二番手は北大の角井博士.

彼はタナイスという甲殻類を研究しています.

カニやエビを含む,いわゆる十脚類とは違い,

フクロエビ上目という,ダイオウグソクムシなどが属するグループの甲殻類です.

微小な種(普通mm単位)が多いのですが,明瞭な鋏脚をもつことが特徴です.

彼は,この小さなタナイスの生殖行動を追い,

自家受精を行うことを最近突き止められた,大変優秀な研究者です。

ウェブサイトはコチラ

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そして藤本会長の発表でこの日はラスト。

UMISAWA QUEST 

なんというクオリティ...彼はこのロゴの制作に命を燃やしたそうです.

今後のUMISAWAの方向性が確実なものとなりました.

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そして〆のスライド.

そう,我々は海でさわやかに採集し続けるのです.

心に海の生物への探求心(QUEST)を持つ限り何度でも。

続く.

 

 

 


UMISAWA2その③

外調査の合間,

研究室を覗いてみると...?

東大海洋研の広瀬先生が,

なにやら写真をとっています

IMG_9297 (コピー)

60年以上前に採集され,報告されたコケムシの標本が見たかったのだとか.

この標本は,写真と同定結果が不明瞭であったため,

再観察の必要があったそうです.

そして,やっぱり再観察によって,新知見があったそうです。

野外採集だけではありません,

その研究機関を利用したありとあらゆる自然史的研究が,

UMISAWAなのです。

続く.


UMISAWA2その②

UMISAWA2調査初日は天候に恵まれ,無事にドレッジに成功しました。

※若干の酔いはありましたが...

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ドレッジ採集での様子は後日まとめて記事にするとして,

サンプル処理の様子です.

底引き網採集では生物といろんな基質が混獲されます.

その中から生物を選り分ける方法が,対象生物のサイズごとに異なるのです.

今回は各専門家たちが様々な方法でサンプルのより分けを行いました。

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おもしろ生物その一.

ケヤリムシ.

ソーティング中にふと気づいたら頭を出してました.

エキセントリックな配色に思わずパシャリ.

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クモヒトデも採れました。

こちらはチビクモヒトデ科の仲間で,

このように岩やカイメンなどの隙間に潜り込む生物です.

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外人の真似をしながらサンプル処理するの図.

常に国際的な感覚を忘れないUMISAWA会.

まだまだ続きます。