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実習 - 4. page

海産無脊椎動物分子系統学実習④

分子実習レポです.

今回は5つのテーマが用意されました.
 

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①カメノテ,フジツボなど様々な基質に付着したコガモガイ.

付着基質の違いと系統の相関を見ます.
 

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慎重に軟体部だけを殻から取り除きます.
 

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とれましたね!後は足の部分を切り取り,DNA抽出に使います.
 

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体の残った部分は,証拠標本として残します.
 

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②お次はプランクトン.事前に河村博士が仕分けてくださいました.

様々な動物群から一種選び,その系統的な位置や,

親の同定を試みます.
 

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③事前に内之浦で採集したタカノケフサイソガニとケフサイソガニです.

形態的に非常によく似た二種のDNA配列を比較します.
 

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河村博士による分類法の講義.
 

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こちらは足の筋肉からDNAを抽出です
 

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④お次はおなじみのナガウニです.

日本に生息していると言われる4種のナガウニのDNA配列を調べます.

今回は,これまで手に入らなかった南方性のリュウキュウナガウニが手に入りました

瀬戸OG(現:OIST)の座安さんが採集してくださいました.
 

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解剖し,体の中にある管足の根元(瓶嚢)の列を取り出します.
 

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⑤カイヤドリウミグモ

カイヤドリウミグモの系統的な位置を確かめると共に,

産地による遺伝的な違いを検証します.


海産無脊椎動物分子系統学実習③

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分子実習レポートです.
 

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まずは対象とする生物の選択です.

余りに小さいウミグモに目を凝らしたり...
 

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中山君の対象のコガモガイの説明を受けたり.
 

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生物のあとは,白衣装着
 

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ゴム手袋装着
 

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ピペットマンやチューブ使い方など,基礎をみっちり学んでもらいました


海産無脊椎動物分子系統学実習②

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「海産無脊椎動物系統学実習」が始まりました
 

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関西圏の大学から,
 

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関東圏の大学まで.
 

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中には見た顔も

リピーターがいるのはうれしいことです
 

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なんと,東京大学の教授も参加されました

地学ベースの先生ですが,研究上,分子系統解析の技術も必要ということで参加を決められたのだとか.

いつまでも新しいスキルを身に着けようという気概,見習いたいものです.
 

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リピーターの学生さんたちと談笑中.

旧交を温めます.
 

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所内見学の後,
 

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朝倉先生の講義です.分子系統を学ぶための基礎について.
 

さあ,春の実習シーズン到来です


海産無脊椎動物分子系統学実習①

 

 

とある冬の昼下がり.
 

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内之浦の河口で一心不乱に石の下をめくる集団が.

公開臨海実習のためのサンプル集めをしているのでした.

今回はカニの採集に来ています.
 

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さすがカニの専門家,真っ先に目当てのカニを見つけました
 

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その後干潟に異動してさらにカニ探し.

ヤビーポンプで巣穴の中の手強い個体を狙う中町君.

巣穴を吸いまくっていると...
 

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こんな風に,「ポロ」っと採れます.
 

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たくさん採れました
 

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実験室に持ち帰って同定&標本作成.
 

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こんな風にして作られた標本は,昨日から始まっている,

海産無脊椎動物分子系統学実習で既に使われています

その様子のレポートはまた後日.


宿泊棟改善大作戦②

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みなさん,これ,なんだかわかりますか?
 

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こちらで使います.そう,宿泊棟です.
 

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ベランダの金属枠部分にこのように固定し,
 

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先端の輪っかにしっかりステンレスワイヤーを固定
 

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ワイヤーにはピンチを通しておきます.
 

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もう一方を,同じように固定した輪っかにつなげば...
 

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宿泊棟のベランダに,物干しの完成です
 

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真ん中に結束バンドで結節を作り,
 

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洗濯物が一方に偏らないように工夫しています.
 

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金具もばっちりハンダで固定

技術職員さんのテクニックに感謝です
 

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もうすぐ春の実習が始まりますが,

宿泊棟も着々と快適度を増しております.
 

目いっぱい海の生きものを勉強していってくださいね


アンケート

 

 

先日の豊中高校の実習で,ウニウニ君を提供してくださった渡辺さんが,

学生にとったアンケートの結果を集計してくださいました.

やはりウニウニ君はInnovativeな機器だったようで,

口頭や実物の観察ではどうしてもわかりにくい水管系の配置などを

感覚的にとらえることがきた,という意見が多々見られました.
 

水管系は透明な上に小さいためなかなか観察が難しいのですが,

今後もこのような機器を使わせていただけると,教育効果は一層高まると思います.
 

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わざわざ岐阜からお越しいただいた渡辺さんに,改めて感謝です.

また,個人的には「分類学」や「てづるもづる」についての感想がもらえたこともうれしかったです.
 

このような基礎的な体験を通して,

生物学を志す学生が一人でも増えてくれるといいなあと思った今日この頃でした.


講義(豊中高校)

 年末の豊中高校の実習で講義を行いました

今回は,最終日の夜に瀬戸臨海のポスドク三人によるお話三連続でした.
 

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千徳博士の講義「サンゴの生物学」

とてもきれいなサンゴの写真を巧みに活用したスライドで,

高校生達をサンゴワールドに引き込んでおりました.

最近のダイビング熱でサンゴと他の生物の織りなす共生関係に心惹かれ気味な私も,興味津々で聞き入りました.
 

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私の講義「深海生物テヅルモヅルの進化を探る」
 

深海ってどんなところ?

てづるもづるとは?

分類学って?
 

私も負けじと高校生を深海生物ワールドへ引きずり込もうと試みました(笑)

果たしてみなさんがどのような感想を持ってくださったのかはおいておいて,

講義の準備をするたびに毎回自らの無知を認識します.

今回も改めて深海について勉強するいい機会となりました.

まだまだ精進ですね.
 

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最後は河村さんの講義「クラゲの生活史」

それにしても,刺胞動物の研究者は,みな写真を撮るのが上手な気がします.

やはり研究対象への愛ですね.クラゲへの愛が伝わってくる講義でした.

河村さんのお話にもありましたが,

研究中は知的に興奮する瞬間に度々遭遇するのですが,

中でも「思いもよらなかった結果」に出会えた瞬間は格別です.
 

自分でも予期しなかった結果に出会うために,

我々は研究を続けているのかもしれません.
 

などということを,駆け出しの研究者三人が熱く語る夜となりました.


ウニウニ君

 

 

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ウニの解剖開始

外部形態→内部形態と,みられる特徴を余すところなく見ていきます.
 

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そしてこちら!今回は秘密兵器を導入していました.

私(右手)が触っているタッチパネルにウニの動画を映し出し,

詳しいウニの特徴を詳細な動画で理解できる次世代型教育機器です.

この写真では,私のタッチパネルの操作が,そのままモニターに反映されます.
 

叉棘の動きや多孔体の配置,水管系の仕組みなど,

なかなか解剖の現場では全員に教えにくいことも,

この装置ならその場で瞬時に見せることができます.

また,本来は展示品として開発したものなので,自発的な学習にも役立ちます.
 

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開発者はこの方.自然共生研究センターの渡辺友美さんです.

実は今年の動物学ひろばの隣のブースでこの展示を見かけたときにお話をして,

今回の実習に使わせていただきました.

お陰様で,いつもは解説が難しい部分まで詳細に見せることができました.

ありがとうございました!
 

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まだ開発途中らしく,今後,様々な意見を取り入れ,教育用にも開発を進められるとのこと.

完成版が楽しみです

ちなみに,今回の実習でこの装置に「ウニウニ君」という愛称が付けられることとなりました

 


棘皮動物の解剖

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今年最後の実習では,棘皮動物(ウニ,ヒトデ,ナマコ)の解剖を担当しました.
 

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クモヒトデは解剖できるほどの大きさではないので,

標本でその存在を紹介.
 

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ウニの解剖の方法の説明.基本的には赤道面上でパカッと割ります.
 

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こちらが,ウニの体内部の様子.北極から(口側を)見た様子です.

真ん中にはアリストテレスのランタンとも呼ばれる,強大な歯を備えているのがわかります.

体の側面にあたる部分には,黒色の消化管が裏打ちされています.

時期であればこの消化管の間に生殖巣が発達しているのですが,

残念ながらこの個体ではほとんど見当たりませんでした.
 

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  ヒトデも,腕二本を切って,その間から盤中心を除くように観察します.

ウニでもヒトデでも,瓶嚢と呼ばれるスポイト状の部分で,

水管系の水圧を調整している事が見て取れるかと思います.


仕事納め

 

 

先日は仕事納めでしたね.
 

私も,今年最後の仕事を終えてきました.

12/25-27にかけて,大阪府立豊中高校の臨海実習が行われました.

スーパーサイエンスハイスクールの一環で,

生物好きな高校生たちに,大学の教育カリキュラムの一部を体験してもらうという催しです.
 

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我々研究員も協力いたしました.こちらは河村博士によるウニの実習.

今年最後の実習の様子をレポートしていきます
 


ふぉっとっと

 

買いました

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こちらの三点
 

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アクリル観察ケース,「ふぉっとっと」です
 

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このケースの特徴はこちら!なんとスケールが付いています
 

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平型もあります
 

こちらのマメチ・プロダクションさんで購入できます.
 

瀬戸臨海の実習に参加すると,

ふぉっとっとでナイス生物写真が撮れます


大阪大学臨海実習⑦

いよいよ阪大の実習も終わりました

後は楽しい打ち上げを残すのみ
 

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西田先生を中心に場が盛り上がります.

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花火が始まりました
 

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 「ダンブ○ドア!」

 某有名映画のシーンを再現らしいです
 

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 西田先生を囲って,まるで儀式のようです
 

 
 
 
 

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 皆さん,いい笑顔ですね
 

ふと自分が学部生のころ,

長い夏休みに時間を持て余し気味だったことを思い出しました 


それに比べ,自然環境に囲まれた現場で,

大いに科学を学び,大いに遊んだ彼らは

何と有意義な夏休みを過ごしたことでしょうか.

胸を張って後期を迎えてください
 

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 翌日,きちんと朝から掃除です
 

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 自分たちが使った食器も,きっちりもとに戻しましょう
 

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 宿泊棟をピカピカに掃除してくれました
 

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 恒例のウミウシフィギュアの謹呈と...
 

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 アンケート集計です
 

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そして締めの挨拶.

皆さん,本当にお疲れ様でした
 
 
 
 

そして,この実習を最後に,瀬戸臨海の今年の大学実習は終わりです.

これでしばらくは実習はありません.
 

お酒の学問の秋の到来です
 

色々とやりたいことが溜まっているので,少しずつ消化していきます


大阪大学臨海実習⑥

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一番手はフナムシの行動実験の発表
 

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フナムシのジグザグ行動の検証ですが,

曲がり角にぶつかった際,

初めに左右の触覚どちらかが当たったのと反対の方向に曲がるのでは?

という仮説のもと,実証に取り組んでくれました.
 

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「触覚に注目した実験は初めてだ」

先生方からも意見が飛び交います.
 

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フナムシの行動実験二つ目です.

この班では,明暗が行動に及ぼす影響に注目しており,

迷路にカバーを掛けてみるなどのユニークな実験に取り組んでいました.
 

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「それを検証するためには,他にどんな実験をすればいいと思う?」

学生の意見を引き出そうとする質問です.
 

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お次はpHがウニの受精に与える影響に関しての実験です.
 

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受精卵から,精子を誘引する物質(彼らは「卵エキス」と読んでいた)

が分泌されており,その物質の影響が大きいのではないかということを検証しようとしていました.

こちらも非常にユニークな着眼点でした.
 

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次は巻貝の生理学実験です.
 

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色々な塩の組成で巻貝の出殼反応を試しましたが,

どの塩の組み合わせが本当に巻貝に認知されているのかが詰めきれなかったようです.
 

このような化学的な実験は,微量な化学物質の差で実験結果が変わってしまいます.

そのような指摘にも耐えうる高精度な実験を行ってくれました
 

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締めは巻貝の出殼反応第二弾です.
 

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普通,この実験は巻貝の反応について,殻から出て動き回る,

という行動をポジティブな反応のMaxとするのですが,

彼はそのまま観察していると,突っついても動かなくなる

(「馬鹿になる」と表現されていました)ことを見出しました.
 

実は今回実験に使った塩化マグネシウムは海産無脊椎動物の麻酔薬によく使われています.

彼が見出したこの馬鹿になる反応は,

まさに塩化マグネシウム溶液に漬けた時によく現れる傾向が出ていました.
 

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目の付け所は面白かったのですが,

実験方法の詰に甘い部分があり,西田先生から指導が入っていました.
 

自由課題実習の醍醐味は,

多様な自然環境の中から興味深い題材を発掘することにも意義はありますが,

それ以上に,自分が選んだ課題をいかに科学的に検証していくか,

という方法を学んでもらえるところに大きな意義があります.
 

その指導を行うためには,

普段の研究生活の中で常に科学的な思考を養っていかなくてはならないのだということを,

私たちも学ばせていただきました.
 

当たり前の事ですが,日々の雑務にも追われつつも,

この感覚をキープしなくていはいけませんね.

ちなみに,16:00から発表をはじめて,終了したのは19:00でした

みなさん本当にお疲れ様でした
 
 
 
 
 
 

 


大阪大学臨海実習⑤

阪大臨海実習もいよいよ佳境に突入
 

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後半は生理学・発生学実習.担当ボスの西田先生です.

ホヤを主な材料としておられる,発生学の大御所です.

ウェブページはコチラ↓

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/index-j.html
 
 

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この実習では,
 

「フナムシの行動」

「ウニの受精におけるpHの影響」

「巻貝の出殼反応」
 

という三つのテーマから班でそれぞれ1つを選び,

二日間にかけて実験を行ってもらいます.
 

簡単な目的や実験手法だけはテキストに明示していますが,

そのあとは実験から得られた結果を考察し,仮説を立て,

それをまた実験で検証していく...

というサイクルを,自分自身で行ってもらい,

科学的検証法を体得してもらうのが目的です.
 

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フナムシ班の実験材料収集.

これからフナムシを獲りまくるのだ
 

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やや潮が高いが頑張れ
 

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ちなみに,網だけでなくホウキもフナムシ採集のための立派な武器です.

岩の隙間に潜むフナムシをこのホウキでサッと払い,

下に構えたバケツに落とすという戦法です.
 

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こちらは巻貝の出殼反応実験.

まずは様々なイオン組成の水溶液を用意し...
 

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あらかじめ採集しておいた巻貝を浸し,

どのような反応をするかを観察します.
 

大きく分けて,殻からでる,殻の中に引っ込む,とかいった反応がありますが,

このような結果を水溶液の組成,実際の生態をあわせて考察し,

彼らが自然状況下でどのような塩に反応しているのかを調べます.
 

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巻貝を大量に使うため,場合によっては追加採集も行わなくてはなりません
 

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こちらはウニの受精をpHの関係を調べる実験.
 

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新調したpHメーターが活躍中

様々なpHの水溶液を作るのはそれほど難しくないのですが,
 

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このように受精に用いる配偶子を何度もウニから得なければならず,

作業量が多くなる実験です.
 

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こちらは,阪大留学生の実習でも行っていたフナムシ用の迷路作りですね.
 

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結果を元に新たな実験系を自分でデザインするため,

多様な形の迷路が作られます

学生の工夫が見られるので,この迷路をみるだけでもなかなか楽しめます.
 

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さて,いよいよ研究成果の発表会です

まずは発表順決め
 

ジャンケン,
 

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ホイ!
 

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順番が決まったようです

さあ,いよいよ今年最後の大学実習の発表会が行なわれますよ


大阪大学臨海実習④

なまこの骨片の観察方法について

解説致しましょう
 
 
 
 

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材料:
 

なまこ
ハサミ
スライドグラス
カバーグラス
キッチンハイター

顕微鏡

以上 
 

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まずはなまこの体表の皮を
 

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このように切り取り
 

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スライドグラスとカバーグラスでサンドイッチ

(この時,指の腹などで軽く押してやるとなおgood)
 

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生物顕微鏡で観察
 

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わかりにくいですね


 

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5倍希釈のハイターに少し漬けてやり,皮膚を溶かします

(スライドグラスとカバーグラスの隙間に注入してもOK)
 

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皮膚が溶けて,炭酸カルシウムの骨片が見えました
 

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非常に小さいのですが,かなりはっきりと形が決まっています.

なまこでは,この骨片の形を見て分類を行っています.
 

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お次はウニの解剖

ナガウニを求める長蛇の列.
 

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皆真剣に取り組んでいます.
 

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まずはハサミで棘を短く刈りましょう.
 

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そしてピンセットで刺を抜き...
 

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歯ブラシで表皮を削り取ります.
 

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ヤスリで赤道面上の殻を削る

すると...
 

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パカ 
 

っと割れて,中の様子が観察できます.


 

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上手くわると,消化管などが繋がった様子が観察できます.

ちなみに,右側のクリーム色の部分が生殖巣(精巣かな)で,

右側の真ん中の白い丸い物体が,アリストテレスのランタンとも言われるウニの口器です.

そのランタンから伸びている黒い筋状のものが,消化管ですね.

顕微鏡で観察すれば,このランタンの周りの水管系の配置などが詳しく観察できます.
 

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おや,突如実習室に見慣れた顔が...
 

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モッチーです!なんともっちーが連休を利用して瀬戸臨海に遊びに来ていました

既に元師匠の宮崎先生と一杯飲んできた模様.

カメラを向けるとポージングするところは相変わらずでした

福岡で元気に仕事に取り組んでいるそうです
 

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そんなこんなで,実習の前半は無事終了しました.

後半開始した学生たちに挨拶する古谷先生.
 

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TAの奥田さん,鈴木さんとともに帰阪されました.
 

おつかれさまでした!
 

続く.


大阪大学臨海実習③

 

ウニの発生の合間に,磯に出ました.

TAの中島さんのやる気がここでも発揮されます
 

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天気にも恵まれました
 

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中島さんは海からの遊撃部隊.

いいものを捕まえてきてください
 

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おや,何をしているのでしょう?
 

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ここぞとばかりに記念写真でした
 

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この日はやや潮が高め.
 

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いつもは簡単に渡れる場所も,足場に気を付けないと到達困難
 

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やっとたどり着きました.

この付近は,番所崎の最も突き出た部分で,

外洋性の生き物もちらほら見られます.
 

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そのうちの一種,トゲウミトサカ.

八放サンゴと呼ばれる,硬い骨格を持たないいわゆるソフトコーラルです.

中島さんが水中で撮影してくれました!
 

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遊撃部隊のお手柄

手に持っているのはオオウミシダです

中島さんは,なんとウミシダの研究に興味があるそうです.

未来の棘皮研究者ですね
 

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本当に天気がいい!塔島と青空がいいバランスで景色を作っています
 

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思わず水切りをしてしまいますね
 

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とあるタイドプールに,イソスジエビの群集を発見
 

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カメラに近づいてきました

好奇心旺盛ですね.
 

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タイドプールにはいろんな生き物が潜んでいます.

残念ながらこの画面には全ては映っていないのですが,

原始的と言われるものから高等と言われるものまで,

様々な生物の行動や,繁殖生態が勉強できたようです.
 

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硬い地盤にポツポツ開けられた穴.

これは人工物ではなく,少しの隙間に溜まった石などが,

波の作用で隙間の表面を削りながらぐるぐる回ることで,

どんどんと大きなったものがこの穴になったそうです.
 

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そんなこんなの楽しい磯観察でした
 

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潮が高くなってきて,南浜経由では帰れなくなってしまいました
 

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心配ご無用,そんなときは番所山公園から実験所に帰ってこられます.
 

今年からリニューアルした番所山講演には見所いっぱいです.

秋の行楽に,是非とも訪れられてみては?
 

そして水族館にも訪れられてみては?

続く


大阪大学臨海実習②

   東北の調査が無事おわりました
 

台風18,19号の影響下の絶妙なスケジューリングでした.
 

おそらく一日スケジュールがズレていれば,大変なことになっていたでしょう.
 

それなりに忙しく,ブログ更新が滞ってしまいましたが,

少しずつ記事にしていきます
 

ということでまずは阪大実習レポートの二日目です.
 

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畠島のお次はウニの発生実習
 

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TAの鈴木さんによるデモンストレーションの後...
 

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早速実践

濾過海水に長蛇の列ができているレアな瞬間をとらえました
 

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レッツ発生実験
 

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産むか産まないか,実験結果が可視的なため,

みんなの目も真剣です
 

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真剣なあまり表情に気を配れない様子
 

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「ああ...」
 

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「なんてことだ...」
 

妙な性比の偏りがあり,女子が使ったウニはオス,

男子が使ったウニはほとんどがメスだったのですが,

顔を覆っている彼だけが,オスを選んでしましました.
 

女子「アンタはこっち側やね」  
 

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モニター右上の方の未受精卵に,

毛のようなものが生えているのがおわかりでしょうか?

おそらくウニの体内に寄生している原生生物だそうです.
 

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オスが足りないということで,

急遽TAさんも発生にチャレンジ
 

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しっかりオスを引き当てたようです
 

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阪大では,伝統的にオスだけは解剖して精巣を取り出します.
 

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このように,精巣を冷やしておけばかなり精子が長持ちします.
 

ピンセットの先で精巣をチョンと触れば,

受精に十分な精子が採れるという仕組みです.
 

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実習頻出項目をラミネートしておく工夫に,個人的に関心しました.
 

各校には,積み重ねてきた経験に裏打ちされた工夫がありますね.

勉強になります
 

続く


大阪大学臨海実習

9月25日~30日にかけて,

大阪大学の臨海実習が開催されました
 

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磯採集の講師は久保田先生
 

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畠島での熱い生物解説です
 

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TAさんがドライスーツでやる気まんまんです

彼は,去年も大阪大学の実習で瀬戸に来ていた中島くんです.

過去の臨海実習で出会った学生が,

瀬戸に再訪してくれると,なんだか嬉しくなります.
 

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帰ったあとは,プランクトン観察です.
 

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河村さんが,夜中に集魚灯を仕掛けてくださいました
 

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集魚灯の周りを網ですくって,

昼間は見られない生き物がたくさん見られました
 

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本実習は二部構成になっており,前半では系統部類学の古屋先生のチームが,

後半では発生学の西田先生のチームが担当されます.

こちらは古屋先生の下で学位を取得された,

イタチムシ(腹毛動物)を研究されている鈴木さん.
 

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美味しいイカ焼きをこしらえてくださいました
 

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乾杯!

 

この夏最後の実習がはじまりました


大阪大学(留学生)臨海実習⑥

 最後の晩餐(BBQ)開始
 

「我々はバーベキューに対する最大限の準備をしてきた」

とのLukeさんのお言葉通り,
 

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大変豪勢なBBQ大会が催されましたよ
 

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ソーセージドッグ
 

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ネギ、豚肉、チーズ、焼き肉のタレを和えたスペシャル料理
 

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完璧なたこ焼きセット
 

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Luke先生による完全な采配
 

おいしいBBQとたこ焼きでおなか一杯になりましたとさ。
 

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よく晴れた一夜明けの朝。

みなさん大阪に帰ります。
 

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最後にウミウシフィギュアのお土産を渡します
 

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お別れのバスがまいりました。
 

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みなさん、本当にお疲れ様でした
 
 
 
 
 
 


大阪大学(留学生)臨海実習④

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みなさん,これ
 

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なんだと思いますか?
 

答えは彼らフナムシの行動実験に使う迷路です
 

フナムシは甲殻亜門の等脚類に属しますが,

この仲間には行動学の実験によく使われている者がいます.
 

それはダンゴムシです.
 

ダンゴムシは,曲がり角だらけの迷路を進ませると,あるT字路にあたった時,

前にあたった方向とは反対方向に進む,すなわちジグザグ行動をとることが,

様々な実験から明らかにされています.
 

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そこで,その辺の海岸にわんさかいるダンゴムシの親戚のフナムシを捕まえ,

このようなアルミホイルで作った迷路を進ませることで,ジグザグ行動の有無や,

あったとしてその行動学的な意義を解明しようという実験です.
 

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講師はClement先生です
 

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まずはサンプルを取らねば話になりません.

北浜のすぐそばの岩礁地帯が,フナムシの恰好の採集場所です
 

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ふふふ,なかなか生きのいいのが採れました
 

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 入口からフナムシを走らせます.
 

ダンゴムシの場合はどちらかの足が疲れてしまわないために,

ジグザグに走るという考察がなされているそうですが,

フナムシではどうでしょうか?
 

外敵(危険)からより遠く逃げるためと考えることもできます.

果たしてどんな結果が出たのでしょうか?
 

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 夜はデータベースの更新作業です.

多毛類の同定に耐える写真(頭部を含む)を撮るために,

顕微鏡に繋いだカメラで頑張りますが...
 

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動きまくるせいで...
 

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なかなかうまく撮れません
 

自然相手の難しさですね.

※このあとスタッフから麻酔(MgCl2)が提案され,無事撮影できました.
 
 
 

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先生方も頑張ります.コケムシの種類がわからない...

どんなに図鑑を探しても同定できませんでした.

こんな動物も探せばいくらでも出てきます.
 

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棘皮班もせっせと同定&データベースへの入力に打ち込みます.
 

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おお,クモヒトデのデータを入力しています

これで白浜におけるクモヒトデの人類の知見が一歩前進しました
 

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 作業は夜遅くまで続きましたとさ.
 
 

続く.


大阪大学(留学生)臨海実習③

 

 

皆さんの努力の甲斐あって,畠島ではいろいろと珍しい生物が採れました

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ギンカクラゲ.
 

これで一個体かと思いきやなんと群体性のヒドロクラゲで,

真ん中の気胞体と呼ばれる部分に多数のポリプがぶら下っているのだそうです.

ちょっとボロボロになってしまっていますが,よくこんな小さなものを見つけましたね
 

甲殻類に挟まれて窮屈そうなカツオノエボシ.

触手が未熟なの失くしたのか,ほとんど気胞体の部分(烏帽子)しか残っていませんね.

猛毒のクラゲなので,触手には触れないよう注意
 

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 ガンガゼの撮影会. 
 

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畠島の次はウニの発生実習です
 

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さすがのムラサキウニさんもそろそろ生殖時期が終わりかけ.

ということで,ツマジロナガウニさんの出番です
 

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阪大の鈴木さんによる精子混入実験.

受精膜が上がるのを観察してもらいます.
 

未受精卵の表面に精子が到達すると,原形質膜と卵膜の間に空間(囲卵腔)ができ,

原形質膜の内側にある表層粒が爆発的に膨張し,

その内部にあった受精膜形成物質が囲卵腔に流れ込んで,

卵膜に内側から作用し,物理的にも化学的にも強固な受精膜が形成されるという仕組みです.
  
 

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ウニの精子を求める長蛇の列.

かつてこれほど(以下略
 

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実習課題は山積みです
 

お次はウニの解剖実習.まずトゲを鋏やピンセットで取り除いた後,

歯ブラシで丁寧に表皮を磨いてやります.
 

あまり知られていませんが,ウニやヒトデを含む棘皮動物は,

体の外側が必ず薄い皮でおおわれています.

そういう意味では,実は厳密にいうとウニのトゲなどは外骨格にも見えますが,

内骨格であるともいえるのです.
 

生物学辞典などを見ても,その辺りの決着は実はついていないそうです.
 

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丁寧に計測中.
 

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そして,ヤスリで赤道面を削って,横方向に開いてやると,

体内の構造がよく見えます.
 

時間がないときは鋏などで一気に割ってしまいますが,

ウニの内臓は殻の内部に裏打ちされているので,

それだと内臓を傷つける恐れがあります.
 

実はヤスリで外側から削ってやるのが,最もダメージが少なく内部形態を観察できる方法なのです.
 

続く.


大阪大学(留学生)臨海実習②

 阪大インターナショナルカレッジ臨海実習レポート 
 

 

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水族館見学の後,もう一度浜に向かいました. 
 

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やはり潮は高いです.

Luke先生もシュノーケリングで生き物を探しますが... 
 

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結果はこの写真が表しています.

タイトルは「黄昏」とでもしましょう
 

翌日は畠島です!たくさん生き物を採りましょう 
 

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夕方はウニの発生の予備講義.

山田先生による,ツマジロナガウニの発生の説明です. 
 

山田先生は,私の北大時代の講座の先輩にあたるそうです 
 

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その後はデータベース入力の準備.

この実習では,採集した生物のリストをデータベース化しており,

毎年の実習で成果がアップデートされていきます.  
 

Thorstenさんのデータべ―スはコチラ
 

現在200種以上が登録されています.
 

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さて翌日は畠島へ
 

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分室でいつもの畠島の説明.

今回は私が担当しました.
 

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海岸へGO!天気は抜群ですよ


 

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と思ったらやっぱり潮が高い

そもそも干潮が早朝なので,徐々に満ちいく中でのスタートとなりました.
 

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しかし彼らは潜るのです!潜れば潮はあまり関係ありません
 

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Luke先生が頑張ってナマコを採集してくださいました

Domo Arigato!
 

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空がもう秋色ですねー.
 

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磯観察終了後,一息つく指導側の面々.
 

   

対照的に迎船ギリギリまで水につかる学生たち.

(おや,Luke先生の姿も...)


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そうこうしているうちにお迎えが来ました.

さあ実験所に戻りましょう
 

続く.

 


大阪大学(留学生)臨海実習①

2014年9月16日~21日にかけて,

大阪大学インターナショナルカレッジの臨海実習が開催されました

全世界津々浦々から,7カ国(教員含む)の人々が集まりました.
 

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実習一日目は単なペーパーテストからスタートです.
 

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代表的な動物門の,現在の大系統の記述テストです

これをすらすら書いていく学生さん(一回生)たち.

暗記だとしても天晴です.
 

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そして久保田先生の磯観察講義開始

もう何度もこの講義を担当されているそうで,英語の授業もお手のものです.

大変勉強になります.
 

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北浜で磯観察の図.やや波が高かったのですが,

その甲斐あって漂着物がいろいろと流れ着いていました.

久保田先生もご満悦のご様子
 

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しかし,潮も高かった

いつもは番所崎を簡単に一周できるのですが,

「こりゃ全然だめだ」


 

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ということで,普段はあまり来ない実験所の北東部に来てみました.
 

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教員のHenrich先生が潜る

この実習では皆潜りまくります
 

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採集物の解説.教員のUeda-Sarson先生(右側手前)も興味津々です.
 

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お次は標本での動物の説明.
 

我々が整理した標本が活用されています

実は去年,標本瓶が劣化により危険な状態であることが判明したのがこの実習の時でした,

今年の冬に整備を行いました.
 

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水族館で,動物の系統関係の説明.

いつもながら良くできた系統樹です.
 

実習を通して動物のグループごとに班分けがされ,

最後に分類群ごとに研究発表を行ってもらいます.

白浜水族館には多種多様な海産無脊椎動物が飼育展示されていますので,

皆,自分の担当の分類群を一生懸命勉強していました.


 

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オニヒトデを撮影するタイ出身のPasin君.

実は彼は棘皮動物グループ(私が指導担当)の一員です.
 

インターナショナルな実習の幕開けです

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑦~オフショット集~

京大実習レポート最終話です
 

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最終日は恒例のBBQで打ち上げです

朝倉先生の乾杯のごあいさつ.
 

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海の幸も山の幸も食べつくせ
 

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ナーラさんのエジプトの手料理を堪能.
 

味覚が「美味しい」か「すごく美味しい」しかない私は

食レポが非常に苦手なのですが,

スパイスが効いていて酸味もあって美味しかったです.

(伝えきれなくて無念です)
 

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そして室内に移動して二次会(?)

打ち上げは夜遅くまで続きました.
 

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翌日はお掃除

お世話になった実習室を襲寺して帰りましょう
 

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朝倉先生の締めの挨拶.
 

動物学会などでは,近年発生進化学(エボデボ)や生態進化学(エコデボ)

と呼ばれる分野の研究発表が盛んです.
 

一方,「終った学問」という印象もある系統分類学ですが,

実際には多くの未記載種や学名の整理に,

まだまだやることが盛りだくさんの分野です.
 

それだけでなく,あらゆる分野の研究成果を全て形質として取り込めるという点で,

これからの発展性も見込める,やりがいのある分野だと私は感じています.

瀬戸臨海実験所は,そのような系統分類学を行っている,全国でも数少ない研究施設です.

興味のある学生は是非とも門戸をたたいてみてくださいね.
 

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最後に,ウミウシフィギュア+マグネットをお土産に持って帰ってもらいました.
 
 
 

というわけで
 
 
 
 

京大+公開臨海実習終了!

おつかれさまでした。


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑥

アーウィンループを作成しても,観察対象がいなくては実習は始まりません.

ということで,
 

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フジツボから
 

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砂の中から
 

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メイオベントスを採ります
 

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今回の目玉生物はコチラ.
 

チリハギガイという,体長数ミリの寄生性二枚貝です.

普通はイガイ類に寄生しているという話なのですが,

なんとヒザラガイの表面をガリガリ削ってみたところ,

この貝が得られました.
 

殻の中の黒くなっている部分では,

稚貝を育てているそうです.
 

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最後は朝倉先生による甲殻類の解剖.

磯に普通に見られるホンヤドカリを解剖し,

その機能形態や,体節性を学んでもらいました.

まずは殻を割って中身を取り出さなくてはなりません.

そのために使ったのが...
 

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この...
 

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万力

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実に優秀な対ヤドカリ兵器のおかげで,

このように硬い殻に引きこもったヤドカリも,無傷で白日の下にさらされました.

ちなみに,事前に採集したアルコール標本を用いています.
 

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このように,ピンセットで体節の付属肢を一本ずつ解体し,
 

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顕微鏡で観察します.

体節ごとの形態の違いを学んでもらいました
 

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 最後に,朝倉先生のセミナーで,

実習課題はおしまい

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑤~アーウィンループ作成!~

京大実習レポート第五弾
 

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毎度おなじみメイオベントス実習ですが,

今回は一味違いました
 

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その秘密はこれ!アーウィンループの作成を行いました
 

メイオベントスは非常に小さいため,普通のピンセットでつかむのが困難なばかりでなく,

掴んだとしてもプチッと潰してしまう場合があります.
 

そこで,このような金属製の小さな輪っかを作り,

その径中に表面張力でメイオベントスをトラップして無傷でスライドグラスに載せて観察します.
 

これを「アーウィンループ」と呼びます.
 

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コチラは作成風景.非常に繊細な作業です.
 

材料は以下の通り.
 

・タングステン線(0.2 mm径,0.4 mm径),

・0.1 mm径ニッケル線

・割り箸一本

・アロンアルファ
 

です.それでは作り方説明
 

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まず適当な長さ(20cmもあれば十分)のニッケル線を,

両端がほどけないように捩じって,輪っかを作ります.
 

1の部分に捩じり用タングステン線(0.4 mm径)を,

2の部分にループ作成用タングステン線(0.2 mm径)をひっかけ,
 

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片一方を固定して,捩じります
 

もうこれ以上捻じれない、というところまで行けば,

ループ用タングステン線と同じ径の輪っかを持つアーウィンループができるわけです.
 

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コチラが捩じりに捩じったループの部分.

お次はこのループの先をピンセットの手でつかむ部分に挟み...
 

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えい

とおもむろにペンチでプレスします.
 

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そうしてできたのがコチラ
 

アーウィンループのループ部分が,いい感じでひしゃげてさらに径が狭まりました

そしてお次は,
 

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このような柄付き針を用意し,割り箸の先端に刺して,穴を開けます.
 

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その穴に接着剤をたらり.
 

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そして乾かないうちにループの反対側をくっつければ...
 

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完成です
 

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残り少ない(大学生にとっては)夏休みですが,

貴方もこのアーウィンループでメイオベントス観察を楽しんでみては?
 

続く.

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習④

 

京大実習レポート第四弾

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今回は軟体動物の解剖です
 

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まずは番所崎で貝(二枚貝はダメ)を採る
 

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水族館の取水口でも採る
 

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今回の目的は,貝類の歯舌の観察です.

体内にある歯舌をとりだすため,
 

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肉抜きという技術を使います.
 

要するに茹でて軟体部だけを殻から取り出すのですが,

実はこれが,形態観察,DNA解析の両方を行う上で優れた方法なのです.
 

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以前も紹介したマツバガイ(カサガイ)の軟体部.
 

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これは何かといいますと...
 

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コチラ!タツナミガイは体内に歯舌がないなあと思っていたら,
 

こんな風に唇みたいになっていた構造が,実は歯舌だったようで,

これを取り出して観察してみると,ちゃんと歯舌状のザラザラ構造がみられました.
 

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取り出した歯舌を,電子顕微鏡で観察.
 

この日はかなり遅くまで観察を続けたようです.
 

お疲れ様でした


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習③

 

気付けば九月も終わりです

白浜では今年最後の実習が始まりました
 

それらの報告も早くできるように,まずは京大の実習のレポートの続きです
 

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畠島から持ち帰った生物の鑑定.
 

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採集・鑑定した生物を毎度のごとく,黒板に書き出していきます.
 

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それぞれの分類群ではそれぞれの専門の先生がご説明.

朝倉先生がヤドカリの鋏について熱く語っておられます.
 

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私も棘皮動物の説明を担当しました.

毎回,説明するたびに自分が知らないことが見つかります.

棘皮動物学も奥が深いです.
 

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これだけの生物が見つかりました

毎度思うのですが,たった半日採集しただけでこれだけ見つかるわけですから,

専門家が集って本気の採集を行えば,どれだけの種数に上るのでしょうね.
 

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夕食は,今夏お世話になったまるかわさん.

お店の外のプレハブを貸切です
 

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みんなで和気あいあいとお食事.
 

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カツです

デミグラスソースにもひと手間かかっていて,とても美味でした
 

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ごちそうさまでした
 

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帰ってから,カメノテとフジツボ解剖です
 

節足動物は,体制がはっきりとしているので,

各体節と他の節足動物との対比ができて,見ていて飽きません.  
 

続く.


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習②

学会のお次は,京大実習のレポートです.
 

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久保田先生のプランクトン実習.

多くの海洋生物は間接発生を行うため,

親と子の形が全然違います.
 

こちらは,親と子のそれぞれの写真から,

親子関係をつなぎ合わせる作業中.
 

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おお,なかなか大きめのクラゲが採れたようです.

最近,久保田先生は田辺湾で採集されるクラゲを長年連載で紹介されていますが,

最近,そのまとめがご著書として発売されました.
 

「魅惑的な暖海おクラゲたち~田辺湾(和歌山県)は日本一のクラゲ天国~」

http://book.akahoshitakuya.com/b/4907841159
 

要チェックです
 

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翌日は畠島へGO
 

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天気にも恵まれました
 

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たまには畠島の風景をご紹介しましょう.

こちらは畠島北西部に位置する小丸島.

潮がよければ,この小丸島へも歩いて渡れます
 

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小丸島を超えて,その先の部分まで来ました.

画面右上に見えるポコッとした島は,

わが実験所の在る番所崎の先端の塔島です.
 

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途中の泥岩帯で,足元の岩を割ってみると...
 

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このような穴が開いています.なんじゃこら.
 

犯人はこいつコツブムシですね.
 

ダイオウグソクムシと同じ等脚類で,ダンゴムシの仲間です.

泥岩に穴を開けて巣にしているのですが,

瀬戸内海のある島では,彼らによる激しい穿孔圧のせいで,

島自体がなくなってしまったとか
 

小さいながら,島ひとつを消してしまう破壊力を秘めた巨虫です.
 

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他にも,穿孔性のホシムシなどもみられました.

一見何気ない岩場にも,実はいろんな生き物が暮らしているのですね.
 

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往路では渡れた道が,復路では水没しているのはよくあること.

皆さん長靴に水をたっぷり湛えて帰りましたとさ

続く.


ヒザラガイの歯舌

突然ですが
 
 

軟体動物の一部のグループは
 
 

歯舌という,読んで字の通り,人間でいうところの歯と舌の機能が合わさったような組織を持ちます.
 
 

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例えばカサガイを茹でると,軟体部だけがコロッととれます.

コチラは背中側です.
 

紐のように見えるのは,消化管でしょうか.

あンた,背中が煤けてるぜ.
 

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コチラは口側.
 

左上の頭部を切開すると線状のものが見えてきます.

これがカサガイの歯舌です.
 

同様に,ヒザラガイの仲間も,同じような線状の歯舌を持っています.
 

種によって違いますが,歯舌の表面はヤスリのようにザラザラしており,

これで岩などの表面を舐めるようにして,藻類などを食べているそうです.
 

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そしてこのように,歯舌を二つ並べてみました.
 

実はヒザラガイの歯舌には鉄分が多く含まれており,

磁石に反応するというので,その検証実験をしてみます
 

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磁石をそっと近づけると...
 
 

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!!!
 
 
 

くっつきました 
 

カサガイ(マツバガイ)の歯舌には全く反応しなかったため,

少なくともマツバガイのものよりは鉄分を多く含んでいるようです.
 

という,簡単な実験のお話でした.
 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習

2014年9月4日~10日にかけて,

京都大学の臨海実習+公開臨海実習が開催されました!
 

この実習では,8月に行われた実習の発展版として,

様々な採集方や形態観察法を駆使して,

個々の分類群についての理解をより深める事を目的としています.
 

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全国津々浦々からソルジャーたちが集まりました.

おや,見た顔がいますね.最近リピーターが多いような気がします.

いいことです
 

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まずは研究所内の説明の後に...
 

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朝倉先生による講義

「動物の分類と体制」
 

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そして,宮崎先生による顕微鏡の使い方の説明です.
 

これで実習の下準備はばっちり

さて,今回はどのような無脊椎ドラマが繰り広げれられるのでしょうか?
 

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ところで,今回は鳥の脊椎骨を髪飾りにしている

古生物女子が参加してくれました(手前の人です).
 

なかなかの猛者が集ったようですね
 

続く.


関西学院大学臨海実習⑦

関学実習のレポート,いよいよラストです
 

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果たして畠島での採集手数は何種に上ったのか?
 

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なんと,海藻などを含めて99種でした

あと1種で100種でした
 

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内田先生の最後の講義.
 

このような情熱溢れる研究者がおられるおかげで,畠島の自然は維持されているのでしょう,

ありがとうございました
 

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夜中まで頑張ったご褒美として,みなさんにアイスが振舞われました

またいつでも白浜の自然を観察しに来てくださいね
 

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翌日,お土産にウミウシフィギュアを持って帰ってもらいました.

やはり顔のある分類群は人気が違いますね.みんな喜んでいました

これで海洋生物好きが一人でも増えてくれるといいですね
 

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最後に新しくなった水族館でパシャリ.
 

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名残おしいですが,いよいよお別れです.おつかれさまでした
 
 
 
 

といわけで
 
 
 

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関西学院大学実習レポート
 
 
 

これにて終了


関西学院大学臨海実習⑥

だいぶ遅くなりつつありますが,
 

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関学実習のレポートです
 

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持ち帰ったベントスを例のごとく,バットにあけて観察です.
 

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こちらはカニを鑑定中?
 

十脚類くらい研究が進んでいると,ある程度図鑑で同定できますが,

そうでない分類群はそもそも図鑑すらありません.
 

実はこの「そうでない分類群」,つまり研究が進んでいない分類群は結構多いのです.

今なら研究し放題ですよ
 

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これは,ナマコの骨片を偏光板を通して観察したところです.
 

プルテウス幼生の骨片はよく観察しますが,

ナマコの骨片もこんなに鮮やかに光らせられるとは知りませんでした.
 

様々な骨片の種類が一目瞭然ですね
 

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内田先生の熱血指導を受けつつ,鑑定結果を黒板に書き出します.
 

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黒板一枚では書ききれなかったようです.果たして何種とれたのか?
 

続く


関西学院大学臨海実習⑤

 

最終日は畠島に渡島です.
 

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いつもの船着場(寒さ裏)と違う場所でしばらく待つと...
 

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おお!われらが実習船ヤンチナがやってまいりました
 

大所帯の場合は一度で乗り切らないので,二班に分け,

先発隊を渡した後に後発隊を別の場所でピックアップします.
 

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船頭から乗船
 

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船上で楽しげな関先生(左)と富永先生(右).
 

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到着!分室の黒板を使った大和先生の講義のあと...
 

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いよいよ磯に出発
 

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内田先生,
 

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大和先生という黄金コンビにより,畠島の自然が余すところなく解説されます.
 

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初めてのタツナミガイに喜ぶ学生アリ.

紫の汁が出ないよう気を付けて
 

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ヤビーポンプ実演中.
 

素手採集が難しいアナジャコなどが採れました.

本当に優秀な兵器です.いつもお世話になっています.
 

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畠島北西部(外洋向き)の転石帯に行くと,生き物の様子がだいぶ違っています.
 

フジツボ一つとっても,内湾ではイワフジツボなどの小さな種類が多いのですが,

外洋に近づくとクロフジツボなどの大型種が増えてきます.

食べ物や波あたりと関係しているのでしょう.
 

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こんな自然豊かな畠島ですが,

上陸後に捨てられたと思われるゴミが時々見られます.
 

畠島は自然保護のため,無許可での上陸が禁止されています.
 

ご協力をお願いいたしますね.
 

続く.


関西学院大学臨海実習④

 

関学実習のレポートです.

ウニの正常発生は,プルテウス幼生まで進みました.
 

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こちらはモニターに映し出された幼生.

ある処理を施してやると...?
 

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ピカピカに光りました
 

これは,偏光板という一定方向の光しか通さない板で対象物を挟んで観察して得られた画像です.

プルテウス幼生になると体の中にカルシウムの骨片が出来てくるのですが,これは一定の方向性をもって配列した単結晶です.

偏光のみが反射される状態では,この単結晶以外は光が反射されないため,それだけが光って見えるということだそうです.

(という説明で合っているのか甚だ不安ですが)
 

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しかし美しいものは美しい
 

結晶の組成が,各部位で違うのでしょうか.

時折体の一部分だけが光ります.
 

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思わず関学の富永先生もパシャリ.

生き物の造形美ですよね.
 

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ウニとくればお次はプランクトンです

関学OBの内田先生が講師を務められます.
 

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プランクトンはなぜ浮いていられるのか?

浮くためにどんな努力をしているのか?
 

その答えは,この内田先生のポーズに隠されています.

後ろの黒板の文字と併せてご考察あれ.
 

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野外でプランクトン採集.

この実習では,円月島付近の流れの速い場所で泳ぎながらプランクトンネットを曳くという,

変わった方法をとります.
 

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これはベントス採集ではありません.プランクトン採集なのです
 

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内田先生の指示の元,全員で作業に取り掛かります
 

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最後に濾しとったプランクトンを瓶に集めます.
 

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実験室に持ち帰って,この日も遅くまで観察が続きました.

おつかれされまでした!
 

まだまだ続く.

 


関西学院大学臨海実習③

 関西学院大学実習レポート
 

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ムラサキウニの発生。講師は関学の関行人先生です.
 

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アセチルコリンを注射,放精放卵を見守るみなさん.

いつもの光景です.
 

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無事に配偶子を出してくれました

安定のムラサキウニさんは実力が違います.
 

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今回は一つ勉強させてもらったことがありました.

ウニは,自然状況下ではトゲを器用に動かして狭いところに入り込むため,
 

ビーカーの上に置いておくと,この手前のウニのように(危ない)

その中に入り込んでしまうことがあります.
 

その危機を防ぐため...
 

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このように,ビニールテープで入口を狭くしてやるというわけです
 

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...この方法が効果的でないウニもいるようです

まあ,コシダカは比較的管足が弱いので,

ビーカーの中に入っても取りやすいのでOK
 

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水替えは重要ですね

正常発生を効率よく観察するため,なるだけ快適な環境を維持してあげましょう
 

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きちんと水替え担当が組み込まれています.
 

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学生の要望に応え,ムラサキウニの解剖を行いました.
 

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パカッと開くと,腸や水管系が上下でつながっているのが観察できます.
 

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水につけてやると,内臓が浮き上がってその配置が見えやすくなります.
 

今回は尊いムラサキウニの命を犠牲にしましたが,

生殖巣だけ食べて捨てられるよりはその命を有意義に使えたはずです.
 

棘皮動物フィーバーの一日でした.


関西学院大学臨海実習②

関学実習レポートの続きです.
 

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一日目は食事後の夜も実習を続けます.
 

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昼間に採集したカメノテの解剖です
 

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講師はもちろんフジツボの専門家の大和先生です
 

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コチラはカメノテの仲間のエボシガイですね.
 

一見二枚貝のような殻を持っているように見えますが,

エビやカニ仲間で,れっきとした甲殻類です.
 

顎脚綱と呼ばれる,ケンミジンコや貝形虫などを含む仲間です.
 

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貝殻のように見える殻板を取り除き,根元をつまむと,

ツルのような曼脚を広げた様子が確認できます.
 

これは,カニなどの一番目立つ脚に該当する部分で,胸脚と呼ばれます.

この曼脚を殻の隙間から出して,水中の食べ物を捕獲します.
 

これが上を向いているということを考えると,

フジツボの殻の中での奇妙な姿勢分かってきます.
 

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これは,カメノテの体内から取り出した卵です.
 

やや発生が進んでいるようでした.この後ノープリウス,キプリス幼生と姿を変えていき,

最終的に岩に張り付く生活を送るようになります.
 

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関学の実習では,実習担当の助手の方も来られます.

お世話になった加藤さんです.濾過海水を作っています
 

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一日目から,夜遅くまで実習が続きました


関西学院大学臨海実習

 

先日,鳥取県立博物館の特別シンポジウムでの発表を終えてきました.
 

一般の方々を対象にということで緊張したのですが,

なかなか楽しくクモヒトデの紹介や,自分の研究の紹介ができたのではないかと思っています.
 

他の発表者の方々のお話も非常に興味深いものばかりで,

私自身もすっかり楽しんでしましました.
 

その様子はまたアップいたしますね.
 

まずはこの間終わった関西学院大学の臨海実習のレポートおば.
 

2014年8月22日~26日にかけて開催されました.

八月最後の臨海実習の様子をお送りいたします.
 

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お昼に学生さんが全員集合しました.24人の大所帯です.
 

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集合当日から磯に出ます
 

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南浜で磯観察.高潮時の南浜です.新鮮
 

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瀬戸臨海実験所からは大和先生が講師として参加しておられます.

ご専門のカメノテを採集です
 

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カメノテが曼脚を広げているのがみられました.

潮が高いときでないとなかなか見られません.
 

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漂流していた浮きに,同じ蔓脚類のエボシガイがついていました.

陸生のカメノテに比べ,はるかに成長スピードが速いのだとか.
 

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北浜からの道のりはおそらく海の下になってしまうので,

帰りは番所山公園を横断.
 

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帰所後水族館観察!新装開店後,大活躍の白浜水族館です.
 

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系統樹パネルの前での説明.

関学の講師の内田先生が活発に質問をしていらっしゃいます.
 

生涯現役ですね
 

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改修後見やすくなったと評判の小さな生き物の展示.

ここではホシムシやヒモムシ,カイメンなどの普段あまり注目されない生物にスポットが当てられているのです
 

続く.

 

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習オフショット集

関西学院大学の実習が,今日終わりました
 

そちらの写真もだいぶ溜まっているのですが,

まずは京大実習オフショット集です
 

今回もなかなか愉快な写真がたくさん撮れておりました.

その①
 

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OLYMPUS DIGITAL CAMERAフィールド移動中に他の車とはぐれて,

先の方の様子を見に行って帰ってきた大和先生でした

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その②

干潟でさっそうと歩く三年生のO塚君.

干潟二回目(3月の実習のリピーター)だけあって,

なかなかの足捌き.
 

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その③

久保田先生が撮影してくださった,干潟実習の風景.

全然気づかなかったのですが,いつの間にか久保田先生がいらっしゃっていて,

橋の上から激写してくださいました.

こうしてみると泥んこ遊び中にも見えますが,

実際に干潟を歩くと,結構大変なんです


 

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その④

磯歩きで学生が集めた貝シリーズ,

ハナマルユキ,ハルシャガイ,タガヤサンミナシ,ヤクシマダカラ,カタベガイなどなど.

海岸に打ち上げられたものだけでもかなりの種類が確認できます.
 

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その⑤

発生に使ったタコノマクラを解剖した強者あり

他の正形ウニと違い,かなり殻が厚く,ペンチで割る必要がありました.
 

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そのタコノマクラのアリストテレスのランタン(顎).

意外なことに,かなり大きく強固な顎を持っています.
 

海藻ではなく砂の中の有機物などを餌にしているのに,

なぜこんな顎が必要なのでしょうか.

体の骨格を維持するために,顎も支持組織として発達したのではないかという意見に落ち着きました.
 

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そして最後はコレ.ハマガニッのスケッチです
 

ハマガニッを捕まえた学生が,あまりにハマガニッを気に入ってしまったために,

渾身のスケッチを書き上げてしまいました.
 

彼のハマガニッへの愛情が伝わります.
 

スケッチしたハマガニッは,無事に元の場所に返されました.

※この表現は,実験所OBの藤本・メイオ・心太氏が

瀬戸ブロに寄稿してくれた記事を存分に参考にしました.


 

ということで,京大実習レポートおしまい!

お疲れ様でした!


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑧

京大実習レポートいよいよ大詰め
 

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この写真を覚えておいででしょうか?
 

自由課題実習です.
 

実はこれまでの実習に他の人たちが取り組んでいる間に,

滋賀県立大の杉本君が,

「潮間帯の岩礁や転石帯において,波や乾燥などの環境要因が,

貝類の分布に及ぼしている影響についての考察」

というテーマに取り組んでいました.
 

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鳥の巣,番所崎など数地点でコドラート・ライントランセクト調査を行い,

干潮時の海岸線から約1m 間隔で潮上帯まで50 cm四方のコドラートをとりました.
 

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得られたデータを解析中.

地点ごとにシャノン・ベイナー多様度指数(H’)や

類似度を算出しています.
 

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結果発表
 

台風の影響であまりたくさんデータが採れなかったので,

中野先生のコドラート調査のデータもお借りして比較に用いました.
 

分布図を書き,多様度などを地点ごとに比較したところ,

波あたりが強い場所では生物の多様性が高そうだ,

という考察に至りました.
 

そもそも生物学では,どうしても厳密なデータを採るのが難しいため,

たくさんのデータを採り,統計学的に処理することでその傾向を見る,

という手法が多くとられるます(特に生態学のような分野では).
 

台風でデータが得られなかったという原因はありますが,

今回はやや解析だよりになってしまったかもしれません.
 

例えば,分布図を書いてみた時点で,

肉食の捕食者のイボニシやシマレイシガイダマシ(巻貝)の分布と,

被食者のクログチガイ(固着性二枚貝)などの分布に,

ある程度の重なりがみられることがわかりました.
 

これを新たな出発点とし,

干潮時と満潮時での巻貝の挙動の違いや,

実際の捕食行動や捕食数から推測される捕食圧などを地点ごとに調べると,

さらに面白いことがわかったかもしれせん.
 

そして,新たに得られたデータを基に多様度や類似度を検定できれば,

解析をさらに「有意義」なものにできたでしょう.
 

また来年度,新たなチャレンジャーがこの謎を究明してくれることを祈ります
 

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実習の最終日は恒例のBBQ大会
 

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白浜の海の幸をたっぷりと堪能してもらいながら,

海洋生物談義に花を咲かせ,夜が更けていきましたとさ.
 

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一夜明けて,本当の最終日.

最後に宿舎と実験室の掃除をして,気持ちよく家に帰りましょう

こんなにピカピカにしてくれました!
 

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最後に白浜水族館をバックにパシャリ.
 

皆さんお疲れ様でした