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ウニの発生

2015年9月7日~9月12日 大阪大学「臨海実習」④

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実習二日目はウニ尽くしです

講師は引き続き古屋先生です.



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今回の主役はツマジロナガウニ.

ムラサキやコシダカなどの他のウニの生殖期が終わっていく中,

ツマジロナガウニは生殖期の本番に入ってくる,頼れるウニです.



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以前にもご紹介したかと思いますが,

このように毎回使う器具などの説明文は,

このようにラミネート加工されて使いまわしができます.

見習いたい工夫ですね.

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発生の次はウニの解剖です.

後口動物の中でも特異的な形の棘皮動物の体制を,

実際に解剖によって観察してもらうことで,

生物の体制の進化を考察してもらいます.



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まずはウニの棘をハサミで散棘(さんきょく)です.



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水の中に漬けることで,トゲが勢いよく飛んでいくのを防止します.



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外側をヤスリでゴリゴリ削ります.

内臓が殻のすぐ内側に裏打ちされているので,

丁寧に削らないと内臓を傷つける恐れがあります



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こちらが上手に解剖できた個体です.



左側が口側,右側が反口(肛門)側です.

黒く見えているものは消化管で,口から入って,

体の中を数周したのちに,肛門へつながっていきます.



右の黄色い部分は生殖巣で,みなさんがお寿司屋さんで口にする部分です.

こうしてみると,ちゃんと生殖巣も五つあり,星形に配置していることが分かります.

ヒトデと一緒ですね.


2015年8月17日~21日 関西学院大学「臨海実習」③

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解剖とくれば次はウニの発生実習です.

講師は関学の西脇先生です.
 

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 放精放卵のデモンストレーション.多くの学生が未知との遭遇を果たす瞬間です.
 

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学生もウニの発生にトライ

 
 

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 まずはウニの散髪です.散髪する方もされる方もいい表情.
 

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 そしておもむろに塩化アセチルコリンを注射.

今回の実習で使ったのはこのムラサキウニと,
 

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 コシダカウニです.
 

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 生物顕微鏡の鏡筒を回すときはご注意を

最近をこれを取り外して落としてしまう学生が相次いでおります.
 

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ということでウニの発生観察でした.

両ウニともしっかりと発生が進み,プルテウスまで観察ができました

 


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」おまけ

 

私は見くびっていました.



 
 
 

まさかあれほどの完成度とは.

実習が生み出した奇跡の映像を,私は入手してしました.



 
 
 

百聞は一見にしかず.

ご覧ください.
 
 
 

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ウニ発生組体操です

スマホで撮影したウニの受精卵の発生の経過を見ているうちに,

体で表現できるんじゃね?
 

と深夜に思いたち,実施してみたそうです.



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素晴らしいですね.

連日の実習により蓄積したウニへの愛情と,

非日常空間に絆された彼女らの熱意が生み出した芸術作品です.

 
 

私も長く実習に参加してきましたが,

これほど胸を打つ映像は初めて遭遇しました.



若者の無限の可能性を世に示した力作といえるでしょう.

本当に実習お疲れ様でした.

感動をありがとうございました!


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」⑧

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プランクトン・ベントス実習の次はウニの発生実験です.

講師は市立大学の水野先生にバトンタッチ.
 

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まずはウニの人工授精から.

デモンストレーションを河村博士が務められます. 
 

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今年はムラサキウニ,コシダカウニともに順調に放精放卵を誘発する事ができました 
 

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学生も実践.この実習では,実験の前にウニを真水に漬けます.

少しちゃぷちゃぷしたくらいではウニは死にませんが,

体の表面の微生物を殺すことができます.

これにより,微生物の繁殖による卵海水の水質悪化を防げます.



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小さなコシダカウニにアセチルコリンを注射
 

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なかなかの確率で成功したようです


2015年7月5日~9日「臨海実習(奈良教育大学)」➄

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奈良教育大学の実習は盛りだくさんです.

メイオベントス観察のお次はウニの発生観察です.
 

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卵を採取する際にウニの生殖孔(頭頂部にあります)を海水に漬ける必要があります.

その際にトゲが邪魔にならぬよう,頭の部分のトゲを鋏で切ります.

※棘はまた再生します.
 
 
 

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みんなでチョキチョキ,ウニの散髪です.
 

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塩化アセチルコリンを注射後,無事に卵が採れたようです

卵が水底に落ちていく様子は見ていて飽きません.

思わず写真を撮る学生もちらほら.
 

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無事に精子と卵が揃いました
 

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汚れなどで卵が悪くならないよう,洗浄を行ってあげます.

卵の入った容器をやさしく撹拌し,少し待って汚れが沈殿したところで,

まだ卵が待っている上澄みを,別の容器に移してあげます.

最後に濾過海水でメスアップしてあげれば,

清潔かつ酸素状態も良い海水に移し替えてあげたことになります.


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」②

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ホールスライドグラス(真ん中に半球状の穴が開いたスライドグラス)では,

深さの差によって卵の観察がしにくくなる場合があるため,

このようにテープで一様な深さの隙間を作り,そこで卵の観察を行います. 
 

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コシダカウニの受精卵.卵黄が透明な上に,

受精膜がよくわかるので臨海実習で重宝するウニです.
 

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ウニの受精卵の観察の後は水族館見学です.

まずは生物の系統樹を頭にいれつつ,
 

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バックヤードを見学します.

無脊椎動物をうまく飼育するための工夫がそこここに張り巡らされています.
 

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例えばこの水槽ではサンゴを飼育するための仕掛けがあります.

気になった方は,白浜水族館の解説ツアーに是非お越しください.
 

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大型魚類の大水槽では,丁度タイミングよく餌やり体験ができました

便宜を図ってくださった飼育員の加藤さん,ありがとうございました!
 

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こちらは最近リニューアルしたピカピカの標本室です

白浜周辺の動物の標本が連綿と保存されています.
 

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最後に,テラスから実験所前の海をながめました.
 

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...残念ながら,天気はあまり芳しくないようですが,

回復を期待しつつ,その後のカリキュラムをこなしましょう


2015年6月30日~7月4日「臨海実習(大阪教育大学)」

2015年6月30日~7月4日にかけて,

大阪教育大学教育学部の臨海実習が開催されました.
 

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講師は宮崎先生です.まずはウニの受精を行い,実習を通じて発生段階を見られるようにします.
 

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各自水槽から事前採集してあるウニを 取り出し,
 

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塩化アセチルコリンを注射して放精・放卵を促します.

今回使ったのはこのコシダカウニと,
 

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こちらのムラサキウニです.どちらもこの時期が生殖期です.

コシダカウニの方が卵黄が透明で胚発生の観察がしやすいのですが,

どちらかというと実験の成功度は低めです.

今回は両方ともうまくいきました
 

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放卵の様子を観察中.ウニが瓶の中に落ちないように注意
 

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 この部分が口だよー.引率の生田先生にも指導してもらいつつ,

無事に実験が行われました


和歌山大学 臨海実習 ⑦

 

 

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予定にはなかったのですが,急遽ウニの放精放卵にもチャレンジしてみることにしました.
 

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アセチルコリンを打ってしばし待つ.
 

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この時期はなかなかベストな生殖時期を持つウニが少ないのですが,

ムラサキウニの卵を観察できました

墨汁の中では,ゼリー層が観察できます.
 

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そしてまたすぐさまフィールドです.
 

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皆さんカッパで完全装備.なぜかというと...
 

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この日は風が強かった

波がザバザバかかってくるため,みな身をかがめてじっと耐えています.
 

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何とか上陸



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黒板を見ながら畠島の説明をした後...



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まずはお弁当で腹ごしらえ



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そして磯観察へ.果たして何が採れるのか?


龍谷大学実習⑦

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龍谷大学実習,いよいよ最終レポートです

最後の夜は打ち上げ!三日間お疲れ様でした
 

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宮崎先生も加わり,遅くまで宴は続いたそうですよ
 

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一夜明けて,最終日です.

二日目に受精させたウニもすくすく育ってくれました.
 

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最後の観察のあとは,お世話になった宿舎をお掃除してもらいました.

細かいところまで拭いてくれてありがとう
 

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最後に恒例のウミウシフィギュア進呈
 

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喜んでもらえたようです
 

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最後にみんなでパシャリ.

この実習を通じて,生物多様性と環境の関係を学んでもらえたのではないでしょうか.

磯に行ったときは,ぜひともいろんな生き物の観察にチャレンジしてみてくださいね
 


龍谷大学実習③

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龍谷大学実習,二日目はウニの発生です.
 

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ここでは生物顕微鏡を使います.扱い方はしっかりと.
 

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バフンウニは意外に棘が鋭く,

無理に水槽からはがそうとすると棘が手に刺さります

磯兼と網を使うのがベスト
 

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ウニに塩化アセチルコリンを注射して,放精,放卵を促します.
 

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実習生も実践
 

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こちらの班では卵が採れたようです.

瓶の底にたまっていく様子は,見ていて飽きないんですよね.
 

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採取した卵を洗い,精子の懸濁液と混ぜて受精完了
 

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後はすくすく育っていく過程を観察します.

お疲れ様でした


大阪大学臨海実習②

   東北の調査が無事おわりました
 

台風18,19号の影響下の絶妙なスケジューリングでした.
 

おそらく一日スケジュールがズレていれば,大変なことになっていたでしょう.
 

それなりに忙しく,ブログ更新が滞ってしまいましたが,

少しずつ記事にしていきます
 

ということでまずは阪大実習レポートの二日目です.
 

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畠島のお次はウニの発生実習
 

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TAの鈴木さんによるデモンストレーションの後...
 

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早速実践

濾過海水に長蛇の列ができているレアな瞬間をとらえました
 

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レッツ発生実験
 

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産むか産まないか,実験結果が可視的なため,

みんなの目も真剣です
 

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真剣なあまり表情に気を配れない様子
 

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「ああ...」
 

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「なんてことだ...」
 

妙な性比の偏りがあり,女子が使ったウニはオス,

男子が使ったウニはほとんどがメスだったのですが,

顔を覆っている彼だけが,オスを選んでしましました.
 

女子「アンタはこっち側やね」  
 

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モニター右上の方の未受精卵に,

毛のようなものが生えているのがおわかりでしょうか?

おそらくウニの体内に寄生している原生生物だそうです.
 

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オスが足りないということで,

急遽TAさんも発生にチャレンジ
 

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しっかりオスを引き当てたようです
 

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阪大では,伝統的にオスだけは解剖して精巣を取り出します.
 

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このように,精巣を冷やしておけばかなり精子が長持ちします.
 

ピンセットの先で精巣をチョンと触れば,

受精に十分な精子が採れるという仕組みです.
 

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実習頻出項目をラミネートしておく工夫に,個人的に関心しました.
 

各校には,積み重ねてきた経験に裏打ちされた工夫がありますね.

勉強になります
 

続く


大阪大学(留学生)臨海実習③

 

 

皆さんの努力の甲斐あって,畠島ではいろいろと珍しい生物が採れました

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ギンカクラゲ.
 

これで一個体かと思いきやなんと群体性のヒドロクラゲで,

真ん中の気胞体と呼ばれる部分に多数のポリプがぶら下っているのだそうです.

ちょっとボロボロになってしまっていますが,よくこんな小さなものを見つけましたね
 

甲殻類に挟まれて窮屈そうなカツオノエボシ.

触手が未熟なの失くしたのか,ほとんど気胞体の部分(烏帽子)しか残っていませんね.

猛毒のクラゲなので,触手には触れないよう注意
 

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 ガンガゼの撮影会. 
 

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畠島の次はウニの発生実習です
 

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さすがのムラサキウニさんもそろそろ生殖時期が終わりかけ.

ということで,ツマジロナガウニさんの出番です
 

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阪大の鈴木さんによる精子混入実験.

受精膜が上がるのを観察してもらいます.
 

未受精卵の表面に精子が到達すると,原形質膜と卵膜の間に空間(囲卵腔)ができ,

原形質膜の内側にある表層粒が爆発的に膨張し,

その内部にあった受精膜形成物質が囲卵腔に流れ込んで,

卵膜に内側から作用し,物理的にも化学的にも強固な受精膜が形成されるという仕組みです.
  
 

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ウニの精子を求める長蛇の列.

かつてこれほど(以下略
 

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実習課題は山積みです
 

お次はウニの解剖実習.まずトゲを鋏やピンセットで取り除いた後,

歯ブラシで丁寧に表皮を磨いてやります.
 

あまり知られていませんが,ウニやヒトデを含む棘皮動物は,

体の外側が必ず薄い皮でおおわれています.

そういう意味では,実は厳密にいうとウニのトゲなどは外骨格にも見えますが,

内骨格であるともいえるのです.
 

生物学辞典などを見ても,その辺りの決着は実はついていないそうです.
 

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丁寧に計測中.
 

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そして,ヤスリで赤道面を削って,横方向に開いてやると,

体内の構造がよく見えます.
 

時間がないときは鋏などで一気に割ってしまいますが,

ウニの内臓は殻の内部に裏打ちされているので,

それだと内臓を傷つける恐れがあります.
 

実はヤスリで外側から削ってやるのが,最もダメージが少なく内部形態を観察できる方法なのです.
 

続く.


関西学院大学臨海実習④

 

関学実習のレポートです.

ウニの正常発生は,プルテウス幼生まで進みました.
 

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こちらはモニターに映し出された幼生.

ある処理を施してやると...?
 

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ピカピカに光りました
 

これは,偏光板という一定方向の光しか通さない板で対象物を挟んで観察して得られた画像です.

プルテウス幼生になると体の中にカルシウムの骨片が出来てくるのですが,これは一定の方向性をもって配列した単結晶です.

偏光のみが反射される状態では,この単結晶以外は光が反射されないため,それだけが光って見えるということだそうです.

(という説明で合っているのか甚だ不安ですが)
 

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しかし美しいものは美しい
 

結晶の組成が,各部位で違うのでしょうか.

時折体の一部分だけが光ります.
 

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思わず関学の富永先生もパシャリ.

生き物の造形美ですよね.
 

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ウニとくればお次はプランクトンです

関学OBの内田先生が講師を務められます.
 

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プランクトンはなぜ浮いていられるのか?

浮くためにどんな努力をしているのか?
 

その答えは,この内田先生のポーズに隠されています.

後ろの黒板の文字と併せてご考察あれ.
 

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野外でプランクトン採集.

この実習では,円月島付近の流れの速い場所で泳ぎながらプランクトンネットを曳くという,

変わった方法をとります.
 

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これはベントス採集ではありません.プランクトン採集なのです
 

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内田先生の指示の元,全員で作業に取り掛かります
 

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最後に濾しとったプランクトンを瓶に集めます.
 

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実験室に持ち帰って,この日も遅くまで観察が続きました.

おつかれされまでした!
 

まだまだ続く.

 


関西学院大学臨海実習③

 関西学院大学実習レポート
 

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ムラサキウニの発生。講師は関学の関行人先生です.
 

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アセチルコリンを注射,放精放卵を見守るみなさん.

いつもの光景です.
 

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無事に配偶子を出してくれました

安定のムラサキウニさんは実力が違います.
 

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今回は一つ勉強させてもらったことがありました.

ウニは,自然状況下ではトゲを器用に動かして狭いところに入り込むため,
 

ビーカーの上に置いておくと,この手前のウニのように(危ない)

その中に入り込んでしまうことがあります.
 

その危機を防ぐため...
 

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このように,ビニールテープで入口を狭くしてやるというわけです
 

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...この方法が効果的でないウニもいるようです

まあ,コシダカは比較的管足が弱いので,

ビーカーの中に入っても取りやすいのでOK
 

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水替えは重要ですね

正常発生を効率よく観察するため,なるだけ快適な環境を維持してあげましょう
 

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きちんと水替え担当が組み込まれています.
 

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学生の要望に応え,ムラサキウニの解剖を行いました.
 

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パカッと開くと,腸や水管系が上下でつながっているのが観察できます.
 

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水につけてやると,内臓が浮き上がってその配置が見えやすくなります.
 

今回は尊いムラサキウニの命を犠牲にしましたが,

生殖巣だけ食べて捨てられるよりはその命を有意義に使えたはずです.
 

棘皮動物フィーバーの一日でした.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑤

 ナマコの卵成熟方法
 

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このように,謎の液に卵を浸し
 

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十分ほどしたら,スポイトで丁寧に液を海水に置換するだけ.
 

では,その液とは!?
 

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こちらです.ジチオトレイトール(DTT)溶液です.
 

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コチラを適当な濃度に調整し,冷凍庫で保管しておきます.
 

最終的な使用濃度は1 mMなので,

スペース確保のため,今回はその十倍の10 mMに調整した液を保管しました.
 

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こちらが処理前の卵.小さく映って見にくいかもしれませんが,

卵の中に.未成熟であることを示す大きな卵核胞と呼ばれる丸い構造が見えています.
 

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DTT溶液に曝すことで卵核胞が崩壊して見えなくなり(減数分裂が進み),

受精可能な状態となります.ちなみに,周りに群がっている小さな粒粒は精子です.
 

この精子の形も,ウニのものとは少し違います.
 

後はウニと同様に環境を整えながら,発生観察を行います.
 

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本実習ではもう一つ,ウニの掛け合わせ実験も行いました.
 

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その名の通り,様々なウニの精子と卵を採りだし,

総当たりで掛け合わせるというものです.
 

コチラはタコノマクラの採卵中.
 

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こちらは,各ウニ(ツマジロ,ムラサキ,コシダカ,ガンガゼ,タコノマクラ,ラッパなどなど)

から採取した精子の懸濁液です.
 

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今回は,ほとんどすべてのウニが放精,放卵してくれました

それぞれ掛け合わせの担当を決めて,結果を考察してもらいました.
 

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実験のあとはみんなで後片付け.
 

洗って干場に置くまででなく,元の場所に戻すまでが片づけです
 
 

勿論,すべてをいちいち洗った後に拭いて戻す必要はありませんが,

自然乾燥しにくい形状のものや,乾きかけのものは拭いておくと,

後の片づけが楽になります.
 

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夜中にそっと実習室を除いてみると,たくさんの学生がレポートに取り組んでいました.
 

今回の掛け合わせでは,受精の可否,発生段階の違いなどなど,

様々な興味深い結果が出たようです.
 

それぞれのウニの生息環境や系統関係を考慮すると,

面白いことが分かりそうですね

いいレポートがかけることを期待しています.
 

続く.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習④

京大実習レポートももう第四弾です.

付着生物実習の次は,発生学実習です
 

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講師は毎度おなじみ,宮崎先生です.

詳しい事前解説の様子は,これまでの実習の様子をご覧下さい.

今回は実践の様子をかいつまんでレポートいたします.
 

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ウニを散髪(棘)中.棘が飛んで目に入らないよう,ゴーグルで完全防備
 

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配偶子誘発物質(塩化アセチルコリン)を注射したウニを観察中.

雌であれば,生殖孔(反口側にある)が水につくようにして,卵が容器の底にたまるのを待ちます.
 

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採卵を観察中.なぜこのように,卵同士がくっつかずに,

一様の間隔で配置されるのか?気になったあなたは公開臨海実習に参加しましょう

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お次はナマコの発生実習です.

ナマコは,ウニのような薬品による放精抱卵の誘発が困難です.

そこで,このようにある方法でナマコの生殖腺を吐き出させます.
 

解剖によって精巣・卵巣を取り出すこともできますが,

とある方法で無傷(?)で吐き出させることができます.

気になったあなたは公開臨海実習に参加しましょう!
 

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赤いソーメンみたいのが取り出されました.

これは色からして卵巣ですね.このように,ピンセットでしごいてやると...
 

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赤い小さな粒粒をとりだすことができます.

これが卵です
 

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そしてこちらはクリーム色をした精巣です.

これもハサミ等でチョキチョキ切ってやると,精子を取り出すことができます.
 

では,あとはウニのようにこれらを混ぜ合わせておしまいかというと,

実はそう単純なものではありません.
 

ナマコの卵は,成体内では卵形成が減数分裂の第一分裂前期でブロックされています.

この状態では受精能力がなく,いくら精子の懸濁液と混ぜ合わせても受精は起こりません.
 

自然状況下では,温度変化などの環境変化を感じ取ったナマコが

体内で卵成熟を進め,放卵を行うのですが,

実験室での誘導はなかなか大変で,確実とは言えません.
 

そこで,本実習では「ある方法」によって,ナマコの卵を実験的に成熟させます.
 

その方法とはなんなのか?
 

ふふふ,気になってきたでしょう.
 

続きはまた明日
 
 
 
 

...余談ですが,ウニの卵はこのような方法を用いずとも,

放精,抱卵させた配偶子を混ぜ合わせることで簡単に受精させることができます.

このように,生殖期に配偶子が成熟状態で体内で待機している動物は実は少数派です.

ウニが古くから発生実験に使われてきた所以と言えるでしょう.
 

他にも,
 

・採集が容易

・放精・抱卵を簡単に誘発できる

・卵が大きく観察しやすい

・一年中,生殖期の種採集できる(場所によりますが).
 

などなど,実はウニは発生実験において,

唯一無二と言えるほどの優れた実験材料なのです.
 

と,何気なく棘皮動物アピールをしておきます


大阪市立大学実習②

ロンドンで一泊し,ポーツマスに移動しました。

これから三日間,棘皮動物に関するマニアックな国際会議が開かれます。
 

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ロンドンでのった地下鉄の乗車券.

正直「イギリス+地下鉄=オサレの方式」に乗っかってます.
 

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意外に夕暮れどきの地下鉄は混んでいました.

イギリシアンの方々も,通勤に苦労されているのですね...
 

 今は無事に発表を終えました。

あとは学会を楽しむだけです。
 

ということで,市大実習の続きです。
 

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 卵を受精させました.

このあと,正常発生はうまくいったようです。
 

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おや,小宮先生がなにか操作をされています.
 

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むむ,これはカルシウム(イオン)フリー?

人工的にカルシウムがない状態の海水を作り,発生にどのような影響を与えるのかを見る実験です.
 

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なんと桑実胚がこのようなぶどう状態に。

普通はきちんと球状に配置する割球が,このようにバラバラになっちゃいました。
 

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TAさんも活躍

タイ留学経験があると噂のタナチュウさん.
 

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 追加実験中の日野上さん(右)

いずれも頼りになる学生さんです。
 

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市大は千徳博士の古巣です.
 

小宮先生の後の実習を担当される後藤先生(分子実験のお師匠さんだそうです)と,

旧交を温めていました。
 

たくさんの先生方が集まり,いよいよ楽しくなってまいりました。

このあとの展開にも乞うご期待。
 

続く

 


奈良教育大学実習⑤

※本日の記事は若干グロ注意です 
 

先日,大阪市立大学の実習が無事に終了しました.

笑いあり,涙ありで,大変勉強になった一週間でした.
 

市立大学のレポートはまたのちにするとして,

まずは奈良教育大学実習のレポートです。
 

昨日の記事の最後に現れた謎の黒き物体たち...

その正体は!
 

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ニセクロナマコでした
 

麻酔されてだらーんとしています.

ナマコを海水につけた状態で,メントールの結晶をその上に浮かべておくと,

徐々に溶けたメントールによって麻酔されます.
 

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棘皮動物研究者の端くれとして,

デモンストレーションを務めさせていただきました.
 

ニセクロナマコ

たまには詳しく構造を解説しましょう.
 

上側が頭,下側がおしりです.

実は解剖の途中で切ってしまったのですが,

消化管が頭から肛門までつながっています.

赤い線の束が生殖腺で,本来は頭の近くの消化管につながっています.
 

左の方の消化管につながっているもやもやがあり,

そのうち茶色いほうが腸間膜(消化管から栄養を吸い取るところ)で,

白っぽいのが呼吸樹です.
 

体の後端の真っ白いのはキュビエ氏管です.

非常に粘着性の強い器官です,

刺激を受けるとこれを相手に浴びせ,困っているうちに逃げるそうです.
 

ちなみに体内にあるうちは粘着力はないのですが,

体の外に出る際に表面の構造が壊れて粘着力をの持つようになるそうです.
 

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学生さんもトライ。
 

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筋がいい学生さんばかりです.

これらは生殖腺がクリーム色なので,雄ですね(解説写真の個体は雌).
 

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こちらはナマコに飽き足らず,タツナミガイを解剖中.

さすが軟体動物.外套膜になかなか弾力があり,

ナマコより苦労したようです.
 

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そうこうしているうちに,成長を続けていた胞胚が,

いよいよ受精膜からハッチ(孵化)しようとしていました。
 

しばらくぐるぐる回っていると思ったら...
 

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ポンッ

と抜けていきました。

うまくタイミングが合わないとなかなか観察できない現象です.

みなさん,運がいいですね。
 

続く


奈良教育大学実習④

メイオベントス,プランクトン観察とくれば,

お次はウニの発生実験でしょう。
 

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河村博士の主導の元,

いざ発生実験開始。
 

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ウニの口の周りのやわらかい周口膜という部分に注射をうち,

1 mM塩化アセチルコリン(1 ml)を注入します.
 

二日目だけあって皆手慣れたものです.

笑顔すらこぼれる余裕っぷりです.
 

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研究員の間で抜群の定評を誇るムラサキウニは,

今回も優秀な成績で放精放卵をしてくれました。
 

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1時間30分後,第一卵割が始まっています.
 

割球が二つに増えている卵が観察できました。
 

ムラサキウニの卵は黒くて観察がしにくいという話もありますが,

親個体の採集や放精放卵のしやすさ,生殖時期の長さを考えると,

やはり発生実験には欠かせない動物と言えます.
 

私はそんなムラサキウニが好きです。
 

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これは一日目に時間差で受精させたもの.

もうプルテウス型幼生にまで変態が進んでいました。
 

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受精させたウニの幼生の入ったボウル.

このように,使ったウニの名前と,受精した時間をきっちり記録させましょう。
 

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水槽にうごめく謎の黒木物体...

その正体は次回の記事で明らかに。
 

続く


奈良教育大学実習①

いよいよ実習シーズンです。
 

6月30日~7月4日にかけて,奈良教育大学の実習が開催されました。
 

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大阪教育大学実習に引き続き,担当は宮崎先生です。
 

まずは開館直前の水族館解説です。
 

これだけのコンディションの整った状態の水族館を見られることもなかなかないでしょう.
 

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そしてすぐにウニの受精を行います.
 

後にも受精を行うのですが,まずは一日目に受精をさせてしまい,

時間差で発生の進んだ状態を観察してもらうためです.
 

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慎重に塩化アセチルコリンを注射.
 

今回使うのは,人口放精と放卵が比較的簡単な

ムラサキウニHeliocidaris crassispinaです。
 

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放卵が認められたら,さかさま(口を上)にして,

おしりをビーカーに満たした海水につけます.
 

静かに見ていると,真ん中のビーカーに見られるように,

卵が底の方に溜まっていきます.
 

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こちらは放精の様子.
 

精子の動きは,肉眼で絶対に見えず,海水中では白いもやのように見えます.

放精が確認されたら,おしりを,乾いたシャーレーの底に擦り付けるようにし,

ドライスパームと呼ばれる状態にして保存しておきます.
 

精子は海水につけると動き出し,すぐにエネルギーを消費してしまうのですが,

ドライスパームの状態で置いておけば何時間ももちます.
 

冷蔵庫などに入れておけば,さらに長持ちします.
 

この後いよいよ受精させるのですが,それはまた後のお話にしましょう。
 

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みなさんモニターに興味津々
 

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宮崎先生の受精卵の観察に,みなさん釘付けです.
 

向学心の高い学生さんに来ていただいて,うれしい限りです。
 

続く

 


大阪教育大学実習④

 大阪教育大学の実習最終レポートです。
 

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プランクトン観察を行いました.
 

他の実習では,こちらで用意したプランクトンを観察してもらうことが多いのですが,

この実習では自分たちで採集します.
 

北浜の船着場に出て,プロフェッショナル河村博士による

プランクトンネットの説明.
 

このネットを...
 

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投げる 
 
 

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投げる 
 
 

できるだけ遠くまで投げて,水面下50 cmくらいを

すーっと曳いてくるのがコツです。
 

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ネットで集められたプランクトンは,

おしりのゴムとプラスチックのチューブの中に集積されます.
 

ゴム止めを外して,サンプル瓶に移せば終了。

何か採れたかな?
 

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プランクトンやメイオベントスでは,

何年見ていてもわからないものが時々出てきます.
 

今回も謎の胞胚状の球形物体が採れました.
 

プロフェッショナルの久保田先生に見ていただき,

どうやら何かの卵(やはり胞胚だった?)ということが分かりましたが,

詳しい種類まではわかりませんでした.
 

まだまだ勉強することはたくさんあるのですね.
 

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最終日は水族館観察を行いました。
 

再開館直前のキレイな状態を観察で来て,みなさんたくさんのものを得てくれたことでしょう.

※私は古生物学会参加のため,最終日はおりませんでした.

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そして最後に,王道のウニの発生実験です。
 

コシダカウニは卵が透明なので発生観察に非常に適しているのですが,

繁殖時期が短いことと,採集がやや難しいため,

年によってはうまくいかないことがあります.
 

今年は大分うまくいったようです。
 

ということで,大教大の実習レポートは以上です。
 

この後,奈良教育大学,大阪市立大学の実習が目白押しでやってきています。
 

それらも徐々にレポートにしてきますのでお楽しみに。
 

(特に素敵なポージングをしてくださったみなさん)


2014年龍谷大学実習①

先日、2014年度第一発目となる龍谷大学の実習が行われました。

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今回の講師は学振PDの千徳博士です。

龍谷大の実習では毎年実験所の教員でなく、

所の学生やポスドクに担当を任せています。

去年は学振PDの諏訪さんが担当していました。

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この実習は実質3日という短い時間の中で、

磯観察、ウニの発生実験などを行います。

集合初日から千徳博士のウニの発生の講義です。

一応棘皮動物の研究をしている端くれからみても、

大変わかりやすく、的確にウニの発生の講義でした。

天晴です。

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ウニの放卵・放精は、アセチルコリンという薬品の投与によって誘発します。

どんな方法で、どんな場所に投与するのか?

みんな興味津々です。

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ペーパータオルをしいたバットの上にウニをとります。

(こうしないと、プラスチックのバットにウニが張り付いてしまって大変)

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そしてウニの口の周りにある周口膜というやわらかい部分に、

注射針をとおしてアセチルコリン(大体1 ml)を投与。

針の刺さるリアルな感触に恐れおののく学生多数。

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こうして受精させたウニたちの子供たちですが、

うまく発生がすすみました。

今回はバフンウニを使いましたが、

膜が透明で細胞の観察が容易でした。

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ですが、時間がたつとと酸素不足などから環境が悪くなります。

底に沈んでいるウニの卵を残し、そっと海水を入れ替えている様子。

すでに職人の顔になっていますねー。

続く