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調査 - 3. page

白浜ドレッジ④

先日のドレッジで変なクモヒトデが採れました.

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こいつです.

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残念ながら体は半分です.弱っているわけではなさそうなので,

分裂中かもしれません.

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変ポイント:体が皮で覆われている.

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更に変ポイント:腕の反口側で皮が内輪状になっている.

ふーむ,今同定を進めていて,こいつか?というところまでは行きついていますが...

ひょっとするととても面白いやつかもしれません.ホクホク.

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Ophiologimus hexactisも採れました.

すぐに盤が溶けてしまいます.今回も完全体の捕獲はならず.

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ちょっと大きめのスナクモヒトデ類.

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Ophiomusiumの類.この類は異様に体が硬いのですが,

一体普段どのように生活しているのでしょうか.

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トゲクモヒトデ類.深海に多い類です.

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 他にも,マツカサキンコと思われるものも.

棘皮とは思えませんねえ.


白浜ドレッジ③

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ドレッジでなかなか良さそうな基質が採れました.

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中に残った砂などを残さず回収!この中にお宝があります.

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海水でゆすぎながら,丁寧に基質の中を見ていくと...

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いろいろ採れました!この小さいのは全てサンゴ.

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抜けた歯のようですが,これも立派なサンゴ.

千徳博士ウハウハだそうです!

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そして...ん?
 

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おや?

(つд⊂)ゴシゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) …!?
 

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もづるです!
 

もづるが採れました!

白浜沖での調査を続けること2年あまり,やっともづるを手にすることができました!
 

いやーうれしい,ツノモヅルという種類ですよ.

飼育を試みて,生態や行動を明らかにしたいところ!

その他にも,たくさんいいくもひとでが採れました!
 

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ということで,大満足のドレッジでした!


白浜沖生物調査のお知らせ

京都大学瀬戸臨海実験所実験所では,
調査船「ヤンチナ」により,白浜沖の100-300 m海域において,
生物ドレッジによる採集と,プランクトン採集を行っています.
 
本年度は4-6月に集中的に行っており,5月は5/20-22, 5/27, 5/29の予定です.
 
これまでは,1mm以上の篩にかけたものをソーティングし,
ホルマリンまたはアルコールで固定しています.
 
必要とする生物は持ち帰り可能,
メイオベントスなどの特殊な採集にも対応,
採集地データも提供,
さらに当実験所での宿泊も可能です.
 
この調査に興味がおありの方は私までご一報を
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写真提供:河村博士
 
 
皆様の積極的なご利用をお待ちしております.

白浜ドレッジ②

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一回目のドレッジは砂砂でした.

砂の隙間に様々な生物が潜んでいるのです

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今日はいいぞー.水深を少し浅く,200mまで移動してもう一回

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ドレッジを待ってる間に,水面を漂っていた木片に付着していたミョウガガイをゲット

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フジツボ類の研究をしている新人の高橋さんの手に渡りました.

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新人といえばもう一人,三重大から来た吉川君(奥)もドレッジに参加してくれました

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そうこうしている間にドレッジが帰ってきました

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おお,貝の死に殻や石です

果たしてどんな生き物が潜んでいるのか
 

続く
 

※写真@河村博士


白浜ドレッジ

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先日,白浜ドレッジを行ってきました

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たまには酔ってない元気な姿をお見せしましょう.

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天気は最高!あっという間に水深300 mまで到着しました

ドレッジ投入

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今回は若手の技術職員さんも多く乗船しました.

技術の継承が行われています

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さあ何が上がってくるかな?

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ほんとに天気がよかったので,みんな元気

笑顔がこぼれます.

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さあドレッジが戻ってきました!中身はいかに?



※写真@河村博士


潜水士!

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潜水士試験に合格しました.

これで晴れて潜水士です.

一緒に受けに行った千徳博士も合格しました.
 

実技がなく完全にペーパーだけの試験ですが,

最近はこの免許がないとダイビング調査出来ない場所も増えてきています.
 

これで瀬戸臨海でも潜れますよ

(実は調査で潜ったことなかった)


ヤンチナドレッジ(20150414)②

ヤンチナドレッジでは,またいろいろとクモヒトデが採れました.
 

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Stegophiura sp. の反口側.
 

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同種の口側.よく採れるやつです.
 

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スナクモヒトデの類ですね.
 

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岩の隙間に隠れているところを発見しました.
 

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Ophiura kinbergi,クシノハクモヒトデです.

腕を器用に動かして砂の上を動き回ります.
 

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こちらは口側.少し深くなってくると,クシノハクモヒトデの類ばかりが採れる地帯が広がっています.


ヤンチナドレッジ(20150414)

2015年4月15日にヤンチナでドレッジ調査を行いました!
 

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あまり天候は優れませんでしたが,あとは荒れるばかりということで強行!
 

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風は有りませんでしたが,ややうねりが入っており,

アネロンを服用したはずが,やや酔ってしまいました.

最近体の衰えを感じます.
 
 

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手前の技術職員興田さんが,技術職員山内さんに,ウィンチ操作技術のレクチャー.

このようにいつでも安全確実に調査が行えるのは,技術職員さんが,

しっかりと技術を伝承してくださっているからですね.
 

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その甲斐あって,60-70 m辺りの砂場でドレッジが曳けました!
 

持ち帰ったクモヒトデを飼育中なのですが,とても面白いことがわかりそうなのです!

いまからワクワクですよ!


JAMBIO 合同沿岸調査⑥

 

 

 

三崎で採れたクモヒトデ第二弾. 
 

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Amphipholis sp. 
 

イソコモチクモヒトデAmphipholis squamata

スナクモヒトデAmphiphilis kochiiかなと思っているのですが,

小型であることと,六腕であることから確信が持てずにいます.
 

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Amphiura bellis
 
 

腕一本になってしまっても,基本的には5放射なので,

1放射でも残っていれば同定が可能です.

本種は比較的大きな輻楯を持っています.
 

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Ophiomyxa anisacantha

キヌハダクモヒトデですね.
 

このグループ(キヌハダクモヒトデ科)は,

体の内部構造を観察した松本(1915, 1917)によって

テヅルモヅル類と同じグループであると考えられていましたが,

最近のDNA解析の結果はこの説を支持していません.
 

クモヒトデの系統分類には,

まだまだやり残されていることがあります.


JAMBIO 合同沿岸調査⑤

 

 

 

相模湾で採れたクモヒトデを紹介しましょう. 
 

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Amphiura euopla ヤブクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
 

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Amphiura trachydisca イボスナクモヒトデ

相模湾,水深500 m,2015年1月20日.
 

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盤のアップ.盤上の鱗があまり細かくなく,

盤自体がポコっと半球状に盛り上がっているのが特徴です.
 

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Ophiura kinbergi クシノハクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.
 

良く採れるクモヒトデです. 
 

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Ophiothela danae ニシキクモヒトデ

油壷湾,水深~10 m,2015年1月19日.

カラフルな色彩が特徴.ふつうはヤギなどに絡んでいます.


 

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Stegophiura vivipara コモチクモヒトデ

相模湾,水深200 m,2015年1月20日.
 

盤が非常にしっかりした鱗に覆われています.

輻楯がオーバーラップしているのも本種の特徴.

その名の通り,体の中である程度の大きさになるまで子供を保育します.
 

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反口側は真っ赤ですが,口側はこのように白っぽくてかわいいやつです.
 

が,採れる時はわんさか採れるので油断なりません.


思い出

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昨年の伊良部島調査の際の写真をもらいました.
 

菅島臨海実験所の伊勢優史先生が撮ってくださったものです.

水面でぱちゃぱちゃしているのが私です.
 

この写真ではわかりませんが,この下は水深30 m辺りまで一気に落ち込んだ崖になっているのですが,

透明度が高いため水面からでも海底が見下ろせる絶景です.
 

あー,思い出したらまた行きたくなってきました.

また今年も潜りたいものです.
 

写真を提供してくださった伊勢先生,ありがとうございました


東大総合博物館

深海のサンプルは採れているのですが,

作業中の写真を撮り忘れていました.

そのうち,取り出したクモヒトデなどの写真をお見せしましょう.
 

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ということで,三崎の次に東大総合博物館にお邪魔しました.

佐々木先生(貝類研究をされています)のもとにお邪魔して,

色々と観察をさせてもらいました
 

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標本庫も見せていただきました

所狭しと標本が並べられています.

原則公開不可なので...雰囲気だけでもどうぞ
 

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こちらは,重井先生のウニコレクション

壁一面ウニ標本!圧巻です
 

中には明治―大正時代の標本もみられました.

再び日の目を見る時を待っているのでしょうね.


JAMBIO合同沿岸調査④

 

実験所の船着場を出港してしばらくすると,

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水鳥がついてきました.
 

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一定間隔を保ってついてきます.

君のエサになるようなものは残念ながら採れないんだよ~.
 

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とかなんとか言ってる間に,ポイントに到着.

水深700 mの地点ですが,1時間とかかりませんでした.

さすが相模湾ですねえ.
 

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手際よく技術職員さんがドレッジを投入.
 
 
 
 

一時間後.
 
 
 
 

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そろそろ上がってきます

サンプル受けの箱をひいて待機します.
 

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おお!ちゃんと曳けてました
 

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技術職員さんがサンプルを箱の中へ.

泥や岩などは入っていますが,果たして生物は採れているのか?


JAMBIO合同沿岸調査③

JAMBIO合同調査レポートの続きです.
 

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調査二日目は晴天で臨海丸による出港が可能

スクランブルです
 

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船に向かう一向.人数が多いだけに壮観です.

プロジェクト感が漂って参りました
 

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臨海丸の設備紹介.

ウインチには,2000 mのワイヤーが巻かれています

これで700 mの曳網が可能
 

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勿論Aフレームも搭載.

ヤンチナのものよりもやや背が高いので,

漁具が釣り下がっても甲板に付く心配ナシですね.
 

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こちらがドレッジちゃん.

いわゆる生物用ドレッジですね.

網を使っているので,生物が(比較的)傷まずに採れます.
 

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テンションメーター.

皆で見やすい位置にあるので,これを見ながらワイワイ楽しめます
 

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 いざ出港!果たして深海へのアクセスは可能なのか


JAMBIO合同沿岸調査②

合同沿岸調査一日目.
 

三崎の臨海実験所の研究船「臨海丸」で深場を曳く予定でしたが,

あいにく荒天のため湾内十数メートルのドレッジにとどまりました.
 

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近場でのドレッジで曳網時間が極めて短いため,

どんどんサンプルが上がります.

処理に追われる調査班.
 

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まずは上澄みをふるいにかけ,

表層の小さい生き物を濾しとります.
 

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残った砂や泥を篩にかけ,今度は目に見えるサイズの大物をセレクションします.
 

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すべての網を抜けた水にも,超微小な生物(メイオベントス)が残っています.

これらも余さず,メイオベントス班によって処理されます.
 

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一日目からなかなかハードな展開となりました.

果たして翌日は深場にたどり着けるのか?
 

続く.


ガマの油売り

 

 

三崎に着いた初日は,歓迎パーティでした.

全国津々浦々より,総勢18名の研究関係者が集う大規模な調査です.

宴もたけなわの頃...
 

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東大の鬼才,泉君による落語が始まりました

今回の題目は「蝦蟇の油」.

現所属(筑波)に因んだ憎いチョイスです.
 

素面の流れるような商人の口上と,酔いどれのへべれけ口調を,

見事に使い分けていました.
 

ちなみに,彼の台座になっているのは

重ねられたソファーの座部.
 

足元の台座は重ねられたソファーの座部.

不安定さを感じさせない見応えのあるアクションで,

聴衆を大いに沸かせていました.
 

こうして三崎の初夜は過ぎていきましたとさ.


JAMBIO合同沿岸調査

 

 

1/19日は残念ながら浅場での調査しかできませんでしたが,

1/20は天気が劇的に回復し,深場(200-700m)でドレッジができました
 

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三崎臨海実験所の船着き場.

非常に良いコンディションです
 

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採れた獲物をみんなでソーティング.

調査の様子はまた後日レポートいたします.
 

その後,いったん科博で日帰り調査をして,

今日は東大に行って,長かった関東調査もようやくお終いです.
 

あと少し,頑張ります


JAMBIO

先日から三崎に調査に来ております.
 

JAMBIOの合同沿岸調査で,船舶によるドレッジ調査に参加させてもらっています.
 

JAMBUIOとは,東大の三崎臨海実験所と筑波大学の下田臨海センターが共同で

海洋生物学の推進拠点を形成する事を目的とした機構で,

これまでにも様々な事業,共同調査,シンポジウムを開催しています.
 

ウェブサイトはコチラ↓(画像をクリック!)

JAMBIO

母体になっている「共同利用・共同研究拠点事業」は,

私が所属している共同教育拠点事業と同じ,文科省の認定を受けており,

我々としても大変興味深い事業です.
 

共同研究の応募も行われております.
 


三崎調査

 

 

科博での調査が終わり,三崎の臨海実験所に来ています.
 

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三崎といえばこちら!マグロでしょう

今日は少し贅沢にマグロステーキ丼を食べました.

船舶による深海生物調査を予定していたのですが,

今日は生憎の天気で湾内の浅場の調査にとどまりました.
 

明日の天気は回復気味ということなので,

ドレッジが曳けるように期待です


採集装備

今日は調査用の装備についてです
 

乗船調査中,レンチやニッパーなどが必要に

しかし,求める獲物は甲板の端っこ...

そんな時は
 

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このようなケースに収納して携行すればよいのです
 

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ということで,コーナンでケースを買ってきまして.
 

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別買いしたゴムひもを通します.
 

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さらに別買いしたプラスチックの差し込み具を,
 

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ゴムひもの先端に接続し,
 

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百均で買ったワイヤーで,
 

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折り返し部分を,
 

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固定
 

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ニッパーで余ったワイヤーをカット.
 

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じゃーん
 

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最後に,ワイヤーで固定した部分と,ゴムの折り返し部分を,

ビニールテープで固定して完成
 

今度の調査でさっそく使う予定です
 


戒め

 

 

トスロンバケツ...
 
 

野外調査に関わる者なら,誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

他の追随を許さない高密閉性を誇り,調査や標本保管に大活躍の優秀なバケツです.

特にテヅルモヅルのような大型の動物の研究には欠かせません.
 
 
 
 
 

先日のことです.調査道具を入れたトスロンバケツを郵送したところ,
 
 
 
 
 
 

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こんな姿になってしまいました.
 
 

側面ベッコリです.

もちろん犯人は私ではありません.

空輸による気圧の変化によるものです.
 

蓋にタオルなどを噛まして密閉性を低める事で対策できるのですが,

今回は発送から到着まで時間を持たせていたので,

まさか空輸はあるまいと油断していました.
 

いずれにせよ,変わり果てたトスロンの姿に枕を濡らしましたね.

気圧による更なる犠牲を防ぐため,そして自戒の意を込めここに記録します.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

※数日後にはトスロンは元通りになっていました.


伊良部島調査⑭

伊良部で採れた棘皮動物シリーズ
 

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まずは手始めにツマジロナガウニ.

どこにでもいます.
 

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ちょっと変わってオウサマウニ類.

やはりこの子はいつ見てもかっこいい
 

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腕がバラバラになってしまったクモヒトデ.まさにBrittle(=脆い) star(=ヒトデ)ですね.

この種は八放サンゴに絡んでいたのですが,うまく捕まえられなかったので,

私がピンセットでつついているうちに腕が切れてしまったようです.
 

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しかしご覧くださいこの盤の色彩の美しさ.

よく見ると,非常に長い棘も生えています.

おそらくトゲクモヒトデ科(Ophiotrichidae)というグループでしょう.
 

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フサクモヒトデ科(Ophiocomidae)の類.
 

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こいつも,盤をよく見ると網目模様でかっこいいじゃないですか
 

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もういっちょフサクモヒトデの類.
 

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これ,何かに似てると思ったら,サンゴの隔壁に似ている気がする!
 

「サンゴ 隔壁」で検索したら,こんな記事にいきあたりました.
 

なるほど,冬瓜にも似ているのですね.
 

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こちらはアワハダクモヒトデ(Ophiodermatidae)の類と思われます.
 

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盤の表面にも,小さなクモヒトデが(笑)

こいつは腕が小ぶりでなかなかキュートなヤツです.
 

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星形だけではありません。 棘皮度物の中には,6本以上の腕を持つ奴もいます.

数は少ないのですが,奇形などでなく,6本で種のなかで固定しているところを見ると,

祖先から分岐してしばらく経つクモヒトデの中には,

もはや星形にこだわる事をやめたのかもしれませんね.
 

実は,棘皮動物がなぜ五放射なのかという疑問に対する十分な答えはまだ得られておらず,

後生動物の体の仕組みを考える上での大きな謎のひとつとなっています.
 

いつかはそんな謎にも挑戦したいなあと思いながら,

まずは目の前の課題をこなさなくてはならないのでした.
 

今年もあと少し,頑張ります


伊良部島調査⑬

 まだまだお見せしたい写真はありますが,

そろそろ水中写真はこれでおしまいにいたしましょう.
 

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藻場に横たわるハネジナマコ.
 

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これはスギミドリイシとかいう種類のサンゴでしょうか?
 

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大きなテーブルサンゴ.
 

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塊状のサンゴ.
 

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様々な形のサンゴが目を楽しませてくれました.
 

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こんな風にカンザシゴカイの巣になっていたり,
 

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魚の隠れ家になっていたりと,生物多様性の基礎を支える重要なサンゴです.
 

最近,人工的な移入による珊瑚の保全活動が見られますが,

サンゴは無性生殖と有性生殖を行うため,

例えばサンゴの採集地点をうまくばらつかせないと,

移入元が全て無性生殖によるクローンだけということも考えられます.
 

その場合は有性生殖で次の世代が残せないため,

最近は,網羅的な遺伝子解析で,

移入元のサンゴの由来を調べる技術が発達しつつあるようです.
 

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いつまでもこんな美しい海藻とサンゴのコラボレーションがみられる海であるとよいですね.
 

続く.

 


伊良部島調査⑫

 

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まだまだ続けましょう,伊良部島の生きもの写真シリーズ
 

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前回とはまあ違ったウツボに遭遇.

こちらは太くてなかなか攻撃力が高そう.

グルグルドリル噛みつきにやられないよう退散
 

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岩の隙間に見えたサンゴ.

始は八放かと思ったのですが,どうもヒドロサンゴのようです.
 

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もう一つおまけにヒドロ虫.

頑張って触手がわかるような写真を撮りました
 

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ガンガゼに見えてちょっと違う.この針の細さは,タワシウニでしょうか.
 

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サンゴを覆っていたテルピオスとは違った,被覆性のカイメン.

ムラサキカイメンのようですが,正確に分類するためには骨片を見なくてはなりません.
 

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こんな風に生き物の姿がよく見られたのは,ひとえにこの快晴のおかげですね.
 

ここ数年,出張や調査の際の天気運に恵まれなかったのですが,

最近はなんだか恵まれています.
 

採集運的な厄年を抜けたのかもしれません


伊良部島調査⑪―外伝

 

 

先日のブログでお伝えした,このサンゴですが,
 

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記事を見てくださった伊勢先生から,驚きのコメントがよせられました.
 

なんと,この右半分の黒い部分は,サンゴが死んでいるのではなく.

テルピオス Terpios hoshinotaという,海綿動物なのだそうです
 

黒い被覆状の海綿で,サンゴを覆って殺し,時に大発生するのだとか.
 

黒色は,大量に共生しているシアノバクテリアの色で,

左半分もこの後,徐々に浸食されて死んでしまうやも,という事でした・
 

写真だけでここまでわかってしまうとは,やはり専門家はすごいですね.
 

自分の不勉強さを自覚すると共に,

生物の不思議を改めて感じるのでした.


伊良部島調査⑪

せっかくの機会なので,

今回はたくさん生物写真を紹介しましょう.
 

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普段何気なく見ているつもりのサンゴですが,
 

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よーく拡大してみると,一つ一つのセクションから,

小さなイソギンチャク状の触手(ポリプ)が伸びており,

群体性の刺胞動物であることがよくわかります.
 

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こちらは,白黒パンダ模様のサンゴではありません.

右側は死んでしまっているようです.
 

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生きている部分のポリプは, こんな風に非常に元気であります
 

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こちらは,遠目に見てもポリプがもさもさしているのがわかります.
 

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近づいてみても,一つ一つの触手が長いのがわかりますね.
 

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一見,ほとんど石のように見えるサンゴも,よーく近づくと...
 

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表面に小さなポリプが触手を伸ばしています

こんな風に,一口にサンゴと言っても,いろいろな形があるんですね.

なかなかサンゴのポリプをうまく写した写真を持っていなかったので,

今回はこの写真が取れだけでも満足です
 

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しかしわれらが棘皮動物も負けてはいません.

海草の間に突如として出現したマンジュウヒトデ.
 

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思わず多孔体を接写してしまいました.
 

よーく見ると,なんだか網目模様が見えます.いったい,これは何なのか.

標本だけからではわからないことに遭遇できるのも,フィールドワークの魅力に一つですね
 

ちなみに多孔体は,棘皮動物の肝とも言える器官で,

読んで字のごとく穴凹だらけのこの骨片の板を通して,

体の中の水が通る管(水管系)へ海水が入っていきます.

これがなければ,棘皮動物は管足を動かせないので,

食事はおろか,移動や呼吸にも支障をきたします.

逆に言えば,水管系はそれだけ棘皮動物にとって重要な器官ということです.
 

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しかし,でかい!これだけ巨大な体になれるのも,

実は水管系のおかげなのです
 

と,結局は棘皮動物のお話になってしまっているのでした.
 

続く.

 


伊良部島調査⑩

 

 

沖縄の海の生き物シリーズ,まだまだ続きますよ

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複雑な網目構造を作るエダサンゴ...ではなくて,

その奥にツマジロナガウニが潜んでいます
 

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アマモ類にくっついているホヤ.

よーく目を凝らすとかなりの数が見られました.

かなり巧妙に擬態しています.
 

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この手のひらほどの大きさのイモガイは?
 

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おそるおそるひっくり返してみると,どうやらマダライモのようでした.

いずにしろ怖いので,記録だけ残し,そっとしておきました.
 

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サンゴ塊の奥に,ウツボ発見

幅4-5 cmほどの小さな打ウツボでしたが,近づくと口を開けてしっかり威嚇してきます.

そっとその場を離れました.
 

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大きなサンゴには,大型の魚類の住処になっています.

オーバーハングしたサンゴの裏側には,ギョロ目のハリセンボンが.

じーっとこちらを観察しているようでした.
 

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おっと,ミノカサゴまでいました

楽しい海とはいえ,やはり危険がいっぱいですね.

十分気を付けましょう.
 

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こちらは,おそらくタマシキゴカイか何かの卵塊でしょう.

奥の方に,親の巣穴が見えます.
 

普段は潮間帯で干上がった状態の磯観察が多いため,

水中で見る生き物は,いずれもとても興味深い生態を見せてくれます.
 

 


伊良部島調査⑨

それでは,伊良部島の生物たちをご紹介します
 

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海草に紛れていたヒトデ.
 

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死サンゴにはたくさんの生物が固着しています.

ウミシダや...
 

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おそらくもう生殖時期が終わりかけですが,

必死に固着しているウミウチワの仲間.
 

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海草が途切れると,砂地にちらほらとサンゴ塊が現れます.
 

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かぼちゃみたいなヒダ状のサンゴ.
 

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サンゴの形はやはり見ていて多様です.

枝状,ヒダ状,塊状...
 

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おや,遠くの方に何かが見えます.
 

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キノコが花粉をまき散らしているわけではありません.
 

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何らかの調査で打ち込まれた杭の先端にサンゴが定着し,

魚の住処になっているようです.
 

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私が近づいていくと,サンゴの中に隠れてしまいました.

外からサンゴをつんつんしてみても逃げません.

どうやら相当頼りにしている隠れ家のようです.
 

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しばらくじーっとみていると,こちらの様子をうかがうようにそーっと出てきていました
 

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今回の調査で,サンゴと生物多様性の関係の一端が見えたような気がします.

様々な生物を育んでいるサンゴは,まさに海のゆりかごなのかもしれませんね.

何より,見た目に美しいサンゴは,それだけでも守る価値のあるものだと実感できました.
 

続く.

 


伊良部島調査⑧

せっかく水中シリーズなので,

私のダイビング装備を紹介いたしましょう
 

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その① ピンセット
 

基本アイテムです.危険生物や固い固着性の生物は,

まずこいつを使ってアタックを試みます.

脆い石なら破壊も可能です.
 

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その② ハサミ
 

ヒドロ虫などの樹状の生き物にクモヒトデが絡んでいる場合,

ピンセットではあーだこーだといじくってるうちにボロボロになることもしばしば.
 

そんな時には,これでホストごと切った方が,双方へのダメージが少なくて済みます.

百円ショップものですが,ここ数年は問題なく使えています.
 

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その③,記録用紙台と鉛筆.
 

そのまんま,水中での情報記録用ですが,紙は使いません.

この記録台に直接書き込みます.
 

紙の質によりますが,水中では紙に書き込むよりも,

プラスチックに書き込む方が断然効率が良かったりします.

試行錯誤の末にたどり着きました.
 

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その④ 洗濯網.
 

単なる日用品と侮るなかれ,

今回の調査で少し破けてしまいましたが,

私の装備の中では,

傑出した耐久力とコストパフォーマンスを兼ね備えた代物です.
 

ビニールパック袋やポリ瓶にサンプルを入れ,この袋の中に入れて地上に持ち帰ります.
 


伊良部島調査⑦

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見渡す限りの海草原でした.
 

よくこういった場所が「藻場」と呼ばれますが

海藻と海草は全く別物です.
 

海藻は,コンブやワカメに代表され,花は咲かせず,胞子体を作って生殖します.

一方海草はいわゆる「種子植物」の類で,花を咲かせて,種子によって生殖します.

海草の祖先は陸上由来と考えられているため,海には二次的に進化したことになります.

前置きが長くなりましたが,これらはおそらくアマモなどの類の立派な海草です.
 

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波に揺られる海草原は本当に幻想的でした.

水深も2-3 mと非常に浅かったため,

心置きなく生き物観察を楽しむことができました.
 

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他のメンバーも次々に降りてきます.
 

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水中でもライン調査が行われていたので,

興味深く拝見していました.

用意するものは,杭とハンマーと巻尺.
 

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まず,このように杭を地面に刺し...
 

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ハンマーで打ち込む 
 

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打ち込む 
 

杭の頭だけしか見えなくなるくらいにまで打ち込みまくります.
 

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杭の頭にはこのように,ライン用をの巻尺の一端を固定し,
 

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もう一方をもって泳ぎ,ラインを作ります.

終着地点では,もう一つ杭を使って端点を固定します.
 

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あとはラインにコドラートを沿わせ,

順番に写真を撮影していきます.

陸上で撮影した写真を見ながら各生物の被度を計算します.
 

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こちらは端点に浮かべられていた何か.

おそらくGPSかと思います.
 

今回は波も非常に穏やかでほとんど苦労はありませんでしたが,

場合によっては物が流されないように注意する必要があります.

今回の調査では,ダイビングの猛者の方々の「技」を目の当たりにして,

一つスキルアップした気がします
 

続く.

 


伊良部島調査⑥

伊良部島調査も佳境に差し掛かってまいりました

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最終日のダイビングポイントは,伊良部島と下地島の間にある佐和田の浜です.

遠くの方に,大きめの岩がゴロゴロ転がっています.
 

1771年に起こった「明和の大津波」で海底から運ばれたものだそうです.

このようなものを「津波石」というのですが,

実際に津波石をそれと認識して目の当たりにするのは初めてで,

島を壊滅させたという津波のすさまじさを見せつけられた思いでした.
 

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この「明和の大津波」で,標高の低い宮古島は壊滅的な打撃を受け,

12000人もの犠牲者が出たということです.
 

もし現在津波が起こった場合の陸上の安全対策に関しては不勉強ですが,

今回の我々の活動は,その被害評価のために役立つものと信じています. 
 

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ということで,今日も調査に励みます.

最終日は海人の方々ではなく,

ダイビングショップに船を出してもらいました.
 

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実はこれまで大人数でボートダイビングをしたことがなかったので,

今回の調査は,とても快適なのでした

どの船も,広くて作業がしやすいのです
 

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装備を整えて,出発!海岸には,人類文化学の調査メンバーの,

高橋さんと渡久地先生が見送りに来てくださっていました!

行ってきます
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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我々は再び海岸にいました

車の中にウェイトを忘れてしまっていたのです. 
 

改めて,出発
 

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何度でも言いたい

本当にきれいな海と空でした.

実はこの後,水中でもっと美しい光景を目の当たりにできたのです. 
 

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碇をおろし,いよいよ水中へ

次回はたくさん水中写真を紹介します
 

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こうご期待

 

 


伊良部島調査⑤

ダイビング調査二日目

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海藻やサンゴの研究者など,調査人数が増え,にぎやかになってきました
 

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出向直後に,お神酒を海に奉納し,調査の安全を祈ります. 
 

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調査の合間に,とても優しい海人が,いろんな差し入れをしてくださいます.

クッキーやコーヒーに始まり,
 

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船長お手製のスープや,
 

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なんとお昼にラーメンを振舞ってくださいました

南国とはいえ,濡れた体で風にあたっているとどんどん体温が奪われます.

暖かいスープがとても体に沁みました...
 

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ちなみに,この日も漁は絶好調のようで,

南国らしい色とりどりのお魚が釣れていました.

モンガラカワハギやスズメダイの仲間など,

素手では絶対に採れない魚をポンポン釣り上げる様子を見ていると,

人類の生活を支えてきた漁法には,やはり人の英知が詰まっているのだなあと,

いまさらながら感銘を受けていました.
 

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日が傾きかけたころ,やっとこさ調査終了.

調査地から港へは約1時間弱です.
 

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その間,船尾に糸を泳がせ,大物を狙った釣りを行っていました.

残念ながら今回は釣れませんでしたが,シイラやカツオなどが釣れるそうです
 

続く

 


伊良部島調査④

一日に複数回潜るので,途中でダイビングショップからボンベを補給してもらいました.
 

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いい感じの時間帯になると,ダイビングショップの船が接近
 

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ロープを使ってしばらく船を横付けし,

使用済みと未使用のボンベを交換です.
 

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なんとウミヘビを捕まえる猛者が
 

安全な種類だと,行動を見極めてコツをつかめば,比較的簡単に捕まえられるそうです.
 

ちなみに,沖縄の言葉でウミヘビは「イラブー」.

今回の調査で,誰かが伊良部島の語源はウミヘビなのかも,と言っていました.
 

真偽のほどはさておき,実際に泳いでいると結構ウミヘビに遭遇する確率が高く,

舌をチロチロさせた蛇が水中を器用に泳いでいるのを見ていると,

なんだか不思議な気分になりました.
 

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持ち帰った生物は,担当班ごとに分かれて,撮影し,標本にします.
 

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みなさんそれぞれの技を使って次々に標本化していきます.
 

沖縄のみなさんはとても写真を撮るのが上手な人が多く,

いろいろと撮影技術を勉強させてもらいました.
 

たとえばフラッシュ一つとっても,フラッシュ自体にカメラのシャッターが内臓されているものや,

無線で本体の信号をキャッチするものなど,

今後の撮影意欲を駆り立てられる面白アイテムがたくさん見られました
 

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その場できっちりと記録をつけていくと,

あとの作業が楽になります.

諸先輩方の技術をたくさん学ばせてもらいました


伊良部島調査③

 

今日はいよいよダイビング調査です
 

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漁師さんの船をお借りして,

ボートダイビングをさせてもらいました
 

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調査日の三日間は天候に恵まれました

ご覧くださいこの快晴
 

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早く紺碧の海に潜りたくてうずうずしている伊勢先生(左)と,

フクロムシの専門家の琉大の吉田博士(右).

お二人とも,スキューバ経験豊富な頼れる研究者です
 

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ふと近くの丘を見上げると,調査リーダーの藤田博士(海の自然史研究所)が.
 

沖縄の離島調査では,海人(うみんちゅ:漁師さん)の協力が必要不可欠ですが,

藤田博士は長年にわたって沖縄で調査をされており,

沖縄の海人からの信頼の厚い,優れた自然史研究者です.
 

今回の調査は,藤田博士以外にはなしえない調査だったでしょう.

お誘いいただいて,本当に良い経験をさせてもらいました

ありがとうございました
 

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漁師さんがサビキ釣り中.
 

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鮮やかな赤い色のグルクンと思われます.

基本的には,漁の合間の船の停泊中にダイビングをさせてもらっています.

惜しみない協力をいただいた海人の皆様,ありがとうございました
 

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休憩中の様子.

透明度が高くて,まるで浮かんでいるようです.

本当に美しい海ですね.
 

沖縄の美ら海がますます好きになってしまいました.
 

続く


伊良部島調査②

 

沖縄調査のレポートを書きましょう
 

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沿岸性の生物調査部隊は,潮間帯も攻めました

干潮時間は真っ暗けの午前12時.
 

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しかしその方が面白生物との遭遇確率がアップしようというもの.

それぞれライトを手に,浅海の生き物にアタックです.

フィールドワーカーは,状況がつらいほど燃えるという側面を備えています.

こちらが調査用具.様々な生物を採集するための強力な武器たちです.
 

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巻尺の一端を固定し...
 

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もう一端を伸ばしてライン(今回は50 m)をつくり,

そのライン上の幅約1m間の生物を,定量的に調査します.

「ライン調査」と呼ばれる,非常にありふれた生態学的調査手法の一つです.
 

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夜中に出現した生き物シリーズ.

砂に潜って隠れているハゼ.
 

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威嚇のポーズをとるクマドリオウギガニ(多分).

他にもミナミコメツキガニなどのカニ類が多数見られました.
 

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しっかり触手を広げたハナギンチャク類.

光を当てていると,少しずつ触手が縮んでいきました.

夜中ならではの光景です
 

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なぜかマングローブの葉の裏に特異的についている巻貝類.

おそらくイロタマキビだとか.

いずれも沖縄では普通に見られる生物かもしれませんが,

普段本州で見ている生物相との違いに興奮しっぱなしの一夜でした
 

この後,採集した生物を仕分けして,翌日のダイビングに備えました


伊良部島調査①

沖縄西方の伊良部島に調査に行ってきましたよ
 

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白浜を出発してから,関空経由で沖縄本島で飛行機を乗換え...

8時間かけて,ようやく伊良部島のお隣の宮古島にたどり着きました.
 

海岸線からやや離れた場所に白波が立っています.

そこに珊瑚礁の際(リーフエッジ)がある証拠です。南国ですね~.
 

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宮古島空港では,先に到着していた名古屋大学の伊勢先生がお出迎え.

海綿動物の専門家で,私の出身研究室の先輩なんですよ
 

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宮古島から伊良部島へ移動開始.
 

珊瑚礁が隆起してできた島ということで高い山がほとんどありません.

見渡す限りのサトウキビ畑
 

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宮古島から伊良部島へは,この「スーパーライナーはやて」で

約20分です
 

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日が傾いてきてとてもムーディーです.
 

ちなみに,この写真にうっすら見えているのは,

来年に開通予定の,宮古島と伊良部島を新しく繋ぐ橋です.
 

開通すると,伊良部島への人の流入が格段に増すと予期出できます.

そこで生態系に影響が出る前に,

その生物相を網羅的に調査・記録しようというのが今回の調査目的です.
 

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一日かけて,伊良部島の調査拠点にたどり着きました.
 

今年最後の調査が始まりますよ


タイへ行ってきました⑫

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船の出航時間が迫ってきたので,コテージに戻っていると
 

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なんと道端にウシが二頭。この島はウシさんパラダイスです
 

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こちらのウシさんは向いてくれませんでしたが,
 

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こちらの実にウシらしい柄のウシさんは,

正面から撮れました
 

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そんなこんなで,プーケットに帰る時間になりました.

同じく帰り便を待ち受ける観光客で,ビーチは溢れています
 

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対して明らかに観光でない我々
 

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やや天候が不安でしたが,無事に帰ることができましたとさ.


タイへ行ってきました⑪

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調査が終わった翌日,本島行の便の出港まで時間があったので,

ちょっくら島を散歩してきました.
 

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なかなか風流な眺めです.
 

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時々,小さな池がありました.

こんなつり橋もあったのですが,普通にすぐ横に回り道できる道があったので,

実用的なものではないのかもしれません.
 

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おお,なんかめっちゃリゾートチックなコテージ海岸が見えます
 

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「ホテル居住者のみ」
 
 
 

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落胆してとぼとぼ歩いていると,牛さん

しかもこいつは水牛っぽい
 

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水牛さんも交えた写真を撮れて満足です


タイの水族館②

 

ずいぶん前のことになりますが,

タイの水族館のレポートが途中になっておりました.
 

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途中から無脊椎も本気を出してきました

赤と白のストライプが美しいサラサエビ.
 

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カメラに向かってポージングをしてくれました.

すかさず激写
 

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ホネナシサンゴ.
 

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そして最後はまたお魚ゾーンへ.

なんだか考え込んでいるタツノオトシゴ.
 

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巨大なタマカイ.こんなのと一緒に泳げたら,楽しいでしょうねえ.

※ただし,稀にダイバーに強力な一撃を加えることもあるそうです.注意
 

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海中トンネルまでありました

定番のエイが真上を通過してくれて満足

しかし,エイの口側って何とも言えない顔に見えますよね.
 

そうこうしているうちに,イベントの時間が始まりました

薄暗いシアタールームのような場所に行くと...
 

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何と人魚のロボットが

何年か前に韓国で開催された環境保全のイベントで作られたそうです.

かなり滑らかに動いており,音声に合わせて口を動かしていました.

タイの技術力の粋をみました
 

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お客さんは我々のみという贅沢さ

広々空間で,保全について学びました.

因みに,後で判明したのですが,この人魚のロボットは日本製だそうです.
 

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出口(入口)付近に,なぜかヒトデの詳しい体の仕組みのパネルや,
 

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ナマコの食事法についてのパネルが展示してあることに気づきました.

何故かわかりませんが,この水族館ではずいぶん棘皮動物を贔屓にしてもらっているようです.
 

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これはナマコのデミグラスソース煮込み?

これは棘皮動物研究者としては一度は食べておかねばならない代物ですね.
 

こんな感じで,タイの最終日は過ぎていったのでした.