4月の龍谷大学の実習のレポートです。
前回までのお話はこちら.
畠島で採集した生物の鑑定からスタートです。
バケツに採集してきた生き物を,机の上で白いプラスチックの「バット」にあけていきます.
タツナミガイ,ニセクロナマコ,イソナマコ...
ここは長虫状のものを集めていますねえ...
...おや?
こ,これは!
ユムシじゃないですか
ゴカイやミミズなどの環形動物に似た生き物ですが,体節がなく,別の動物門と考えられている生き物です。
(最近はDNA解析の結果から,環形動物門の仲間と考えられつつあります)
特に特徴的なのが頭から伸びたスプーン状の吻で,
種類によってはこれが何メートルもの長さになります.
地面の下などに穴を掘って隠れ住むためなかなかお目にかかることのない動物ですが,
転石の下に何気なくいたそうです.
学生は「ミドリユムシ」と同定していましたが,
分類が進んでいないため,同定の真偽は専門家に聞いてみないとわかりません.
図鑑を片手に悩む学生アリ.
いつて海胆の同定を助けてやりました,
瓶についた奇妙なコブあり.
なんとカニが絡まっているやうだ。
瓶から出ようとしてもがいているうちに こうなってしまったのでしょうか。
この後,やさしくほどいて逃がしてやりました.
そしておなじみナマコの解剖です.
今回は(も)ニセクロナマコの解剖でした.
ナマコはかなり内臓がしっかり見えて,
結構グ○なのですが,意外に多くの学生が興味を持っていました.
面白生物解析シリーズ,お次は千徳博士の「単体サンゴ」の解説。
群体性ばかりと思われがちなサンゴですが,実は単体で生き抜くたくましいサンゴもいるのです.
珍しい生き物に,みなさん興味津々です。
こうして楽しく鑑定は続いていくのでした。
続く.