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2014年9月25日~30日 大阪大学 理学部 「臨海実習」

大阪大学臨海実習⑦

いよいよ阪大の実習も終わりました

後は楽しい打ち上げを残すのみ
 

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西田先生を中心に場が盛り上がります.

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花火が始まりました
 

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 「ダンブ○ドア!」

 某有名映画のシーンを再現らしいです
 

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 西田先生を囲って,まるで儀式のようです
 

 
 
 
 

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 皆さん,いい笑顔ですね
 

ふと自分が学部生のころ,

長い夏休みに時間を持て余し気味だったことを思い出しました 


それに比べ,自然環境に囲まれた現場で,

大いに科学を学び,大いに遊んだ彼らは

何と有意義な夏休みを過ごしたことでしょうか.

胸を張って後期を迎えてください
 

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 翌日,きちんと朝から掃除です
 

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 自分たちが使った食器も,きっちりもとに戻しましょう
 

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 宿泊棟をピカピカに掃除してくれました
 

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 恒例のウミウシフィギュアの謹呈と...
 

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 アンケート集計です
 

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そして締めの挨拶.

皆さん,本当にお疲れ様でした
 
 
 
 

そして,この実習を最後に,瀬戸臨海の今年の大学実習は終わりです.

これでしばらくは実習はありません.
 

お酒の学問の秋の到来です
 

色々とやりたいことが溜まっているので,少しずつ消化していきます


大阪大学臨海実習⑥

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一番手はフナムシの行動実験の発表
 

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フナムシのジグザグ行動の検証ですが,

曲がり角にぶつかった際,

初めに左右の触覚どちらかが当たったのと反対の方向に曲がるのでは?

という仮説のもと,実証に取り組んでくれました.
 

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「触覚に注目した実験は初めてだ」

先生方からも意見が飛び交います.
 

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フナムシの行動実験二つ目です.

この班では,明暗が行動に及ぼす影響に注目しており,

迷路にカバーを掛けてみるなどのユニークな実験に取り組んでいました.
 

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「それを検証するためには,他にどんな実験をすればいいと思う?」

学生の意見を引き出そうとする質問です.
 

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お次はpHがウニの受精に与える影響に関しての実験です.
 

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受精卵から,精子を誘引する物質(彼らは「卵エキス」と読んでいた)

が分泌されており,その物質の影響が大きいのではないかということを検証しようとしていました.

こちらも非常にユニークな着眼点でした.
 

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次は巻貝の生理学実験です.
 

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色々な塩の組成で巻貝の出殼反応を試しましたが,

どの塩の組み合わせが本当に巻貝に認知されているのかが詰めきれなかったようです.
 

このような化学的な実験は,微量な化学物質の差で実験結果が変わってしまいます.

そのような指摘にも耐えうる高精度な実験を行ってくれました
 

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締めは巻貝の出殼反応第二弾です.
 

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普通,この実験は巻貝の反応について,殻から出て動き回る,

という行動をポジティブな反応のMaxとするのですが,

彼はそのまま観察していると,突っついても動かなくなる

(「馬鹿になる」と表現されていました)ことを見出しました.
 

実は今回実験に使った塩化マグネシウムは海産無脊椎動物の麻酔薬によく使われています.

彼が見出したこの馬鹿になる反応は,

まさに塩化マグネシウム溶液に漬けた時によく現れる傾向が出ていました.
 

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目の付け所は面白かったのですが,

実験方法の詰に甘い部分があり,西田先生から指導が入っていました.
 

自由課題実習の醍醐味は,

多様な自然環境の中から興味深い題材を発掘することにも意義はありますが,

それ以上に,自分が選んだ課題をいかに科学的に検証していくか,

という方法を学んでもらえるところに大きな意義があります.
 

その指導を行うためには,

普段の研究生活の中で常に科学的な思考を養っていかなくてはならないのだということを,

私たちも学ばせていただきました.
 

当たり前の事ですが,日々の雑務にも追われつつも,

この感覚をキープしなくていはいけませんね.

ちなみに,16:00から発表をはじめて,終了したのは19:00でした

みなさん本当にお疲れ様でした
 
 
 
 
 
 

 


大阪大学臨海実習⑤

阪大臨海実習もいよいよ佳境に突入
 

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後半は生理学・発生学実習.担当ボスの西田先生です.

ホヤを主な材料としておられる,発生学の大御所です.

ウェブページはコチラ↓

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/index-j.html
 
 

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この実習では,
 

「フナムシの行動」

「ウニの受精におけるpHの影響」

「巻貝の出殼反応」
 

という三つのテーマから班でそれぞれ1つを選び,

二日間にかけて実験を行ってもらいます.
 

簡単な目的や実験手法だけはテキストに明示していますが,

そのあとは実験から得られた結果を考察し,仮説を立て,

それをまた実験で検証していく...

というサイクルを,自分自身で行ってもらい,

科学的検証法を体得してもらうのが目的です.
 

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フナムシ班の実験材料収集.

これからフナムシを獲りまくるのだ
 

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やや潮が高いが頑張れ
 

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ちなみに,網だけでなくホウキもフナムシ採集のための立派な武器です.

岩の隙間に潜むフナムシをこのホウキでサッと払い,

下に構えたバケツに落とすという戦法です.
 

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こちらは巻貝の出殼反応実験.

まずは様々なイオン組成の水溶液を用意し...
 

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あらかじめ採集しておいた巻貝を浸し,

どのような反応をするかを観察します.
 

大きく分けて,殻からでる,殻の中に引っ込む,とかいった反応がありますが,

このような結果を水溶液の組成,実際の生態をあわせて考察し,

彼らが自然状況下でどのような塩に反応しているのかを調べます.
 

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巻貝を大量に使うため,場合によっては追加採集も行わなくてはなりません
 

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こちらはウニの受精をpHの関係を調べる実験.
 

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新調したpHメーターが活躍中

様々なpHの水溶液を作るのはそれほど難しくないのですが,
 

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このように受精に用いる配偶子を何度もウニから得なければならず,

作業量が多くなる実験です.
 

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こちらは,阪大留学生の実習でも行っていたフナムシ用の迷路作りですね.
 

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結果を元に新たな実験系を自分でデザインするため,

多様な形の迷路が作られます

学生の工夫が見られるので,この迷路をみるだけでもなかなか楽しめます.
 

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さて,いよいよ研究成果の発表会です

まずは発表順決め
 

ジャンケン,
 

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ホイ!
 

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順番が決まったようです

さあ,いよいよ今年最後の大学実習の発表会が行なわれますよ


大阪大学臨海実習④

なまこの骨片の観察方法について

解説致しましょう
 
 
 
 

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材料:
 

なまこ
ハサミ
スライドグラス
カバーグラス
キッチンハイター

顕微鏡

以上 
 

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まずはなまこの体表の皮を
 

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このように切り取り
 

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スライドグラスとカバーグラスでサンドイッチ

(この時,指の腹などで軽く押してやるとなおgood)
 

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生物顕微鏡で観察
 

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わかりにくいですね


 

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5倍希釈のハイターに少し漬けてやり,皮膚を溶かします

(スライドグラスとカバーグラスの隙間に注入してもOK)
 

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皮膚が溶けて,炭酸カルシウムの骨片が見えました
 

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非常に小さいのですが,かなりはっきりと形が決まっています.

なまこでは,この骨片の形を見て分類を行っています.
 

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お次はウニの解剖

ナガウニを求める長蛇の列.
 

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皆真剣に取り組んでいます.
 

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まずはハサミで棘を短く刈りましょう.
 

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そしてピンセットで刺を抜き...
 

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歯ブラシで表皮を削り取ります.
 

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ヤスリで赤道面上の殻を削る

すると...
 

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パカ 
 

っと割れて,中の様子が観察できます.


 

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上手くわると,消化管などが繋がった様子が観察できます.

ちなみに,右側のクリーム色の部分が生殖巣(精巣かな)で,

右側の真ん中の白い丸い物体が,アリストテレスのランタンとも言われるウニの口器です.

そのランタンから伸びている黒い筋状のものが,消化管ですね.

顕微鏡で観察すれば,このランタンの周りの水管系の配置などが詳しく観察できます.
 

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おや,突如実習室に見慣れた顔が...
 

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モッチーです!なんともっちーが連休を利用して瀬戸臨海に遊びに来ていました

既に元師匠の宮崎先生と一杯飲んできた模様.

カメラを向けるとポージングするところは相変わらずでした

福岡で元気に仕事に取り組んでいるそうです
 

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そんなこんなで,実習の前半は無事終了しました.

後半開始した学生たちに挨拶する古谷先生.
 

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TAの奥田さん,鈴木さんとともに帰阪されました.
 

おつかれさまでした!
 

続く.


大阪大学臨海実習③

 

ウニの発生の合間に,磯に出ました.

TAの中島さんのやる気がここでも発揮されます
 

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天気にも恵まれました
 

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中島さんは海からの遊撃部隊.

いいものを捕まえてきてください
 

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おや,何をしているのでしょう?
 

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ここぞとばかりに記念写真でした
 

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この日はやや潮が高め.
 

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いつもは簡単に渡れる場所も,足場に気を付けないと到達困難
 

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やっとたどり着きました.

この付近は,番所崎の最も突き出た部分で,

外洋性の生き物もちらほら見られます.
 

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そのうちの一種,トゲウミトサカ.

八放サンゴと呼ばれる,硬い骨格を持たないいわゆるソフトコーラルです.

中島さんが水中で撮影してくれました!
 

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遊撃部隊のお手柄

手に持っているのはオオウミシダです

中島さんは,なんとウミシダの研究に興味があるそうです.

未来の棘皮研究者ですね
 

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本当に天気がいい!塔島と青空がいいバランスで景色を作っています
 

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思わず水切りをしてしまいますね
 

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とあるタイドプールに,イソスジエビの群集を発見
 

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カメラに近づいてきました

好奇心旺盛ですね.
 

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タイドプールにはいろんな生き物が潜んでいます.

残念ながらこの画面には全ては映っていないのですが,

原始的と言われるものから高等と言われるものまで,

様々な生物の行動や,繁殖生態が勉強できたようです.
 

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硬い地盤にポツポツ開けられた穴.

これは人工物ではなく,少しの隙間に溜まった石などが,

波の作用で隙間の表面を削りながらぐるぐる回ることで,

どんどんと大きなったものがこの穴になったそうです.
 

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そんなこんなの楽しい磯観察でした
 

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潮が高くなってきて,南浜経由では帰れなくなってしまいました
 

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心配ご無用,そんなときは番所山公園から実験所に帰ってこられます.
 

今年からリニューアルした番所山講演には見所いっぱいです.

秋の行楽に,是非とも訪れられてみては?
 

そして水族館にも訪れられてみては?

続く


大阪大学臨海実習②

   東北の調査が無事おわりました
 

台風18,19号の影響下の絶妙なスケジューリングでした.
 

おそらく一日スケジュールがズレていれば,大変なことになっていたでしょう.
 

それなりに忙しく,ブログ更新が滞ってしまいましたが,

少しずつ記事にしていきます
 

ということでまずは阪大実習レポートの二日目です.
 

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畠島のお次はウニの発生実習
 

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TAの鈴木さんによるデモンストレーションの後...
 

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早速実践

濾過海水に長蛇の列ができているレアな瞬間をとらえました
 

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レッツ発生実験
 

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産むか産まないか,実験結果が可視的なため,

みんなの目も真剣です
 

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真剣なあまり表情に気を配れない様子
 

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「ああ...」
 

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「なんてことだ...」
 

妙な性比の偏りがあり,女子が使ったウニはオス,

男子が使ったウニはほとんどがメスだったのですが,

顔を覆っている彼だけが,オスを選んでしましました.
 

女子「アンタはこっち側やね」  
 

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モニター右上の方の未受精卵に,

毛のようなものが生えているのがおわかりでしょうか?

おそらくウニの体内に寄生している原生生物だそうです.
 

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オスが足りないということで,

急遽TAさんも発生にチャレンジ
 

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しっかりオスを引き当てたようです
 

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阪大では,伝統的にオスだけは解剖して精巣を取り出します.
 

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このように,精巣を冷やしておけばかなり精子が長持ちします.
 

ピンセットの先で精巣をチョンと触れば,

受精に十分な精子が採れるという仕組みです.
 

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実習頻出項目をラミネートしておく工夫に,個人的に関心しました.
 

各校には,積み重ねてきた経験に裏打ちされた工夫がありますね.

勉強になります
 

続く


大阪大学臨海実習

9月25日~30日にかけて,

大阪大学の臨海実習が開催されました
 

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磯採集の講師は久保田先生
 

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畠島での熱い生物解説です
 

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TAさんがドライスーツでやる気まんまんです

彼は,去年も大阪大学の実習で瀬戸に来ていた中島くんです.

過去の臨海実習で出会った学生が,

瀬戸に再訪してくれると,なんだか嬉しくなります.
 

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帰ったあとは,プランクトン観察です.
 

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河村さんが,夜中に集魚灯を仕掛けてくださいました
 

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集魚灯の周りを網ですくって,

昼間は見られない生き物がたくさん見られました
 

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本実習は二部構成になっており,前半では系統部類学の古屋先生のチームが,

後半では発生学の西田先生のチームが担当されます.

こちらは古屋先生の下で学位を取得された,

イタチムシ(腹毛動物)を研究されている鈴木さん.
 

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美味しいイカ焼きをこしらえてくださいました
 

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乾杯!

 

この夏最後の実習がはじまりました