和歌山大学実習レポートも
ついにラストです。
和歌山大学ではコドラートを使った実習も行います.
コドラート調査では,このように特定の方形枠を設定し(50 cm×50 cmなど),
その枠の中にいる生物の組成を調べる方法です.
今回の実習では,潮上帯(潮が満ちても水が来ず,水しぶきだけがあたる場所),
潮間帯(普段は水の底で,干潮時に陸になる場所)
潮下帯(干潮時にだけ陸になる場所)
に分けてコドラート調査が行われました.
これにより,水深ごとの生物分布を比較します.
デジカメで方形内を撮影.
後の情報整理に役立ちます.
あまりに計測個体数が多い場合は,一部分の計測値をもとに,
全体の計測数を割り出す方法をとります.
なんだかクイックスを思い出しますね.
この日は潮がよく引いていたので,
普段は渡れない塔島までわたることができました。
先端まで行くと,外洋性の生物が少しだけ見られたりします.
現場で同定できなかったものは,
実習室へ持ち帰ってじっくり鑑定します。
そして最後の実習,プランクトン観察。
本当はウニの発生実験も行う予定だったのですが,
なぜかムラサキウニがうまく放精放卵しなかったため,中止となってしまったのです.
時期はそんなに悪くなかったのですが,不思議ですね.
予想外のハプニングもある意味,生物を扱った実習の醍醐味です.
プランクトン実習では,先生でもわからないような生き物が出てくることがあります.
先生と学生で頭を悩ませながら種を同定することもしばしば.
先生お手製の篩で,実験所のすぐ裏の海水を濾してみました。
結構たくさんのプランクトンが採れたようですよ.
そんなこんなで,野外尽くしの和歌山大学実習でした.
そろそろ実習シーズンに突入します.
この夏は学会,実習,提出期限のある論文に大忙しになりそうです.
まずは目の前の日本動物分類学会第50回大会で頑張って発表してきます!