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2016年7月28日~8月10日「平成28年度 蒼鷹丸第三次調査航海」

2016年蒼鷹丸調査➉

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今回の調査では鹿児島に入港したのですが,

その際に,鹿児島大学の上野先生と一緒にダイビングに行く事になりました.



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事前連絡もしていなかったのですが,

上野先生がわざわざ近くのダイビングショップと話をつけてくださり,

ダイビングの装備をお借りできました.ありがとうございます



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車で道なき道を行きます.



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ウェットスーツに着替え,準備万端の上野さん.



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残念ながら調査地の写真を撮り忘れてしまったのですが(痛恨の極み),

ダイビングショップからの夕焼けはとても綺麗でした.

実はクモヒトデもかなり採れました.

また鹿児島で調査をしたいものです.


2016年蒼鷹丸調査⑨

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今回の調査ではちょっと珍しい事が起きました.

ベントスネットの揚収.なんだか,ちょっと様子が変です.



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あ,真ん中のビーム(木の棒)が折れてます.

漁具が海底の岩などに引っかかるとっても危険なので,

非常な圧力がかかると,どこかが壊れて,漁具にダメージがいかないようにしています.



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それでも,揚がった網にはいろんな生物が絡んでいます.



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どっさり!一つ一つが宝です.



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クモヒトデもたくさん採れました.



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頑張ってソーティングした結果です.

右の塊と左の塊,多分違う種だと思います.



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アルコールに浸しているので,体が硬直しています.

まるでカッ○ラーメンのよう...



丁重に標本にして持ち帰りました.


2016年蒼鷹丸調査⑧

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海洋調査の代表的な調査器具の一つといえば,採泥器でしょう.

こちらはマルチコアラーと呼ばれる採泥器です.

一度に四本の筒の中に,海底の泥を採ってこられる優れものです.
 

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泥の中に筒を沈められるようにとっても重い錘を付けているので,

採泥器は基本的に重いです.このようにクレーンなどを使わないと,

運ぶことすら困難です.



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こちらは秘密兵器,水中動画撮影用のカメラです.



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これを,採泥の様子が撮れる位置に取り付けます.

後から見せてもらいましたが,とても良く撮れていました



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油圧機を使って慎重に運び...
 

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投入!
 

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そして,あっという間に帰ってきました.

曳網時間等がない分,比較的採泥は早く終わります.
 

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しかし上がってからが大変です.

このようにコアを固定して...
 

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泥を層別に採取していきます.

このような現場での努力が,様々な研究成果につながるのですね.


2016年蒼鷹丸調査⑦

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蒼鷹丸のカゴ調査についてご紹介します.

画面左側にある人の背丈ほどもある大きなカゴを沈めて,

その中に入ってくる生物を捕まえます.



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このようなロープの結び目に,籠を一つ一つひっかけます.



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そして,順番に投入.全部で五つのカゴが投入されます・



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最後に,カゴが浮かないように錘を投入.これで一日待ちます.



 
 
 
 
 
 

翌日



 
 
 
 
 
 

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カゴが上がってきました.さて,成果は...?



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おお,採れています!グソクムシに,ヌタウナギ等々...

カゴの中にはイワシの切り身が餌として入っています.

これにおびき寄せられた生物が,カゴの側面の穴から入ってきて出られ無くなるという仕組みです.
 

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グソクムシがどっさり

これだけ大量に採れれば,体内の放射線の量を測るのに使えるそうです.

我々はこの中から,個体数の少ない生物を分けてもらえました


2016年蒼鷹丸調査⑥

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蒼鷹丸調査日記,お次の武器はドレッジです.

ベントスネットよりも一回り小さい(それでも瀬戸臨海のものより大きい)のですが,網目が細かく,

より小さな生物まで余すところなく採集する事ができます.
 

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投入前に,船員さんが一言

「これ,穴空いてない?」

言われて見てみると,確かにその通り.

しかしさすがは百戦錬磨の船員さん.

あっという間に網を補修してしまいました.



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さていよいよ投入です.

クレーンとワイヤーを使って,慎重に海中へ投入します.

私はなぜこんな高みの見物視点かというと...
 

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野帳に採集地点データを記録しておりました.

さぼっているわけではありません.これも立派なお仕事なのです.
 

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海中から帰ってきたドレッジ.

果たして何が入っているのか.

採れた獲物は,また後日ご紹介いたしましょう.
 

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サンプルは,なるべく船上で細かいレベルまでソーティングしてしまいます.

こちらは同乗した科博の小川君(左:ナマコ専門)と斎藤先生(右:ヒザラガイ,無板類専門)です.



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こんな感じで蒼鷹丸の調査は進んでいきました.


2016年蒼鷹丸調査➄

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次はいよいよ,ベントス採集です.

まずはベントスネット.間口1 mを越える大きな網です.



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こちらも,船員さんによって,慎重に,



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海中に下されます.いいものが採れますように



ロープの操出速度は,速ければ1.5 m/s位ですが,

大抵1 m/sで繰り出していました.

水深の約2倍のロープを繰り出すので,例えば水深1000 mに網を下す場合は,

ロープを2000 m繰り出すとして,最低2000秒(=30分強)かかります.

ロープを繰り出してから,ベントスネットの場合は約30分を曳網時間とします.

そして,操出よりも少し遅いスピードで巻き上げを行うため,



30 + 30 + 40=約100分


 

をかけて,網を揚げる計算になります.



さらに,水深が深くなると網の浮力による漁具の着底時間の遅延が無視できなくなります.

船によっては,1000 mごとに1時間の待機時間を作ります.

ですので,もし水深5000 mに網を下す場合,
 

網下し:10000秒=約3時間

待機+曳網:5時間半

網巻上:10000秒=約3時間
 

計11時間半!半日丸々かける事になります.
 

蒼鷹丸ではこの待機時間をうんと短く(1時間半)にしているようですが,

それでも7時間オーバーです.

深海調査の大変さがお分かりいただけるでしょうか?



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水深数百 mから揚がってきたサンプル達.

クモヒトデがたくさん採れています.
 

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このそうめんみたいなもの,全てクモヒトデの腕です.
 

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余すところなく収集しました.手伝ってくださった瀬戸臨海の井上峻輔さんに感謝です


2016年蒼鷹丸調査④

蒼鷹丸調査の一発目は,CTDによる採水でした.



CTD(Conductivity【電気伝導度】,Temperature【水温】,Depth【水深】)
*海水の塩分、水温、圧力(深度)を計測するセンサーで構成された観測装置です。ケーブルにつないで海水中に投下し、水温と塩分の深さ方向の分布を観測します(http://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/observe/seawater.htmlより)。



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このロケットみたいな棒がたくさん連なったものがCTD装置です.



船員さんの慎重な操作の元,海中に投入されます.



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船上組は,揚がってきた海水の採水作業の準備です.

ホースで採水を行います.



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海水が揚がってきました.

この筒一本一本が,船上からのリモート操作で任意に閉じる仕組みになっています.

これによって,好きな深度の採水が行えるという仕組みです.

 
 

この筒の下側にホースを接続し,丈夫な袋に採水していきます.

水深数千mとなると,手がかじかむほど水温が低くなります.



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無事採水が終わった後は,海水を抜いて,慎重に中身を洗います.

少しでも海水が残っていると,その後の採水に影響が出てしまうためです.


2016年蒼鷹丸調査③

蒼鷹丸で扱う漁具をご紹介.

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エントリーナンバー1「ベントスネット」

いわゆる底曳網です.数十分間海底を引きずり,比較的大きな生物を多量に採集します.



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これくらいの網目です.ほとんどの底質は抜けて,

石ころや,粘度の高い泥くらいしか残りません.



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こちらは白浜でも活躍したドレッジの大型(間口1 m)ver. です.

内側に目の細かい網があるので,砂などと一緒に,小さな生物も採集できます.



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こちらがカゴ.中にイワシの切り身などの餌を入れて海底に沈め,

一晩放置しておくと,中に魚やカニなどが入ってきます.



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そしてこれらを牽引するロープ.

蒼鷹丸は10000 mものロープを巻いています.

10000 m分のロープ...どれくらいのロープ幅になっているのか,

検討もつきませんね.


2016年蒼鷹丸調査②

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出港日の朝.



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いよいよ最後のLeg(*)の始まりです.

研究室で緊張の面持ちで出港を待つ面々.

*Leg・・・一回の航海調査の区分けのこと.



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最終Legの調査地点も貼り出されて,準備万端です.

蒼鷹丸は今回,横浜→東北→小樽→博多→横浜と,

日本をほぼ一周する形で回ります.



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陸と船を繋いでいたタラップが,



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船員さんによって収納されました.



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いよいよ出港です.サラバ陸

  こんにちは大海原



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天気は上々でほとんど揺れはありません.

この日は移動のみで,翌日からいよいよ調査です


2016年蒼鷹丸調査①

2016年7月29日~8月10日にかけて,

中央水産研究所の調査船「蒼鷹丸」の調査航海に参加してきました.



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前期最後の講義を追え,一路成田へ.

LCCは貧乏研究者の味方です.
 

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夜も大分更けた頃,博多港に着きました.

真っ暗な港で光を放つ蒼鷹丸は,どこか安心感を与えてくれました.



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船内はこんな感じ.これは研究者が主な作業を行うドライルームです.

各研究者が持ち込んだ研究器材で溢れています.



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第4代目蒼鷹丸.

全長67.5 m, 892トン.

ウィンチロープ長約10,000 m.
 

我々の分野の研究者が乗船できる調査船の中では,

最大級の船です.
 

2週間の調査の日々が幕を開けます